知事記者会見の概要(令和5年6月21日(水))

最終更新日 2023年7月5日ページID 053290

印刷
令和5年6月21日(水曜日)
10:30~11:50
県庁 特別会議室

知事写真230621

【知事】

〔配付資料:令和5年度6月補正予算案について令和5年度6月補正予算案の概要主要事業

 まず6月補正予算についてご説明をさせていただきます。

 6月補正予算は、ご案内のとおり4月に知事選挙がありましたので、これについての肉付け予算になります。

 主に力を入れた項目といたしましては、北陸新幹線の開業がいよいよ年度末に迫っていますので、開業に向けた準備を総仕上げしていくということで、二次交通の充実やまちづくり、観光地の磨き上げ、それから誘客のプロモーション、こういったことを一気に加速をしていこうというのが1点です。

 また少子化対策、そして人口減対策ということで、結婚、出産、子育ての応援や、移住定住の交流の促進に最大限注力をしていくということです。

 また物価高騰ということで、6月に入ってから、各業界の皆さんからも伺っています。県民の皆さんからの声も伺っていますので、こういったことに迅速に対応していくということを中心といたしまして、主にこの5点について策定させていただいたところです。

 この規模といたしましては376億円ということで、過去20年間の肉付け予算としては最大ということです。6月補正後の予算規模は一般会計で5237億円になっていまして、結構大きいです。令和3年度はかなり大きくなっていますが、この時はコロナの融資の枠を広げたということで予算規模が大きいですが、枠が600億円ほどの増額になっていますので、そういったことを考えると相当大きな規模になっていると考えています。一方で、国の交付金や財源措置率の高い起債を駆使することも行いまして、財政調整基金の取崩しを行わないで健全財政は維持していると考えています。

 具体的な中身ですが、まず一つは新幹線の二次交通の充実です。

 着地型観光バスツアーの準備ということで以前から、新幹線駅発着の定期観光ツアーバスの準備をしていくということも申し上げていますし、また恐竜博物館を拠点として周遊のループバスを実証運行することや、JR西日本のXRバスなどへの助成も考えています。

 そして、新幹線の二次交通対策ということで、定額タクシーや似たような地域交通のタクシー、さらには敦賀駅から西に行く小浜線の本数がなかなか足りないということもありますので、バスで小浜・大飯・高浜方面への直通のバスを走らせる。こういったことで小浜線に代替するような手段の確保を今年度1回実験してみようということで考えているところです。

 また、新幹線時代の観光地域のスケールアップということで、とりあえず今年度は計画策定の予算ということで、1か所250万円で4か所程度ということを考えています。例えば、本当になるかどうか分かりませんが、芦原温泉のところを歩きやすい石畳にするなど、観光客の皆さんがよりその観光地に行きたくなるような仕掛けについて計画を策定する支援です。

 また、福井城址の坤櫓(ひつじさるやぐら)について、復元に向けた基本設計などを実施していきたいと思っています。配布資料の図を見ていただくと、西側のところの御廊下橋から見ていますが、このように見えます。ちょうどその向こう側に駅がありますので逆に駅の方から見ると、福井市道の県庁線を通って坤櫓(ひつじさるやぐら)が見えるということになりますので、良い場所に立つのではないかと思っています。

 また、今度は恐竜を使って誘客のプロモーションをしようということで、大手のマスメディアと連携しまして、首都圏で恐竜王国福井のPRを行う。具体的にはフジテレビと話を進めさせていただいていまして、フジテレビの本社を恐竜がジャックするほどの勢いでやっていこうと考えています。だいたい春休み期間からゴールデンウィークぐらいまでの間、フジテレビの協力を得られるということです。恐竜はとても発信力があると伺っていますので、フジテレビに限らず、ぜひとも他のメディアさんも手を上げていただければ、一緒にやらせていただければと思っています。

 そして、北陸新幹線開業直前の首都圏キャンペーンということで、例えばJR東日本で埼京線を来年の2月、3月に1編成を恐竜だらけにするという、物を置くわけではないですがそういった広告を行ったり、東京駅で1年以上、「スクエア ゼロ」という駅の中にあるちょっとしたスペースに、恐竜のいろいろな飾りをしたりなどをしていこうという予算になっています。

 他には、例えばタクシーは使いにくいと言われていますので、配車アプリやキャッシュレス決済が一気に進むようにやっていくことや、キャビンアテンダントの皆さんに乗っていただいて上質のハイヤーやジャンボタクシーのようなものを走らせること、ハピラインふくいの観光列車の調査、一乗谷朝倉氏遺跡の案内サインも県内のデザイナーの皆さんにもご協力をいただいて統一化を図ること、こういったことも行っていきます。

 誘客のプロモーションは、新幹線が走る時に、九州新幹線は試験運行の時に新幹線の車両からみんなが手を振ったりするというイベントをやっていましたが、福井県の場合は情熱駅長1000人を、これに登場してもらうということも考えています。コンベンションも増えると思いますので、助成も充実していこうと思っています。

 続きまして2点目の人口減少対策、結婚・出産・子育て支援の主な事業について申し上げます。

 一つは、市町と連携をいたしまして、若い方々が結婚しやすいようにしていこうということで、国の事業では、国と市町が協力しながら、例えば夫婦とも39歳以下であれば結婚の時に、結婚にかかるような、例えば引っ越しや結婚費用に30万円の助成が出て、夫婦とも29歳以下であれば60万円出るという事業です。しかし県内でまだ11の市町でしか実施されていません。こういうことをさらに結婚応援につなげ、もしくは市町にも取り組んでいただけるようにということで、その国の事業に取り組んでいただいた場合にはさらに県として上乗せをして、夫婦いずれかが29歳以下であれば30万円上乗せ、夫婦いずれかが25歳以下であれば10万円をさらに上乗せして、最大100万円になるような形で助成をさせていただきます。やはり若い時はお金がなくて結婚しにくいという状況もありますので、こういったことで背中を押してあげようということですし、また、以前県で調べたところで言えば、1歳結婚年齢が下がると0.14人子どもが産まれやすくなるということも分かっていますので、そういったデータも活用しながらこういった事業を考えさせていくところです。

