知事記者会見の概要(令和5年1月11日(水))

最終更新日 2023年1月19日ページID 051738

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令和5年1月11日(水曜日)
10:30~11:20
県庁 大会議室

知事写真230111

 

【知事】

 新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 最初に、私から2点、今年の県関係の大きなトピックスのご説明と、新型コロナの現状、これからの留意点についてお話しさせていただきます。

 

〔配布資料:令和5年の主なトピックについて

 1点目、今年の主なトピックについてです。

 まず一つは、今、臨時休館中ですが、恐竜博物館のリニューアルオープンを夏ごろを目途に行っていきます。完成予想図にあるいわゆる小タマゴの中にシンボルモニュメントができます。手取層群で多くの恐竜が発見されていますので、そういうところで福井県の恐竜が発見されたということをイメージしながらモニュメントを作っています。

 また、リニューアル後の新たな目玉になるのが、一つは実物大の恐竜が演出されます。この巨大スクリーンは、高さ9メートル、全長48メートル、実物大の恐竜が動き回る大迫力の画面が設置されますし、映像もNHKエンタープライズさんが、今、一生懸命作っていただいています。大変評判になると思っています。

 また、冬にどうしてもお客様が減る、見るところがあまりないということになるわけですが、この化石研究体験室が年中活用されるようになります。例えば、クリーニングの体験、CTのいろいろな検査の体験、骨格の組み立ての体験、また、冬でも発掘体験ができるような仕掛けもさせていただきます。レストランやショップなども、大きくしていきます。

 また、恐竜の関係も、珍しい恐竜、世界でも本当に珍しい、ブラキロフォサウルスという皮膚などがミイラ化して残っている、全体の90%ぐらいが軟組織なども残っているような恐竜の展示もしていきますし、今44体の全身骨格を50体まで増やすことも行っていきます。

 また、開館までの間、恐竜がいなくなってしまうということのないように、ゴールデンウイーク前後に企画展、特別展を福井市内で開催する予定になっています。先日も名古屋駅周辺でサテライト館をやらせていただきました。これも大変好評でしたし、関西圏でもこういったことを行っていこうということで、今年の夏の再開に向けて、これからもPRに務めていきます。

 続きまして、北陸新幹線の開業まであと1年になりました。駅舎についても、遅れていた敦賀駅は現在順調に工事が進んでいますので、秋ごろには建築物の建設も完了するということです。現状は、すでに敦賀駅までは線路がつながっているということで、電気設備などの工事を行っています。駅舎と直接関係ありませんが、電気設備が大体秋ごろ、同じような時期に完成してくるそうですので、それが完成してくると走行試験などの実施もできるということになります。

 あわせまして、今年の3月に、各4つの駅で1年前イベントも実施していく予定となっています。また、ドラマも作成いたします。福井放送のおじゃまっテレワイド&ニュースの枠の中で、2週間にわたりまして5分間のドラマを作っていく。私も中身は知りませんが、不思議系のドラマだそうですので楽しみにしていただければと思います。

 ふくい桜マラソントライアルランも3月26日に実施いたします。ワンサード、3分の1ということで、14.5kmだそうですが、これはもう早々に売り切れていまして、5,000人のお客様に走っていただく予定です。

 続きまして中部縦貫自動車道の関係ですが、今年度内、3月までには勝原インターまで、少し遅れていますが、秋までには九頭竜インターまで開通する予定で、いよいよ令和8年の春、新幹線県内開業から2年後には全線開通ということになっています。

 冠山峠道路については、岐阜県揖斐川町から池田町までの間、今は2時間15分で高速を使って行ったり来たりしていますが、これからは1時間25分で、今は冬は通れませんが、冬も通れるようになります。大変便利になって、中京のお客様はお金を使えば早く来れますが、お金を使わなくても、無料の道路を使って来られるようになるということで、冠山峠道路を活用していただけるようになります。

