知事記者会見の概要(令和5年6月6日(火))
令和5年6月6日(火曜日)
10:30~11:37
県庁 特別会議室
【知事】
〔配付資料:観光周遊型XRバスの運行について〕
まず2点、私から発表させていただきます。
1点目は、JR西日本との共同の企画になりますので、主はJR西日本ですが、その点についてまず発表させていただきます。JR西日本と連携協定をこの度結ばせていただき、観光周遊型のXRバスの導入を決定しました。
これについては、北陸新幹線の開業を機に、観光地の磨き上げを一生懸命やっていますが、それだけではなくて、特に恐竜博物館は、そのまま置いておくと恐竜博物館にどんどん人が集まってしまうことを避けようということで、行く過程もしくは入口のところを楽しくする、こういうことで、より多くの方に楽しんでいただけるようにしようということをずっとやってまいりました。
こういうお話をいろいろなところでしている時に、今日は漆原金沢支社長においでいただいていますけれども、JR西日本さんから拡張現実(AR)と仮想現実(VR)を合わせた、XRの技術を使った観光バスの運行をしたらどうかというようなお話がありましたので、ぜひ一緒に、我々もコンテンツづくりにもご協力をさせていただきながら一緒にやらせていただけたらいうことで、今回協定を締結させていただいたところです。
運行開始の時期、詳細については後ほど漆原金沢支社長からご説明いただきますけれども、来年の夏頃ということで考えているということです。
運行ルートについては未定ということですけれども、私どもの方からも例えば恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡、芦原温泉等もありますので、こういったところを例に挙げながら是非ともお考えいただきたいと申し上げています。
連携協定については、後ほどまた説明もさせていただきます。
私も実はXRのバスには、昨年東京で、期間限定で銀座のあたりから皇居の方も回ったりするWOW RIDEというバスにたまたま乗ったんですけれども、本当にすばらしいですね、今の東京の景色が見えていて、それがあるところから急に江戸時代にさかのぼって、そのときの様子が見えるようになる、ちょうど福井の場合も「地味にすごい」とキャッチコピーで申し上げていますが、「地味にすごい」は地味のようだけども本当にすごい、本物がある、こういうような意味で、恐竜博物館や一乗谷朝倉氏遺跡のことを申し上げています。
ただこれは目に見えないんです。目に見えないものを見えるようにしていただけるのがこのXRの技術だと昨年目の当たりにさせていただきましたので、この話を伺った時に、皆さんに楽しんでいただけるんじゃないかと思って期待をしているところです。
この後は漆原金沢支社長からご説明願います。
【JR西 漆原支社長】
皆さまおはようございます。JR西日本の漆原です。
本日は私どもが関係各社とともに導入を検討しています、新たな観光周遊型XRバスにつきましてお知らせをさせていただきます。
まずはご紹介をさせていただくということで動画を用意していますので、そちらをご覧いただければと思います。
(動画放映)
ということでありがとうございました。
私どもは来春の北陸新幹線敦賀開業に向けまして、福井県の皆さまと一緒になって、鋭意、準備を進めているところですが、その中でも開業を契機に国内外から多くのお客様にお越しいただくため、福井県の魅力を発信し、何度もお越しいただけるようなそんな施策が打てないかということを、地域の皆さまとともに検討を進めてまいりました。
この嶺南地区におきましては、先般公表させていただきましたけども、2024年秋の北陸ディスティネーションキャンペーンに合わせまして、敦賀を起点とした新たな観光列車を導入する計画をしているところですが、この度、地域の皆さま、企業や、技術ソリューションを持つ県外の企業とも連携をさせていただきまして、これまでにない全く新しい魅力を持つ観光周遊型XRバスを導入することといたしました。
導入に当たりましては、先ほど知事からもありましたけれども、2022年に東京で運行されました「新感覚バスツアー WOW RIDE 東京タイムトリップ」というバスで培われました技術ノウハウを生かしながら、このたび締結をさせていただく連携協定をもとに、福井県様とより強固なタッグを組ませていただきまして、新たな観光周遊型XRバスのコンテンツ制作と運行に向けた準備を進めてまいります。
なおこの観光周遊型XRバスについては、2024年、来年の初夏の営業運行開始を予定しています。
こちらのバスの最大の特徴は、車窓から見える実際の景色だけではなく、没入感を高めるVR、AR映像を車窓に映し出すというところです。
通常の観光バスでは得ることができない仮想空間体験が可能となりまして、非現実の世界をお楽しみいただけるようになります。
また、福井県には魅力ある観光名所が非常に多くありますけども、そこまでの移動自体がエンターテイメントコンテンツとなっていくということです。