 また男性の育児休業に奨励金ということで、特に力を入れさせていただいています。今まで初めて男性が育児休業を取得すると、1回だけ20万円や30万円がもらえるなどいろいろな制度をしていましたが、少し継続してとにかく常識にしていこうと、男性の育児休業を県内の企業さんで常識にしていくというための施策です。例えば、1人が特に長期に休まれると代替人員の確保が必要になりますので、こういうことについて1人当たり15日当たりの支給額として、1人の方が30日休めば2倍もらえますし、60日休めば4倍もらえる。1人当たり15日当たりの単価として、例えば企業が代替の人員を雇った場合、15日当たり13万円、それから最大では1社当たり312万円、それまで何人取ろうと、例えば2人の人がほぼ同時期にとった場合には26万円がその時期に15日当たりもらえるということになるわけです。もしくは人は雇わないで同僚の人に手当を支給する場合は、15日当たり5万円。また今度は育休を取る側の方が、やはり手取りが一部減るという課題もありますので、そういった場合に育休を取る方に企業が奨励金を出せば、それに対して最大5万円を支援させていただくということです。これは3万円出せば3万円あげるということで、6万円出せば5万円にはなりますが、そういうことになるということです。

 あわせて、県は3か月以上の男性の育休を推奨しています。これはいつも申し上げていますが、「1か月目は非常に大変だった、2か月目で少し家事・育児のコツを掴んだ、3か月になるととても楽しくなる」と言われていますし、さらに若いときに男性も家事・育児ができるようになっていれば、一生夫婦で協力しながら子育てができるということで、3か月以上の取得を実現した場合には、50万円を別途支給させていただくということで、最大で1社当たり602万円の支援が受けられるということですし、プラスして部下を持つ上司の方が取得した場合、この1番のところに15日当たり3万円を加算する、合わせてこのところが384万円や674万円になる。このようなこともしてイクボスも育てていこうと考えています。これは日本一、東京都よりもずっと上をいっていると思いますので、これに力を入れていくということです。

 また保育の職場づくりということで、保育士の皆さまともいろいろとお話をさせていただきました。やはり給料だけではないと、福利厚生も含めて、しっかりと見直してほしいということを保育士さんももちろん、経営をされていらっしゃる方もおっしゃっていました。そういうことで国の事業も活用しながらですが、県としても例えば住居手当の支援や、保育の補助者の拡充、メンタルヘルスケア、UIターンの方への支援金の支給などを充実させていただきます。

 そして理系の就職活動の支援ということで、これまでもやってまいりましたが、さらにそれを充実しまして、理系企業として製造業や建設業、情報通信業など県内で特に人手が足りない企業に入る場合は文系の学生も対象にして、今までの支援も受けられるようにする。補助の上限額を大学院生については50万円上乗せして150万円にする。それから認定数も今までよりもかなり増やし、45人増やして100人にする。こういったことを行おうと思っています。

 その他に例えば、以前から申し上げている家事育児サポーター、「ふく育さん」と名前をつけようと思っていますが、そういったモデル事業を行ったり、または子どもだけでも外出ができる「ふく育タクシー」、例えば塾や家に連れて行ってもらえるなど、こういった「ふく育タクシー」の運行を支援しますし、使用済みのおむつを持ち帰らなくても済むようにする。こういったことも考えていきます。

また一時預かりや病児保育は、急にお子さんを預ける、もしくは仕事が忙しくなるようなことがよくありますが、どこが空いているか分からないということで、すぐにそれがわかるような、空き状況が確認できるシステムを構築していきたいと思っています。

 定住交流は、どこのお子さんでも通常は契約関係がありますので同じ地域のお子さんを預かることになりますが、一時的に来ている親御さんのお子さんを保育園に預かるというようなことも行ってまいります。

そして物価高騰対策ですが、これには非常に大きな予算をあてていきます。

例えば、電気代のところは2月議会で予算をいただいていますが、特に特別高圧のところがまだ手薄いというような話や、LPガスが対象になっていない部分があるというようなことですので、そういったところを充実させていただきますし、そして交通事業者や医療機関、さらに福祉施設も今回加えまして、電気料金、燃料価格の高騰分の支援を9月までさせていただきます。また農林漁業の支援について、昨年もさせていただきましたが、今年度も継続させていただきます。そして学校、保育所、幼稚園の給食食材費が上がっていますので、その値上がり分に対して支援をさせていただくということを考えているところです。

 そして省エネを進めていく。2030年度にCO2の49%削減ということを福井県も目標として掲げていますので、家庭内におけるCO2削減が進むようにということで、一番電気を使うエアコンと冷蔵庫の購入費に対しまして、三つ星以上で10万円以上の製品を購入いただいた場合には、1台につき2万円を支援していくということを今回の予算で考えさせていただいています。

 その他、コロナ禍で子どもの運動習慣が少し落ちているとも言われていますので、子どもたちの運動習慣を記録するアプリを作って使っていこうというようなことであったり、企業が女性管理職の登用を促進するために、こんなやり方がありますよと言っていただくようなコンシェルジュを置いたり、農福連携も強化をしていきます。また活魚車のようなものがあって、県内で嶺南の魚を嶺北に持ってくるなどといったことも行いたいと思っています。

 脱炭素ということでは、急速充電インフラを置くことや企業に太陽光発電・蓄電池のセットをすると非常に効果が大きいと言われています。こういったことを行うことや、デジタル地域通貨は11月からの運用開始を考えていますが、これの普及促進も行っていきます。また自治会は、コロナ禍で自治会の活動が非常に低調になりましたので、こういったことで復活させることにこれから少し力を入れていこうと思っていますので、その予算も持たせていただいています。あとは公共事業の内示額が出ましたので、こういったものに合わせた増額、また今年の3月には大野市の刈込池へ行くところが崩れたりしていますので、こういった対策についても万全を期してまいります。

 

~質疑~

【記者】

 まず今回の6月補正予算が、肉付け予算としてはここ20年で最大ということですが、最大になった理由と、改めてその狙いについてお聞かせください。

 

【知事】

 新幹線がこうして開通しますので、そういったことに力を入れます。

 また、先ほど申し上げましたが、男性の育児休業が福井県庁ではかなり進んできています。これをさらに県内全域で進めていく、大きな転換点にしていこうということはあります。

 もう一つは、国の交付金を受けて、物価高騰、電気代の高騰への対策もしているという部分もあります。

 

【記者】

 次に、新幹線の開業対策ということで言うと、今年仕上げの年だとおっしゃったかと思うのですが、大枠がある程度出揃ったようなイメージなのでしょうか。それとも、まだまだこの後、別途仕掛けがある程度予定されているのかお聞かせください。