 中部縦貫道ができれば、本当に中京と太いパイプができるということで、期待しているところでございます。産業団地なども徐々に埋まってきていますし、企業誘致などにも活かす、経済活性化、観光誘客といったことに使っていきたいというところです。

 そして、日本スポーツマスターズ2023福井大会が9月15日から19日に開催されます。このアンバサダーとして、見延和靖選手や清水邦広選手、武井壮さんといった方になっていただいたり、応援アンバサダーとしてチアドリームプロジェクトのみなさんにも参加をいただいておりまして、9市5町、14市町で29会場13競技を実施するということで、全国から1万7,000人のお客様がお集まりいただける。選手と関係者が何日も泊まっていただきますので、観光面でのいろいろな活性化も期待しているところです。

 続きまして、東京でアンテナショップを今、整備しています。「ふくい食の國291」は銀座1丁目にアンテナショップを移転してオープンするということで、2月下旬をオープンの目途としています。販売や観光など、今まで銀座店は少し小さかったですが、それでも売り上げは大きかった。そこのところをさらに売り場を広くして、使いやすい、良い場所に移転するということで、首都圏と福井をつなげる拠点にするということです。

 「南青山291」は3月下旬のオープンということにしています。今は物販などをしていますが、そこをカフェとコワーキングスペースにリニューアルして、食で発信すること、そして福井の企業さん、特にスタートアップのような企業さんに、東京でのビジネスの拠点にしていただくといったことを考えています。

 今もリミテッドストアということで、期間限定ストアを銀座のところに置かせていただいていますが、これも非常に好評ですので、ここも人気を落とすことなく、スムーズに新しいリニューアルオープンに向けて移行できるのではないかと考えています。

 また、産業技術総合研究所の北陸センターについて、6月ぐらいまでには開所できるのではないかと伺っています。

 デジタルものづくりセンターとは何かよくわかりにくいですが、ICTを活用したものづくりをするもの。非常に幅広い分野があると思います。例えばスマートテキスタイルで高機能性の衣服などの開発を行う、または、金属3Dプリンタの活用術を研究開発する、こういうことでこれからの例えば繊維業界や眼鏡などにも活かせるようなことを積極的に研究していただく。

 全国に11のこういった研究拠点があり、その11の研究拠点では、7つの研究領域の研究をされていると伺っています。そことここが結ばれて連携する拠点にもなってくる。デジタルものづくりセンターとしてだけではなく、いろいろな11ある全国の研究拠点との成果に結び付けていく。こういうことにもなるということで、これは北陸に限らず、日本海で最初の研究拠点になりますので、大変期待しているところです。

 以上が令和5年の主なトピックです。

 

〔配布資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 続きまして新型コロナ対策です。

 今日の新規の感染者数につきましては、亡くなられた方が2名で、新規感染者数は1,139人。1週間前の1週間と比較して1.44倍で、急激に拡大をしている。逆に言うと年末年始がかなり落ちていましたので、そういう意味では、年末年始の前の状況に戻ってきているという状況になっています。

 病床の使用率は昨日よりは4床減って、39.0%、196床になっています。重症病床については落ち着いている状況に変わりはありません。

 グラフで見ていただいても、まだ第7波のところまでは、いっていないという状況になっています。

 こちらは年代別に感染者数を見ています。病床の使用は少し増えてきているということで、特徴的なのは10代、10才未満、ここは学校がお休みに入りましたので、一気に沈静化をここまではしていますが、比較的以前は落ち着いていた20代が、この年末年始を境にして急に増えてきている。そして、65歳以上の方も急に増えてきていまして、そういう意味では、この年末年始を経て、活動量の多い若い方、そして持病など重症化リスクのある高齢者の方に感染が広がっている。さらに、昨日から学校が始まりましたので、10代や10歳未満のところがまた上がってくる可能性が非常に高いということになっていまして、感染の拡大については今、危惧されています。

