知事記者会見の概要(令和4年9月1日(木))

最終更新日 2022年9月13日ページID 050624

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令和4年9月1日(木曜日)
10:30~12:20
県庁 大会議室

 

知事写真220901

 

【知事】

 まず、私から4点お話をさせていただきます。

 

〔配布資料:令和4年度9月補正予算案について ポイント予算案の概要主要事業

 1点目は9月補正予算案についてです。9月補正予算案のポイントですが、まず9月補正予算の規模としては過去最大となっています。そして、8月の大雨災害がありましたので、この災害復旧や被災者の支援を早期に行う。できるだけ県費負担を小さくしながらやっていくという工夫をしていきます。あわせまして、物価高の対策、新型コロナ対策、そして新幹線開業などに向けて、一般的な補正ということで編成いたしました。結果として431億円の規模でして、ここまでの累計の予算現計は5,614億円になっています。

 主な項目として、8月大雨災害への対応、物価高騰対策、そして新型コロナ感染症への対策、さらに福井県の長期ビジョンの推進です。

 最初に8月大雨災害対策として、被害を受けられた方々の生活・住宅支援です。対策本部の中でもお話しましたが、住宅再建に必要な経費の支援を行うということで、全壊や大規模半壊、床上浸水などの部分に対して補助を行います。国の制度に上乗せをして、福井県独自で実施させていただきます。また、住宅再建のときには補助金以外にもお金が必要になりますので、借入に対する利子補給、資金支援を行ってまいります。

 そして、中小企業者も傷んでいるところがございますので、こういうところに対して緊急の制度融資、利子補給で5年間全額利子ゼロ、保証料は全期間に対して全額保証料ゼロということでやらせていただきます。これはいわゆる工業系になりますが、農業や水産業についても既存の予算の枠の中で十分に対策を講じてまいります。

 そして、営農の継続ということで、いろいろな施設、ハウスのような施設やトラクターが水浸しになってしまった。こういった施設、機械の復旧の費用を支援させていただきます。また、勝山市を中心といたしまして、内水面の災害がございました。養殖魚が全部流されたり、施設が壊れたりしたものについての経費の補助を行います。

 続きまして、土木農林施設もかなり傷んでいます。農林の施設ですと、農業で42億円、林業分野でも40億円ぐらい、土木施設では130億円などといった施設が壊れていますので、こういったものの復旧を急ぐという経費です。

 ここからは物価高騰対策でございます。まずは麦の関係ですが、輸入の麦の値段がどんどん上がっているということを踏まえまして、国産の麦への切り換えを推進するということで、こういったものに対する投資などの補助を行っていくものでございます。

 そして漁業用の資材、例えば魚箱や氷などは相当高騰しています。こういったものへの助成も行ってまいります。

 そして、物価は上がっているのに給料が上がらないということが、今、非常に大きな課題となっています。こういうことに対して、企業に生産性を上げて、それで賃金を引き上げていただくということに使われる、国の業務改善助成金というものがございます。これは、賃金を最低賃金よりも引き上げていく。それを、生産性を上げるための設備投資といったものをセットで行うような場合に、その設備投資などに対して補助金が9割出るということです。その10分の1を県が上乗せして補助を行うことで、生産性を上げて給料を上げやすい環境を整えていくということでございます。

 社会福祉施設の方もお話を聞かせていただきましたところ、相当電気代などがかさんでくる、特に冬に向けて灯油代などといったものも大変だということを受けまして、省エネ設備に更新をしていくような費用を補助しようというものでございます。

 また、県内の消費の喚起も行ってまいります。大変好評いただいています「ふく割」について、約9億円の追加発行を行っていきます。内容については、主にしょうきぼ割などを今までやっていますが、臨機応変に、その都度今欠けているものは何かというものを見ながら発行してまいります。

 そして、観光の分野もなかなか浮上ができないというようなお話をいただきました。そのため、今回40億円の県内旅行代金の割引を切れ目なく実施するということで、現行行っております県民割、ふくいdeお得キャンペーン、さらにブロック割といったものを、引き続き、来年の1月ぐらいまで実施できるような経費をさらに追加で持たせていただく。さらに、全国に拡大されても対応可能なように上乗せさせていただきます。

 これにあわせて、全国的には8月25日の段階で、国が9月末までブロック割等の旅行代金の割引制度を延長していますが、大体いつも国は前月の25日ぐらいの時期にならないと翌月のことを言ってくれない。ということは、例えば8月の段階では、8月25日になるまでは、9月1日以降の旅行の予約が入れにくいということになるわけです。そういうことを勘案しまして、福井県は独自に、8月25日の段階で10月分についても、県として必要なときには特別な負担をするということで、発表させていただいていまして、旅行者のみなさんにとっても、施設の側にとっても予約が受けやすい、そういう環境を全国で初めてとらせていただいているところです。

 また、大雨で風評被害も起きました。特にお盆の時期でしたので、福井県は道路も塞がっているし、宿も困っているのではないかという話で、キャンセルが出ました。これは、一時的に、ここの宿が空いていますということを、交流文化部も頑張って公表させていただいて、非常に好評でございました。今回、「ふくいのお宿元気応援キャンペーン」ということで、県内のお宿に対する支援を強化いたします。具体的な中身といたしましては、やはりお話を伺っていて、これからの新幹線の時代に、福井県はどういうところと聞かれたときに、県内の方が嶺南に行ったことがない、嶺北に行ったことがないという方がまだまだいらっしゃる。こういう交流を盛んにしておくことは、新幹線開業後にも大きな効果があるだろうということです。そして、平日がやはり宿泊施設等を中心にお客様が少ないということがあります。シニアのみなさんはそうした平日にも動きやすい。さらに、ふく割でよく言われるのは、スマホを持っていないと使えないというお話もございます。そういったシニアのみなさんに対して、平日宿泊1万円以上なら1,000円のクーポンの追加配布をさせていただく。これをカニのシーズン前、10月31日まで行わせていただこうと考えています。これはブロック割もあわせて実施させていただきます。

 そして、新型コロナウイルス感染症対策として、まず県立病院の中で、これからコロナの新しい株が出てくるかもしれません。さらには、今後の新しい感染症の大流行に備えて、発熱外来の常設化をしていくための工事を行います。併せて、コロナや新しい感染症も含めて、そのほかすべての外来受診から入院、退院までの医療と療養を一貫して支援できるような総合窓口を便利なところに開設をしていく。1階2階のところです。こういったことを行っていく経費、設計委託費等を盛らせていただきます。

 そして、ふく育、子育て支援にも関連しますが、不妊治療費の助成事業を拡充いたします。どういうことをするかというと、今まで保険適用の不妊治療などを受けられる。そうすると、保険ですから7割負担してもらって3割自己負担ということになるわけです。福井県独自にやっていましたのは、国が6回目まではこの制度で負担をしてくれるのですが、それ以降が自己負担になってしまうということがございました。そういうことで、県は年間3回までプラスアルファでやるのですが、それに対して、全体で46万円ぐらいかかる場合がある。この保険適用の32万円を除くと14万円の負担が生じていたところを、高額医療などの制度を見ると、一定の年収の方々は大体自己負担は6万円で頭打ちということがありますので、それを念頭に置きながら、その残りの分を県が助成を行うということを考えています。

 併せて、保険適用の治療に先進医療として認められているものがございます。こういったものを併用で行う場合というのがございます。この場合についても、自己負担を一定に保つということで、県が6万円以外のところを負担していくということをやらせていただきます。そのほかに、先進医療にまだなっていないですが審議が行われているような技術の場合については、保険適用相当分について、県が助成をさせていただく。こういうことで、先進医療もしくは先進医療に今からなろうとしているものを、確実な部分については、この自己負担6万円を念頭に置いて不妊治療の助成をさせていただく。これは全国で一番先進的な、一番県としての負担が大きい制度になります。

 そういうことも踏まえまして、「ふく育」を、令和4年度子ども1人当たりの行政負担日本一は福井県ですが、不妊治療といった点もしっかりと充実をさせていただいて、日本一にふさわしい制度にしてまいります。これらをさらに全国にPR、発信をすることで、移住定住もあるでしょうし、さらには全国的にこうした子育て支援ということを、国も含めて充実できる機会になると思いますので、しっかりとPRをする経費も盛らせていただいています。

