知事記者会見の概要(令和5年4月10日(月))

最終更新日 2023年4月14日ページID 052618

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令和5年4月10日(月曜日)
13:30~14:15
県庁 大会議室

知事写真230410

 

【記者】

 再選から一夜明けて、今回の選挙戦を振り返ってのお気持ち、所感などをお聞かせください。

 

【知事】

 今回、私は17日間、選挙を戦わせていただきまして、県内をくまなく走り回らせていただいて、改めて県民のみなさん、本当に多くの県民のみなさんと直接やり取りをさせていただきました。今回の私への得票率を見ていただいたとおり、私も本当に実感として、県民のみなさまに、これまで4年間私どもがやってきた「県民主役の県政」「徹底現場主義」「チームふくい」、こういった大きな方向性についてご理解をいただいて、信任をいただけていると、暖かい風を常に受けながらやらせていただいたというところでございます。

 逆に言うと、それだけに、これからもお約束した様々な政策について、しっかりと実行、有言実行とよく私の紹介のときにいろいろなところで言われますが、そういうことで言わせていただきながら実行していくということをやらなくてはいけない。

 もう一つは、総決起大会のときも申し上げましたが、私の仕事は、もちろん政策を一つひとつ具体的に実現していく、現場に合わせて課題を解決していくということだと思いますが、もっと大きく言うと、県内、県民のみなさんの気持ちを一つにしていく。「チームふくい」というものを具体的に実現していく。それによって、コロナ禍もそうでしたが、福井県全体として大きな力を発揮することができたと思います。

 これからも県民のみなさんの心を一つにしていくことについて、私がしっかりと汗をかきながらやらせていただくことで、福井県社会全体がさらに外に発信ができる、もしくは大きな壁を乗り越えていく、そういう力・原動力を見出していく。こういうことに努めていきたいと思っています。

 

【記者】

 2期目をこれから舵取りされるにあたって、1期目はどうしても新型コロナの対応で多くの労力を割かれたかと思います。2期目で今回一番力を入れたい政策があればお聞かせください。

 

【知事】

 新型コロナは、確かにものすごく多くの労力と精神力などが割かれたと思っています。しかし、だからできていないということは、もちろん具体的に新型コロナの感染拡大を止めるために必要ということで、イベントごとなどはやっていませんでしたが、それ以外で言えば、コロナ禍がプラスアルファになっているだけで、ほかのところが疎かになっているということは現実の問題として感じていません。

 いろいろな、企業立地を含めてやるべきことはどんどんやってまいりましたので、その結果も出てきています。これからもどんどんやっていきますが、まず目の前に北陸新幹線福井・敦賀開業が1年後に迫っていますので、これを迎え入れるための準備をしていく。課題というか、すぐにやっていかなくてはいけない作業として、どんどん進めさせていただいています。

 その上で、県民のみなさんのチャレンジ、全ての世代のみなさんのチャレンジ応援。そして女性が本当の意味で活躍ができるようにする。子育て支援、日本一幸福な子育て県「ふく育県」をさらに拡大していく。

 また、医療・介護・福祉、その上に生活の支援や病気の予防などといったものを、全体としてパッケージで行っていく次世代型の包括ケア。こういったことに全力を挙げていきたいと思っています。

 

【記者】

 女性活躍という言葉がありましたが、過去に女性活躍の象徴的なこととして、女性副知事の登用ということをおっしゃっていました。当選を果たした今、意中の方がいらっしゃるのか、どのタイミングでの登用を考えていらっしゃるのか、また、今、副知事は2人体制ですが、この体制についてはどのように考えられているのかお聞かせください。

 

【知事】

 まず、副知事の2人体制については、これは私も副知事をやらせていただいたり、知事になってから県政を運営させていただいたりする上で、仕事の量や分野といった意味でも、ある瞬間の危機管理ということを考えても、やはり福井県ぐらいの規模の県でも2人体制ということは、全国的にも大体そうですし、福井県でも重要だと思っています。