 もう一つはインフルエンザの流行でして、各県ごと、全国と北陸3県の状況です。1定点当たり1を超えてくると流行が始まったと言われますが、もうすでに富山では昨年末12月から1を超えてきていますし、全国の状況でも1を超えてきて、石川県もそれに倣ってきている。福井は今のところ低いですが、その可能性は十分にあるということで、新型コロナとインフルエンザの同時流行ということが非常に危惧される、懸念材料になっています。

 そういうことで、インフルエンザとの同時流行を防ぐために、基本的には行動のパターンとしては同じで、みなさま方が個人として感染対策をしっかりとっていただく。それが安全安心につながるということで、体調管理の徹底、体調不良を感じたら登校、出勤を控える。無料検査も受けていただく。「おはなしはマスク」が非常に重要だと思います。新年会など会食のときも多いと思いますので、お話しをするときにはマスクをしていただく。最近見ていても、本当に以前と同じような会食というところも多いですが、そこも少し気を付けていただく必要があるかなと思いますし換気の徹底もお願いしたい。そして特に重症化リスクのある方、やはり毎日1人2人と亡くなられる方いらっしゃいます。こういう方を見ていると、やはり重症化リスクのある方ご本人が人混みを避けるなど、周りも気を使って差し上げることが重要だと思います。そしてワクチン接種。やはり今できることは、感染されてない方、ワクチン接種も重要ですので、お願いいたします。

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 知事からいろいろなトピックを今お話しいただきましたが、今年の抱負と、それを表す漢字一文字を教えてください。

 

【知事】

 今年の抱負で言えば、やはり北陸新幹線の敦賀までの開業がいよいよ来年に迫ってまいりました。その準備をする総仕上げの年が今年だろうと思います。私としても、今仕掛けているところ、もちろんまずは恐竜博物館ということもありますし、今申し上げたいくつものトピックスがあります。こういったものをしっかりとやりあげることが、まずは100年に1度のチャンスを活かすという意味で大事なことだろうということで、それに邁進をしていきたいと考えています。

 一文字で表すということを考えてみると、100年に1度のチャンスを活かして、福井の新しい時代を「拓(ひら)く」。福井の新時代を「拓(ひら)く」ということが一番大切な年になると思いますので、「拓」という字。特に、開拓という言葉があります。「ひらく」には「開」と「拓」という字がありますが、「拓」の方だと思います。「開」の字は、例えばプレゼントを開くのように、あるものを開いていくというような感じがありますが、ないところにも道をつける、新しいステージに進むという意味からいうと、やはり「拓」の方かなと思いますので、「拓」という字が私は適切だと思っています。

 

【記者】

 コロナについて、年末年始は少し低く抑えられていましたが、また年が明けて増加傾向にあります。インフルエンザに関しても、福井県内ではまだ1医療機関当たり0.3か0.4ぐらいで推移していると思いますが、近県ではすでに流行期に入っているところも増えてきました。

 改めて、同時流行に備えた県民への注意喚起、また、コロナは5類への引き下げの議論も国でようやく具体化してきたと思います。仮に5類に実際引き下げられた際の県内の医療体制、内科・小児科で8割ほど外来に対応できる体制を整えていらっしゃると思いますが、その見通しについても改めてお聞かせください。

 

【知事】

 コロナが始まって、一気にインフルエンザがなくなっていたので、コロナとインフルエンザは同居しないという思いもありましたが、最近の傾向を見ていますと、やはりコロナが流行っていてもインフルエンザも流行るということは全国的に明らかになってきていると思います。