 続きまして、県営産業団地です。これは北陸新幹線、中部縦貫自動車道といったものの充実を見据えながら、さらに舞鶴若狭自動車も4車線化が進んできます。今、福井県内の産業団地の土地がなくなってきましたので、新しいものを県下にいくつか作っていこうということです。

 そして、まちづくりです。福井市の駅前のまちづくりについては、リノベーションのためのファンドを作って今進めています。今回は敦賀市の金ケ崎地区、神楽地区という氣比神宮の前の参道のところを綺麗に整備するためのファンドを、新たに敦賀市とともにつくらせていただきます。

 また、交通キャッシュレス、二次交通、県民のみなさんのバスなどの利用、えちぜん鉄道や福井鉄道といったところの利用を、さらに使いやすくするということで、交通系のICカード、ICOCAやSuicaなどといったものがありますが、この受け皿になる機械を設置をしていくことに着手いたします。

 今、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて、恐竜博物館のリニューアル工事を進めています。特に、今年の12月から来年の夏までの間は閉館して、全面的に工事に入るということになりますと、せっかく福井県は恐竜だと思って来たのに、来てみたらなかったということにならないように、この休館期間中に県内で大規模な企画展を開催させていただいて、ここに楽しみに来ていただく。また、恐竜が県内外を巡回していくサテライト館も開催させていただいて、全体として恐竜王国福井ということを、さらに継続して全国に発信をしていきます。

 そして、恐竜エリア拡大プロジェクトということで、福井駅前のところに大型恐竜を置く予定ですが、動く恐竜モニュメントの製作に取りかかってまいります。

 また、北陸新幹線の効果は、東京、神奈川、千葉といったところに限らず、特に北関東あたり、そして信州が大変利便性が上がってきますので、こういったところの人たちを対象とした巡回のキャラバン隊を編成して、行っていきます。

 また、東京のアンテナショップは、今銀座と南青山のところにありますが、ここが少し工期の遅れ等により、両館とも閉館になる時期が出てきましたので、その期間の間、臨時のアンテナショップを銀座に開設しまして、できるだけ県内のいろいろなものの発信をしていきたいということで、今年の10月から来年の1月の開設を考えています。

 9月補正については以上でございます。

 

〔配布資料:新型コロナウイルス感染症について

 2点目としまして、新型コロナウイルス感染症についてでございます。

 今、8月29日から9月30日まで感染拡大警報を発令しています。本日の新たな感染者数は1,165人です。利用病床については218床、重症病床は4床埋まっています。しかし、1週間前と比べて、この1週間の感染者数の総数の比率は、0.69ということで、少しずつ下がってきているという状況になっています。また、今運用されているのは393床ということから考えますと、病床の占有率は55.5%という状況になっています。55.5%は高い数字ですが、全国的に見ると非常に低いほうだと考えています。

 新規感染者数、病床利用率とも、7月の終わりから急に高くなっています。この水準からまだ下がっていないという状況で、ここからどう下げていくか。一方で、病床の使用については、ここ1週間ぐらいは概ね横ばいという状況に今来ているところです。

 感染の状況を見てみますと、60歳未満の方が数の上では8割を占めていて、60歳以上の方が約21%という状況になっています。

 一方で、入院患者の状況を見ますと70代以上が8割を占めているということで、こういう方々がいらっしゃると、持病のこともありまして、コロナが完治をしていても、そのほかの疾病によって入院が長引くということがあります。

 県民のみなさんにぜひお願いをしたいということにつきましては、夏休みも終わりまして、学校活動を含めて、いろいろな活動が盛んになっているところもあると思います。そういう中で、今、経済活動との両立が最も重要だと考えていますので、一般的な行動制限を行うことは、今のところ考えていません。一方で、そのために何が必要かと言いますと、みなさま方にはぜひ、個別の感染予防対策をしていただきたい。最も大切なことは、いつも申し上げておりますが、「おはなしはマスク」ということで、飲食のとき、そしてお友達との会話のときも含めて、会話をするならマスクの着用ということをぜひお願いをしたい。宴会は短時間でお願いしたいと思います。

 そして、換気の徹底。これはまだまだ暑い時期でエアコンをきかせていると思います。特に、BA.5はエアロゾル感染を疑われる例がかなり出ていますので、換気を十分に行っていただきたい。

 それから、やはり何といっても体調管理の徹底。何らかの症状が出る方が大半ですので、まず、ご自分で体調の管理をしていただいて、少しおかしいなと思ったら登校や出勤を控えて、病院などに行っていただく。また、不安な方は無料の検査を活用していただきたいと考えています。

 そして、重症化リスクのある方、ご高齢だったり持病のある方は、自分で自分の身を守る。特に重症化しないということから言えば、ワクチンの接種を積極的に行っていただきたい。国でオミクロン株対応のワクチンということも出ていますが、何よりも、これからもワクチン接種は続く可能性があります。その抗体が下がり始めたときに、5か月なら5か月という期間を見ながら接種していただくことが一番よろしいと思っています。もちろん、強制ではございません。

 そういうことで、ワクチン接種を促進しようということで、まずは金曜日の夜間接種を今までは7時から8時半の1時間半としていましたが、6時から9時までに延長させていただきます。また、ワクチンバスによって4回目の接種の促進も行わせていただきますので、ぜひとも近くにワクチンバスが来たら、今まで打っていなかった方も行っていただけたらと思います。

 発生届の限定化についての福井県の対応についてお話をさせていただきます。これにつきましては、国から緊急避難措置というものを発表いただいています。全数調査をしないということではなくて、正確に言えば、全症例の調査というものはしない。数は数えるということになります。これによって、今、医療機関ではこの全症例の、その方のお名前や年齢、症状がいつから出たなど、いろいろな項目を入力しなくてはいけないということが、非常に医療の現場を逼迫させる一つの大きな原因になっているということですので、例えば65歳未満の方、軽症の方、こういった方の発生届を不要として、数だけ数えていく。年代と数だけ数えていく。こういう緊急避難措置が発表されました。

 これについては、一歩前進だということで、我々としては歓迎をしたいと考えています。我々としても、軽症者に対する調査票の作成をすでに廃止していますし、とにかく重症化しないように、治療の方に専念するということにシフトしているところです。そういうことで、これらを行っていきたいと考えていまして、今のところ来週中には届け出を行って9月14日に適用できるようにしていきたいということで準備を行っています。

 ただ全症例調査をやめるということだけではなくて、今後に向けて健康観察体制の拡充を行う。総合相談センターを設置する。症例が悪化したときはすぐ入院できる体制を整える。そして、陽性者に対しての支援、今行っている、例えば療養証明といったものは保険金の支払いの前提になるものですので、こういった支援制度、サービスについては維持をしていきます。

 具体的には、今までも受診・相談センター、県の総合相談窓口がありました。そこの電話番号にかけていただければ、いろいろな相談ができていました。陽性者・接触者サポートセンターが重症化リスクのあるような方々に対して、健康観察をこちらからアプローチして行っていくということを行いました。プラスして、無料検査所、もしくは症状がある方は無料検査を受けられませんので、いろいろな薬局で抗原キットを買ってきます。こういう病院に行かない方でも、こういったところで陽性の判定が出る場合がございます。こういう部分も含めて、新たに統合しまして、総合相談センターというものをつくります。今までやってきた受診相談、陽性者・接触者に対する健康フォローを行った上で、新たに陽性登録、先ほど申し上げました全数の症例調査は若い方中心になくなります。そういう方々でも、ご自分で抗原検査キットで陽性になったり、無料検査で陽性になったような方々に対しても、その陽性登録をして、発生届の対象外の方についても、療養証明に当たるものを発行できるようにしていくということを行います。

 具体的に、パターンとしては、病院に行く人、念のため無料検査に行く人、少し症状があるので薬局で抗原検査キットを買ってくる人、このようなパターンがあるわけです。ここで検査をしたら陽性が判明した。こういうときには、例えば、この無料検査所に行きますと、検査結果通知書というものをもらえるので、これを写真に撮ってもらう。個人で抗原検査キットを買ってきたような場合は、自分が誰で、これが陽性でしたという写真を送っていただきます。送っていただいたら、県の方で陽性を確認して、陽性者として登録をさせていただく。そうするとマイハーシスでその情報がとれますので、これで療養証明の代わりができる。こういうことをやって、また、体調が悪化したような場合には、県の総合相談センターに行っていただいて、かかりつけ医などで受診ができるという体制を整えるということです。