VRゴーグルやタブレットなどの周辺機器は必要なく、乗車になるお客様はバスに座っているだけで、気軽にその世界をお楽しみいただけるということです。
具体的な運行期間やルートについては、現在検討段階ですが、通常運行のほかにも貸し切り運行などのニーズに応じたサービスを検討しているところです。
また、海外からお越しのお客様にも快適にご利用いただけるような車内設備についても検討しているところです。
JR西日本金沢支社といたしましては、このたびの福井県との連携協定の締結を契機といたしまして、より具体的な連携を深めながら、皆さまに、より一層魅力的な観光体験を提供できるように努めてまいりまして、来年春の北陸新幹線敦賀開業に向けまして、万全の準備を進めてまいる所存です。
どうかよろしくお願い申し上げます。私からのご紹介は以上です。
~質疑~(観光周遊型XRバス)
【記者】
来年の初夏ごろに運行開始予定、具体的な内容はこれからという説明で、複数運行予定とのことですが、スタート時点から複数のルートを整備した上でスタートするという理解でよいですか。
【JR西 漆原支社長】
具体的なルートはこれからですが、例えば恐竜博物館だけではなく、様々な魅力ある観光地、施設がありますので、そういったところをつなぐ役割をしながら、その施設までの道中をよりお楽しみいただくというところを目指していきたいと思います。
【記者】
当然、行き先によって車窓から見えるコンテンツの内容も変わっていくということですか。
【JR西 漆原支社長】
そうです。例えば団体旅行ですと、バスガイドさんがそこに行くまでに、そこの歴史や見どころなどの紹介をされると思いますが、そのようなイメージです。
行き先によって、そのエンターテイメントの内容は変わってくると思います。
【記者】
先んじた例として東京でのWOW RIDEという話がありましたが、これを運行しているのはまた別の会社ということですか。
【JR西 漆原支社長】
はい。これは別の会社になります。
今回、私どもと福井銀行グループ様や関係のみなさまで出資をして、会社の設立をして、そこでやっていくということです。
【記者】
JR西日本で、このXRバスのようなバスを導入されている実績はありますか。
【JR西 漆原支社長】
今回、福井県が初になります。
【知事】
東京以外では全国にないです。東京は期間限定でしたので、現在はないです。
【記者】
詳細が発表できる時期はいつぐらいになりますか。
【JR西日本】
これから検討を進めまして、また順次ご説明できるタイミングを計っています。現時点では申し上げられません。
【記者】
協定の締結日はいつでしょうか。
【JR西 漆原支社長】
本日です。
【記者】
それぞれの役割について整理したいのですが、バスの運行と企画に関してはJR西日本で、福井県は、コンテンツの提供で協力するという役割分担でしょうか。
【JR西 漆原支社長】
私どもは事業全体のコーディネートや出資、京福バスはバスの運行、福井県はコンテンツ制作に係る協力、また、この辺りのエリアの知見をお持ちですので、そのようなことの提供などをお願いしたいと思っています。
【記者】
行き先なのですが、おっしゃっていた恐竜博物館、朝倉氏遺跡、芦原温泉という場所をあげていましたが、それぞれを一気に周遊するものなのか、それとも恐竜博物館に行くものがあって恐竜博物館の映像を見せるのか、それぞれどういうイメージで運行するのでしょうか。
【JR西 漆原支社長】
今回のバスは、既存の二次アクセスと共存するような形で、例えば観光ツアーや商品化を考えていまして、一乗谷朝倉氏博物館であれば、XRバスに乗車いただいて、博物館や遺跡をお楽しみいただいて、帰りは越美北線や地域のバスなどに乗車いただくという形を想定していますので、片道運行が基本です。
【記者】
複数ルートがあるとおっしゃっていましたが、大体の値段をお聞かせください。
【JR西 漆原支社長】
料金設定については、全く未定で、決まり次第お知らせさせていただきます。
【記者】
大体東京の方だといくらくらいですか。
【JR西日本】
東京ですと、時期やコースにもよりますが、数千円の前半くらいです。
【記者】
5,000円未満ということ。
【JR西日本】
そうですね。
【記者】
先ほど説明で、周辺機器は必要ないという説明がありましたが、ゴーグルなどをつけずに、非現実的な映像を見ることができるということでしょうか。
【JR西 漆原支社長】
おっしゃるとおりです。先ほど知事からも東京の例の紹介がありましたが、あるところは車窓が見えて、その景色が見られる。一方であるところに来ると、ガラスがコーティングされるようなイメージで、VRやARが始まっていくということで、そこにいろいろな映像が映し出されるというイメージです。例えば大昔の歴史にタイムトリップしたような、そのような雰囲気がバスの中でつくり出されます。
【記者】
窓ガラスに映像が投影されるようなイメージですか。
【JR西 漆原支社長】
バス全体で、窓ガラスだけでなく、天井などもです。
【記者】