 その上で、女性の登用ということについては、今回の選挙で信を問うて、今回信任をいただいたということですので、これから具体的に検討していきたいと思っています。

 時期については、副知事には任期がありますので、そういったことをある程度念頭に置きながら、また、県議会の意向ということもある程度私の中で判断しながらやっていく必要がありますので、あまり遅くならないようにと思っていますが、そういったことも全部を合わせながら、早めに考えていきたいと思っています。

 

【記者】

 北陸新幹線について、敦賀以西が一つ課題として残っていると思います。大阪までの全線開通のために、2期目に向けてどのように対応していくのか、また、ルートの話も今再燃されている状況もありますが、それについてはどうお答えをされるのかお聞かせください。

 

【知事】

 北陸新幹線のこれからの進め方は予算の中でも明確になっていますが、一つには環境アセスメント。遅れていると言われていますが、これを早く進めていただく。環境アセスメントが終わらなければルートの設定ができませんので、こういったことを進めていただきながら、今回の予算で着工前に、これまでであれば着工後とされていた様々な調査、そして事前の協議といったことも行われるようになりましたので、これを活用していただいて、1日も早く、もう2年半前に国、政府与党でお約束いただいている着工5条件の早期解決を図るということを言っていただいているわけですから、それをしっかりと進めていただく。

 しかし、環境アセスメントを飛ばしてということになると、これは丁寧さが必要だと思います。あまり急いで何もかも手続きを飛ばしてしまうと、そのあとで齟齬が起きるということは、いろいろな例がこれまでにもございます。そういう意味では、丁寧に慎重に調査をしていただきながら、そこで前進を必ずさせていく。そういうことで1日も早く認可着工に漕ぎつける。そのために、着工5条件の早期解決を図る。これを北陸新幹線建設促進同盟会の会長といたしましても、沿線の自治体とともに、そして国会議員の先生、県議会、経済界とともに、政府や与党に対して強く求めていきたいと考えています。

 ルートについては、私は日本の将来を左右する大きな問題だと思っています。北陸新幹線がいかに早くでき上がるか。いつも申し上げていますが、南海トラフ地震は必ず起きますので、そのときまでに北陸新幹線ができているかどうかで日本の将来が左右される。こういうことは間違いないわけでございます。その上で、国土強靱化ということで最も重要な国策だと、国家プロジェクトだということをまず認識している。国がそのことをすでに受け止めているから今のルートの設定があるわけですが、それを力強く進めていく。その上で、何といっても平成29年にルート決定したときに、やはり時間が短い、お金が安い、乗り換えがないから利便性も高い。そしてJR西日本さんも、小浜・京都ルートを強く推されているわけです。

 米原につないでいくということは、将来的に北陸新幹線ができ上がるということが明らかになった後に、中京新幹線と基本計画の中にもあると思いますので、こういった中京への利便性をどう高めるかという大きな国家構造として、別の議論としてはあり得ると思いますが、これは代替になるという、北陸新幹線になるということではない。国はそこをしっかりと受け止めているから今も環境アセスをやっているわけですから、これはこれからも守って進めていただくということだと思います。

 

【記者】

 関西電力が本年内を期限にしている中間貯蔵施設の計画地点について、いよいよ残りが8か月になりました。改めて知事として、どういったことを関西電力または国に求めていくのでしょうか。

 

【知事】

 これについては、事ある毎に関西電力にも、国に対しても、約束を守っていただくということを強く申し上げています。関西電力には1月の時にも森社長に対して、年内と言わず、できるだけ早く、それを実現してほしいと申し上げて、ご自身もトップレベルでいろいろな調整をしていると、最善を尽くして1日も早くやるとおっしゃっていました。

 そして、国に対しても申し上げてきて、西村大臣も政策当事者として前面に立って解決していくとおっしゃっているわけですので、しっかりと形にしていただく、結果を出していただくことが必要だと認識しています。