 

〔配布資料:ふくいSDGs月間(ジュナナ・チャレンジ)について

 3点目は、ふくいSDGs月間を新設させていただきます。これは、福井県独自でSDGsの集中啓発期間を新設するというものです。名前は、ジュナナという、福井県独自のSDGsのロゴマークがありますので、「ジュナナ・チャレンジ」という名前をふくいSDGs月間の愛称と考えています。期間は10月31日まで。「いろんな一歩が、みんなの未来に」をキャッチフレーズとして、行政もやりますが、いろいろな県民のみなさんの団体や企業、こういったパートナーのみなさんにも参加いただいて進めてまいります。

 今のところ107件、この2か月でこういうことをやりますと手を挙げていただいています。うち77件は、SDGsパートナーの企業・団体等が主催するイベント、県の主催は30件ということになっています。例えば、武生商工会議所は「SDGs川柳コンテスト」をモノづくりフェスタのときにやります。鯖江市では、SDGsフェスを開きます。また、若狭では、ペットボトルなどがいっぱい海岸に打ち上げられている。これをアップロードする、再利用していくというプロジェクトをここで実施するということです。こうした、みんながいろいろなイベントを実施する。それに県民のみなさんにどんどん参加していただくということで、SDGsを福井県内で広げていこうという取り組みです。

 県庁も、これにしっかりと対応していこうということで、一つはペーパーレスチャレンジ。コピー用紙の利用量を見える化していく。これを職員のパソコンでいつも見れるような形にして、ペーパーレスの取り組みを促進していきます。また、リユースチャレンジということで、県庁内で要らなくなったものが出てくるわけです。それに対して、欲しいと思っているところがある。そのマッチングなどをしていって、リユースチャレンジを行っていく。また、マイボトルチャレンジということで、私も最近は県内の漆でできているマイボトルを持って歩いていますが、お水を補給できる場所を県庁内につくっていく。こういうことで、ペットボトルの水などをできるだけ買わなくてもすむようにしていこうということです。

 

〔配布資料:令和4年産いちほまれの販売開始について

 4点目が、令和4年産いちほまれの販売開始についてです。9月5日ぐらいから、いよいよ今年のいちほまれの収穫が始まる見込みでして、昨年より1,000トン多い7,000トンの出荷を予定しています。昨年までは、1週間程度県内を早めに出荷していましたが、全国での盛り上がりも考えて、今年は全国一斉に、10月1日に新米の販売をスタートします。あわせて新しいCMの放送も開始させていただいて、首都圏、中京、関西、県内のほか、静岡県や沖縄県などでも行っていこうと考えています。9月21日には、次の新しいCMの発表会を東京で行わせていただく予定です。

 今後のPR活動ですが、一つは、いちほまれ誕生から今年で5周年ということで、県内のJAの直売所や量販店33店舗で、まずキャンペーンを行わせていただきます。また、県外では、東京の山手線でラッピング電車を走らせたり、駅構内で広告を流すなどしてPRを強化していきます。また、全国の量販店でキャンペーンを実施したり、また、今年は、イオンリテールさんにご協力をいただきまして、試食販売やECサイトでの販売を強化してまいります。

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 補正予算について、9月補正予算としては規模が過去最大ということで、大雨災害の復旧工事にも相当なお金が費やされています。今回、財政調整基金は取り崩しもないということで、国のいろいろな国庫も活用してという話ですが、県の財政運営の見通しについて知事の認識をお聞かせください。

 

【知事】

 おっしゃるとおり、今回は大きな災害もありましたので、通常とは違う災害復旧の大きな予算が必要になっています。結果として、過去最大の9月補正予算額になっています。一方で、今回激甚災害に指定いただける見通しが立っていることもありまして、激甚災害指定、もしくはそれに当たらない部分も、災害復旧についてもともと手厚い補助率、さらには95%の交付税措置のある起債も充てられるということです。県の財政への影響を最小限に抑えているということで、財政調整基金には手をつけないで、昨年の決算の残りのお金もありますので、この9月補正予算については処理をしていきます。

 当然のことながら、長期的な財政は厳しくなるという方向ですが、今回の規模であれば、我々としては、翌年度以降に何かつけを残していくということではなく、何とか年度内で処理しながらやっていけるのではないかと思っています。

 いずれにしても、これからもできるだけ事業の選択をしっかりとしながら、また、財源措置のいいものを選んで実施していくことで、県の長期的な財政を健全にしていきたいと思っています。

 

【記者】

 今回、長期ビジョンの推進の中にも一定の予算が充てられていますが、知事としてこれはというもの、または思い入れのある事業はありますでしょうか。

 

【知事】

 全部思い入れがありますが、まずひとつは子育て支援です。不妊治療のところは、全国で最先端だと思います。考え方としては、普通に考えると、通常の健康保険適用の部分と、先進医療は多少お金かかっても仕方ないということになるのですが、一方で、お子様が欲しいと思われている方の側から見れば、体調の状況でお金がかかるということになります。子どもが欲しいと思う気持ちと家計の状況は変わりがないので、一定の負担額の中で、みんなが普通の医療を受けられる、このような世界を頭に描きながら今回の措置をさせていただいています。

 結果として、「ふく育県」はさらに強固なものになると思いますので、移住定住もありますが、こういうやり方を福井県で実践して、県民のみなさんに喜んでいただける。または、そういうことをすることがサステナブル、SDGsな社会になっていきますし、全国的にも、もしくは国がこういったことを見ながら、ぜひ国の制度としていただく、または、こういうことも進めていただけるといいなと思います。

 また、新幹線開業に向けて、または中部縦貫道開通の100年に1度のチャンスに向けたいろいろな基盤整備、産業団地の整備や敦賀市のまちづくりファンド、交通系ICカードなどといったこともやらせていただきます。

 

【記者】

 大雨への対応において、災害の復旧や被災者の支援、早期にスピードアップして取り組むということを、この9月補正予算で組んだというところで、知事の復旧や支援への思いを改めてお願いします。

 

【知事】

 まずは、やはり被災されたみなさんの住むところが非常に重要だということを最初から認識していまして、できるだけ泥出しを含めてボランティアの方の活動を支援するということも含めて、一生懸命まず緊急的にやらせていただいたと思っています。

 また、早い段階から、住宅等の再建に対して気が滅入ってしまうような中だと思いますので、そういったところを、平成16年のときの水害の教訓もありましたので、そういった制度を準用しながら、今日的に少し形を整えながら、早い段階からこの全国制度に上乗せした形の住宅再建支援も打ち出させていただいています。まず住宅、そして事業を継続する、農業も含めて、こういったことをしっかりとやっていただけるよう、そういったことをまず念頭に置いてやらせていただきました。

 もう一つ大きいのは、被災地域だけではなくて道路。道路や河川の関係ですが、道路が、特に最初8月4日、5日のときから北陸自動車道、国道8号、365号、北陸本線がすべて止まりまして、4日、5日、6日と復旧までに時間がかかったわけでございます。これについても、できるだけ早期にできるようにということで、国、NEXCO、JRに対しても常にお願いをいたしました。その上で、知恵も出して、例えば災害時緊急バスも国交省やNEXCOのご理解をいただいて、緊急車両が通れるようになってすぐに制度化をさせていただいて、5,000人以上の方に利用いただきました。こういうことで、ハード面の基盤の整備がまだできてない段階からも、いろいろな工夫もして日常生活を1日でも早く、少しでも元に近い形に戻れるようにというようなことの努力もさせていただきました。

 その上で、やはり復旧、最初は応急復旧からですが、ここのところは大体終わってきましたので、これから本格復旧ということになります。この点については、国に対して、8月9日の自民党の災害対策委員長がおいでになられたときから、激甚災害指定のことも申し上げて、早い段階でその方向性も示していただきました。さらに26日に国に行ったときには、激甚災害は災害査定と事業認定、事業費の認定をいただかないと事業に着手できないというのは基本ルールになっています。ですから、事前着手についても柔軟に行っていただきたいということも強く申し上げまして、谷大臣はじめ各大臣から事前着手について柔軟に行うということの言質もいただいているわけでございます。

 そういう意味では本格復旧に向けても、前倒しで事業ができるようにということでやらせていただいているところでございます。

 

【記者】

 大雨に関連してですが、農業被害のことで、県で今調査している限りで農業被害額や規模などわかっている範囲でお願いします。

 