窓ガラスなどは外の景色が見える状態になりますか。融合した形になるのか、切り離されたバーチャル空間にいるような体験になるのか、どういうイメージですか。
【JR西 漆原支社長】
基本的には切り離されたイメージです。東京のときは、よく見れば透けて見えないこともないくらいの感じでしたが、そこは作り込みかと思います。基本的には、その瞬間タイムトリップしたような、あるいは違う場所にいったような、そんなイメージが体感できると考えています。
【知事】
なかなか想像しがたいと思いますが、乗ってみていただくと分かります。これは、いかにすごいかというか、面白い。東京のときもそうでしたが、乗っていると、信号で止まると、ちゃんと場所を認識していて、それに合わせた物事の流れになっています。
本当に現状とバーチャルの空間を行ったり来たりしているような、そのような雰囲気で楽しめるので、是非とも期待していただければと思います。
【記者】
XRを導入するにあたって、福井県は歴史的な町並みもありますが、燃えてしまってない部分もあると思うのですが、XR技術を使って福井の歴史をどのように観光客の方に楽しんでもらいたいかということをお聞かせください。
【知事】
今回、XRバスのコンテンツそのものは基本的にJRの方で考えてやっていくということで認識をしていまして、ありがたく思っています。
恐竜も、一乗谷ももうないわけですが、これをいかにリアリティをもって感じていただけるかということをXRの技術で実現していくのであると認識しています。いろいろな史実、もしくはエピソードなどありますが、現在、例えば一乗谷の朝倉氏遺跡の再現町並みでようやくできていますが、そのときの風習などはそこに時々人に立ってもらって演劇していただいていますが、そのことがもっと広く理解されるようなコンテンツになってくるのではないかと期待しています。
【知事】
〔配付資料:ふくいそばのブランドロゴマークの設定について〕
それでは2点目の発表事項についてお話しさせていただきます。
今回、ふくいそば、越前蕎麦という名称にいたしますけれども、ふくいそばのブランドのロゴマークの決定についてお話をさせていただきます。
福井のそばは皆さんご案内のとおり、例えば、「ねとらぼ」のおいしいおそばの食べられる都道府県日本一3回連続や、「おいしいそば産地大賞」2回連続受賞など、非常においしいということはもう皆さん食べていただくとおわかりいただくのですけれども、これからお越しいただこうとする観光の皆さまを初めとした皆さんには、どうやったらそのおいしさが伝わるかということをいろいろと考えてまいりました。
昨年、おそばを実際に売っている業者、製粉の業者、こういった方々に集まっていただいて、いろいろと議論をさせていただきました。
その中で一番こうすればいいんじゃないかということで、今回決めさせていただいたということです。
まずは、福井のそばを一言でどんな特徴があるかということをいろいろと聞いたところ、やはり他の産地と比べて最も優れているのは香りの良さ、これである。この理由は何かと見てみますと、在来種そばはいつも申し上げていますが、香りが非常に強い、しかも香りの成分というのは皮のところに入っているそうで、この皮ごと製粉する。それから石臼で挽いてゆっくりと製粉をする、このことが香りの良さを引き立たせているということが分かります。
そういうことで、キャッチフレーズとしまして、「香福の極み・越前蕎麦」ということに決めさせていただいたところです。
香福ですので、まず普通の幸せの幸福にかけまして、香りの良さ、そういったものの極みであり、それから越前蕎麦という名称、これらを掛け合わせています。
合わせましてロゴマークですけれども、こちらにある石臼をイメージしていただいて、ちょうどこの持つところはこういうふうにグリグリとやるんですけど、そばの皮を強調して見せたり。それから石臼は、溝が入っているので、その溝が入っているような雰囲気を出しながら、左回しに回すことが分かるようなロゴマークで、香福の極みという言葉とともに越前蕎麦のこういうことをデザインの中に入れ込ませていただいたということです。
今後、越前蕎麦に、認証制度もつくりまして、県内のいろいろなおそば屋さんで出していただくという統一的なイメージをつくっていくことで、観光客の方におそばを食べに福井に行く、そばを食べる目的地として福井を選んでいただく、こういうことにも資するのではないかと考えているところです。
私からの発表は以上です。
~質疑~
【記者】
今回、キャッチフレーズで「越前蕎麦」という名前を使われるということで、今後、あまり「ふくいそば」という名称は使っていかない方針でしょうか。
【知事】
先ほども申し上げましたが、認証制度を作っていきまして、その認証制度としては「越前蕎麦」という名称を用いることになります。
もちろんいろいろな呼ばれ方はしていただければいいと思いますが、発信する時には基本的に「越前蕎麦」を使っていくということです。
【記者】
そばのブランドロゴマークですが、デザインは著名な方がされたのでしょうか。
