知事記者会見の概要(令和5年2月6日(月))

最終更新日 2023年2月23日ページID 052068

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令和5年2月6日(月曜日)
10:30~11:30
県庁 大会議室

知事写真230206

 

〔配付資料:令和5年度当初予算案について令和5年度当初予算案の概要令和4年度2月補正予算案の概要主要事業

【知事】

 今日は、令和5年度の当初予算についてご説明させていただきます。

 まず、全体のポイントですが、令和5年度当初予算につきましては、今年の4月9日に知事選挙がございますので骨格予算になります。しかし、北陸新幹線が来年3月に開業する、年度内に開業するということもありますので、これに向けては年度当初からいろいろな準備をしていかなければいけない。また、物価高騰対策も機を逸することがないようにということで、予算に計上させていただきまして、予算の規模は4,861億円。骨格予算としては、過去2番目の規模になっています。

 予算の主なポイントとしましては、新幹線の準備、物価高騰対策、そして通常の中でも一部必要なものについては措置をさせていただいています。

 規模的には、昨年度と比べれば4.9%減ですが、過去10年間の予算をご覧いただきましても、結構大きな規模になっています。

 県債残高や財政調整基金の残高の見込みについてですが、4年度末の県債の残高は5,390億円ということで、令和元年度に見込みました4年度末の財政収支の見通しよりも減少しています。また、4年度末、これはいずれも今年度決算ということですが、決算見込みでは、財政調整基金も151億円ということで、私が知事に就任したときに比べて減っていないという状況です。

 また、今の期間の行政としての目標として、行財政改革アクションプランがございまして、令和5年度までの間、県債残高が6,000億円以上にならない、また、財政調整基金も100億円を切らないということを目標にしていますが、これについても4年度末ではクリアしているということで、私が知事になってから4年間、こうした目標に従って、安定した財政運営をしているということかなと思っています。

 具体的な主な事業ですが、まず、北陸新幹線福井・敦賀開業カウントダウンの首都圏のプロモーション事業ということで、今年度も行いましたが、東京駅、丸の内でカウントダウンキャンペーンを行います。また、上野や大宮、高崎、長野、こうした沿線の駅やその周辺のショッピングモールといった人が集まるようなところで、北陸新幹線のPRを行うということが一つございます。

 また、北陸デスティネーションキャンペーンが令和6年の秋にございますが、このプレイベントが来年度、令和5年秋にございます。特に、県内では「全国宣伝販売促進会議」が開催されます。これは大きなイベントとしてありますので、こういったものを中心に誘客拡大を図っていきます。

 並行在来線が来年度、新幹線の開業とともに発足いたします。JRから経営分離される区間の鉄道資産の取得といったものの経費を97億4,800万円計上させていただいています。

 また、キャッシュレス化を鉄道でも進めようということで、バスについては令和4年度、5年度で整備するということで予算化していますが、鉄道につきましても、福井鉄道、えちぜん鉄道で交通系のICカードの導入を支援し、キャッシュレス化を進めていきます。また、ハピラインふくいも県が応援しまして、システムの改修を支援していきます。

 そして、恐竜博物館のリニューアルオープンということで、1億4,000万円あまりを予定しています。このときに、誘客拡大のためのカウントダウンイベントやオープニングセレモニー、また、大人気の恐竜ライブショーといったことも行わせていただきます。

 また、ふくい桜マラソンを来年の3月31日に開催することが決まっていますので、これに必要な経費や宣伝する経費も載せています。

 そして、北陸新幹線が来て鉄道を利用した後、二次交通でいろいろなところへ出かけていただく。そういうときに、道路や、観光地などに向かっていく表示板、案内サインのようなものもお化粧が必要だろうということで、特に来年度は重点的に、例えば、舗装や区画線などの補修を行ったり、こちらに和紙の里がありますというような表示をしたり、横断歩道が消えているようなところを集中的に直していきたいと考えています。

 そして、物価高騰対策ということで、電気・ガスの高騰が非常に今言われています。特に、例えば繊維業界のように電気を多く使うという業種がございます。そういう場合は、金額の多寡だけではなくて、なかなか全体の事業のコストダウンなどの自己努力だけでは吸収しきれないということがございます。また、電力の関係ではご家庭用の低圧、企業用の高圧がありますが、低圧についてはそれなりにしていただいて、高圧についてはその半分ぐらい、特別高圧にはそういった措置がないという状況がございます。そのため、高圧、特別高圧、そして工業用のガスの契約をされていて、電気・ガス料金の割合がコストの中の5%以上というところで、4月から北陸電力さんは4、5割ぐらい引き上げということを言われていますので、4月から6月、前年同月よりもひと月でも上回っているような場合について、例えば、増加額が10万円以上だったら1件当たり60万円。これは一括して期間分お支払いするということで、ここにある金額で助成させていただきます。