 一方で、今の増え方を見ると、これは個人的見解も入っていますので専門家の方に聞いていただくといいですが、やはりマスクをしっかりするという感染対策が少し疎かというか、以前に比べると緩やかになっている部分が、同時流行を招くということにもつながっていると思っています。県内のお医者さんなどと話しても、そういうことが疑われるというようなこともありますので、やはりコロナもインフルエンザも、感染症としては、専門家の方に言わせると、大きく言えば同じ部類ですので、まずは飛沫感染を避けるということでマスクをする。マスクをするときは「おはなしはマスク」。飛沫を浴びる、浴びせられる、その可能性が高いときにマスクをしているということを、まず一番にイメージしていただくことが大事です。

 その上で、やはり接触感染ということもあり得ると言われていますので、手洗いやアルコール消毒。特に冬の時期は、重症化しやすい他の病気と合併すると、どうしてもコロナ感染の場合には通常の医療が受けにくくなります。今、亡くなられる方を見ていても、これもお医者さん方が言われているという趣旨で、ちゃんと調べるとどうかということは別ですが、とはいえ傾向として見ていますと、やはりコロナ感染だと治療する側も少し、例えばいつも吸引している痰を取る回数が少し減ってしまう、食事を差し上げる回数が少し減ってしまうなど、それで衰弱していくということも起きていますので、そういうことも十分意識していただいて、周りの方も一緒にかからないということは大事ですので、マスク、そして手洗いやアルコール消毒といったことは、換気ももちろんですが、いつもどおり個人としてやっていただく必要性は、時期的には高まっていると思っています。

 その上で、今、国でもアドバイザリーボードなど、議論が始まっています。5類への変更というお話については、私はもう第6波、第7波の経験の中で、8月くらいからすでに、定点観測に移して全数調査をやめて、そして医療機関側の受け入れの仕方をインフルエンザ並みに整えることで、医療機関の逼迫を招く可能性が低くなるのではないかということを申し上げ、福井県内のコロナの重症化率、これもいつも申し上げていますが、0.079%ということで、インフルエンザの10分の1の重症化率ということをもって、できるだけ通常の診療をしていただく。

 県内には大体10,000床あります。その400床から500床の病床を確保している。これはコロナ専用の発熱外来だったり、もしくは入院治療する場所の病床だったりします。これは全体で見て4%から5%というのが今の病床の確保の状況。これに対して、インフルエンザと同様の扱いになれば、それがもっと広がっていく可能性があるわけです。ですので、そういう意味では、重症化の状況、また、今亡くなられる方のような個別に重症化されている方々の重症化のなり方、こういうことなども踏まえて考えれば、十分にアドバイザリーボードで、どの点に気をつけながらやるかということも考えて、5類相当に移っていただく必要はあるのではないかと思っています。

 しかし、ラゲブリオやゾコーバなど、いろいろな治療薬も出てきましたが、コロナの場合はまだ非常に治療費が高い。ワクチン接種にしても、有料化すればかなり高額になりそうだというようなことから、当分の間はこういったことは維持していただく。大事なことは、今申し上げました、福井県内の場合は329の医療機関で内科・小児科の8割がやっていただいている。そういう意味では、本当にインフルエンザに近づいていて、発熱があったらうちに来てください、それで感染対策もしながら治療していただける、こういう体制を全国で作っていくことだと思います。

 今はどちらかというと、コロナは来ないでくださいということが、逆に言うと、医療機関側から見ると許されるような状況になりますので、そういうことのないよう、医療機関の側にも安全性やこういうふうにすれば大丈夫だということも、しっかりと国もしくは専門家のみなさんが明らかにしていただいて、軟着陸できるようにしていく。急にバッとあけるとやはり混乱しますので、そういったところをぜひ、最大の現場は都道府県ですので、都道府県とも十分調整しながら、国はそうした方針を決めて、そういった説明もしっかりとした上で、国民や医療機関に対してもしっかり説明をして、軟着陸していく。こういうことが必要なのではないかと思っています。

 

【記者】

 5類に引き下げになった場合、県民に対して、コロナ禍の中で一つの大きなメッセージになると思いますが、5類に引き下げになった場合、県民は今後どのように行動していくべきか、知事の見解を伺います。