 

【知事】

 基本的に新幹線の開業までの間は、概ねできてきているかとは思っていますが、ただ新幹線の場合は決して開業がゴールではなくて、そこから皆さんも、こんなに人が来るのであれば投資しようなど、気付くことが大変多いと過去の例から見ても伺っていますので、これも継続してやっていこうと思います。

 そういう意味では、これからも、新幹線の開業についての予算は、必要があればどんどん見ていくということかと思います。

 

【記者】

 フジテレビとの恐竜展についてですが、弊社が系列ということもありまして、全国ネットのテレビ局と連携して、恐竜王国をアピールすることに対する期待感がありましたらお願いします。

 

【知事】

 これはもちろん、売り込みをしていて、それで繋がったというところはありますが、逆に言うと、相手のフジテレビにもとても期待していただいていて、恐竜というコンテンツが福井県にとっての大きなコンテンツでもありますが、とてもお子さんたちを中心に、刺さるというのか、受けるというのか、このようなことを口々におっしゃっていただいています。そういう意味では、フジテレビとしても非常にメリットがあるとのことです。日本で唯一と言っていいぐらいの規模で、充実した恐竜博物館と協力できることについての期待もいただいていますので、我々としては非常に、お互いにメリットのあるウインウインの関係でできるのではないかと思っていますし、また、そのことが子どもたちに理科や地球環境について考えることにも繋がっていくでしょうし、それから恐竜好きの子どもが増えたり、福井に関心を持っていただけるということにも繋がっていくわけですから、これは福井県としても大変期待をしているということです。

 

【記者】

 今回の予算について、知事の全体的な評価と、改めてポイントをお聞かせください。

 

【知事】

 今回の予算については、私の2期目の県政をスタートするにあたって非常に重要な予算だと思っています。

 その中でも、選挙の中でも県民のみなさんに訴えましたが、新幹線が開業するまでの準備の総仕上げという部分、それから子育て支援、さらには人口減少対策、移住定住、このようなことをしっかりと応援をしていく、特に男性育児休業を県下全ての企業の常識にしていくための大きな分岐点にしていくことを考えていますし、さらには物価高騰、電気代の高騰といったことに対する、県民の皆さんが非常に困っている部分を少しでも応援させていただく、そういった課題を解決していくことに特に力を入れて予算編成をしたと考えています。

 

【記者】

 2期目、今年初めての予算編成ですが、杉本カラーは思う存分出せたとお考えでしょうか。

 

【知事】

 見ていただくと結構本当に出ているのではないかと思います。

 今までタクシーは、公共交通というところから少し離れているような感じがありましたが、私になってから、タクシーの維持、特にコロナ禍でも支援をしましたが、今回も、本当にお客様が来られて一番最初にファーストコンタクトするところが、もちろんバスだったり、鉄道だったりしますが、タクシーというところが非常に大きいと認識をしまして、例えば都市部で活用されているアプリや、それから決済の手段が、みなさまが乗られてお気づきだと思いますが、福井県においては非常に狭くなかなか活用できないということも一気にこれで解決していこうとしていますし、先ほどから申し上げているような、子育て支援にも非常にお金も割いていますが、全国で今後とも福井のやり方を、学んでいただくというのも変ですが、モデル的な事業として進めることも盛り込んでいると思いますし、私の選挙の中でも申し上げたことを含めて、一生懸命私なりにカラーも出しながら編成していると考えています。

 

【記者】

 子育て支援について、今回のメニューで知事の評価をまずお聞かせください。

 

【知事】

 子育て支援は、正直言うとまだ2期目に向けて、完全にこれでできあがっていると思っていません。

 例えば選挙のときにも申し上げていたのは、保育料の無償化、2人目のお子さんの所得の制限を撤廃する方向で、市町とも相談しながらやっていくと申し上げています。

まだ途中段階だと思っていますが、ただ必要とされることを一歩一歩前に進めていると考えていますので、トータルでどのようになっていくのかということをもう少し時間をかけて考えながら、財源の措置もしながら、これから進めていきたいと思っていますが、大きくまた一歩踏み出していると考えています。

 

【記者】

 お話があったように、保育料の無償化も知事は選挙で公約に掲げられて、また高校の無償化も拡充していくということを、今回メニューに上げなかった要因はどういったところでしょうか。

 

【知事】

 これは市町との調整ももちろん必要ですし、また全体としてどのように進めていくのかということも、財源も非常に大きく関わりますので、このようなことも含めて考えていく必要があるので、サッとやってしまうというわけにはいかない部分がありましたが、できるだけ早く、県議会にもちろん理解もいただかなければなりませんが、私としては実現ができるように工夫をしていきたいと思っています。

 

【記者】

 今、できるだけ早くという言葉をいただきましたが、選挙で掲げられた中で、有権者としてはそれを期待して票を入れられた方もいるかと思いますが、どのように感じていますか。

 

【知事】

 これは本当に、私が言ったからというのがあってなのかどうか、本当に皆さんの方からの要望も強かった分野だと思っていますので。ただ拙速であると、直接的なことを申し上げれば、保育所の待機児童が出てしまうなどがありますので、施設整備など、市町の置かれている状況もしっかりとお互いに意思疎通しながら進めていかないと、トータルとしていい方向にいきませんので、あまり今回急いで出すというよりは、必要な財源のことも含めて、次、もう少し時間をかけなければならないものが今回出ていないということだと思っています。

 

【記者】

 何点か予算関連でお伺いします。1点目の子育て政策の充実ですが、知事もおっしゃっていたように男性の育休支援がかなり目玉という理解でよろしいでしょうか。

 

【知事】

 これは本当に全国一だと思いますし、今までのやり方だと1週間だけ1人でも取れば例えば定額10万円というようなやり方でしたが、今回のやり方であれば企業の中で定着していくと思われますので、これを使ってなんとか県内の企業の取り組みを進めたい。そういう意味では非常に大きな目玉だと思っています。

 このほかにも、結婚支援は特に所得のことでよく言われますが、300万円以下の所得だとなかなか結婚できないなどと言われます。結婚について、背中を押してあげることも必要だと思っていますので、市町と一緒にやっていくということも大事だと認識しています。