 また、生活困窮者向けについては、国でも一律給付等もされていますが、さらにきめ細かく、生活困窮者のみなさんに対する相談体制を強化するということを行わせていただきます。相談窓口があるということを周知させていただきますし、また、お越しいただいたら、食料品、必需品のようなものを差し上げるということもさせていただいて、ぜひ一度ご相談にお越しくださいということもPRさせていただく。また、相談員の方のスキルアップなども行っていくことを考えています。

 続いて、一般的な事業では、まず、地域部活動体制の整備事業ということで、令和5年度から7年度、部活動の地域化ということを文部科学省が打ち出していましたので、予算で我々も期待していましたが、それはわずかな額になりました。しかし、これに対しては、県と市町でこれを予定どおり進めていこうということで、取り組ませていただくこととしました。学校の部活動というものを地域のスポーツ・文化芸術活動として休日行っていくことを進めさせていただこうと考えています。

 続きまして、デジタル技術を活用して農林水産物の販売・交流拠点を作ろうということで、JA福井県経済連が主体となりまして、県内に次世代型の物販施設、直販施設を作っていこうと考えていらっしゃいますので、それを応援しようということです。主な考え方としては、今、JAさんが直販所を作ると、そこへ近隣のみなさんが自分のところの野菜などを持ち寄ってきて、そこで売られている。しかし、それ以上の広がりがないということで、新たにJAさんの方で、そうした直販所でぐるぐるとものを回していく仕組みを作っていく。こうすることで、例えば山内かぶらなどが嶺北でも食べられるようになり、その地域にとっては多く売れるようになる。こういうことを狙って行うものです。

 あわせて、よくお惣菜なども売っていますが、お惣菜は大体どこの直販所も、そこでお弁当を少し作ったり、煮物を作ったり、そこだけで売るという感じですが、これも今のシステムを使うと、セントラルキッチンのようなものをこの場所に作りまして、それで広く県内に配送ができる。効率化も図れる。こういうことを考えて今回作られる。

 プラスして、デジタル技術の推進ということで、ライブコマース、ライブキッチンのところで何か作りながら、作っているとここはどのように調理したらいいですかといった書き込みなどが出てきて、これを見ると、ここはこのようにやりますと、すぐにその場で実演してくれる。こういうことをすると非常に売れ行きというか、注目も集めやすいということです。また、スマート農業の実証圃場も近隣に作るということで、スマート農業の実演などもこういうところでもやらせていただくと伺っています。こういったものを、福井市内と聞いていますが、作られますので、応援させていただこうと考えています。

 そして、デジタル地域通貨の導入事業ということで、実際にどう使うかは6月補正予算で対応していく予定ですが、まず基盤の整備をしていこうと、2月補正予算で予定しています。例えば、デジタル地域通貨のアプリをダウンロードしていただくと、今も、コロナなどの関係で時々給付金などがありますが、こういうものがすぐに受けられる。また、いろいろな地域活動を行っていただいたときにポイントを付与するということを行ったり、こういうことができるアプリになります。

 また、ふく割とは少し違いますが、地域商品券、よくあるクーポンのような、1万円買うと1万2,000円のクーポンが手に入るということもすぐに実現できる。こういう基盤となるアプリを先に作っていって、これを行政としても6月補正以降で活用する。また、民間企業さんにも開放して使っていただけるようにする。そうすると、民間企業などがCSRなどでボランティア活動をしてくれたらポイントをあげます、健康管理などで何歩歩いてくれたらポイントをあげますなどといったことにも民間のみなさんがいろいろな活用をしていただけるというものです。

 また、福井の空から県民を守るドローン防災事業ということで、河川や道路など、災害が起きたときにいち早く、どこが今どのような状況になっているのかということを、上から確認する。先日、南越前町の栃ノ木峠付近で、入口のところで通行止めになってしまいましたので中まで入れなかったのですが、ドローンを飛ばせば、この場所がこのように崩れているということがわかります。全天候型の、雨にも強いドローンを購入いたしまして、各土木事務所に置いて、何かが起きたときには目視外でも自動的に上から見られるようにするということを、今回実施させていただきます。6月には出水期に入りますので、何とかそれに間に合うような形で整備もしていきたいと考えています。

 以上が予算の関係です。

 