 

【知事】

 5類に引き下がるということは、それなりに安心感につながっていくのだろうと思います。当然インフルエンザの様なものという認識も広がってくるでしょうし、そもそもの精神的なストレスが小さくなってくるということだと思います。

 そうなると何が起きるかというと、当然マスクなしでいろいろな活動をどんどん始めていくということになるわけですが、一方で、今の福井県はそこを常に目指しながらやってきていますので、医療機関も含めて、いつでも来ていただけるようにということを整えつつありますが、それでもやはり入院病床という意味では、全体で見ればまだ4%程度の入院病床の確保という状況になっていますので、こういったところを少しでも底上げをしながらやっていかないと、急にみなさんがマスクをとって活動を始めても、コロナの感染は止まっていませんので、それがくると、やはり重症化リスクの高い方、高齢の方、こういう方は入院ということが増えてきて、急に病床が逼迫するということが十分にあるわけです。ここのところは国にもぜひお願いしていこうと思っていますが、そうした軟着陸の仕方というか、徐々にうまく状況を合わせていく。みんなの気持ちが急に発散するばかりではなくて、病院の体制などをだんだん普通に整えていきながら、マスクを外す機会も増やしていく。

 こんなことをしながら、もしくはウイルスの株の状況なども見ながらやっていくことを、国が発信していくことも重要だと思っています。5類になるときがまた大事で、5類になりました、これで終わりですとはいかないと思います。しかし、すごく大きなきっかけにはなりますので、そう心配しなくても徐々にみんな慣れていくのかなと思っています。福井県はその中でも特に先頭を切って、安心安全をお届けできるように、医師会もしくは病院などともよく相談しながら今後とも進めさせていただきます。

 

【記者】

 敦賀以西北陸新幹線の延伸について伺います。まず延伸に向けて関西方面では機運を盛り上げていくとおっしゃる一方、慎重な動きもありますが、具体的にはどのように機運醸成に取り組んでいかれるのでしょうか。

 また、先日、自民党石川県連の福村県議が、米原ルートを再検討する必要もあるとおっしゃっていて、沿線の足並みがそろっていない印象も受けるのですが、北陸新幹線建設促進同盟会会長としてどのように進めていくのかお聞かせください。

 

【知事】

 機運の醸成は、本当にみなさんに、特に関西地域のみなさんにいつも申し上げていますが、この全線開通、北陸新幹線全体で700kmの中の後2割の140kmを完成させれば、その部分だけでも1910万人の交流人口が全国で増えて、その内1650万人は関西のみなさんにとってのメリットになる。2700億円の経済波及効果の概ね9割が関西の利益になっていくわけですし、さらには東京と関西という、関東と関西のバランスも今、非常に崩れているとご自身がおっしゃられていますので、そういうことの一つの大きな効果のある重要なプロジェクトであるということを、まず認識をしていただけるような、そういうPRをしっかりしていくということだと思います。

 さらに言えば、金額に代えられない、いわゆるリダンダンシー、南海トラフ地震は必ず起きますので、必ず起きる南海トラフ地震に備えてあるのか、ないのかは、関西地域のみなさんにとっても、とても大きな違いがある。さらに、これは全国的に見た、日本国にとっての必要不可欠な事業であるということの認識、自身にとってのメリット、デメリットだけではなく、そういったこともぜひご認識いただくということも必要だと思いますので、これは単なるPRだけではなく、政府を挙げてしっかりとそういうことをご認識いただけるような説明や周知をしていくことが大事だと思っています。

 そういったことをこれからも、北陸新幹線建設促進同盟会としても、また、経済界もだんだん真剣に盛り上がってきています。またJR西日本さんが何よりも、これはぜひ必要だと思って進めていただいていますので、そういった方々と連携しながら、去年のようにいろいろなことを、また仕掛けていくこともやっていきたいと思います。