 そのほかにも子育て支援の予算は、先ほどのふく育タクシーや、ふく育さん、使用済みのおむつなど、こういったものも非常に要望の強いものだと思いますし、何といっても職場に保育士さんが非常に集まらないということを経営者のみなさんがおっしゃっています。ここを何とかしないといけないということで、先日私も国に行ってこども家庭庁でも申し上げたりしていますが、まずは給料を上げ処遇改善をやっていただきながら、さらに福利厚生の部分も良くしていく、働きやすいようにするためにこうした補助者を入れていくといったことも、県も協力しながらやっていきますが、やはり主には国でやっていただかないと大きな構造が変わらないので、お願いもしていこうと思っています。

 

【記者】

 育休だととても充実した支援だと思いますが、中小企業で人手が足りないとなかなか代替人員が確保できないとか、いろいろな想いを持っている企業がいるなかで、この額とこの制度にした理由は何かありますか。

 

【知事】

 概ね、代替人員を充てているようなところは大体どれほどお金を払っているかを見ながらやらせていただいています。そういう意味では確保できるかどうかが大きいということは十分わかりますが、その場合には、会社の中で手伝ってくれる人に手当を払ってあげることも現実的な方法としてあると思います。

 やはり、県庁でも思いますが、育休を取ると手取りが減りますよねという声が非常に強いので、本人に向けても手当をしていくという、現場に即して、できるだけやらせていただいて、これから急速に男性育休は進んでいってくれると思っていますし、欲しいと思っていますので、今だったらこれができますから、是非とも使って、広げていただきたいと思っています。

 

【記者】

 デジタル地域通貨について伺います。政府が地方行政のDXを推進するという流れもありまして、サービスの効率化に繋がるということで非常によいと思いますが、一方でマイナンバーなどデジタルに対する不信感や、スマートフォンを持っていない高齢者もいることから、どうやって浸透させるのか。

 あと、通貨というと厳密には循環しないと通貨にならないので、お店にポイントが返ってきて現金に戻すと通貨ではないのではないかという意見もあると思いますか、そのあたりの認識をお願いいたします。

 

【知事】

 後段の方から言うと、例えばボランティアで海のごみ拾いをすると500円分の地域通貨が出ます。それをお店に持っていけば、モノに変わっていきますので、転々とそのお金が回っていくということも一つあります。もう一つ考えているのは、自分が500円をボランティアで手に入れたら、今度は寄付してもらう。いろいろな福祉に、ごみがゼロになるような対策の寄付をしてもらうことで、実質の経済をまわしていくことが大事ですので、できるだけそういった回転しやすい形にしていきたいと思っています。

 前段については、私も報道等で他人に対して二重にマイナンバーが出されるなど、いろいろな事が起きていることはよく認識しています。一つには、慣れていない、もしくは人間のヒューマンエラーの部分が結構あると感じていますので、こういうところはしっかりと見直しをしながら、もしくは自動化するなどしながら、乗り越えていかなければいけない分野なのかと思っています。いま駄目だからいつまでも駄目というより、いろいろ言われていますがやはり便利というか不可欠な制度になってきていると思っていますので、まずは交付する現場や、マイナンバーを使って何かをやっていく現場のところが細心の注意を払ってやっていく、もしくはエラーをチェックできるようにしていくなど、解決する手段を考えることを急ぐことが信頼の回復に繋がって、さらに便利なマイナンバーの活用が広がっていくと思いますので、もちろん起きていることはすべて真摯に受けとめて、反省しながら、それを改善していくということは大事ですが、その上で安心安全な形で利用できる範囲が広がっていくことをこれから期待したいと思っています。

 

【記者】

 福井城址の櫓の再建について、住民からも要望もあるなかで今回整備に乗り出すということですが、知事の期待感をお聞かせください。

 

【知事】

 こちらは法律上の史跡になってはいないかと思いますが、歴史上のとても大切な場所だと思います。

 「どうする家康」も放送していますが、例えば家康の次は秀忠ですが、そのお兄さんがここにいたということも、史実としてはこれから徐々にみなさんにも知られていくだろうし、いくように我々も努力をしていきますが、できるだけ史実に即した形で昔の施設が復元されていくことは、福井県のアイデンティティーを蘇らせるという意味でも重要だと認識していますし、それから新幹線時代、今度の開業には間に合いませんが大阪への延伸をにらみながら重要な要素になってくると思っていますので、できるだけ史実に即した形で、求められているようにこの福井城址のところを再整備していくことが重要だと認識しています。

 

【記者】

 新幹線の準備について、開業がゴールではないこともよく分かりますが、それまでにやっておかなければならないことはあるわけで、その進捗について知事はどう考えていますか。

 

【知事】

 再開発で遅れているという声がある部分もありますが、例えばA街区については今回も予算化させていただいていますが、まずホテル棟の部分は開業の時期に向けて、順調にいっているとのことです。あわせて立体駐車場も本来だと来年の5月完成という話でしたが、前倒しを要請してきて何とかなりそうだという話になってきているので、補正予算の中に補助金の部分も入れさせていただいたり、今のところ一部遅れてきているところはありますが、開業に向けて必要なことは先ほどのタクシーに対する新しい助成なども含めて加速化して準備していますし、それなりに整ってきているのではないかと思っています。

 

【記者】

 福井城址について、今回、坤櫓(ひつじさるやぐら)も復元に着手されるということですが、御廊下橋や山里口御門など段々とこのエリアが歴史香る場所になっていくと、中に立っている県庁舎が似つかわしくないのではという意見も出てくる可能性もあるかと思います。耐用年数の問題等もあるかと思いますが、改めて県庁舎の移転について現時点での知事のお考えを聞かせていただけますでしょうか。

 

【知事】

 そうした意見や議論があることは十分に認識をしています。

 その上で、やはり今も仰っていただきましたが昭和56年に建っていますので、まだ40年ちょっとということで、40年で壊すことが時代に少し合ってないところもあると思います。

 基本的には建っているから整備ができないということはないように、ある時期になればこの県庁舎は退くと思いますので、退く時期に向けて、どんどんと遅れたということがないような整備を今の段階からしていくと。昨年、検討会のみなさんからも大きなグランドデザインをいただいていますので、こういったものに即しながら、今回の坤櫓(ひつじさるやぐら)や、周りの修景をしていくことなどに力を入れていきたいと思っています。

 