 

【記者】

 今後、中間貯蔵施設についての現状、進捗などを関西電力から聞き取ることなどを考えているのでしょうか。

 

【知事】

 これは聞き取るというか、結論を出していただく段階だというふうに思っています。実務的には、いろいろな段取りの話とか、そういうことはするかもしれませんが、非常にセンシティブな内容であることも十分理解もしていますし、ここのところはしっかりと当事者が結果を出していただくことだと思っています。

 

【記者】

 これまで2度、約束が反故にされている状況で、今、期限が迫っており、3度目の反故というのもあるかと思ってしまいますが、その際の県としての対応を考えていく予定があるのでしょうか。それとも既に考えてあるのでしょうか。

 

【知事】

 2度あることは3度あるということを言っているのだろうと思いますが、そういうことはないようにしていただくことだと私は思っています。やると言っているのだから、やっていただくということに尽きると思います。

 

【記者】

 敦賀2号機について、先日の原子力規制委員会で、審査資料の誤記が相次いでいることを受けて、再び審査を中断するという方針が決定しました。知事の受け止めを伺います。

 

【知事】

 これは正直言って、何度もというとあれですが、トラブルというか、運転のトラブルではないですが、審査資料の中身の誤りが発見されるというのは、実務的には非常に残念と言うか、本当にあってはならないことだと思います。

 日本原電ももちろん、全力でやっているのでしょうけれども、そういうことではなくて、やはり信頼性に関わってくることです。これで安全・安心という面でも信頼性が損なわれる可能性もあるわけですので、ここの段階で事務的なミスとか、そういうことではなくて、今度は8月という期限が設けられているので、今度こそしっかりと完全なものを出していただいて、審査に応じていく、これは当然のことだし、是非、全社挙げて取り組んでいただきたいと思っています。

 

【記者】

 政府が次世代型原発の建て替えを明記した基本方針を掲げています。県内での次世代型原発への建て替えを求める声も一部でありますが、知事としてのスタンス、政府に対するスタンスというか、改めて2期目、どういうふうに向き合っていくのでしょうか。

 

【知事】

 福井県がこれまで、国に対して原子力政策を明確化すべきと申し上げてきた理由は明らかで、安全最優先といった面から言って、原子力政策の方向性が明確でないと、事業者の安全投資が疎かになる。人材がそもそも現実に育ってきていない。

 こういうようなことで、地元の安全性が脅かされる、原子力政策の方向性、もしくは道筋を示すようにという意味で、今お尋ねの次世代型革新炉の話が出てくるということは、一つの前進だというふうには思っています。

 ただ、これを具体的にどういうふうに当てはめていくのか、こういうようなことを考える上で、まずは次世代型の革新炉というのは、どういうものなのか、これが明らかになっていない。何が安全なのか、何が安心なのか、こういったところをまずは明らかにしていただく必要があるというふうに思います。

 また、そういった安全性が高まっていると、例えばなったとしても、いずれにしても既設炉であれ、革新炉であれ、そういった投資にはお金がかかる。そうした安全な炉に対する、もしくは改修に対する投資ができるような環境をつくるための仕組みを整えないと、絵に描いた餅になるので、こういったところも国が明らかにしていく、形を作っていくということが必要だと思っています。

 

【記者】

 関西電力が顧客情報の不正閲覧やカルテルといった不祥事を起こしています。県が40年超原発の同意に当たってコンプライアンスの改善を強く訴えていましたが、それを揺るがしかねない事態になっています。改めて知事として関西電力との向き合い方を伺います。

 

【知事】

 今回の事も大変重要な、業務改善命令とかの話にもなっているので、大きな、重要な問題だと認識しています。

 大きく言うと、前回の話はまさに原子力発電というものを舞台にして、それがお金で何か動いているのではないかと、こういうようなことになって安全性をお金で別のことに代替されているのではないかという疑義があって、非常に大きな課題として、我々としても関西電力に対して強く求めたということがあったわけです。