【知事】

 農業被害というのは、個人の、例えば稲がやられた、ソバがやられた、農業機械がやられたというような部分については、概ね1億円を超えているという水準だと思っています。そのほかにも、例えば農地や農道、農業に必要な基盤の部分、こういったものも壊れている。その部分が42億円ぐらいあるというような状況です。

 

【記者】

 補正予算の中で、恐竜エリア拡大プロジェクトのところでお聞きします。駅前につくられるということで、すでに駅前の恐竜モニュメントは充実している気もしますが、すでにある中で改めて新しいものをつくろうというねらいを知事の言葉でお聞かせください。

 

【知事】

 これは、県外のみなさんの福井に対する認識は、福井県は恐竜というか、恐竜博物館を中心にしながら、それが福井県全体に対するイメージの一つになっているということはあると思います。

 今の状況で言いますと、福井といえば恐竜と言いながら、行く先は恐竜博物館になっています。そこで現実には非常に大きな渋滞等が起きて、なかなか人数も捌けない。イメージも悪くなる。こういう状況になっています。あわせて、結果として恐竜博物館だけ行って帰ってしまう。別のところの温泉地へ行ってしまう。こういうことも起きているということで、できるだけ福井県内を幅広い範囲で、恐竜福井、こういう思いで来られている方々に対して応えていける場所をつくろうということが大きなコンセプトになっています。

 そういう意味で、一つのあり方として、この福井駅前のところに恐竜のモニュメントをさらに追加し、ただのモニュメントだけではなくて、いろいろな形で、ARでいきなり恐竜がまちの中にあらわれるといったいろいろな仕掛けもさせていただきますし、また恐竜ホテルのように泊まることで楽しめる。それから恐竜博物館に行く間の二次交通のところで、バスや鉄道などで恐竜列車や恐竜バスを楽しむというように、面的に福井で恐竜が楽しめるようにすることは、やはりお客様の訴求力を上げて数を増やすということとともに、落ちるお金も増えるというようなことを意識しながら、また福井市も恐竜については大変お力を入れていただいておりますので、コラボしながらやらせていただいている。その一つの形だということでございます。

 

【記者】

 今の段階であるものがあればお聞きします。予算が2.2億円と少し高額かなという印象もありますが、その経済効果の見込みはあるのでしょうか。

 

【財政課長】

 後程確認をしてお答えします。

 

【記者】

 先ほど農業被害額の話について、農作物関連が1億円で、農道や農地の基盤が42億円という理解でよろしいのでしょうか。

 

【知事】

 そうです。農道や農地です。林道は別に39億円あります。

 

【記者】

 コロナについて、今、感染拡大警報を発令中ですが、運用病床の占有率で言いますと50%を超えて特別警報レベルだと思います。特別警報への引き上げへの知事の考えと、現状ですと今の指標があまり意味をなさなくなっているのではないかという考え方もできるかと思いますが、このあたり知事の認識を聞かせください。

 

【知事】

 おっしゃるように、今の基準からいうと大きく乖離しているということについては認識をしています。一方で、やはりつくるときも申し上げていましたが、これは第6波というか、BA.2ぐらいの状況を見て、次のことを想定しながらやっていますが、それ以前のときもそうでしたが、やはりその次がどうなるかということは見通しが難しいということで、こういう乖離が出ているのかなと思っています。

 従前からも申し上げていますが、現状でも、我々が一番重視しているのは重症化させない。病床を逼迫させて、一般診療にまで影響をできるだけさせないというところです。そういう意味では、この中で見るべきところは、この利用病床数だと認識しています。それにしても大きいのではないか、ということですが、これについては、社会経済情勢の状況を見ても、全国的な取り扱いを見ても、今、経済はできるだけ復活、止めないようにやっていく。BA.5の重症化の状況を見ていると、ほとんどの症例が、自宅で療養していることで完治していくというような状況です。医療機関とも相談していますが、今の取り扱いとしては、何とか経済的な行動制限は伴わないような形で進めていきたいと考えているところですし、何とかやっていけているのではないかと思っています。

 この44%というのも、もちろん全国でも最低水準ですが、100床の臨時病床を除いた形の55.5%というのも、全国的に見ればかなり低い方ですので、何とかこの形で続けていければと今のところ考えています。

 

【記者】

 発生届の限定化についてですが、こういった方針をとられることで、今学校も再開していますが、学校での感染対策への影響などはないのでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、今、少しここのところ下がってきているという状況ですが、これは今の状況を少し過去にさかのぼると、8月の初めぐらい、お盆の少し前、学校が休んでいるとき、休み始めた後という感じになっています。8月29日ぐらいから学校が再開していますので、これから増えてくる要素があるということで、今回さらに、この学校再開に向けて教育委員会も市町教委といろいろと相談しながら、学校の中、クラスの中で、例えば、複数の子どもが感染しましたというような場合には学級閉鎖しましょうということや、1人だけ感染者が出ても、複数人が風邪みたいな症状があるというときは、学級閉鎖も含めて、できるだけ継続して、だらだらと増えないような形でやっていく。

 また、例えば部活動も、これまでは本人が自己申告で高熱だということを、部員の中でやっていたものを、しっかりと指導者が健康管理もやるといったことも強化もしながらやっていくということで、何とか学校再開の影響も最低限に収めて、この減っていく状況を継続できればと考えています。

 

【記者】

 今、高齢者の亡くなる人が増えていると思います。知事は全国知事会で感染が拡大している高齢者施設に往診チームを設置するというような発言をしていたと思いますが、現在の検討状況を教えてください。

 

【知事】

 今いろいろな福祉施設でもクラスターが発生したりして、高齢者の方が命を落とされるという状況が増えているところです。40名の方が7月1日以降亡くなられておられますので、この方々にはまず心からご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 その上で、状況を見ますと、以前のようなコロナによる肺炎、コロナが原因で死に至っているというような状況は見られないということです。もともと高齢で、体力も非常に落ちている、そこに持病も抱えていらっしゃって、それがコロナということで水が少しとりにくくなるといったことなど、いろいろな体力を落とす原因になるわけです。そういう意味では、死期を早めていく、こういう方が大半です。さらに残りの方々も、コロナは大丈夫でしたが他の病気はやはりだんだん悪くなっていって亡くなる。こういうことで全員の方が命を亡くされている。こういうことでございます。

 そういう意味では、医療現場からも、できるだけ早い機会にファーストタッチで医療を受けてもらうことが大切だと伺っています。そういうことで、県内の、もちろん福祉施設はその嘱託医や協力医療機関というのがありますので、そういう方々に基本的にはこの往診してもらうということをやるのですが、その嘱託医や協力医療機関が感染症に対応できる部分というものが全面的でない場合もあります。こういう場合のために、先般申し上げましたが、別の協力病院を募っていまして、32医療機関から自分のところの協力施設以外のところにも回っていいという話ができつつあります。

 もう一つは、現在、京阪神を中心に10府県でやられていますKISA2隊というのがあります。ここは、ボランティア、有志の医師、看護師のみなさんが24時間体制で高齢者の療養を見守っていくということをコーディネートする。こういうところが10府県に広がっています。これのノウハウ、そしてお手伝いもいただいて、県内にこうした医療看護チームを今つくろうということで急いでやっているところです。これらを、少なくとも9月14日の段階には、もっと早い段階でも動かせるようにということを今準備しているところです。

 

【記者】

 発表資料の健康相談体制の強化というところで、総合相談センター自体は人員体制は変わらないのでしょうか。それとも体制自体も強化されるということでしょうか。

 

【知事】

 ここは状況によります。まさに現場に合わせて人数を拡縮していますので、体制そのものも、もちろん必要があれば強化をするということになると思います。

 現実的に考えると、受診・相談センターと陽性者・接触者サポートセンター業務を引き継いだ上で、この陽性登録や、抗原キットで今まで病院に行っていなかった人は数えられていなかったのですが、その部分を数えたりするという作業がありますので、一時的には拡大する方向にいくのではないかと思います。

 いずれにしても、とにかく遅れがないことが大事なので、遅れることがないように、いろいろなものを施せるような、そういう人数の確保をしていくということでやっていきたいと思っております。

 

【記者】

 ここ最近亡くなられている患者さんについて、コロナとは違う原因で亡くなっているというようなことをおっしゃったかと思いますが、どういった意図なのかご説明いただけますでしょうか。