【記者】

 先ほど福井のアイデンティティーというお話もありましたが、今回の福井城址の整備や将来的なアリーナなど、県都の玄関口ということもありますが、福井市への支援が多少偏っているのではないかという意見もあるかと思いますが、そのあたりのバランスはどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 これはまさに新幹線の「かがやき」がおそらく停まるであろう駅であって、ここから全県に広がって行っていただくことも含めて、やはり都市機能が集積している福井市のところへ、いま急いでやっている所は そこが見えるということですが、例えば敦賀市に対しても、敦賀で降りたお客様に行っていただく場所をやらなくてはいけないということで、金ヶ崎や敦賀気比神宮の前の商店街なども前に進めさせていただいて、県下全域で、各市町が一生懸命やりたいことはできるだけ県がブレーキになることがないようにやらせていただいているつもりですので、各市町のみなさんも非常に前向きに捉えていただいているのではないかと思っています。

 

【記者】

 県財政について今回もかなり大きな予算規模になりまして、先日も足羽川ダムや中部縦貫道、少しさかのぼれば冠山峠道路など、様々ないろいろな事業の増工が明らかになっていますが、長期的に県財政に与える影響についてはどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】

 精査をしているところで、一つは事業がこれだけ大きくなることの妥当性の精査と、もう一つは県財政への影響の精査もさせていただいています。非常に大きな金額ですので、県の財政に大きな影響があると認識をしています。

 一方で、私が知事になってからも福井県は基盤整備を含めて、もしくは新幹線がどんどん工事が進んでいるので、非常に苦しい時期であると思います。長い福井県の財政の中でも非常に投資がかさんで苦しい時期だとは思いますが、こうした投資はストックとして残り、福井県にとってなくてはならない要素だと認識をしています。そういうことから言えば、財政についての影響についても再度精査しています。

 こういったことも見ながら、健全財政はしっかりと守りながら、そのうえで効率的なお金の使い方、国に対しても、例えば国土強靱化の予算など補正予算をできるだけ重点的に配分していただくと、後年度負担が相当減ってきます。このようなことを含めて工夫をしながらやっていくことで、財政をしっかりと健全性を維持しながら、県としてやるべきこと、中部縦貫や冠山峠道路、舞若道もそうですし、足羽川ダムもリダンダンシー、災害対策という意味でも非常に大きなものですので、優先的にやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 人口減少対策の男性育休促進について、結婚・出産・子育てなどいろいろな局面で支援があると思いますが、そのなかでも男性育休に今回着目されてこれだけ手厚い支援をされる理由をお聞かせください。

 

【知事】

 これまでいろいろとやってきていまして、例えば出産の面であれば不妊治療を日本一にしているなど、結婚の支援も先ほど申し上げたように国の制度に対して上乗せもしていく。こういうこともやりながら、先ほども少し申し上げましたが、男性の育児休業をより多くの皆さんに、より長くとっていただくことは、社会全体および人生全体に非常に大きな効果があると思います。

 私はこれまでいろいろな若い人たちと話していても感じていまして、子育てを2人でできる、普通にできる環境をつくる意味でも、やはり男性の育児休業は非常に重要で、できるだけ長くとることが大事だと思います。

 福井県庁でいえば県職員も育児休業法による育児休業を取る職員は、令和4年度は70.3%になっていますし、さらに年次有給休暇も合わせて1か月以上取る職員が93.4%まで来ている。これは現実にやっていけば何とかなっていく目標だと思います。

 国で2025年までに公務員85%、民間50%、もしくは2030年には公務員で2週間以上取る人が85%以上、民間も85%以上など目標を掲げています。

 これに向かって福井県としてどんどん発信ができるようにすることが、1日も早く福井県のみなさんが子育てがしやすい、結果として結婚も進む、子どもも生まれて自分が欲しいと思っていた子どもの数だけ産めるような環境ができるということですので、それに少し足りないのがやはり男性育休かと思い、今回このようにやらせていただいた。見ていただくと、それなりにちゃんとバランスを見ながらやっていると認識をしています。

 

【記者】

 福井県として民間の男性育休を何%に引き上げるという目標は既にあるのでしょうか。

 

【知事】

 そのような目標を持ち合わせているわけではありませんが、私はいろいろな形で社長さん方にお会いしますので事あるごとに申し上げているところでして、少し落ち着いてくればそういった目標をつくることもあるかもしれませんが、福井県としてというか、県全体もしくは国全体として進めていくべきことだと思います。

 少なくともいま私が発破をかけているのは、国は2025年に公務員85%以上と言っていますが、県庁の中は今年中に達成できるようにと、一生懸命上司のみなさんに対しても強く求めているというところです。

 

【記者】

 二次交通について、開業前の事前準備の段階の事業としては、今回の予算の肉付けの事業でも大体100%という感じですか。

 

【知事】

 いまのところはそう思っていますが、この後もまだあれば9月、12月補正予算もありえますので、もしくは先ほど申し上げたとおり、開業までと言わず開業後も継続していくことがいろいろとありますので、いまのところはこれで何とか開業にこぎつけたいと思っています。

 

【記者】

 結婚の支援のところで29歳以下とされていますが、国、市町では39歳以下となっていますが、29歳までにされた根拠や理由をお聞かせください。

 

【知事】

 国の制度がそうなっているからいうことで、こちらにも書いてありますが国の支援事業を活用する市町ということでやらせていただいているので、整合性をとりながら上乗せすることでさらに効果を上げていこうということで、このようにさせていただいています。しかし福井県の今回の合計特殊出生率の減少を見ても、20代の出産が大分減ってきているというところがあります。

 これは結婚ですが、とはいえ結婚した翌々年にお子さんが生まれるケースは多いので、やはり20代の結婚、先ほども申し上げましたが結婚年齢が1歳下がると0.14人子どもが生まれやすくなるという私どもの調査の結果もありますので、こういったことも含めて若い方に手厚くする。もしくはこの頃はお金がないので、自分の経験から言っても皆さんのご経験から言ってもだと思いますが、そういったところを手厚くする。こういったことで、29歳ということを考えているというところです。

 

【記者】

 今後、39歳以下に上げる予定はありますか。

 

【知事】

 これは世の中がどのように動いていくかで、私たちの必要性が、やはり30代の所をもっといかないといけないということもあるかもしれません。

 しかし30代になるとだんだんと所得も上がってくることはあるので、結婚そのものの躊躇はどこにあるかを考えて、やはり若い人の結婚資金を含めて結婚する時は一時的な支出が結構大きいので、飲み込みやすいかどうかも見ながらだと思いますが、可能性としてないとは言えないと思います。