 今回は一般的な営業の部分ということではあるけれども、そうは言っても、関西電力という会社の信頼性を損なうということになるわけなので、ここは電気事業法を所管している経済産業省がしっかりと監視・監督して、必要な措置をとっていきます。

 こういうことの上に、関西電力としては、さらにコンプライアンスを強化していくことが必要だと思います。

 

【記者】

 中間貯蔵施設について、昨日の事務所でのインタビューでも、県民のリーダーである知事が政治力を発揮して物事を動かしていくという手段もあるのではないかとの質問に対し、事業者や国が主体なので、約束したのだから守ってもらうに尽きると答えられました。これは県として、この件に関して働きかけをしないということでしょうか。

 

【知事】

 働きかけをずっとしてきた結果、細かいことはあれですが、平成7年、8年とかにずっと求めてきた結果、関西電力として今年の年末までにと言い、国も前面に立って主体的にというふうに言っているわけですので、それはずっと我々から求め続けて、それで彼らがやると言っているから、形にしてほしいと。

 これからも必要があれば申し上げていきますが、やる主体は相手にあるということを申し上げています。

 

【記者】

 森社長と年始に会われて、具体的な報告は受けられなかったと思いますが、その後の進捗について何か報告を受けているのでしょうか。

 

【知事】

 今はありません。選挙もありましたし。

 

【記者】

 これまで確定ができなかった場合に、県としてどう対応するかについても、事業者が約束を果たすことに尽きるということを言われるのみです。とはいえ、約束が果たされなかった場合に福井県が受ける影響は大きいと思います。果たされなかったら、県としてこういうふうに対応するということを決めて、先方に伝えておくということがあってもいいのではないかと思いますが、そういうことも含めて、考えを改めて伺います。

 

【知事】

 まさに今、おっしゃっていただいたとおり、そういった考え方もあるのではないかということだと思いますが、いずれにしてもそれは私が、正に事業者、もしくは国がしっかりと約束を果たす、そういうタイミングだと思っているということです。

 

【記者】

 つまり待つということでしょうか。

 

【知事】

 待つというか、そういう意味では待つというか、出していただくということだと思います。

 

【記者】

 その結果に対して、県民が受ける影響が大きいのに、それに対して、そのスタンスは当事者意識が少しないのではないかと思いますが。

 

【知事】

 そうですかね。何かこう、脅しをかけて、何かやるというのは、相手がやると言っているところなので、そこのところは私は今の状況の中で、とりあえず待つと言っているわけです。

 

【記者】

 今のところは。それ以上は。

 

【知事】

 我々は求めています。早くしてほしいと常に言っています。早くと。

 ペナルティの話は別の局面だと思います。今の状況において我々は早くやってと、やると言っているのだから、やってねと言っています。

 私はそれほど違っていないと思います。

 

【記者】

 1期目の2020年末の頃、40年超原発の再稼働の議論が始まるかどうかの頃だと思いますが、その頃は中間貯蔵施設の候補地が示されることが、40年超原発の議論に入る大前提だという立場だったと思います。現在も候補地が示されておらず、状況的にはあまり変わっていない中で、今回はペナルティを求めないというのは、どういった差があって、今のような対応をされているのでしょうか。

 

【知事】

 その時にも説明していますが、前提だと言っていたのは、当時は物事の順番として先にやる、年内にやるということがあった。それを年内にやると言っていました。だから、それを前提でやっていっていただくと。しかし、それができなくなったから順番がごちゃごちゃになってしまいましたが、そこのところについては自分で原子力発電所を止めますということも言っています。

 元々、別のものだということはきちんと申し上げています。だから、元々別の事なので40年超は40年超で議論をさせていただいて、中間貯蔵のところは自分のところで、こういうふうに止めますと、もし、2023年までにできなかったら原発止めますということを言っているわけですから、それで、別の議論として40年超の話は、安全審査の話も専門委員会で確認させていただいて、進めさせていただいています。