〔配布資料:新型コロナ・インフルエンザの流行状況について

 次に県民のみなさんに注意喚起ということで、新型コロナとインフルエンザの関係についてお話をさせていただきます。

 現在、新型コロナは少し下火になってきています。だいぶ減ってきていますが、逆にインフルエンザが上がってきています。定点あたり1週間30人というのがインフルエンザの警報水準ですが、ここに近づいているという状況になっています。

 同時流行と言うかどうかはともかくとして、これを合わせますと、数の上では第8波の一番多かった時期を超えてきています。しかし、数から言うと、この時期でも感染者の数は1,800人台でしたので、福井県で予想していたコロナとインフルエンザの同時流行1日最大5,000人という水準から言えば、まだ十分余力が残っているような状況になります。

 いずれにしても、こうした感染症が非常に流行っている時期ですので、県民のみなさんに対してはいつも申し上げていますが、コロナとインフルエンザは、非常によく似た経路で感染していきます。コロナの方が感染しやすいと言われています。そういう意味では、コロナに対する対応をしっかりしていただければ、インフルエンザも防げるということになると思いますので、こういった体調管理を徹底して、体調が悪いときには外に出ない。そして、おはなしはマスク。やはり今の時期は、コロナが下火ということではなくて、徹底していただくことが、インフルエンザにもかからないということです。また、特に体調がすぐれないお年寄りや持病をお持ちの方は、少し変だと思ったら早めに医療機関を受診していただく。そうすると原因がよくわかりますので、コロナやインフルエンザも重症化しないということになりますし、ワクチン接種も早めに、特にオミクロン対応のものをしていただく。インフルエンザの注射もしていただく。こういったことをお願いしたいと思います。

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 当初予算について伺います。知事は子育て関連に注力していかれるということをこれまでもおっしゃっていますが、今回、骨格予算ということで、そういったところはまだ色濃くは出ていないと思います。一方で、北陸新幹線の開業対策については、重点的に政策を盛り込んでいらっしゃると思います。改めて、今回の2月補正も含めた予算に込めた思いをお聞かせください。

 

【知事】

 これは、基本的には骨格予算ということで、政策的経費については6月補正予算で、新しい体制で決めていただくということだと思っています。しかし、当初にも申し上げましたが、北陸新幹線は来年3月開業ということで、いろいろな準備作業は年度当初からかかっていないとできない、間に合わないということも多くございます。

 また、もう一つは物価高騰対策。県民のみなさんの生活の面や学校、部活動の関係なども4月からすぐに取りかからないといけないようなもの、また、国の補正予算が2月予算ということで、今年度の補正予算でついているというようなものについては、来年度、6月補正の時点では財源もなくなっているということになりますので、こういったものは積極的に取り込んだということです。骨格予算ということをしっかりと守りながら、その上で、県民生活に非常に重要な要素の部分を盛り込ませていただいたところです。

 

【記者】

 電力の高騰対策を補正予算に入れていただいていると思いますが、現在の福井県内の経済状況、電力高騰の影響をどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

 いろいろな方とお正月以来お会いをさせていただいていまして、円安は、ある意味輸出企業さんはプラスというところがあるわけですが、電気代などの高騰は、もうどこもかしこも言ってみればコストが上がってくるということで、お困りだという話をよく聞かせていただきました。それはこの年末年始に限らない話なので、福井県といたしましても、公共交通機関や公的なところに対しては、これまでにすでに予算措置もさせていただいていますし、手厚く原油価格等に対しても措置を講じているというところかと思います。

 そういう中で、さらに4月から北陸電力などの電気料金が大幅に上がるということを踏まえて、大変大きな悲鳴を上げておられるということも認識しています。また、そのことをもって、やはり県内の景気もさらに悪くなっていく可能性があるということがありますので、今回、特に国の支援も強化されていますが、さらに、コストの中に占めるエネルギー価格の大きいところ、繊維産業のような福井県の主な産業の一つとしてありますので、こういったところがそこに多く入ってきている。こういうことを踏まえて、今回の措置をさせていただいたところです。

 

【記者】

 電力の高い水準というのは長期化する可能性もあると思います。とりあえず4月~6月というところだと思いますが、今後長期の見通しとしてはいかがでしょうか。また、金額としては十分だとお考えになっていらっしゃるのでしょうか。

 

【知事】

 これは、十分かどうかというと、それは程度というか、これからどのように電気料金等が推移していくのかということも大きな要素だと認識しています。国も、昨年の秋から10か月程度分ということで、いろいろな措置を行われていると思います。我々としても、4月から6か月程度の期間を見ながら、今、措置をさせていただいているという考え方です。