 

【知事】

 コロナと別の原因ということは申し上げておりません。しかし、コロナの主たる、コロナウイルスがこれまで言われていた死に至らしめる経過というのは、肺炎を患って、それによって肺炎で苦しくなって、ECMOなどを使用しながらも亡くなっていくというのが以前のパターンでした。それに対して、現状亡くなられているのは、コロナは一つの要因ですので、できるだけ早くご自宅や施設から医療の方にかかれるよう、今、ラゲブリオやレムデシビルなど、重症化させない薬もできていますので、そういった方々をできるだけ早く治療に結び付けるということは大事だと思っています。

 現状の亡くなられている方の状況を言えば、コロナが一つのきっかけになっているということは間違いありませんが、コロナの肺炎で亡くなっている方はいらっしゃらない。コロナを患っている間に体力を消耗して、持病が悪化して亡くなるというケースが大半を占めているということを申し上げています。

 

【記者】

 コロナと無縁であるということをおっしゃっているわけではないのでしょうか。

 

【知事】

 全くございません。

 それは医師が診断で死亡原因としてコロナということは言われておりますので、それについて、一つの原因であることは間違いないと思います。

 

【記者】

 全数把握の見直しについてですが、先行例として応募しなかった理由と、14日に適用したいというお考えだと思いますが、それは全国一律に合わせたものなのかという点をお聞かせください。

 

【知事】

 まず、手を挙げなかったというのは、我々としては考え方の違いと言いますか、我々も手を挙げようということで要請もしていました。しかし、明日からできますかというと、今申し上げたような体制が必要です。全数調査をやめるということではなく、全症例把握をやめるだけなので、数は整えなくてはいけない。そのときにハーシスはそのまま使えない。そこをどのようにやるのか。また、もう一つは、そうするとしたときに確実に医療に結び付けられる、もしくは療養証明を発行できるようにしなければいけない。ここのところを解決するまでは適用ができないということで申請ができていなかったということです。

 昨日の段階では、厚労省に対しても申請をしますということも明言しておりますし、また来週中には実際に申請ができると思っています。そういう意味では、14日にはスタートしたいと思っています。

 国が9月半ばに全国一斉でと言われていますので、それはぜひそうなるのであれば、そういった方向に向けて我々も一緒にソフトランディングできればと思っています。しかし、国の今の動きを見ていて、完全にいいものが全国一律でできてくれればいいなというところではありますが、我々としては、確実に県として独立してでもできるような体制を整えたいということで、今準備をさせていただいています。反骨精神があるわけではないので、いいものができたらそれに乗っかってうまくいくようにやっていこうと思っています。

 

【記者】

 全数把握の見直しで懸念されていたハーシス登録外の患者へのコンタクト方法を整備する時間として、少しタイムラグがあったということでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、これは難しくて、まず医師会などといろいろな形で相談をしなくてはいけない。いろいろな福祉施設の相談もあったり、おっしゃるような技術的な、ハーシスをどのように扱っていけば、全数と年代だけわかるようにしろと言われていますので、この宿題に応えられるか、我々は決して全数把握をやめるわけではなくて、全症例の把握をやめる、全症例のうちの軽症部分のところをやめるというだけなので、そこの技術的な課題も含めて今解決中です。

 

【記者】

 あくまでも県独自であるということと、定点観測を一部始めるという考えがあるわけではないということでしょうか。

 

【知事】

 そこは国が判断してやっていくところだと思います。我々は今のところ、国が示している緊急避難措置というのは、数と年代は把握するようにということですので、その枠の中でやっていくということを考えています。

 

【記者】

 コロナでお亡くなりになった方で、コロナによる肺炎での死亡というよりは基礎疾患の悪化という方の数がかなり多いということです。コロナ死は医師の判断によって判断されている状況ですが、国にコロナ死亡判断の基準の見直しなど明確な定義づけを求めるような、そういったご意見はありますでしょうか。

 

【知事】

 そういった動きがあるということは十分認識していますし、そういった声が県内も含めてあるということは認識しています。

 こういったことは、全国的な考え方としてぜひ整理をしていっていただければと思っています。

 

【記者】

 全数把握の見直しの件について、改めて理由とねらいをお聞かせください。

 

【知事】

 全数把握は全症例の詳細の把握ということになりますが、ここのところは、医療現場において医療以外のことに手間がとられている。報道などによると、平均的に見て1日1、2時間ほど入力に時間をとられている。そういうことで、医療の方に振り向けられる力が削がれているということがあります。そうでなくても、現状の感染者数は大変な状況が続いていまして、医療現場は疲弊している。なおかつ、逼迫してきている。一般診療にも影響を与えるというような声も聞かれますので、今のBA.5の病状に即した形にしていく必要があるだろうと思います。

 BA.5は極めて重症化がしにくいという状況になっているわけですので、それに合わせた症例の把握の仕方に変えていく必要がある。そうすることで、医療の逼迫を少しでも和らげることができる。こういうことを考えて、国が新しくこの緊急避難措置ということを考えていただきました。我々も以前からお話を申し上げていた方向ですので、これに乗ろうということで考えているということです。

 

【記者】

 全数把握の関係で、具体的にどの項目が今までどおり、どの項目が14日の適用以降削除されるのか、詳しく教えてください。

 

【知事】

 これからも、高齢などのハイリスクの方、重症化リスクのある方については、当然のことながら、これまでどおりの項目について把握を行っていきます。

 それ以外の、主に若い方の基礎疾患のない方、こういう方々については、人数と年代の把握にとどまると思っています。

 

【記者】

 感染した方にとっては、今までどおり体調が悪くなればケアを受けられるし、療養証明が必要なら出してもらえるという、それほど変わらないと思っていいのでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりで、どちらかというといろいろな窓口が完全に一本化していきますので、相談窓口に悩まなくて済むように改善されると思います。

 その上で、基本的にはおっしゃるように療養証明なども出るよう、今代わりになるものを考えていますので、不都合はないと思っています。

 

【記者】

 県としては、誰が感染しているのかということは把握できるのでしょうか。

 

【知事】

 誰かということは、もう把握しなくなります。数は把握をします。

 

【記者】

 体調が悪くなった場合に自分で連絡すれば、把握してもらえるということでしょうか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりです。現状もそういうことになっています。もちろん最初の段階で振り分けて、リスクが高いと思われた方は最初から入院になっていますし、お医者さんのところで薬を出して、ご自宅で寝ていてくださいという話になっています。そこは変わっていませんので、そこから先のところで具合が悪くなってくれば、もともとローリスクとされている方でも具合が悪くなれば、早めに自分でご連絡をいただく。そして、ハイリスクと言われている方には、毎日こちらからご連絡していますので、そこでキャッチをして、入院ができるようにする。ここは変わりません。

 

【記者】

 全症例把握の見直しを今後進められていくということで、軽症者の方の行動制限などが難しくなってくるのではないか、周知などが難しくなってくるのではないかと思いますが、それに対する対策などはあるのでしょうか。

 

【知事】

 今も、措置としては隔離措置ということで、自宅にいる、病院で入院という措置となっています。入院していただければ、基本的には物理的に外に出ないということは担保されていると思いますが、現状でも、隔離措置、家にいてくださいということを保健所からお願いしますが、実際に家にいるかということは本人の意思によっているわけです。これからもそういうことは強くお願いをしていきますので、大きくは変わらない、ほぼ変わらないのではないかと思っています。

 しかし、濃厚接触者をどこまで把握するかということはできなくなります。そのため、濃厚接触者の部分は、これからはご自身の健康観察、これも濃厚接触者はほぼ家族に限定されるような、極めて濃厚な状況ということがわかるような方ということがすでにありましたので、実態として、こういう方については健康観察を今までの濃厚接触者並みに気を付けてということはあり得ると思います。しかし、そういったところの違い以外は、感染された方がどんどん社会に出ていいという環境にはないと思っていますし、そうはならないのではないかと思って進めていきます。

 

【記者】

 総合相談センターについて、多くの相談があると思いますが、どれぐらいの回線が用意されるのでしょうか。

 

【知事】

 以前、感染者が急に増えているときには、なかなか電話がかからなかったというような声もいただきました。これを踏まえて、現状、受診・相談センターは16回線まで増やしています。16回線に増やしたところ、16回線全部が埋まるということは、ほぼない状況まできていますので、1回でかからなくても、以前のように何度かけても駄目でしたというような環境にはないと思っています。