【福井米戦略課長】
デザイン自体は専門の方にお願いし、昨年度いろいろ相談しながらつくったものです。
【知事】
特に公募をかけたわけではなく、実務的にみなさんのワークショップの中で出てきたイメージを形にした、キャッチフレーズにしたということです。
【記者】
今回決められたキャッチフレーズとロゴマークは、今後どういったところで使われて、どんなふうにアピールするのでしょうか。
【知事】
まずは北陸新幹線の開業に向けて、今も北関東も含めていろいろなところでイベントをさせていただいています。こういうようなところで出向宣伝のときにも使わせていただいています。
また来年度も、来年の秋頃かと思いますが、そばの全国イベントも企画をしています。このプレイベントを今年の11月18日、19日にハピテラスで、そばの食べ比べやシンポジウムのようなこともやるかもしれませんが、イベントも考えていきます。こういったところでもPRをさせていただいて、県内で定着をどんどん図っていこうということです。合わせてその時に全日本素人そば打ち選手権をやって、福井にそばがあるということを全国に発信できます。
いろんな機会を使ってそば処ということを新幹線や観光の発信のところでやっていきたいと思います。あと、新幹線開業に合わせて、例えばバスのツアーのようなもので、みなさんが行きたいようなお蕎麦屋さんを入れることなども企画していこうと思います。
【記者】
認証制度はいつごろを、また、どのぐらいの店舗数の登録を目指されていますか。
【知事】
福井県の在来種を概ね100%使っているお蕎麦屋さんが結構あります。
それに限らず、認証の基準等は明確にしていきますが、200店舗はあるかと思っています。
【福井米戦略課長】
時期については、少なくとも新幹線開業には間に合って、県外から来られる観光客のみなさまにも各店舗でお示しできるようにしたいと思っています。
【記者】
ロゴマークの対象ですが、基本的に飲食店でよいでしょうか。そばの持ち帰り販売や、お土産などで販売されるようなものに関してはつける予定はないのでしょうか。
【福井米戦略課長】
ロゴにつきましては商標も申請しているところですが、食品、袋に入った部分でも使えるようにしようとしていますので、そばそのものを調理して提供するだけではないことになります。
【知事】
そば粉の挽き方やブレンドの仕方なども対象にしていきます。そういう意味では作り方のことを言っていると思います。
【記者】
挽き方という話が知事から出ましたが、認証制度はどういう基準が想定されると思われていますか。
【知事】
在来種のそば粉を使っていただくことはあると思いますし、皮を入れているか、在来種100%なのか、石挽きをどういうふうに取り込んでいるかなど、いろいろと基準は出てくると思います。大きくは、在来種そばの活用と石挽きの兼ね合いを見ながらになるかと思いますが、できるだけ福井らしいそばとなるよう考えていきたいと思います。
【記者】
そもそも決めた経緯としては、これまでそれぞれがバラバラで売り出していたものを統一感を持って県外に売り出していくという経緯でしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりで、例えば信州そばや出雲そばなど、みなさん結構、言葉に出てくる言葉がありますよね。
福井はおろしそばが代表的な選手ですが、おろしそばは食べ方の一つということで、おろしそばが好きなこと自体はそれでいいと思いますが、出雲そばや信州そばなどとあわせて、越前蕎麦と言っていただけるような統一感が大事であるいうことです。また先ほど申し上げましたが、なぜ福井のそばが美味しいのかを一言で言っていくことが訴求力に結びつくと思います。
各店舗がいろいろな形で美味しいと宣伝していただくことはそれでいいと思いますが、そのうえで全国に届くようなキャッチフレーズを考えたということです。
【記者】
青森県知事選挙のことについて、当選された前むつ市長の宮下氏は、関電の使用済核燃料の中間貯蔵施設について受入の可能性はゼロと過去に発言されています。関電の候補地確定が年末に迫っていますが、知事として今後の県の原子力行政に与える影響などについて考えを伺います。
【知事】
宮下氏は圧勝だったと伺っています。途中もいろいろ報道も見させていただきましたが、青森県の将来像を言いながらやられている力強い姿を拝見しました。本当に心からお祝いを申し上げたいと思います。
ご質問の使用済燃料の中間貯蔵地点の確定ということかと思いますが、これはこれとして、まずは関西電力もあらゆる可能性を追求しており、年内に計画地点を確定するということであるし、また、国が政策当事者として前面に立ってこれを調整していくという話です。そういう意味では、それとは全く青森県知事選挙とは別に、これはこれとしてしっかりと、事業者それから国の方で、一日も早く計画地点を確定していただきたいと思います。
【記者】
2つ目に、選挙公約に掲げてらっしゃる女性副知事の登用についてお伺いします。