 また、米原ルートの話は常に出てきていることだと思います。石川県の県会議員の方がそういうお話をされたということは、私も報道ではよく存じ上げております。しかし、米原ルートというのは、そもそも平成29年3月の与党PTの結論、小浜・京都ルート、この考え方の中でも、米原は一見早くできるように見えて乗り換えが必ず生じます。駅の構造上、乗り入れようとしても、駅をどこに作るかという問題が当然出てくるわけで、必ず乗り換えになる。もしくは、いろいろなブレーキや運行システムが全然違いますので、これは単純に乗り換えられるものではありませんし、結果的に、例えば北陸から大阪に行く時間は長くなると思います。

 やはり6年前7年前の決定が合理的だったと思うのは、速達性、大阪まで早く着く、そして利便性、安く行けて乗り換えもない、こういったことを十分に検討されて結論を得ているということだと思いますし、今の動きとしては、アセスもしっかりと今進めていただいていますし、また着工5条件の解決に向けての検討もしているわけですので、こういったことから言えば、一足飛びに米原ルートということにはならないのではないかと思っています。我々は当然、昭和48年に整備計画を決めたときに、長野、富山、小浜市付近を通って大阪に至るのが北陸新幹線ということになりますので、そのときから決まっているということだと思っています。

 

【記者】

 福村石川県議の発言を受けて、石川県の馳知事が、京都問題を考える参考にしたい、県議の意見を十分に咀嚼した上で、杉本知事ならびに他の知事、国会議員の方々と意見交換を行いたいと、取材に対するリアクションがありました。

 米原ルートに関する知事のご所見はどちらかというと否定的というか、現実的ではないというお話でしたが、馳知事の発言はそれとは毛色が違うように見えます。北陸3県の連携といった点も含めて、今後どのように対応していくか、馳知事の発言への所見も含めてお伺いします。

 

【知事】

 これは、みなさんメディアで、こんなことを言われていましたといって、すぐにこれはどうするんですかという話なのかもしれませんが、今、全体は、馳知事も含めて、今のルートを、いかに課題を乗り越えてやっていくのかということで一致してやっていると思います。

 もちろん何事につけ、一つのことを成し遂げるときにはいろいろな意見がありますので、そのことに全く耳を傾けないということではありません。当然、必要性があれば、それに対しても考えを進めていくということもあると思いますが、現状がそういうような状況になっているというようなことではないというふうにも認識をいたしております。

 必要なときは当然馳知事ともお話ししますし、これからもいろいろな機会でお会いもしますので、認識をお互いに確認しながらやっていくのかなと思います。しかし、今、米原ルートという方はいないということはないと思います。いろいろな方がいらっしゃいますから、それはあると思いますが、今、全体としては、これはJR西日本さんも小浜・京都ルートをぜひと言っている、運行主体もそうおっしゃっているわけで、ここを曲げるということは、今、そういう状況にはないのではないかと私は思っています。いずれにしても丁寧に、沿線のみなさんともまた、いろいろな機会を使いながら話し合いもしながらということになると思います。

 

【記者】

 京都の問題では、一部で京都駅の場所について地下ではなく地上に作ってはどうか、あるいは京都府内の中部や北部にトンネル区間とは別に、地上部に新駅を設けてはどうかといったアイデアもあるようでが、そういった考えについての知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 現在行われているいろいろな調査は、基本的に京都を地下駅にして、大深度地下になるかもしれませんが、京都駅のどのあたりにするかはともかくとして、あのあたりに地下で接続していくような計画で調査なども進んでいるのではないかと思います。

 おっしゃっているような議論は、平成29年に決めた内容とは少し違っていますので、それは与党PTの中で議論して決めた中身が、今、そういうふうに動いていくということだと認識しています。これも一つのお考えとしておっしゃる方がいるということなのだろうと思います。ですから、これは、政府や与党がよく検討して決められたことを進めて、1日も早く大阪につなげていただくということが大切だと思います。