 当時の経緯から言うと、おっしゃっていることは短く言うと、そうなっていることはそうなのですが、きちんと手順を踏みながらやってきていると認識しています。

 

【記者】

 県民の目から見て、当時の対応を覚えている人からすると、弱腰に見えるような気もしますが、そのあたりはどうでしょうか。

 

【知事】

 そこまで言われたという感じは今回、みなさんがそういうふうな言い方をして、このことはそうじゃないかと言われるかもしれませんが、そういう感じの意見をそれほど大きく承っているわけでもないかなと思います。

 いずれにしても、放っておくと、2023年末でなくていいなんて思っているわけではありません。やると言っているから、やってくださいと言っているということです。

 

【記者】

 現在はペナルティについては全く考えておらず、何か局面が来れば検討するということでしたが、その局面とは何を想定しているのでしょうか。

 

【知事】

 想定というか、今はそういう局面にないと申し上げています。ペナルティから入るというのも、あれですね。それもないとは言わないので。ないとは言いません。

 

【記者】

 約束を守っていただくために、県として働きかけるというのも役割の一つかと思いますがどうでしょうか。

 

【知事】

 そういうやり方をしていないということだと思います。まずは守っていただく。

 福井県内で原子力発電所を運営しているわけですので、ある意味でのパートナーシップに基づいてやっているわけです。それを一所懸命守るということで、今やっている最中だと思います。そういった話は承りながら進めているということです。

 お正月にも関西電力の社長からも、あとは西村大臣からも最後は年末だったか、話は承っているので、今は一日も早く進めていただけると信じて、やっていただいていると思っています。

 

【記者】

 今後編成される6月補正予算案は、骨格予算となった当初予算に肉付けする形になるかと思いますが、編成方針や、選挙期間中も訴えていた少子化対策や子育て支援、新幹線の開業準備などで具体的に真っ先に取り組むような何か考えていることはありますでしょうか。

 

【知事】

 真っ先というか予算は一度に編成するので、いろいろなことをやっていくのだと思いますが、少子化の対策はみなさんからも思いが強かったところです。やはり子育て支援について、お約束しているように一度に全部できるわけではないと思いますが、今何ができるか優先的に取り組みたいと思いますし、北陸新幹線も予算の大枠は当初予算で措置させていただいていますが、まだまだ具体的に、例えば金ヶ崎のあたりを整備するという動きも大分出てきましたので、さらに進めていかなければならないと思います。

 物価高騰対策は先ほども申し上げましたが、多くの県民のみなさんの声がありましたので、これに対しても県としても対応を考えていきたいと思います。

 

【記者】

 少子化対策については国も異次元の対策、次元の異なる対策ということで打ち出しておりますが、県としても次の本格予算の中で、県独自のもの、次元の異なる対策は考えているのしょうか。

 

【知事】

 これは時間軸をどう持っていくのかということもありまして、今回の選挙戦で私がずっと申し上げてきたのは、保育料無償化の拡大、それ以外ももちろん考えていくとして、放課後児童クラブの改善、もう少し拡充をうまくやっていかないといけないこと、ベビーシッターやふく育タクシー、子育て支援タクシー、こういったものの事業をつくっていきます。そして全天候型の遊び場を全県にという話と、ふく育パスポート、ふく育割といったものを拡大していきます。

 こういったことを申し上げてきたので、まず取りかかれることを今年度の6月でやって、また次年度以降もさらに力を入れていきたいと思っています。

 

【記者】

 先ほど女性副知事のお話があったと思いますが、人事異動に向けて機構改革で何か考えている方針等あれば教えてください。

 