先月12日の定例記者会見の際に、人選についていろいろな可能性を考えているというご発言があったかと思いますが、それから1か月近く経ちまして、人選についてある程度固まっている状態なのか教えてください。
【知事】
常に日々熟考をしています。あらゆる可能性いろいろな状況を認識しながらも考えているということで熟考という状況は変わっていません。だんだん自分の中では絞られているような状況です。ただ決まるような状況にはないと思っています。
【記者】
候補者の範囲として狭まっていらっしゃるということでしょうか。
【知事】
そういう意味ではそうです。
【記者】
ちなみに全国の例として女性副知事の方を見てみますと、官僚の出身、職員からの引き上げ、または民間からということもあると思います。どこから登用するかというイメージも、まだ固まりきっていないような感じでしょうか。
【知事】
これはおっしゃられた範囲が概ね全てだと思いますが、そういったことも含めながら、いろいろな状況を考え合わせて熟考中というところです。
【記者】
6月県議会で諮るという当初の考えは変わってないですか。
【知事】
副知事の任期が7月いっぱいですので、過去の例を見ても、6月議会にお諮りをするということだとは思っています。
【記者】
関西電力から県外候補地について、未だ知事に何らかの方向性を示す連絡は入っていないということでよいでしょうか。
【知事】
ありません。
【記者】
青森県知事選挙とは別に、関西電力や国できちんと確定してほしいとの話がありましたが、現状で有力な候補地としてむつ市が挙がっている中で、知事の過去の発言を見ると、かなり希望としては薄いのではないかという見方もあり、新しい知事になったことで、稼働している40年超原発がいったん止まる可能性が現実味を帯びてきているという認識はありますか。
【知事】
おっしゃるとおり、今年の年末が迫ってきている中で、まだ計画地点が示されていないわけで、徐々に期限が迫っています。それが関西電力の約束として言われた高浜1、2号とか、美浜3号を止めるという話もあるわけで、そういう意味では、期限が迫っているということについての私の認識はあります。
一方で、だからこそ、一日も早く、年末と言わないで、そういったことを明らかにしていただきたいと思います。
【記者】
期限が迫っているということとは別に、新しい青森県知事になったことによって、原発が止まるという現実味は感じていますか。
【知事】
状況としては、私も認識しています。当然のことながら。
ただ、一義的には電力事業者、それから国が調整をしていく。2023年末までに計画地点を確定すると言っていますので、それを早く、約束を果たしていただくということに尽きると思っています。
【記者】
約束が果たされなかった場合は、40年超原発が止まるということは、やむなしと考えているのですか。
【知事】
私はそういう物事の問題点を後ろから言うのではなくて、そういうことにならないように、当然のことながら、元々の約束なので、そういうことはご自身がおっしゃっていることだけれども、まずとにかく一日も早く、計画地点の確定ということをやっていただきたいです。
また、関西電力からできないという話もないので、一生懸命やっているという話なので、そういうことから言えば、ぜひ実現いただきたいということが大事かなと思います。
【記者】
実現ができなかった場合をまったく考えていないということですか。
【知事】
今は考えていません。
【記者】
例えば、実現できなかった場合に、福井県にとっては大きな貸しを国や関西電力に作ることになって、いろんな交渉事をするときの強力なカードになりえるかもしれないがどうか。そういう状況というのはやぶさかでないと考えていますか。
【知事】
今の話を聞いて、そんな考え方もあるのかと思いましたが、やはり立地地域と事業者の間は信頼関係で、まずはお互いに支えあっている状況にあります。そこのところはしっかりと約束を一つ一つ前に進めていただくことが大切なのではないかと思います。
【記者】
県外搬出の問題というのは、事業者や国だけでなく県民の問題でもありますが、県民の代表の知事がこの問題にできることを探っていくことはないとの考えを維持しているのでしょうか。
【知事】
いえ。例えば、先日にも西村大臣が別件で福井に来られた際、こういう時にも、ぜひとも約束のとおり前面に立って調整していってほしいと、こういう話も常々しています。こういったことは常日頃から、今後ともタイミングを見ながら、やらせていただこうと思っています。
【記者】
例えば、青森県知事と直接話をするなり、知事がプレーヤーとして関わっていくということは考えていないのでしょうか。
【知事】
それは、みなさんのストーリーの中でそういう考えもあるかもしれませんが、私どもは事業者が行うことについて、事業者との間で話をさせていただいています。