 しかし、もう一つの課題として、やはり京都もしくは京都以外でも、いろいろな課題が出てきていると思います。そういったことに何らかの形で応えていかなくてはいけないということに、どのようにアプローチしていくのかということはあると思いますので、そうした議論があることを私が止めるということでもない。ただ、今は与党PTが決めたことに従って、政府も一緒に進めているのではないかと思っています。

 

【記者】

 原子力政策については次世代革新炉等の新しい議論が出始めていますが、一方で使用済核燃料の中間貯蔵施設については計画地点の確定まで1年を切りました。関西電力はこれまで不退転の覚悟で決めていくという趣旨の発言を繰り返していますが、近く、関西電力幹部と面談する機会があるのならばその時期はいつになるのでしょうか。また、どういったことを求めていくのでしょうか。発言に進展が見られない場合、どのように対応されるのか伺います。

 

【知事】

 関西電力とは明日、挨拶をいただくことになっていますので、例年のことであれば現在の様々な課題についての進捗状況の報告がいただけると思っています。その中で当然、言われたような中間貯蔵施設の計画地点の確定についての状況も話があると思っています。

 これは、あちらが約束された中身なので、当然のことながらしっかりとやっていただくということだろうと思いますし、そうした報告がされると思いますが、現状がどうなっているのかまず確認をしたうえで、言われていた今年中の計画地点の確定について、社長自身が先頭に立ってやっていただくことについて、確認をしていくということかと思っています。

 

【記者】

 昨年の年頭の面談では、あらゆる可能性を追求するという発言がありました。一部では福井県内という話もあるようですが、県として改めて県外でという方針に変わりはないでしょうか。また、その理由についても伺います。

 

【知事】

 その福井県内でという意味も、そういった話を聞いたことがないので、直接コメントがしにくいところですが、これは関西電力が2023年末までに、福井県外の中間貯蔵施設というか、使用済核燃料を県外に持ち出す場所を確定すると言っているわけですので、そのことを申し上げているということに尽きます。

 

【記者】

 これまで、過去にも具体的な地点を示すという時期が何回もあって、結果、示されずにここまで来ているわけです。それを含め県として、考えたくはありませんが、今年末にも示されなかった場合、どのような対応をとるのでしょうか。

 

【知事】

 これは関西電力が自分でやると言っているわけですから、私たちがそれに余念を持って、ダメだったときはどうするというようなことを今申し上げるような時期でもありませんし、中身でもないのではないかと思っています。

 

【記者】

 年末のGX実行会議の関係で、経済産業省や原子力規制庁から一体となって説明を聞くとのことですが、いつ頃でしょうか。

 

【知事】

 早めにということで、今も日程は調整中で、決まっていませんが、そう遠くはありません。今月中には少なくとも、しっかりと話し合いをさせていただく機会を作ろうということでやらせていただいています。

 

【記者】

 経産省などから説明を聞く際に知事が確認したいことは何でしょうか。

 

【知事】

 大きく言えば経産省と原子力規制庁という相手になると思いますが、特に経産省の側で言えば、運転期間の延長と言われていて、我々が安全性のことを言うと、それは政府として一体となって対応するということでしたので、どんなふうに一体的に対応するのかということの確認をしないといけないと思っています。

 また、安全投資がしっかりとできるような仕組み作りについても申し上げてきました。これも行動指針の案の中で、そうしたものを電力市場の仕組みを作るということも言われていますので、その具体的な姿、こういったことが必要なのだろうと思います。

 使用済燃料対策、バックエンド対策、こういったことについても加速すると言われていますので、その具体的な中身、こういったことを経産省に対しては聞いていくのかなと思います。

 原子力規制庁に対しては、逆に今の運転期間の延長と規制の強化、ここのところの関連性をしっかりと伺うとともに、より規制を強化する、審査を厳しくすると言われていますが、具体的にどうするのかを、詳細にどこまで聞けるかはありますが、考え方は確認する必要があるかと思います。