 しかし、いずれにしても、地方の場合は決まった枠の中で赤字地方債を発行できるわけではありませんので、そういう中では、今回は、県としてもぎりぎりの措置をさせていただいたというところです。やはり、抜本的には国でこうしたことに対して、長期化してくれば、それに必要な新たな措置も行っていただけるように、我々も引き続きお願いをしながらやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 北陸新幹線の開業対策でも今回かなりの事業件数が予算に盛り込まれていると思いますが、6月補正以降にまた新たに手当てされると思います。現状、首都圏での新幹線に対する知名度であったり、県内の機運であったり、二次交通の問題であったり、いろいろ課題はあるかと思いますが、今回の予算措置である程度手当てできているという認識でしょうか。

 

【知事】

 とりあえず、我々が北陸新幹線をお迎えするということに向けての予算準備としては、大体このように進んでいくのかなと思っています。

 現状、福井県への北陸新幹線開業がどの程度認知されていて、そして盛り上がっているかということで言うと、まだまだこれからで、盛り上げていかなければいけないと思っています。先般の政策投資銀行のアンケート調査の結果でも、東京に限れば、北陸新幹線が来年春開業するという認知は半分以下だったということも言われています。これを上げていこうということで、先ほどご説明しましたが、北関東の主要駅、もしくはその周辺のショッピングモールのようなところで、恐竜なども連れて行ったり、いろいろな形で北陸新幹線が行く、着く、ということもPRしていきたいと思います。

 一方で、やはりこういうものは、近づいてくると我々もこのように努力をします。メディアのみなさんも、北陸新幹線が福井・敦賀というところにつながっていくというときに、いろいろなPR、特集を組んでいただいたりしていくと思いますし、我々もそういったお願いも引き続きやっていきますので、来年の3月には相当盛り上がってくる、もしくは盛り上がって行かせるために、とりあえず必要な予算については措置をしてきたと考えています。

 

【記者】

 新年度、当初予算ということで、やはり何といっても1年後に迫った北陸新幹線ということだと思いますが、北陸新幹線関係で、今回の新年度予算に込めた1年後の開業に向けた知事の思いや意気込みを改めてお聞かせください。

 

【知事】

 いよいよ、新幹線が来年の3月には開業すると大変期待しています。これまで、民間のみなさんも含めて、もしくは県民のみなさんにも、いろいろな形でお迎えの準備をしていただくということでお願いしてきて、それがどんどん形になっていると思います。見ていただくと、線路はつながっていますし、今年の秋ぐらいには試運転も始まるということで、そうするとまた、どんどん新幹線が来るぞという雰囲気になりますし、絶景スポットやここで写真を撮るということも、どんどん広がってくると思います。また、各駅周辺の状況も、福井駅前などでは大きなビルが建ってきて、いよいよ来ているという期待も広がってきています。

 その上で、さらに行政として盛り上げていかなければいけない、もしくはお客様を迎え入れる上で、道路の舗装やいろいろな案内看板みたいなものも直していかなくてはいけないというところがありますので、今回、措置をさせていただきました。また、デスティネーションキャンペーンにつながるプレイベントといったことの予算措置もさせていただきました。そういう意味では、ハードの面をみなさんとともに整備をさせていただきながら、また、迎え入れるというソフト面、こういったところを行政と県民のみなさん一体になって、さらに盛り上げていければいいなということで、今回の予算措置をさせていただいています。

 

【記者】

 今回、コロナ禍になって初めてと言えるぐらい、コロナとインフルエンザが逆転するという現象が起きていると思いますが、雪国など寒い地域ではそれが先行して起きていたかと思います。それも鑑みて、こういう状況がいつまで続くという警戒感を持っているのでしょうか。また、どうしてもコロナということにみなさん注意がいっていて、インフルエンザの恐ろしさが少し薄れているような気もするのですが、改めて注意喚起をお願いいたします。

 

【知事】

 いつまで続くかということについては、楽観はできないというか、コロナも一旦下がっていますが、またいつ上がってくるかわからないということがあります。しかし、一方でインフルエンザは、基本的には季節性だと見られますので、そういう意味では、今の時期が一番ピークになってくるというのが例年の状況かなと思います。今月の間ぐらいは、しっかりと感染防止対策をとっていただく必要があると思います。

 一方で、対策といたしましては、専門家の方に時々お話を伺いますが、インフルエンザとコロナについては、感染症という意味ではよく似た類型になっていて、いずれかというと、インフルエンザよりもコロナの方が、一般的には感染力が強いと見られている。こういう状況ですので、これまでやられてきたことを、きちんと思い返して対策をとっていただくことが、インフルエンザの予防にも繋がると考えています。