 今後、回線が全部埋まるような状況が出てきたら、これはまた増やしていくということで対応したいと思います。

 

【記者】

 現在2類相当の位置付けで公費負担となっている医療費ですが、ウィズコロナ社会が今後進んでいく中で、今後、医療費などを一部自己負担にしていくべきか、知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 2類5類の議論でよく出てくるのが、5類になったときの医療費をどうするかということかと思います。今のところ、やはりコロナに対する治療の薬がまだできていない、軽症者の、通常の若い人でも、コロナの症状を軽くするための薬がまだできていないという状況や、さらにはラゲブリオやレムデシビルなども非常に高額で8万円や10万円かかるという状況のままでは、まだ普通の保険診療は難しいと思っています。

 やはり普通に使えるお薬ができてきて、それなりにインフルエンザぐらいの、少し幅があると思いますが、そういった治療が受けられるようになっていないと、安心して医療が受けられる体制とは言えないかもしれません。

 

【記者】

 SDGsの集中啓発期間の新設ということで、この期間を定めたねらいをお聞かせください。

 

【知事】

 ひとつは、集中啓発の期間を設けるということが、みなさんの意識を変えていただくという意味では、バラバラとあるよりは、集中してイベントが開かれていると意識付けができるということだと考えています。

 

【未来戦略課長】

 期間につきましては、9月25日が国連がSDGsを採択した日です。その前後の1か月を期間とさせていただきました。

 

【記者】

 現時点で知事は県民のSDGsに対する意識をどのように感じていますでしょうか。

 

【知事】

 完全に把握しているわけではありませんが、まだまだこれからも普及啓発が必要だと思っています。しかし、以前に比べればかなり進んできている。SDGsという言葉が普通に出てくるようになった。私は知事選挙のとき、SDGs推進と政策集に書いたのですが、ほとんど理解されなかった。全くと言っていいほど理解されない。特に年齢が上がってくるとわからなかったということから言えば、ジュナナのバッジはできるだけ普及していきますが、丸いロゴがSDGsだということは、みなさんの口に上るようになっていると思います。また、福井県はいろいろな調査で、SDGsの浸透度が高い、全国1位だったり4位だったりしていますが、そういう評価はいただいていると思います。これは早い段階から福井県が取り組んでいる、もしくは県民のみなさんに、メディアのみなさんを通じて、いろいろな形でSDGsということがこういうことをやっている、SDGsの考え方は大事だということをやっていただいていることが、いい結果を生んでいるのだろうと思います。

 今回、こうした新しい期間を設けることで、県内でSDGsをまず知っていただく。そして理解していただいて、行動していただく。さらに、それを広げる方に回っていただく。まさにそれを今回やろうとしているわけです。知っていただくために行政も入りますが、ボランティアや自分でやろうという人たちが、どんどん主催していただく。そこに県民のみなさんに参加していただく。こういうことで大切さを知っていただく。

 SDGsというのは人のためにやるのではない。私がずっと見ていて思うのは、こうすることが極めてサステナブルな社会をつくる。多様性のある社会をつくる。SDGsは正直に言うと、少しコストのかかる部分ですが、これが逆に、このおかげで長続きができて、楽に生きていける。こういう社会をつくることだと思いますので、そういった方向に、これが自然に馴染んでいけるようにできていけばいいなと思っています。

 

【記者】

 いちほまれに関して、5周年を迎えての所感と販売に向けての意気込みをお聞かせください。また、新しいタレントが誰になるのか、そして5周年記念キャンペーンの具体的な内容についてもお聞かせください。

 

【知事】

 5周年に当たっての所感、意気込みについて言えば、これからさらに福井のお米「いちほまれ」というところをどんどん売り込んでいこうと思っています。そういう意味では、昨年から今年にかけてとても売れ行きがよくなっています。令和3年度にたくさんPRもさせていただきましたし、営業もどんどんさせていただいた結果、扱っていただいている店舗も約1.4倍になっています。売り上げは1.6倍、これは7月現在ですが、売り切れてしまうので売るのを少し抑えながらやってきて、約1.6倍まで広がっているという状況ですので、大変認知度も上がってきたし、みなさんにおいしいお米だということを理解されてきたなと思っています。

 これからさらに、これを7,000トン、1万トンと増やしていきますので、それに耐えられるような販売網を獲得して、みなさんの認知度を上げて、なおかつより高く買っていただけるような、事実、本当に高くても買うという人がいっぱいいますので、そういうお米にしていこうと引き続き考えています。

 CMのタレントにつきましては、これは乞うご期待ということで、ぜひ9月21日のCM発表会をお待ちいただければと思っています。

 

【福井米戦略課長】

 キャンペーンを実施する33店舗というのは、昨年より数が多くなっていますが、プレゼントキャンペーン、いろいろな県内の特産物、塗り箸やノベルティグッズなどが当たる抽選会を開いたり、JAの基幹店になりますと別の抽選やキッチンカーを用意しようと思っています。そこでキッチンカーを並べて写真を撮ってSNS等にアップしていただいたら、また別のプレゼントをさせていただくような企画を今考えています。

 

【知事】

 例えば5周年記念ロゴのついたパッケージで新米を販売する、パッケージに記載してあるQRコードからアクセスしていただいて、アンケートに答えていただいた方から抽選で100名様にいちほまれグッズなどをプレゼントするなど、豪華商品もあるので、ぜひ応募していただきたいと思います。また、最初の3日間ほどは、贈答用の化粧箱を無償で提供もさせていただくなどというようなことを考えています。

 

【記者】

 先日の県都にぎわい創生協議会の中で、アリーナの基本構想に合意されました。民設民営で行政が支援していくという枠組みは示されましたが、事業費や具体的な実施主体が明らかにされないままで、2026年開館という想定どおりに進むのか、行政負担がどんどん膨らんでいくのではないかといった懸念や不安もあります。行政として、県としてどのような支援を考えているのでしょうか。

 

【知事】

 1点目は、今回グランドデザインですので、大きな絵を、しかも経済界の側から示していただいて、なおかつ自分たちとしてそれをやるということを宣言していただいているわけです。そういう意味では、大きな一歩だと思っています。また、内容的にも、具体的に、例えばアリーナを整備する会社、アリーナを運営する会社、そしてまちづくり会社、こういったところがしっかりと受け皿になってやっていく。残されているのは、整備会社そのものを設立する、運営会社をつくっていくなど、まちづくり会社の増資の話は出ていました。前回、6月のときには8月に発表できるかわからないということもありましたが、それに比べれば、しっかりと打ち出していただいていると私は理解をしています。

 その上で、ここでは主にコンサートや、スポーツ、コンベンション、展示会、こういったことが開かれる場所になっていくのだろうと思います。スポーツアリーナということであれば、八戸市などの例では、県民や市民のみなさんの健康づくりやスポーツ利用などに開放する。こういったところで、年間の何日か分を行政の方で使わせていただくということでの支援の仕方ということもありますし、また、コンベンションなどで言えば、これは他の施設もそうですが、大きなコンベンションが開かれればいろいろな応援もするということは今までもやっています。全く具体的になっていませんが、スポーツやコンサートなどにも広げられるのかどうかなど、これまでの制度や全国的な例なども見ながら、もちろん議会、そして福井市とよく相談しながら、いろいろな支援の仕方を考えていきたい。

 一方で、民設民営はとてもありがたくて、行政がもしやろうとすると、たぶん形ももっと大きくなる、あの機能もこの機能もという話になって、投資が大きくなって、なおかつ運営のところも、過大になることはないと思いますが、よく言われたのは、作る段階で使い勝手のことを考えていないので、出入口含めて、いろいろなものの搬入なども不便で、余分なコストをかけていろいろやらなくてはいけなくなるという話がありました。それは一気通貫で、使う側から物をつくるという方で、民設民営で進めるとコストが小さくなる。

 もし同じ機能を行政でやろうとすると、作るときもかかるし、運営費もお金がかかるところを、さらに利潤を追求しながら民間がやっていただけるので、基本的に、行政コストは、もし応援をすることになったとしても、公設公営もしくは公設民営に比べれば安くなっていく要素が大きいと認識しています。

 