もうちょっと言わせていただくと、いつも申し上げている、立地地域というのは、全国皆苦しい思いをしながらやっています。それは原子力発電を行う立地地域もあれば、処理とか、中間貯蔵をする立地地域もあるわけで、こういったことは国として、やはり前面に立って、全体としてのバックエンドの対策も含め、これはバックエンドだけではないけれども、核燃料サイクル全体をしっかりと進めるということの必要性を私は十分認識しています。そういう意味では、青森県と一緒に何かやるということは、立地地域の13道県で活動しているが、こういったことは否定しません。
今話をいただいていることで、お会いするという予定はありません。
【記者】
6月1日に関電から、高浜1、2号機の火災感知器の工事計画と異なる場所に設置されて追加工事が必要になったという発表がありました。これに関する受け止めをお聞きしたい。さらに再稼働の時期が延びてしまうということになりますが。
【知事】
これは使用前検査のところでこのようなことが分かって、追加工事が必要になるということであるため、これは事業者としてはしっかりと反省をしていただいて、規制委員会の規制庁の指導を受けて改善していく。直していく必要があります。
とにかく安全最優先でやっていただくという立場から言えば、こういったことが繰り返し起こることは非常に大きな課題、問題だというふうに思います。そういったことは遺憾であると思っています。反省していただいて、次にはここの点を改善した上で次のステップに進んでいただくということであると思います。
【記者】
関電で顧客情報の不正閲覧やカルテルなどの不祥事、金品受領問題以降も相次いでいて、原発という地域に大きな影響を及ぼすようなものを運転する事業者の資格がそもそもあるのだろうかという疑問もたぶん県民の中から出てくると思いますが、こういうことに関して知事の考えを伺います。
【知事】
これはいろんな話を積み重ねてご質問されて一本になっているように、大きく言えばそのとおりだとは思います。関西電力の課題であると私も十分に認識しています。
ただ、事柄の大小や分野、在り方、原子力発電の運転とか、こういったことの関係性を見ながら判断する必要はあると思います。そういう意味では、カルテルの話とか最近の情報漏洩の問題とか、こういったことは会社の体質そのものに影響していると思います。
これは国の方がしっかりと事業者を監督もしくは指導していただくことが重要であると認識をしています。
【記者】
事業者の資格あるなしという意味で言うと、運転する資格自体はある、事業者としては認められているという感じであるのでしょうか。
【知事】
これからも常に関西電力の在り方ということは見ていきますが、今すぐそういうことを申し上げているのではなく、常に改善をしていただく、国も含めて指導していただいて改善していただく必要があると認識をしています。
【記者】
先日GX法が可決・成立され、当日知事もコメントを出されて、国の責任や役割がきちっと明記されたこともあり、一歩前進、一定評価されていたと思います。とはいえ、原子力を最大限活用する一方で、気になるのはエネルギー基本計画に、原発の依存度を限りなく低減するという文言は依然として残ったままです。こういった相反する言葉が同時に進むと、立地の一県民からすると将来の不安もあります。今後、知事はどういったことを国に求めて行くのか考えを伺います。
【知事】
5月31日にGX脱炭素電源法、束ね法が成立したということは、これまで私どもが申し上げてきたけれども、原子力政策の方向性、こういったものが明らかにならなければ、事業者の安全投資が疎かになったり、現実に起きているが人材の育成というのがだんだんと弱くなってきています。結果として、立地地域の安全性が脅かされる可能性が広がっています。
こういうようなことから、常に国の責務であったり、もしくは安全性の確認の仕方も見直していくべきであります。大きく言えば、原子力の将来像を明確にすべきだと、こういうふうに申し上げていたわけで、そういう意味では、それに向かって大きな方向性を示していくということでは大きな一歩であると理解しています。
ただ、その先が、一つにはエネ基の中でおっしゃっていただいているとおりのことが書かれているわけで、そういうことを一つ一つ、やはり法律ができた、次のステップどうなるかを明らかにしながら、やはり、次の方向性と原子力の必要な規模がどれくらいになるか、それに行き着く道筋、こういったことを明らかにしていただく必要があると思います。
これからも審議会に出させていただいたり、要請活動もあるため、いろんな形で、経産省、エネ庁、規制委員会、こういったところにも求めていきたいと思います。
【記者】
エネルギー基本計画の見直しを先に行うべきだという提言も国に対してもこれまでされてきたと思いますが、今後も引き続き、エネ基の見直しを求めていく考えですか。
【知事】
一つの中身として、そういうことを求めていくということはあると思います。
先ほどから申し上げているように、大切なことは、原子力はいつの時点でどの程度の規模が要るのか、そこへの道筋を明らかにしていただくことなので、現状のエネ基の中身では、そういったものが明らかになっていません。結果として非常に事業が混乱していた、最近だいぶ変わってきたが、そういったことも正していく、明らかにしていくというのが大事だと思うので、引き続き求めていきます。