 みなさんにはもう少し、インフルエンザは3年ぶりに大きく広がっていると思いますので、そういう意味では、体の方が少し新しい株に慣れていない可能性があって、重症化することもあると思いますので、まずは感染対策をとっていただいた上で、体調が悪いときには、それがインフルエンザやコロナなどと思わないで、福井県の場合はいずれの場合も病院で見ていただけますので、身近な診療機関に行っていただければと考えています。

 

【記者】

 マスクの着用について、政府が、この春の卒業式、入学式でマスクなしで学校行事を行えるようにと検討しているようです。文部科学大臣も着用は各家庭で判断してくださいということもおっしゃっています。県として、この春の卒業式等々のイベントでは、当然声を出す場面もあると思いますが、マスク着用を引き続き求めるのか、学校ごとの判断に任せるのか、あるいは家庭ごとの判断に任せるのか、そのあたりの指針をお聞かせください。

 

【知事】

 これは報道等で、検討がなされていると伺っています。しかし、文科省や他の政府機関から直接、このようにしてくださいといった通知等は、今のところないという状況かと思います。

 また、これから、報道のとおりであれば、国でも検討が進んで、卒業式にどうするのかといった考え方も示されると思います。それに従って、県としてもこれから考えさせていただいて、卒業式のときの適切な対応をとらせていただくということかと思います。

 伺っている限りでは、常識の範囲内で、できるだけ最後の日だからということも意識しつつ、やはり声を出すときには気を付けようという感じですので、ある意味、常識的なお話をされているのかなと思っています。

 

【記者】

 5類引き下げによって、春以降、一般の医療機関でも幅広く患者さんを受け入れていくことになると思いますが、現時点で、入院体制や治療体制について、医師会などと協議を進めていることはありますでしょうか。

 

【知事】

 常時、医師会等ともいろいろなお話し合いをさせていただきながら、やらせていただいています。まだ、国から、5月8日以降もしくはその前の段階も含めて、マスクをどうするか、医療機関の体制をどうするかなどといったことについては、もう少し後、来月ぐらいに入ったら、いろいろ検討の結果について、国民に対して説明いただけると伺っていますので、最終的にはそれを踏まえて、我々としては対応していくということになると思います。

 しかし、福井県の場合は、いつもご説明申し上げていますが、コロナ専用の発熱外来という意味でも、いわゆる風邪のようなインフルエンザなどといったものを受けていただくような病院である内科・小児科の8割、334の医療機関が、すでに発熱外来としてコロナにも対応いただいていますし、入院機関としても67あるうちの36の医療機関は、すでにコロナ感染者を入院させていただいているという実績もあります。そういう意味では、数が一時増える可能性もありますので、その体制をどうするかということはありますが、これからはそれに今まで関わってこなかったところの体制の整備を少しずつ広げていく、今から準備もしていくということでの我々の対応かと思っていますので、他の地域に比べると相当進んでいると思います。

 一方で、何も手元にないままでやるというのは、なかなか難しいところはあると思います。これから、知事会などでも国と地方の協議の場も設けながら議論をさせていただきたいと申し上げていますが、やはり、例えば、コロナ感染者を見てこなかったような病院などが何かするときには、施設を少し整備しなければいけない、もしくは診療報酬などでコロナ感染症に対するインセンティブが必要かもしれないといったことについても、国に要請もしていきたいと思っています。

 

【記者】

 コロナによって隔離があって、高齢者の方の治療が遅れたり、ケアの回数が減って体が弱くなってお亡くなりになるようなことが散見されます。知事もおっしゃっていますが、過度な防護をせずに、どのように高齢者の方の治療につなげていくか、医療機関が過度な防護をしているケースもあるようなので、どのように5類に向けて軟着陸というか、これまでと同じような治療をしていくのか、お考えがあればお聞かせください。

 

【知事】

 ここのところは、やはりおっしゃるように、防護を緩めていけば感染が拡大するということは十分にあり得るわけですので、医療機関や介護施設などの、5月8日以降の防護をどうしていくのかということについては、十分に、これから国も含めてご検討いただいて、あとはそれぞれの現場で考えていくということが重要だろうと思います。