 

【記者】

 新幹線の二次交通の関連でお伺いします。先ほど小浜線の関連で本数が足りないので、直通バスをおおい・高浜方面に走らせるという話をされていましたけれども、列車の本数が足りないのでバスとなると、どうしても将来的な線路自体のバス代替ということも頭をよぎってしまいました。今回の措置は、将来的なバス代替、路線の休止・廃止ということもある程度視野に入れたものなのでしょうか、今回あくまでもそれとは別のものなのでしょうか、考えを聞かせください。

 

【知事】

 結論から言うと全く別だと認識しています。逆だと言ったほうがいいかもしれないと思います。

 どういうことかと言うと、報道もありましたが、JR西日本と福井県の関係で言えば、非常に全国的に見ても先進的な状況だと認識しています。どいうことかというと、先日も国への要請の中で国土交通省に行ったときにも言われましたが、福井県の取り組みは非常に先進的だ、モデル的だと言っていただいているぐらいで、そういう意味ではお互いウインウインになれるように必要なことに一生懸命投資していこうということでやらせていただいていると認識しています。

 ただ、現実の問題、こちらでお金を出すので1日1本増やしてくださいとやるよりは、バスで代替の方がまず安価というか、すぐに取り組みやすいということが一つある。もう一つは、こういうことをやって、たくさん乗る人が出てきたということが分かってくれば、JRも当然また便数を増やしていただくということにも繋がるということで、これはまずやってみようということでやらせていただきます。鉄道とバスの大きな違いは、京福電鉄が事故を起こして、バス代替にして一旦廃線にしたときに、この時によく分かった事柄としては、やはり一定数、特に朝と夕方にたくさんの人が乗る交通手段としては、鉄道に勝るものは全くなくて、バスに変えると、交通渋滞を招いてしまって、普通の車にも影響を与える。やはり、鉄道は鉄道でないとできないことがあり、小浜線も非常に朝晩込みますので、そういう意味ではとても代替できる状況にもないと認識しています。

 

【記者】

 男性の育児休業について話を戻しますが、今回枠組みをつくって休みを取得しやすくしたということですが、実際に聞くと、男性が育児休業中に何をしていいか分からず、ただ休んでいるだけだという意見もたまに散見しますけれども、今回枠組みをつくったことでさらに一歩踏み込んで、例えば育児休業中にどうしたらいいですとか、そういったところまで今後踏み込んでいったり、ふく育県をうたう以上何かそういった施策は考えていますか。

 

【知事】

 おっしゃるとおりだと思います。

 知事になったときに、県庁の中で、最初は育児休業の取得促進ということで職員とやりとりをしましたが、おっしゃるように、例えば育休を一週間だけ取ってもほとんど何も日常が変わらないので、1週間お休みをとるという感じになるのだと思います。だから駄目だといって、1か月以上取ろうということを申し上げて、一生懸命して来て93.4%まで来ているわけです。

 1か月ぐらいになると、毎日遊んでもらわれても困るのであれこれしてもらい、もしくはその間、奥さんは別のことをするなど、男性だけでそういったことをすることもだんだん出てきます。

 その上でさっきも申し上げましたが、最初の1か月は混乱の極みですけれども、2か月ぐらいからコツが掴めて3か月になると楽しくなる、それが育休終わった後も続いていく、こういうことは非常に重要だと思っていますので、そういう意味では単に休みをとりましょうということだけではなくて、すでに始めていますけれども、男性の家事教室とか、もしくは育児の教室とか、もしくは育児休業とはこんなものだということを分かっていただくような機会をつくって、休む人にも分かってもらう。ですから、ご夫婦によく分かっていただいて企業がそれを応援する、結果として社会全体が過ごしやすくなる、こういうようにしていこうということを同時並行でやっていきたいと思います。

 

【記者】

 一昨日、国や与党へ要望活動をされた中で、経産省の西村大臣と面会された際に、関西電力のフランスへの使用済核燃料の搬出について中間貯蔵と同等の意義があるという関電の判断について、西村大臣は追認する発言があったかと思いますが、この発言を受けて福井県としての総合的な判断をするとおっしゃったと思いますが、どのように影響するか現時点でお考えを伺います。

 

【知事】

 これは最初から申し上げているとおり、国の考え方もしくは評価、こういったものを伺ったり、立地の市町、県議会、こういったことの議論をよく聞かせていただいて、最後判断して行くということです。そういう意味では、とりあえず大きな部分について、大臣から国としての考え方を述べられたということですが、合わせて23日だから明後日、小澤エネ庁次長もお越しくださって、県それから県議会と考え方もしくは質疑にも答えてくださるということなので、国の考え方についてもこれからさらにそういったところで質疑もしながらよく話を聞かせていただきます。さらには市町、県議会の意見も聞かせていただくということをこれからやって行きたいと思っています。

 

【記者】

 一方で、美浜町議会は今回の関電の判断についてかなり厳しい意見が出ていると思いますが、県としての判断の中で、国や議会、立地市町を挙げられていたかと思いますが、全者の理解を前提としているなど、そういったところの考えはありますか。

 

【知事】

 原子力の課題というのは、常に非常に判断が難しいと私自身認識をいたしています。そういう意味では、全員一致で物事が進められるような環境というのは整うのが一番理想的であるけれども、よく話を伺いながら県民の皆さんがどういうことをお考えなのかということを最終的には自分として考えて判断して行くことになると認識をいたしています。美浜町議会の議論というのも私も報告を受けています。反対の意見もあったというふうには認識をしています。反対の意見だけであったわけでもないというふうにも認識をしています。こういったことを各市町で議論もしていただいたり、首長さんのご判断ということもあると思いますので、これからそういったことを県としても市町とコミュニケーションをしっかりしながらやらせていただこうと思っています。

 

【記者】

 先日の西村大臣も、最終的には福井県の理解をいただかないといけないという話がありました。国の考えを聞くということも大切かもしれませんが、やはり立地や県議会、知事の政治家としてのスタンスが大変重要と思いますが、社長の報告から1週間あまり経って、現段階での中身については十分吟味されていると思いますが、今の段階での知事の考えを伺います。

 