【記者】

 北陸新幹線の敦賀以西ですが、概算要求には事項要求という形で盛り込まれました。改めて知事の受け止め、評価と、来年度着工を勝ち取るために年末に向けてどういった動き、運動を展開されていくのでしょうか。

 

【知事】

 事項要求については、通常であれば整備事業費の補助という形の804億円の部分だけが要求される中で、整備の追加的に必要な経費として事項要求がされているということからすれば、これは北陸新幹線の着工に向けた何らかの追加的経費をお考えということです。中身がわかりませんので評価はなかなか難しいところですが、我々のこれまで申し上げてきた内容を踏まえて措置がされたのかなと考えています。

 一方で、結果として、政府与党でお決めいただいている令和5年度当初の着工が実質的な形になるように、しっかりと形になるように、この年末の予算編成に向けて、国もしくは与党の中で議論をして、形にしていただきたいと思っています。

 それに向けて、これまでも、特に今年度に入ってからは、これまでの前例にとらわれず、必要なときには必要な行動をとるということで、北陸新幹線建設促進同盟会でも、2度の中央要請、そして総会なども開かせていただいていますし、イベントなども行ってきています。大阪などでの機運醸成も始まっています。

 年末の予算確定に向けて、これまでの前例にとらわれないで、中央要請活動を沿線一体となって、また議会や経済界も一緒になって強化をしていく。また、大阪や京都でも、これから機運醸成ということに力を入れていただけると伺っています。関西広域連合、関西経済連合会、JR、こういったところを含めて、関西地域における機運醸成、さらに沿線全体の機運醸成、こういったことに一層の力を入れていきたい。そのために、福井県としてもいろいろなところに顔を出したり、応援したり、やらせていただこうと思っています。

 

【記者】

 高木委員長が以前、アセスメントの完了や工事認可の前であっても着工が可能ではないかというような、個人的なお考えについて発言されました。現状そういった手法についての知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 環境アセスメントが遅れているということについては、着手は全体的にできていると伺っていますが、遅れているということは事実だと思います。その中で、どういう形、どういう方法で着工していくのかということについての知恵出しということのご発言を、高木先生がご自身でされているのだろうと思います。しかし、これはこれから与党の中でも、高木先生がやられている整備委員会で議論されますし、また政府の中でも、国交省がしっかりと、当時の赤羽国交大臣が、与党の令和5年度当初着工という決議を重く受けとめて、着工5条件等の課題を早期解決を図るというふうにおっしゃっているわけですので、そういったものを、政府と与党の間で十分に考えて形にしていただきたいと思います。

 

【記者】

 岸田首相が、新増設・リプレース、運転延長を検討すると表明しましたが、この受け止めをお聞かせください。また、一部立地地域ではリプレースを進めてほしいという意見が出ていますが、県としての現時点の立場を伺います。

 

【知事】

 これまで、この場も含めて私が何度も申し上げているのは、現状の原子力政策というのは非常に先が見えないという状況になっているので、そうすると事業者の安全投資を含めた投資というものがなかなか行われにくい。さらには人材もだんだん先細りしていく。結果として立地地域が安全ではない状況に置かれるのではないかということで、国に対して原子力の将来像、特にどのくらいの量をどんな道筋で確保していくのかといったことを明確にすべきだと申し上げてきました。

 これに対して、新増設・リプレースのところも国は明確にしてこなかった状況の中で、岸田総理が原子力に必要ないろいろな議論、こういったものの検討をしっかりとして、決断していくというような趣旨の発言をされたということは一歩前進したというふうに考えています。

 ただこれは、検討しろと言っているだけなので、その後どういうことで、例えば核燃料サイクルというものを実現していくのか、将来における原子力の姿、量や道筋、こういったことも明らかになったわけではありませんので、しっかりと議論をしていただきながら、国としての方針を固めて、説明を十分にしていただきたいと思います。

 立地地域の首長方の発言されていることについては、私も報道等で認識しています。これについては、それぞれの立場で、立地地域という立場を抱えながらの発言だと認識しています。ただ、これはそういうことであって、まだ国の方針が決まっているわけではないので、まずは国の方針をよく見ていこうと考えています。

 

【記者】

 政府は運転期間の延長の検討についても始めるようにとの発言がありましたが、県として、現状で最大60年とされている運転期間の延長についてどのように考えているのでしょうか。

 

【知事】

 これについては、運転期間が何十年だから良い、悪い、そういうことを私たちに知見があるわけでも、基本的にはありません。ですから、こういうところは規制当局を含めて、どういう状況であれば安全なのかということを考えていただく必要があるということかと思います。

 しかし、基本的には古くなれば安全性が損なわれる可能性が高まるということは一般的な認識だと思うので、こういったことに対して、しっかりと規制当局を含めて答えていく。それについて我々にも説明していただく必要がある。とにかく大切なことは、立地地域としていつも申し上げていますが、まず安全最優先。安全でないものを動かす必要はない。このように考えているので、今後とも科学的、技術的な観点も含めて国でしっかり検討して方向性を出していただきたい。そのうえで説明いただきたいと考えています。

 

【記者】

 新増設・リプレースの検討について、知事も一歩前進、国も政府方針を示したと思いますが、検討段階とはいえ、いつまでに、誰が、どの次世代型の炉を作るといった、主体が全く見えないと思っています。県として、これからどういったことを国に求めていくのでしょうか。

 

【知事】

 基本的なスタンスは、新増設・リプレースしてくれと言っているわけではありません。我々は新増設・リプレースを含めて、国として原子力の姿というものを明確にしないと、今動いているものも安全に動かせなくなるということを申し上げています。決して、新増設・リプレースをしてくれと言っているわけではありません。

 そのうえで、この後の流れはどうなるのかということを私が申し上げることではないので、大きく言えば国が方針を示して、それに手を挙げる事業者がいて、国がそれに対してどのように応えていくのか。今まではこういうような流れでできてきたのでしょうけれども、新しい次世代革新炉と呼ばれるものをどのように整備していくのか、これについても国が明確にしていくのだろうと思っています。

 

【記者】

 美浜3号機が再稼働して、再び40年超運転に入りました。関西電力で稼働しているプラントで、ここ3か月足らずで軽微なものを含めトラブルが非常に散見されています。知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 いろいろなトラブルの原因等についても報告を受けたりしています。そういう中で例えば、長く使ってきたから傷んできている部分もあるようですし、基準に沿った運用ができていなかったヒューマンエラーみたいなことも多いと認識しています。

 いずれにしても安全面においては大きく規制庁、規制委員会がしっかりと審査のうえで実施しているので、そういう意味での安全性について問題はないと我々は信じていますが、そのうえで人が動かすもの、もしくは日頃しっかりと点検しながら安全に対する意識を持ちながら運営をしていかないとトラブルが起きるということです。

 また、3か月で9回と、そういうような回数が度重なると県民に対しても不安が生じるので、そういったことは決して好ましくない。事業者、国に対しては、規制当局も含めて、しっかりと、科学的な面もそうだし、ヒューマンエラーの面も含めて意識を高く持って、安全追求に終わりはないので、そういった方向で日頃の点検、運転等を行っていただきたいと思います。

 

【記者】

 秋に予定されている原子力防災訓練について、進捗や開催時期等分かっていることがあれば教えてください。

 

【知事】

 政府主催のところですし、今日現在、私どもも新しい情報があるわけではありません。

 

【記者】

 原発のトラブルの関連で先ほどもおっしゃったように、美浜原発のトラブルに関してはヒューマンエラーといえるミスが相次いだと考えています。嶺南でも長い間原発が動かなかったことで、最近になって一気にいろいろ動きがあるということで、作業員の方の例えば技術の継承などに懸念があるのではないかという声も聞かれます。知事としてはどのように考えているのでしょうか。

 

【知事】

 これについては当然まずハード面においても、そして運営の面においても国の規制当局が基準を設けて、それに対して審査をクリアして、日々の運営をされていることで、最低限安全というものは確認をされたうえで、運営がされていると認識をしています。

 ただ、最終的には人間が一人ひとりのそれにかかわる人たちのそれに対する、だんだん体で覚えるところも含めて、スキルという部分も大切ですし、心構え、さらに言えばどこに気を付けるのかという経験知といったこともあると思います。そういう意味で最初のスタートのところがこのように重なったという説明もあるのかもしれません。

 いずれにしても、安全が第一で、ミスは許されないと思うので、まだ小さいから良いとかそういうことではなくて、これからも緊張感をもって、事業者さらには国もしっかりと運転をしていただくことが肝要だと思っています。