 国もおっしゃっているのは、基本的には個人もしくは施設の判断に、ある程度ゆだねながらやっていくということですので、そういう意味では、やはり想定されるのは、5月8日前後で、一般的には少しずつマスクを外すなど、防御が緩んでいくのだと思います。そのあとも、やはりコロナウイルスが季節性に変わっていって、もう少し弱毒化するのかといったことの経過を経ながら、それを見ながら、そうした各施設、介護施設や病院等の施設の開放も、徐々に進んでいくというやり方になるのかなと思っています。

 

【記者】

 5類引き下げについて、5月8日と政府が時期について決定していますが、この時期の妥当性について、知事の見解をお聞かせください。

 

【知事】

 5月8日と決まっているのは、しっかりは聞いていませんがゴールデンウィーク明けという趣旨かなと思います。タイミング的には、やはりこれまでコロナ感染症は、基本的に人の交流が激しくなると増えるという状況もありましたし、また、過去3年間を見ても、ゴールデンウィークの時期には感染者が増えるというような、年間の中でも一番大きなピークの一つだったと思いますので、安全を見ながらやっていくという意味では、一つのタイミングだなと思います。また、暖かくなる季節ではありますので、そういう意味では、こうした感染症、特にインフルエンザなどとの同時流行という心配もあまりないのかなということで、タイミング的に5月8日というのは一つの考え方だろうと思っています。

 

【記者】

 先月末、10年に1度の寒波と言われるものによって、県内でも、大雪でまた道路が寸断されるなどがありましたが、これまでの大雪の経験を活かして、今回うまくいったこと、また、新たに課題として出てきたことがあればお聞かせください。

 

【知事】

 本当に雪は、雨もそうですが、難しいなということは感じたところです。

 一つ、少し経験が活きていることは、やはり事前から、まず十分に、メディアのみなさま方のご協力もいただきながら、このような状況になりそうだということを住民のみなさんによく周知をさせていただいて、こういうときには外出を控えていただく、大きい道路などを必要ないときに通行することをやめていただきたい、こういうことも申し上げたり、または、外から入ってくる車両に対して、広域で、早い段階から、3時間後には止まる可能性がありますなど、また、事前に通行止めということの周知についても、1時間前には通行止めにしますといったことを、できるだけを早く周知することをやらせていただいて、県内では、何百台も並ぶというような、停滞するということが起きなかった。こういうところは、一つ、今までの成果がある程度出ていると思っています。

 一方で、やはり本当に難しいと思いましたのは、特に24日が一番大きな寒波だと言われて、多く降るというお話もあった日ですが、このときはまだ、予防的通行止めを行った段階では、道路に雪が降り積もっている状況ではなかったというのは、県民のみなさんもお感じになられていると思っています。

 こういう状況も踏まえて、私どもは、国やNEXCOに対して、雪が積もっているならともかく、2年前のときには、雪が降ると言うだけで結局降らないで、通行止めが続いたということもありましたので、そういったことを繰り返さないようにお願いしたいということも、強く申し上げて、相当やりとりもしました。しかし、やはり止めると言っていた夕方の5時の段階には、本当に吹雪いていて、前も見えないような状況だったということで、これはやはり仕方がないかなと思います。そういうことで、いろいろなバリエーションがありますので、後で終わった瞬間になると、結局雪はそれほどでもなかったということがあるかもしれませんが、そういうことは、予報の部分と現状を踏まえて、我々としても最善を尽くしていく。結果として見れば、何でというところもあったかなと思っています。

 こういったことも、今回、また振り返りもさせていただきながら、経験を積んでいくしかないと思っています。決して、事前の予防的通行止めについても、以前のような低い水準、少しでも雪が降ったら止めますというところは、事前から実はもっと緩めています。その上で、とはいえ、こういうことが繰り返されないように、できるだけ我々としても努力したいと考えています。

 

【記者】

 1月末に高浜4号機が自動停止するトラブルが発生したことについて、受け止めを伺います。

 

【知事】

 今回のトラブルについては、警報機が鳴って、すぐに運転を停止する方向に動いているということでは、安全装置が正常に働いたということですので、そういう意味では、大きく悪い方に行くというような事象ではなかったということです。

 とはいえ、どうしてそうなったのかということが分かっていない状況ですので、こうしたトラブルは近隣の住民のみなさんにも大きな不安を与えます。いくらモニタリングの結果として、外に放射線が漏れていないといっても心配になりますので、やはり、まずは原因の究明をしっかりとやってもらって、再発防止ということには細心の注意を払ってもらって、これは規制委員会の指導の下にやっていただきたいと思います。

 

【記者】

 高浜4号機は、3号機とともに蒸気発生器交換の事前了解願いが出されています。先日、関西電力を県に呼んだ際、安全環境部長は、まずはトラブル対応に注力するようにという発言もありましたが、知事としては蒸気発生器の事前了解願いと今回のトラブルについて、今後どのように進めていくのか伺います。