【知事】

 十分吟味されているというところが、まだそういう状況にないので、一生懸命、過去の経緯等も精査をしていますし、今回のオラノ社に出されるというようなことですが、そういったところも実現、当然可能だと思いますが、そういったことの方法論とか状況というか、実現可能性とか、そういったことも含めて一生懸命精査をしたり、自分の頭も整理をし始めているというところです。これは余念を持たずというか、今申し上げたように、国にも確認を続けていくし、市町とのコミュニケーションを取るし、県議会でもいろいろ議論があると思います。そういったことも踏まえながら自分としての考え方を固めていきたいと思っています。

 

【記者】

 今回のオラノ社への実験で200トン程度を1回持っていくという話だが、これは90年代後半から福井県が求めてきた県外搬出候補地を決めて、そこに持っていくとすることとは、知事は今同義だと思っているかどうか、考えをお聞かせください。

 

【知事】

 そういうことの考え方を今まとめています。自分の中でも整理をして、それは個人としてやっているわけでないので、私は知事として判断して行くということだと思っていますので、今その作業中だということだと思います。

 

【記者】

 多くの県民が考えていたのは、福井県から出てくる使用済核燃料を安定的に県外に搬出するような施設が出来て、そこが今年の末までに決まるだろうと理解をしていたと思うが、関西電力の提案はそれとは意味が異なるという意見を聞くが、知事はその認識はあるか。

 

【知事】

 大きく言えば、本来もうすでに稼働しているはずの再処理の工場が、稼働がどんどん遅れているというところがすべてのこういういろいろな状況が生まれている元にあると思いますので、そういう意味では、いろいろな工夫をしながらやっているということなんだろうとは思います、大きく言えば。けれど、やはり一番大きいのはやはり今申し上げたように、核燃料サイクルがこうちゃんと回っていっていません。 国としてしっかりとその再処理工場を稼働できるようにしていく必要があると私どもは考えています。

 

【記者】

 核燃料サイクルがしっかり回っていないという中で、今回の関西電力の200トンを1回持って行くというのは、やはり立地の方にとっては、ちょっと話が違うという意見がすごく多いと認識しています。今回、関電の提案を知事が了とするのであれば、立地の方の気持ちを踏みにじることにならないかと心配しています。いかがでしょうか。

 

【知事】

 今、あなたの考えを言われたのだと思うけれども、私として考えをまとめるべく、整理をしているということです。

 

【記者】

 高浜1、2号機が間もなく動くという前提で伺いますが、関西電力が従来からしていた約束を果たせなかった場合、40年超原発3基を止めることは、県民利益の面から知事はどう考えますか。

 

【知事】

 それは仮定の議論であるし、その前になる議論もしているところですが、いずれにしてもそこは関西電力が考えることだというふうに思います。

 

【記者】

 今回の話はいろいろ議論の仕方があると思いますが、例えば、止めた場合に政府が進めている原発回帰の出鼻をくじくような象徴的な出来事が福井で起きてしまうとも考えられます。知事にもしそれを避けたいという気持ちがあるなら、関西電力の中途半端な提案が知事にとって渡りに船になる可能性も考えています。その辺はどうでしょうか。

 

【知事】

 それはご自身の考えを言っているのだと思いますが、私は原子力というのは、今国策として重要な要素になっているというのは認識しています。だからそういったことも含めて、どうしていくのかということを大きく考えるのは国であるというふうに思います。

 

【記者】

 23日に県議会が開会し、議会での議論を促す形になると思いますが、今回はいつごろまでに、今議会中とか、期限を明示した議論を求めるのでしょうか。

 

【知事】

 今のところそういうことを考えているわけではありません。これは十分に議論、皆さんの議論を伺わせていただいた上で、必要な時期に判断していくということだろうと思います。

 

【記者】

 今、各市町の立地の議会でもいろいろな議論が進んでいると思いますが、杉本知事自身が立地自治体の首長に直接会って、何か考えであったり意見を聞く場というのは今後設ける予定があれば教えてほしいです。

 

【知事】

 先のところは何も決めているわけではないので、今は未定ということです。

 

【記者】

 今後、今週金曜日に委員会も始まるし、県としての総合的な、総合判断、時期的な判断も目途は設けずにやるのか、それとも一定程度おしりを決めて判断していくものなのか、知事に現時点の考えを伺います。

 

【知事】

 これは、特に、先ほども申し上げたが、私がスケジュール感をもってやっているということではありません。

 

【記者】

 金曜日になるが、櫻本副知事も国からの説明を聞くと思いますし、午後は県議会で国が説明すると思いますが、特に県議会にはどういった議論が、中にはいろいろな賛成というか反対というか、いろいろなもどかしいような釈然としないお考えの方もいらっしゃいます。どういう議論を期待されるか知事としての考えを伺います。

 

【知事】

 これはやはり我々のいろいろと実務的なところもあり、私が全部分かっているわけではありませんが、例えば、国のほうの考え方は大臣も言われたとおりであるだろうけど、どうしてそういう考えになっているのか、というようなこともあると思いますし、また、国がここまでどんな役割を果たしていて、これからどうしていくのかというようなこともあるだろうし、これまでも我々が思っていることも含めていろいろと意見交換させてくれれば、あれもこれもに広げるつもりも全くありませんが、せっかくの機会であるため、原子力政策ということ全般の中で、こういった特に中間貯蔵の話、使用済燃料の話、これを中心に議論していくのだろうというふうに思います。

 

【記者】

 中間貯蔵の関連で一点だけ。今いろいろなこと、広げすぎずにある程度絞ってという話もありましたが、知事として国の説明としてどういった点を重視して説明を受けたいというか、国の評価としてどういったところを一番大切にしたいかということがもしお考えがあればお願いしたいです。

 

【知事】

 やはりもともと申し上げている通り、考え方と評価ということを申し上げていますので、今回一応考え方と評価は示されていると思いますが、特にそういうふうに考える理由のところもしっかりと聞かせていただくこということは大事だというふうに思っています。

 

【記者】

 立地の議会では使用済核燃料の発電所内での乾式貯蔵を検討すべきだという声も改めて出ているということを伺っています。県として使用済核燃料は県外へということを長い間求め続けてこられたが、現在の状況を踏まえて、その考え方の軌道修正をする考えはあるのでしょうか。ない場合はそれはなぜかということを含めてお願いしたいです。

 

【知事】

 これは私も報道等を見ていて、そういう声があったということは認識していますが、そういう声は常にあるわけで、そのことはそういうことだと。実際に関西電力や市町から求められている状況にはありません。そういう意味ではこれまで通り福井県としては、各立地の市町としては基本的に今まで福井県のやっている方向性については理解をいただけているというふうに思っているので、引き続き今考えていることを続けていきたいというふうに思っています。