【記者】
文科省がふげんについて使用済燃料の搬出が当初の計画より遅れる見通しを示しました。ふげんについては昨年、廃炉全体の完了工程を7年先送りにするといった事態があり、これで言うと二度目になります。改めて知事の受け止めを伺います。
【知事】
今回は、発言によれば、完了の予定時期は変わらないということですが、一つ一つの工程がきちっとできなければ当然、完了時期もいずれ遅れていくということにもなります。そういう意味では、二度あって三度あって、こういうことが続いていくと地元との信頼関係にも影響があると認識をしています。
国、文科省、原子力機構、こういったところはしっかりと、まだ時期が示されていないため、使用済燃料の搬出の計画の見直しを具体的にしっかりと検討して明らかにしていただきたいと思います。
【記者】
使用済燃料の中間貯蔵施設の県外立地に関して、知事の考えを改めて伺います。
かつて栗田知事は、消費地と痛みを分け合う意味でも、県外での建設が必要とおっしゃっていました。
西川知事も、使用済燃料はこれまでの発電で発生したものであり、中間貯蔵施設はこれまで原発の恩恵を受けてきた消費地が分担と協力すべきで、県外立地を国や事業者に強く求めるとおっしゃってきました。
歴代の知事2人は、こういう考えの元にやってきたが、改めて杉本知事は、この消費地との分担と協力のもとで中間貯蔵施設を県外に求めていくと考えてよろしいか。
【知事】
大きく言えば全く同じ考え方であります。
福井県は、先ほど申し上げたけれど、原子力発電を受けもって50年以上これまでも高い志を持ちながら、日本の電力の安定供給、それから産業の発展に貢献してきています。一方で、どんどん使用済燃料が溜まっていく状況に対して、やはりこれは消費地も入れて、全国で分担していくという考え方に基づいて言われているのだと思います。そういうような考え方は、同じくしていくところであります。
【記者】
青森県知事と会う予定はないとのことだったが、今まで中間貯蔵施設について関電、国に任せていた状況で、延期が続き全く進んでいないという状況がある中で、青森の知事選でこのような動きがあり、逆風になっているという状況だと思うが、その中でも会う予定を持たないのは、国と事業者がやることだという知事の考えでしょうか。
【知事】
宮下知事とは、多分だが間もなく全国知事会などでお会いすることはあると思います。
ただ、この課題は、先ほど申し上げさせていただいたが、事業者がやることであり、国が前面に立って調整していくとおっしゃっています。そういう事業者としての計画地点をどうするかという課題であるので、これについては先ほど申し上げた事業者、それから国といったところでしっかりと調整をして、早く約束を果たしていただくということだろうと思います。
【記者】
例えば、県民から不安の声が上がり、知事からも何かして欲しいという声が上がったとしても、これは任せるということでしょうか。
【知事】
というか、まさにこの課題は事業者と国の課題であるので、福井県が自分で探しにいってやるということはちょっと違います。国策としてのエネルギー政策の中で、原子力政策というのが位置付けられています。この中で大切なことが核燃料サイクルのこと。この核燃料サイクルをまわしていかなければいけない。それをどう全国の中で配置をしていくのか、こういうことを考えていくのは国、それから個別の事業者、こういったところがやっていくことです。
これは役割の分担として、我々は国がやる国策に対して、ある意味、同意しながら協力していくという立場であるので、そういったことをしっかりと進めてくださいということを事業者や国に対してこれからも求めていくということであります。
【記者】
求めていく立場であるということだが、現状として動いてないというところで、立地県の知事の責務として、県民の不安をどう解消していくかについて、どのようにお考えですか。
【知事】
これはもう、あらゆる選択肢を追求していくと関西電力も言っていて、国も前面に立って調整していくと言っているわけだから、そういう方々がしっかりと進めていくことだというふうに認識しています。
【記者】
足羽川ダムについてお伺いします。昨年に事業費について上振れするかもという見通しが示されたと思いますが、国土交通省の事業費等監理委員会で事業費の上振れと、完成時期の遅れの見通しが示されたことについて受け止めをお聞かせください。
【知事】
昨年の12月に国土交通省から、足羽川ダムについては、事業費と工期について精査が必要という話がありましたので、早くそれを教えてください、しっかり精査してくださいと申し上げました。
ただ、工期が伸びる、事業費が上がるということは、我々も報道で知りました。そういう意味では驚いています。
そのため、報道があった直後に、改めて国に対して事業費と工期について早く明らかにするよう強く申し上げました。
【記者】