 

【知事】

 蒸気発生器については、先月31日、安全専門委員会で議論いただいて、特段、これは安全サイドの方に向かっていくような話なので、問題もないだろうというような結論を得ているというふうには聞いています。

 その上で、同じ4号機ですので、そういうところでこうした予期せず、トラブルが起きているわけですから、まずは原因が何であるのか、再発防止はどうできるのかといった、これは安全サイドにさらに立った、こういったところを規制委員会の指導の下に明らかにしていただく。

 いずれにしても作業は進められませんので、しっかりとまずは原因究明と再発防止策を進めていただくことが先だろうと考えています。

 

【記者】

 関西電力の不正閲覧の問題について、1月に社長と面談したときよりも規模が大きくなることが明らかになっています。改めて受け止めを伺います。

 

【知事】

 1月12日に私が申し上げましたが、事柄がさらに大きくなっているということであればさらに問題ということですが、コンプライアンスについて過去にあったことを悔い改めているということだけを言うことがそもそも間違っています。

 やはり、風土というか、企業の中に、どこに原因があるのかといった本質的に見定めないと、一つ一つのことについて、これはこうした、これはこうしたといくら言っても、またあるのではないかと、結局次も出てくる。こういったことになるのではないかと思います。

 関西電力は、企業風土そのものをよく見つめ直してもらって、こういったことが二度と起きないようにすることに努めていただく必要があるということを強く申し上げたいと思います。

 

【記者】

 政府が原子力に関係が深い自治体との最終処分場についての協議の場を設けるという方針が報道されています。政府が処分対策について少し踏み込んだと思いますが、知事の評価はどうでしょうか。

 

【知事】

 私どもは特に聞いていない事象でしたので、どういうことかとまず国に問い合わせしているところです。

 大きく方向から言えば、バックエンド対策の加速化ということは国も言っていましたので、そのこと自体は国民的な広がりのある議論をしていくということは重要だろうと認識しています。

 しかし報道されているような、立地地域を含むような、関係する自治体との間の協議の場とはどういう意味なのかということについては、しっかりと我々は見させていただく必要があると思っています。

 この事柄は、広く原子力発電による電力を活用している地域全般がしっかりと受け持っていく、考えていかなければいけない事柄だと思います。

 

【記者】

 先日、そごう・西武の社長と面談する機会があったと思いますが、こちらから要望したことやそれに対する返答、中身を教えてください。

 

【知事】

 2月1日に、そごう・西武の本社に伺いまして、林社長さんとお話をさせていただきました。

 私どもが申し上げたのは、一つには、いかに西武福井店が地元に愛されてきたか、だるま屋さんになってからもう100年になろうとしている。1928年の創業だそうですので、そうした歴史と、県内唯一の百貨店になって、時々西武が危ないと、西武を支えるためにいろいろ県がやっているといった報道が出るたびに、県民のみなさんは、何とか残してくれというようなお話もされますので、こういった県民の熱意も一緒にお話をさせていただきました。

 また、新幹線が来ることでいかにこの地域、周辺にお客さんが来るようになるのか、また近くのところに恐竜のモニュメントも置かせていただく、モニュメントというかホログラムなど、みんなが行きたくなるようなものを作っていくということも申し上げて、これから有望ですということも申し上げさせていただきました。

 林社長さんからは最初に私どもに対して、報道でいろいろな憶測が出ているということについて、地元をお騒がせしていることがまことに遺憾だというようなことを最初におっしゃられました。その後、今、そごう・西武としては西武福井店を継続するという強い意思を持っているともおっしゃられていましたし、また、地域に愛される店舗として引き続き営業したいというようなお話もございました。

 そして、県や市から非常にご支援もいただいているということについての評価もいただいたところです。また、その結果として、西武福井店としてはしっかりとした数字も残せているということで、今後とも、地元のみなさんにこうしたものをしっかりと還元できるようにしていきたいというようなお話でした。

 また、私どもが今度譲渡されると言われている会社に対して、またタイミングが合えばお願いに伺いたいというお話を申し上げたところ、2月1日の話し合いの中身は、譲渡の予定をされているところに対して、ご説明もするし、会いたいと言っていますということもお伝えしますとも言っていただいたところです。

 いずれにしても、譲渡されても西武福井店を運営するのはそごう・西武なわけでして、その会社のトップが非常に前向きにお話をいただいたなとは感じています。

 