 また今回60年超という話が出てくるわけですから、それと安全審査、安全性の確認、こういったものがしっかりとうまくいくのかということも確認する必要があると、大きくは思っています。

 

【記者】

 高浜1、2号機が今年再稼働予定で、県内では7基稼働することになります。これに伴い40年を超える運転が3基となりますが、このことの受け止めと事業者に求めることを伺います。

 

【知事】

 原子力発電については、日頃から申し上げているとおり、これは古いとか新しいとか関係なく、安全第一ということです。日々の点検や定期点検、様々な機会があるので、そういったところでしっかりと安全性の確認をしていただいて、安全で安定した運転ということを心がけていただく、これが一番だと思います。

 その上で高浜1、2号機については、40年超ということもありますし、もう一つはやはり10年以上動いていなかった炉ということにはなりますので、そういう意味では美浜3号機が同じような状況で先般稼働している、その経験はあるので、こういったものを活かしながら安全に再稼働するということを関西電力には心がけていただきたいと思います。

 そういったことをやっていくと、全国の原子力発電がこれから10年を超えて止まっていたものが次々動いていくと思いますが、そういったところにも活かされていくのではないかと思いますので、他への模範という意味も含めて、関西電力はしっかりと安全性を確認しながら進めていただきたいと思っています。

 

【記者】

 まちづくりについてお伺いします。福井駅西口の三角地帯のA街区をはじめ、着々と各駅前、県内全体の再開発、新たなまちづくりが進んでいるかと思いますが、一方で県都グランドデザインの目玉の一つであるアリーナについては民設民営としながら、支援体制等が固まっておらず、一部の県民からは本当に大丈夫なのかというような声も上がっています。

 福井市とも連携するものだと思いますが、県として、今、具体的な支援体制、支援のあり方についての検討状況をお聞かせください。

 

【知事】

 物事には進み方があるので、最初からきれいに決まってうまくいくというのは、特に行政の仕事であれば、当然そういう説明責任もあるでしょうが、これは民設民営が基本でやっていただいて、本当に苦労しながら今進めていただいているということで、とても頭の下がる思いでございます。

 そういう意味では、年末にアリーナの整備主体の中に、株式会社オールコネクトさんが加わっていただいて、特にその中身として、コンテンツとして一番重要と思われているBリーグの参戦と活躍、セットで運営にも力を入れたいというふうに言っていただいている。特に福井をにぎやかにもっと元気にワクワクするようなところにしたい、というようなことをおっしゃっていると思います。

 こういった点、オールコネクトさんはまだ新しい企業ですが、とても元気で、しかも前向きにやっていただいている企業さんですので、我々としても大変歓迎をしたいと思っております。

 その上で、現実の問題としていつも申し上げていますが、福井県で民設民営でそうした類のものは、完全に独立して採算が合うのかというところは難しいというのが現実だと思います。

 とはいえ、やはり場所もいいですし、人を集めやすいコンテンツもあったり、斬新な映像含めたそういった設備を設けるというようなことの話もありますので、こういったことの方に進めば、とてもまちのにぎわい、県全体のにぎわいも高まると思いますので、こういったところは、そうしたスポーツに限らず、コンサートやコンベンションなどいろいろな関係者もいらっしゃいます。こういった方々の声も聞きながら、また県民のみなさんの思いも聞きながら、市とともに支援の仕方、こういったこともよく考えていきたい。

 おざなりというよりは、やっぱりこれは一緒になってやっていくんだという思いは大事だと思います。民設民営が基本ですが、これは行政も一緒になって、県民のみなさん一緒になって盛り上げていく。これが大事だと思いますので、そういうようなことで、我々もしっかりと考えていきたいと思います。

 

                                            ―― 了 ――

 

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