【知事】

 機構改革の件についても、これからよく庁内でも議論していこうと思いますが、やはり産業の面から見ても、CO2、カーボンニュートラルはとても重要な課題だと認識しておりますので、昨年度末に新しい環境基本計画をつくらせていただきました。2030年度の49%の温室効果ガス排出削減(2013年度比)など、目標も示させていただいています。

 絵に描いた餅にならないように、こうした政策の強化をできるような、予算面もそうですが組織的にも何らかの対応が必要ならやっていくことはあるのかなと思っています。

また選挙戦でも防災や危機管理のことは強く、みなさんからもある意味、評価は非常に高かったですが、関心が高いということも認識をいたしました。

 そのような面のまだ強化すべき点があるのかないのか、よく見て考えていきたいと思いますし、また新幹線は来年の春開業ですが敦賀以西の話もありますし、まちづくりはどんどん続いていきますので、新幹線もしくはそれを起点としたまちづくりがもっとスムーズに進められる、全庁的な体制で進められるようにすることも一つの課題かなとは少し感じています。

 そういったところ等を中心に議論をして、具体的な成案はこれから考えていきたいと思います。

 

【記者】

 今回の投票率は前回選挙より下回ってしまったと思いますが、投票率についての受け止めもお願いします。

 

【知事】

 概ね58%から51%まで下がり、7ポイントほど下がっております。

 4年に1度、県民のみなさんに県政の方向性を決めていただく選挙への投票ですから、それが下がってきていることは残念に思っております。

 しかし、具体的な状況で申し上げれば、前回は三つ巴で新旧交代、継続か新しい風かといった選挙だったと思いますので、県民の関心も、自分の意思を明確にしないといけないという気持ちが働くことが大きかったと思います。

 今回は結果を見ても、私の得票率は89.59%になっております。私も選挙戦を通じても感じておりますが、杉本さんに託すという感じを強く受けておりました。安心感が県民のみなさんにもあったのかなと、お天気もよかったですし、そういう意味での結果もあったのかもしれません。

 投票率が徐々に下がってきていることについては、何とかみなさんが投票しやすい選挙の環境をつくることを我々としてもしていかなければいけないと思いつつ、選挙結果としてはある意味、安心感が広がって今回の結果になっている部分もあるのではないかと思っています。

 

【記者】

 知事が不在の期間中にあったことについてですが、4月1日付の人事異動で教育委員会のナンバー2のポストの学校教育監に松下晋也さんがなられています。この方は、先日、県の敗訴が確定した元美術教員の再任用の裁判で恣意的で不合理な選考を行ったとされる3人の面接官のうちの1人です。

 今回のこの人事については教育委員会の任命だと思いますが、適切だったかどうか知事の考えをお聞かせください。

 

【知事】

 これは教育委員会でしっかりとご判断いただくことだと思います。

 その上で、個別の人事のことは個別の人事としてあったということだと思いますので、そういったことについて、判決については真摯に受け止めて、県として対応していくと思っています。

 

【記者】

 判決を真摯に受け止めるということであれば、恣意的で不合理な選考を行った方を重要ポストに、部長級で昇任の上での栄転のはずです。通常こういった人事があると、反省の弁を述べながらも心の中では舌を出しているといった態度に見えますが、この辺はご認識いかがでしょうか。

 

【知事】

 これは、すべてその方のご経歴、そして能力、全体を判断した上での結果だと考えています。

 

【記者】

 裁判の内容を見ますと、面接が恣意的という言葉になっていますが、3人の方がすべての項目で元美術教員の方に0点をつけている。これは恣意的という言葉で表現されていますが、おそらく示し合わせて、この人は気に入らないから任用することをやめようというような話をしたのだと思いますが、通常いじめみたいな話です。

 職業を得る機会を不当に奪っているものだと思いますが、そういった方が昇任の上で部長級のナンバー2にというのが、いろいろと考慮するところはあるかもしれませんが、普通の県民の方から見たら、これは何も反省するところもない。例えば福井の狭い教育界の中で、村社会のルールに従って一般的な常識が通じずに人事がされているという印象も持ちます。