【記者】

 6月補正について、選挙もありまして知事が引き続き務められれば、補正でこういった肉付けをしていきたいですということや必要というような考え、現時点ではいかがでしょうか。

 

【知事】

 これは、あまり選挙の前にそういうことを言って、利益誘導のようなことになってはいけないとは思います。

 とはいえ、やはり福井県で今まで子育て支援も一生懸命やってきましたし、新幹線に向けてワクワクドキドキできるような県民のチャレンジの応援ということもやらせていただいて、最近は本当に若い人も含めてチャレンジしようと、もしくはコラボする、いろいろな人たちがいろいろなネットワークをどんどん重ねて面白いことを考え出しているように、私もいろいろ交流していると感じていますので、こういったことをしっかりと形にできるようにしていくということも大事だと思います。

 また、まちなかの整備もまだ少し遅れている事業もありますので、こういったものを前に進めるようなことも必要だと思います。様々な面がありますので、こういった点はまた6月補正に向けてしっかりやっていきたいと思います。女性活躍も頑張らないといけないと思っています。

 

【記者】

 子育て政策について、先日、岸田首相と意見交換があり様々な意見が出たと思います。今後県としては6月補正予算も含めて、新たな子育て政策を設ける、これまでの制度を拡充するといった何か考えがあればお願いします。

 

【知事】

 一昨日、総理にお越しをいただいたのは大変光栄でした。政府の子ども・子育て政策というのは、金看板の一つだと思っていますが、その岸田政権の最初の政策対話の第1号、子育て先進県ということで以前から総理にもお話していましたが、福井を選んでいただけたというところが大変私もうれしく思っております。結果として、総理も子育ての一つのモデルとなるような地域だと言っていただいていますので、そういう意味ではこれからも、やはり全国の子育て政策を引っ張っていくような、そういう立場として頑張っていかないといけないなという思いも強くしたところです。

 選挙の中でこういうことも申し上げていけばいいと思いますが、今福井県が進めているのはIターンの核家族、こういう人たちの子育て。福井県では三世代同居・近居といったところで、大変子育てを助けていただいています。しかし、先日の政策対話のときにも出ていましたが、やはりそういった親を頼るだけではなくて、もしくは女性の苦労、犠牲の上に成り立つということではなく、もっと男性も含めて、もしくは地域や会社などといったところが、しっかりと子育てを応援するような形にしていく必要があるとは思っています。社会全体でできるだけ子育てを進めていけるような体制にしていくことが大きな目標だと思っています。

 そういう意味では、今後、6月補正予算になるのかどうかわかりませんが、2人目以降の子ども子育ての幼児教育の無償化というものもできるだけ広げていくことも考えていきたい。その裾野を広げていくということも大事だと思っていますし、また、子育てをしていて、どうしても子どもを見ることができないというときに、そっと手が差し伸べられるようなベビーシッターや「ふく育タクシー」と言っていますが、お子さんだけで安心して乗れるようなタクシーを作っていくということもあると思います。

 また、総理にも申し上げましたが、放課後子どもクラブというか、子ども教室みたいなところはどうしても夏休み期間に開けない、また子どもの人数が36人から45人前後だと、またそれが削られていってどうしても人数が集められないような場所でも運営に支障を来たすようなお話もあります。こういったところを国とも相談をしながら、できるだけ常に子どもを中心に、子どもが安心して自分が成長できる、また親御さんも子育てが安心してできるような環境を引き続き作っていければと思っています。

 

【記者】

 南越前町や勝山市を中心とした大雨から半年が経ちましたが、流域治水型災害復旧に採択されるなど、県としての復旧状況の認識や、今後の課題の現状認識を教えてください。

 

【知事】

 今日も報道が一部ございましたが、進んでいるところは徐々に日常の生活を取り戻していただいているということに近づいてきているのかなと思います。一方で雪国ということもあって、やはり年末ぐらいからはなかなかものが進まないというところもあって、十分に生活が取り戻せてないというようなお話もあります。

 また工事はもちろん設計等がありますので、常に何か工事をやっているわけではありませんが、とはいえ、やはり滞っているところもあるかもしれませんので、そういう意味では、半年経って、一定程度の進展を見て、日常に近づいてきていると思いますが、本格復旧の工事はこれから発注等になってきますので、こういったところは、役場の方からも、やはり発注するときには設計等にいろいろな人もいる。こういう人の面、事業の予算の面でこういったことが、隘路になってものが進まないということがないように、引き続き、市や町と県が一緒になって、また被災者のみなさんとよく話も聞かせていただきながら進めていきたいと考えています。

                                            ―― 了 ――

 

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