 この後、もし大きなことが起きれば大変なことですので、そういうことがないように、こういった小さなトラブルのうちに、しっかりと今の状況を見直して進めていただきたいと思います。

 

【記者】

 岸田首相の発言について、今の知事の発言からするとまだこれは原子力政策の方針が明確化されたとは言えない状況で、さらに明確にするように求めて行くということで良いのでしょうか。

 

【知事】

 これはそうだと思います。検討しろと言われているものであって、こうしろと言われているわけではないと認識しているので、結論についてはこれから検討されて示されるのであろうと思っています。

 ただ、方向としては今まで次世代革新炉と言われるものの技術を開発するという話はありましたが、開発や建設について検討しろという話があったので、それは方向としては今まで現実にどれぐらいの量にするのか、どういう道筋で行くというような話をしていても、それに対しての答えが全くなかったことから言えば、方向としては、我々が求めていることに答えていこうというような方向に踏み出されたと考えています。

 

【記者】

 新増設・リプレースが少し現実味を帯びてきたと思いますが、福井県としては誘致の方向に動くことになるのでしょうか。

 

【知事】

 これについては先ほど申し上げたとおりで、我々が新増設・リプレースをやってくれという立場にあるわけではありません。これはしっかりと国として原子力政策もしくは電源の確保、こういったものを考えた場合に、どういう方向にしていくのか、そういうことがまず最低限立地地域の安全性という場面では重要なところになります。

 その上で、これからもそういった原子力政策がこの後事業者などに受け入れられてそれを事業として成り立たせる、そういう議論が進んできて立地地域がそこに出てくるということが今までの流れです。これからは、そういったまず何もなかったところから安全性の面を含めて、国が一歩踏み出したことについての評価は先に申し上げましたが、その上でこの後、実際にその新増設・リプレースなり、そして発電所稼働や設置の話をどうしていくのかといったことは、国や事業者がどう考えるかだと思います。

 

【記者】

 福井県としては積極的に県内に作ってくれということはあまり表明していかないという理解でしょうか。

 

【知事】

 それはどちらでもありません。まずは国の様子を見てということです。

 

【記者】

 新増設・リプレースについて、昨年のエネルギー基本計画改定では、原発の依存度を可能な限り低減とあります。それとの整合性について、知事はどのような認識でしょうか。

 

【知事】

 閣議決定や、いろいろな形で手続きを経ています。現状においての国の考え方は、エネルギー基本計画や成長戦略、そういうところに書いてあるとおりだと思います。しかし、それで物事は進まないので、今、次の一歩をどうするのかという議論の最中です。これから方針そのものがどうなるのか、どういう形で決定されていくのか、この両方を見ていく必要があると思っています。

 

【記者】

 知事は脱原発ではないと思いますが、基本的なスタンスは、国や事業者が安全性に責任を持つのであれば、国策として原子力政策を推進したい、立地自治体の思いに応えたいという考えでしょうか。

 

【知事】

 いつも申し上げていますが、福井県の原子力に対するスタンスとしては、これまで50年以上にわたって、国の原子力政策というものにある意味賛同というか、歩調を合わせながら、原子力発電所の立地と運転を続けられているわけです。

 結果として関西地域、さらには全国的にも、非常にそれによって経済的な恩恵を受けているという状況にあると思っています。

 そういう意味では、これからも安全性が確認されていく、そういう前提で国の方針がしっかりと明確に示され、我々が理解できる、そういう中で原子力というものは進められていくと認識しています。

 

【記者】

 多額の交付金が県や自治体に交付されていますが、こういうものがなくなっていくことに対する不安はあるのでしょうか。

 

【知事】

 それはもう完全に副次的なものだと思います。

 先ほど来申し上げているように、安全でないものを運転する必要もないし、今後見通しがなくて、事業者の動向を見て安全投資もできていないということになってくれば、やはり交付金とかそういった問題ではなくて、一番大切な安全を守る、県民を守るということだと思います。

 一方で、そうした運転がされるということの中で、地域としての最大利益をできるだけ得ていくということは、これは単に交付金の話だけではなくて、いろいろな形で次の産業、共創会議でもそうでしたが、新しい産業を興す、こういうことに各メーカーや企業、事業者が参画して国も一緒になってやっていく。こういうところはできるだけ進めていただく。そういう意味では、県民の最大益を追求していくということはあると思います。

 

【記者】

 GX実行会議で新増設・リプレースの議論がされることになりましたが、一方で核燃料サイクルの問題や最終処分場の問題などで、将来的な見通しがクリアでない部分があります。立地の知事としてこういったところへの不安を感じることはないのでしょうか。

 

【知事】

 いつも総合資源エネルギー調査会、もしくはその中の原子力小委員会で申し上げていますが、まさに全体としての原子力政策として一つあります。そういう意味では、同時並行で、いろんな課題を明確にしていただく必要があります。常に私はそういうところでも発言させていただいているし、国に対しても申し上げています。

 

【記者】

 当然同時並行でやるべき問題だとは思いますが、流れ的に見ていると、原発回帰への道筋がつけられているような印象もあります。一方で同時並行でやるべき核燃料サイクルや最終処分場の問題について、現状十分な取り組みがされているという考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

 現状十分かと言えば不十分だと思います。それは、最終処分場もまだ決まっていない。その過程、時間の流れと熟度というのは、明日すぐに最終処分場ができないとおかしいなどと申し上げる気はありませんが、いずれにしてもいろいろな状況の中で、同時並行でそういったことは進めていただく必要があると認識しています。

 

【記者】

 安倍元首相の国葬への対応についてお聞きします。福井県としてどのような弔意を示されるおつもりでしょうか。

 

【知事】

 まだ国からそういったことについての通知等をいただいておりませんので、そういう意味では、これから考えるということで、国の通知や他県の状況も踏まえながら、考えさせていただこうと思っております。

 

【記者】

 国葬への出席については、いかがでしょうか。

 

【知事】

 これについては、他の公務等もありますので、そういった他の公務等も見ながらだと思います。時間が許せば、出席したいとは考えています。

 

【記者】

 産総研の北陸拠点について伺います。建設工事が活発化していくところと思いますが、一方で、テーマに沿ったシーズを持つ企業との関係性作りがまだ見受けられません。知事として、前のめりにマッチング活動について取り組むのか、考えをお聞かせください。

 

【知事】

 まだ具体的にこれをやろうというようなところまで至っていない。どの企業が何の技術についてやるということについてはまだ決まっていません。それについては、また別途担当部の方からお答えをさせていただきます。

 いずれにしても、今年度中に建物をつくって、来年度ぐらいから動くのだと思いますが、これにできるだけ合わせて、そういったことが進められるようにしていきたいと思っています。

 

【記者】

 ソフトの方はもう少し後からついてくというイメージでしょうか。

 

【知事】

 少なくとも、スタートするときには、当然、目玉になるような事業を決めながら、対象となる、一緒にやる企業、団体も決めてやっていくことになると思います。

 

【記者】

 安倍元首相の国葬について、時間が許せば出席したいということでしたが、これは一政治家の政務として行かれるのか、それとも公費を使って公務として行かれるのか、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 これはまだ時間が許すかというところもわかりませんし、公務があればそちら優先ということも十分あるわけですので、全く決めていないということが基本、今の状況です。

 しかし、普通に考えて、国が閣議決定したそうした国葬に、私どもが参加するというようなことであれば、これは公務だというように認識をしています。

 

【記者】

 現在各地で、北海道や関西の方だと思いますが、弁護士たちが知事らの参列については、憲法違反であるというような監査請求をしていると承知しています。これについて、知事は少し違う考えをお持ちであるということでしょうか。

 

【知事】

 報道でそういった中身については承知をしております。詳細がどうなっているのかわかりませんので、基本的に私がコメントするということは控えたいと思いますが、私の認識は、先ほど申し上げました、閣議決定された国葬、こういった国の公的なイベント、そういった事業が行われるわけですので、ここに参加ということになれば、それは公務だという基本的な認識ですし、このことは、様々なことが、いろいろな形で、政府主催の知事会議が開かれれば、これを政務で行くというのはまた少し違うかなと思いますので、一般的な認識として申し上げたところです。

 

                                            ―― 了 ――

 

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知事公室広報広聴課

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