 

【知事】

 詳細については教育委員会にお問い合わせいただければと思います。

 

【記者】

 教育委員を任命されているのも、議会の同意ではありますが、知事だと思います。

 

【知事】

 いずれにしても人事権が私にあるわけではございません。

 

【記者】

 人事権がないことは十分承知の上でお伺いしています。

 

【知事】

 人事権がございませんのでそうお答えしました。

 

【記者】

 教育委員に関する任命権をお持ちであって、教育委員会の予算の執行も知事でやっていて、今回は福井県が被告になって敗訴した裁判が重要な絡みを持っている人事だと思っています。そこはぜひこの場でコメントをいただきたい。

 

【知事】

 教育委員会でお答えを求めていただければと思います。権限は私にございません。

 

【記者】

 こういった判断をされた教育委員の方たちの任命については、適切だったかどうか、どのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 私は教育委員については、個別に十分にその方々を見させていただいて、必要だと思う方、適材適所、適任の方だと思い任命をさせていただきました。

 

【記者】

 私は個人的に松下さんのナンバー2への登用は、少し無理があると思っていますが、今後、知事は2期目に入って、本格的な人事異動を考えられるにあたって、教育委員会の事務局の方も知事部局と一体的な人事の運用があると思います。何らかの再検討の考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 私の人事が及ぶところがあるとすれば、今、何について言われているかわかりませんが、それは、私は適材適所で行っていきますし、また、任命した後の状況も見ながら、いろいろなことを考えていくということはありますが、今の話については教育委員会にお問い合わせいただきたいと思います。

 

【記者】

 前回の選挙はいわゆる保守分裂となり、当選直後に知事はノーサイドとおっしゃるなど、融和を図る、言ってみれば独自色を少し抑えなければいけないところもあったと思います。今日の会見でも「国が」「事業者が」というお話をたくさんいただいていますが、今後どのように独自性を出していくのか、杉本知事としてのスタンスをこれからどう出していくのかお聞かせください。また、今回の9割近い得票という結果を受けて、そういったところがより後押しになる、後ろ盾になるとお考えでしょうか。

 

【知事】

 独自性というのは、コロナ禍はありましたが、徹底していろいろアイデアをいろいろな職員が出して、福井モデルと言われることを次々と実現しているということは、県民の評価だったと思います。そういう意味では、これからもそうしたことを続けていきたいと思います。

 私が先ほど来、いろいろと申し上げている部分は、主語が、私がやること、そして誰の仕事かというところを見ていかないと、私が、例えばほかの人のことに自分が口を出して、もちろん政治的に何か物事を動かしていくときに要請をしたり、何らかの形で政治家のみなさんと一緒に、圧力をかけるということはないかもしれませんが、何らかの形で作用を及ぼしていくということはあると思います。それは大事なことだと思います。

 そういったことで、人のことであったとしても、私がすべきことがあればそのことをやっていきます。それを全然躊躇することもありませんし、やっていきますが、先ほどご質問いただいていることについて言えば、私がやるべきことのタイミングや、やることというのは、先ほど申し上げたとおりということです。

 これからも私は独自性といいますか、今日、職員の訓示で一番に申し上げたことは創意工夫、アイデアをしっかり出して、新しいことにチャレンジしていこうということを申し上げました。こういうことをしっかりと、私自身にも課してチャレンジをしていこうと考えています。

 

【記者】

 先ほどの女性副知事のことについて、危機管理上でも2人は不可欠だというお話がありましたが、現状、今2人いらっしゃって、さらに女性を加えて3人にするという考えはあるのでしょうか。

 

【知事】

 それは、条例を改正するということになります。私が今考えている中にはありません。

 

【記者】

 副知事は任期が決まっていると思いますが、任期途中で変更されるお考えはありますでしょうか。

 

【知事】

 今のところありません。

 

                                            ―― 了 ――

 

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