国から具体的にどのぐらいかという説明があったわけではないということですか。
【知事】
ないです。精査していただいている状況です。
【記者】
今後県や議会への説明をどのように求められますか。
【知事】
会議をしているわけなので、早く状況を教えてと言っている。どこまで精査ができているのかわかりませんが、方向性などは出てきているでしょうから、早く情報共有していただく必要があると思っています。
【記者】
事業費について県の負担も増える可能性があると思いますがいかがでしょうか。
【知事】
おっしゃるとおりで、制度で決まっていますので、当然地方負担が県として増えるということなので、これについても、影響をしっかり踏まえないといけないと認識しています。
【記者】
パートナーシップ制度についてお伺いします。
今月からあわら市で導入されて、県内での導入が進んでいますが、県全体での導入について、知事もすでに言及されていますけど、大体いつぐらいにされるということが決まっていれば伺えますか。
【知事】
時期は、私も判断ができかねています。県内で、もちろん進んでいるところもあります。一方である程度慎重なところもあります。そういった意見もあるので、できるだけスムーズな形で、導入できるようにと思っております。今はすでに導入しているいろいろな市町の状況を聞いたり、それ以外の市町とも話をしたり、もしくは職員研修をして、理解度を高めるということをしているところです。時期は申し上げられませんが、何とかそれを形にできるよう、導入できるような方向で進めていければと考えています。
【記者】
年内とか年度をまたぐとか、大体のスケジュール感はありますか。
【知事】
まだ申し上げられないと思います。まだ確信が持てないので。
【記者】
ChatGPTについて、前回の記者会見で、プロジェクトチームで検討されるという話をされていたと思いますが、現在の検討状況はいかがでしょうか。
【知事】
先日も報告は聞いていますが、方向としてはおっしゃられるとおりで、基本的には私用で使っているChatGPTを仕事で使ってはいけないとなっていますが、それを一部の職員限定で利用して、課題整理等のために使ってみます。そういうことから始めて、職員全員で使う前にもうすこし広げた形に進めて、最終的にどういう形で導入するか決めて、導入していくという段取りで進めているところです。限られた中で実証的に使ってみるということは、そう遠くはないと思いますが、早めにやっていきたいと考えています。
【記者】
今はDX推進課など一部の職員でトライアルをしていて、どのように使うかの範囲を考えているということでよろしいでしょうか。
【知事】
そのステップに行こうとしているところで、まだそのステップに行っていません。今は、使わなくても分かるような法律的な課題や契約上の問題などを調べています。その上で、どういった影響が出るか、実際使ってみないと分からないようなところを限られた人材の中でやっていくというステップにいつ進んでいくのかという議論をしているところです。今日明日でありませんが、そう遠くない日に、まずそのステップには進もうと考えています。
【記者】
そう遠くないというのは、今月中ということでしょうか。
【知事】
そこは、担当課がどこまで考えていたのか、報告は受けていますが、今日明日とか、そんな差し迫った状況ではなかったと思います。また担当課に聞いていただければと思います。
【記者】
新型コロナウイルス関連で伺います。5類に移行してから間もなく1か月がたとうとしていますが、直近の定点観測の集計で119人、1機関で3.05人とでています。1か月間の感染者数の推移をどのようにとらえていらっしゃいますか。
【知事】
状況的には、水準としては、かなり落ち着いているほうだと考えています。直接の比較はできませんが、大きく言えば、以前の福井県のコロナ禍の1日当たりの感染者数ベースで言うと100人ぐらいだと思います。一方で少しずつ増えているというのが福井県内の状況だと思います。
私も今日マスクをしているのは、コロナ感染ではありませんでしたけど、風邪のような症状がでたので、感染症をみなさまに広げてはいけないと思いマスクをしていますが、そういう意味では、今後とも個人としての注意はしていただきながら過ごしていただければいいと思います。医療がひっ迫している状況でもありませんし。みなさんを見ていると常識的な活動をされていて、日頃の生活のなかで、外を歩いているときはマスクをしていないし、建物の中に入ればマスクをしているし、密なところへ行くとみなさんマスクをしている。こういう方向で徐々にいい方向に行くと思います。
【記者】
「裸のムラ」の映画が、福井の映画館で上映されていましたが、ご覧になられましたか。
【知事】
見ていなくてよく分かっていません。
【記者】
メトロ劇場で上映されていますが、結構反応がいいらしく、来月も上映されるということです。
―― 了 ――
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