 

【記者】

 先日の西村大臣との面談の発言を文字のとおり起こすと、知事から今年末までに計画地点の確定に向けて国が主体となって対応いただきたいというふうに言っていましたが、これは関西電力の先日の提案が不本意であると今の段階で判断しているわけではなく、論理的に福井県の対応はまだ決まっていないので、結論が出るまで国が主体的に動いてほしいという意味なのか、確認したいです。

 

【知事】

 当日にぶら下がりがあった時にもお聞きいただいたことがあるかもしれないが、あれは要請をしなくてはいけない場面というのがあって、それに対して、我々がこういうふうにお願いしますということをやらなくてはいけません。

 同時並行で事柄が動いているので、そういう意味ではまだ評価ができていないので。私どもとしての。そういう中で、大きな今までの要請の内容について、あの時点では申し上げているということです。

 今回の事、そのものを評価して、どうということとは違う。でも今回のことも含めて、トータルで言えば、元々の約束に向けての国の役割を果たすと言われているので、それについて再度、確認を求めたということです。

 

【記者】

 常識的に考えれば、福井県民も関西の市民の方々も、福井県と関電のやりとりの中で、今年の年末までに、安定的に、なおかつどちらかと言えば国内で、使用済核燃料を一時保管する中間貯蔵施設が設定されるというふうに思っていたと思いますが、今回の関電の提案は、率直に申し上げて、県として予想外だったのでしょうか。

 

【知事】

 予想の中とか、外とかということは私としても申し上げられませんが、一番大きな理由は、使用済燃料の再処理工場が動いていないということをどういうふうに乗り越えていくのかということの中で、いろいろな工夫だったり、議論がされているという過程なのだろうというふうに思っています。

 

【記者】

 今後、各方面の意見を聞きながら、県としての対応を決めていかれると思いますが、福井県だけで原発をめぐる負担をすべて負えないというスタンスは変わりないという理解で良いでしょうか。

 

【知事】

 これはもう、私も申し上げていますが、すべてのいわゆる立地と言われている発電もあれば、再処理もあれば、中間貯蔵もあれば、最終処分もある。いろいろありますが、それぞれの地域は同じ思いだと思います。だからやはり、これは全国でこういった役割分担というか、大きく言えばですが、一つ一つについて、みんなが役割分担しろということではありませんが、そうした役割を持ちながら、みんなが担っています。立地地域は。そういう思いは変わっていません。

 

【記者】

 県議会での議論もスケジュール感を持つべきではないという発言がありましたが、今回、じっくり結論を出していくという理解で良いでしょうか。

 

【知事】

 それはじっくりと言えば、じっくりだし、長く事を決めないということもないと思います。必要な時に判断する。スケジュール感が無いということです。

 

【記者】

 関電との約束は今年末までであったが、そういった区切りをつけるわけではない。

 

【知事】

 いずれにしても、スケジュール感を変に持たないで、必要な時に必要な判断をしていくということです。

 

【記者】

 やはり、予想外の提案だったという声もある中で、全体の5%しか出さないことで約束を果たしたと同義というふうに関電が言っていることに対して、誠実だと思いますか。どういう対応をするかはこれからだと思いますが、態度として、企業のこういった提示の仕方をどう思いますか。

 

【知事】

 やはり一番の課題は、再処理工場が動いていない中で、どのようなことができるのかということについて、国も事業者も一所懸命やっているのだと思います。そういった中での一つの答えです。答えというか、こういうことの提案が来ているということだろうと思います。

 5%プラスアルファと、関西電力は言っていたが、それが今の関西電力の考え方としては聞かせていただき、大臣の一応の評価というものを承ったということなのだと思います。私としては、これも含めて、これから今申し上げているようなプロセスを経ていきたいというふうに思います。

 

【記者】

 では特に不誠実だと感じたということはない。

 

【知事】

 不誠実とか、そういうことを私が今ここで申し上げるのではなくて、プロセスの途中だということだと思います。

 

【記者】

 関電の提案に対して、回答の仕方として、現時点で考えられることは示していただけないと思いますが、例えば、2000トンという話があった中で200トンという量や、新たな期限など、新たな条件を打ち返すというような考えはありませんか。

 

【知事】

 今の段階で、まったく分からないというのが答えだと思います。

 

【記者】

 かねがね知事が仰っている女性副知事の件について、6月議会も始まって任期を考えるとそろそろ人事案ということになるかと思いますが、現時点で構想は固まっていますでしょうか。

 

【知事】

 徐々に、だんだんと自分の意思は固めているというところですが、申し上げられるような段階ではないというところです。

 

【記者】

 この部屋の中に候補者の方は、いらっしゃいますでしょうか。

 

【知事】

 いろいろな意図があるということはわかりましたが、申し上げられる状況にはありません。

 

【記者】

 各地でマイナンバーを巡るトラブルがありますが、県内でトラブルを把握している例がありましたら教えていただけますでしょうか。

 

【知事】

 また担当課に確認していただければと思います。

 

【記者】

 新幹線の関連について、先日、県内開業時期について高木衆議院議員が3月の第2か第3土曜日というご発言がありました。まず現時点で、県として開業日に関して聞いていらっしゃることがあればお聞かせください。

 

【知事】

 できるだけ早くとお願いをしているのと、金沢開業時や、北海道新幹線の新函館北斗、長崎新幹線の長崎などの時は、半年ほど前に開業日が決まって、ダイヤの詳細などが3か月ほど前かと思っていますが、まだ決まったとは伺っていませんし、我々も聞いていません。

 

【記者】

 関連して仮にという話になってしまいますが、第2土曜日となった場合は今年は3月9日で3.11の2日前という日になります。個人的な考えになってしまいますが様々な事情や状況を鑑みると、3月9日という日はどうなんだろうという気もしてしまうのですが、開業日に関してどういったことを望まれるかや、JR側や国に求めていくことがあれば、知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

 

【知事】

 これはJRがお考えいただくことだと思っています。

 特に福井県はこの日でないといけないということがあれば申し上げることもあったかもしれませんが、そういう状況にもないと思いますので、JRさんに十分いろいろな事情を考えていただき、何よりもいろいろな検査等は全部終わっていないといけませんので、そういった上でご判断されるのだろうと考えています。

 

                                            ―― 了 ――

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)