知事記者会見の概要(令和7年2月14日(金))

最終更新日 2025年2月28日ページID 059960

印刷
令和7年2月14日(金曜日)
10:30~12:15
県庁 特別会議室

知事写真250214

 

[知事]〔配付資料:令和7年度当初予算案について令和7年度当初予算案の概要令和6年度2月補正予算案の概要主要事業

 まずは一つ目が、来年度当初予算の案について、概要のご説明をします。来年度の予算案の重点ポイントといたしましては、一つには、若者たちに選ばれる福井ということで、人口減少対策それから開業一年を迎えますので、新幹線の開業対策、開業効果の拡大です。そして人手不足対策を中心に編成をしています。そのほか、長期ビジョンの推進ということで、さまざまな行政課題がありますので、こういったものを解決していく社会基盤の整備、こういった方向で進めているところです。

 結果として、一般会計の予算の規模は5017億円ということで、昨年よりも30億円、0.6%下がっているということですが、コロナ禍の借り換えなども含めた制度融資といったものは100億円あまり減っているような影響もありまして、横ばいと思っています。昨年もそうでしたが、2月補正予算で経済対策なども持たせています。今年度も12月補正予算も含めて、こういった経済対策も含めた形でも、100億円程度、少し減っています。だいたい横ばいです。

 具体的な内容ですが、まず次世代にも選ばれる、人口減少対策です。一つが、県立大学の地域政策学部、70名の定員のものをまちなかキャンパスということで、アオッサに展開をしていくという内容になっています。また、県内大学への進学者を応援するということで、県内でも特に嶺南から嶺北、嶺北から嶺南へ行こうとしますと、特に嶺南の人はわざわざ福井に来るよりも京都などに行った方がいいということにもなりかねないわけですので、例えば、福井市内にアパートを借りるなど家賃であったり、また通う時の定期代の一部を大学生に対して、県内から県内に行く大学生に対して支援をしていくというものです。ふくい未来人材育成事業ということですが、各県立高校の魅力アップを図っていくということで、例えば小中学校で、福井県の場合は「夢へのパスポート」というものを書いて、将来の自分のライフデザインを考えたりしますが、こういったことを高校にも拡大をしていくということであったり、地域デザイン講座ということで、地域の未来を考えるようなことを高校でも行っていく。また高校生のチャレンジアワードのようなことが展開できるような措置をしていこうというものです。

 続いて、成長産業立地促進補助金ということで、実際の補助制度は令和8年度から実施をしますが、これまでもものづくり産業から価値づくり産業ということで、企業誘致の補助金の内容をできるだけ付加価値の高い給与などの働き方改革、働きやすいような企業に手厚くしていましたが、それをさらに徹底して、誘致企業についてはもうひとつ、これまでは県外企業の誘致に補助金が手厚く行っていたということもありました。そのようなところを改めて、県内、県外にかかわらず、必要な投資をしてくださるところに補助を行っていくということです。基準としては、都会並みの給与水準、三大都市圏並みの給与水準であることを要件化するなど、例えば、本社機能や研究開発機能をセットとして備えている。ただ物を作るだけの工場ではダメだというようなことにしているところです。あともうひとつは、大型投資に対して全国トップの最大120億円を交付できるような補助金にして、人手不足の中でUターンIターンに結びつくような、優良な儲かる企業に入ってきてもらうための補助金に特化していくということです。

 続きまして、すみずみ子育てサポート事業です。福井県で特に力入れていて、特に今回、ふく育さんについては、これまで1時間2000円程度の利用料に対して350円から700円の補助ということで、1時間あたり1650円、1300円の負担が生じていましたが、逆転させて補助基準額は2000円ですが、それに対して1500円の補助を行うということで、実際の負担はふく育さんを自宅に来てもらう、もしくはふく育さんのお宅で子供を見てもらう。このような時は1時間500円、平日昼間ということになるので、例えば深夜や週末は少し高くなるかもしれませんが、いずれにしても1500円の1時間あたりの補助を行うということで、普段だと1時間500円で子供を見ていてもらえるというような状況になるということです。

 続きまして、開業一年後の開業効果をさらに拡大していくというような事業の関係です。 まず課題となっているインバウンド対策にも、徹底して力を入れていこうということです。 2.7億円だったものを3.6億円に拡大しながら実施を行っていくということで、まずは外国人観光客に旅行の目的地として選んでもらえるように個人客に向けて、旅行雑誌などの編集の方も招きながら記事を発信してもらう。それからまた国内で、外国人がよく集まる高輪ゲートウェイ駅を整備していますが、こういったところで広告を打つ。また、京都駅などでも案内所での情報発信の充実を図るといったことを行っていこうと思っています。

 そして、敦賀若狭エリアのブランド力向上を図っていくということで、例えば、嶺南在住のインフルエンサーにいろいろ広報してもらう、PRをしてもらうということや、観光投資、やはり新しい投資が非常に重要だということで、コーディネーターを配置していく。これは青葉山ですが、夕日のスポットがありますが、このようないい場所を探して売り出す。そのために、まずは来年度に基本構想策定をしていくことを考えていまして、先般発表しましたが、若狭湾プレミアムリゾートエリアプロジェクト、若狭湾のプレミアムリゾート構想とタイアップしながら、敦賀・若狭エリアのブランド力の向上を図って、インバウンドを含めてお客様を増やしていこうと考えています。

 次に人手不足対策です。まず路線バスを維持・確保するということで、これまでも例えば、大型二種免許などの取得についての免許取得の補助制度を充実等させてきましたが、より運転士不足に対して効果のあることにまた手を伸ばしていこうということで、企業に対する運転士の給料を増やすような補助金を出したり、路線バスに力が入るようにということで、走行距離に応じて奨励金を企業に対して出していくといったことを行おうということですし、運転士さんに外国人材を登用できるようにしていく。そのための支援、それから路線バスがやはりなかなか維持ができないというところに対しては、市や町が代替交通を整備して転換をしていくことに対する支援もしていこうと考えています。

 そして、外国人の方がどんどん増えてくる前提に立ちまして、外国人の方々が何でも気楽に相談ができるふくい外国人相談センターの機能を強化します。具体的に申しますと、今までは国際交流会館にいらっしゃる相談員の方が、電話がかかってくると、それにこうしたらいいですよ、とアドバイスを与えるというやり方をしていましたが、これからは必要な時にはその人について窓口に一緒に行ってあげて、お話をしてあげる。このようなことができるような総合支援コーディネーターを配置していくということです。コミュニティリーダーのみなさんなどを通じて、そのコミュニティのみなさんへのお話や、いろいろな情報発信などをしていきます。聞いていると、企業によっては、地域のコミュニティに属さず企業と会社と行ったり来たりだけで日本語をしゃべる機会がないという外国人の方も増えているということですので、地域へのかかわりを持てるようコミュニティリーダーを通じた情報発信も強化をしていきたいと思っています。

また、大阪関西万博への子供の招待。これは、子供たちが修学旅行でといっても修学旅行でこのために大阪に行ってもらうというのが難しいこともあると聞いていますので、まずは子どもたちにこうした、小中高校生約8万人になりますが、万博に行ってもらう機会を持ってもらうことで家族で出かけやすい環境を作る、また周りのみなさんと一緒に行くというようなことができやすいようにしようということです。大変好評いただいている校内サポートルームについても、さらに50校から73校に増やしていくということです。考え方としては全国平均よりも不登校の子どもの率が高いようなところ、それからまだ校内サポートルームを持っていない市町が8つあるので、そういったところに配置をして、23増やすということです。

 続きまして、農林水産業と観光の振興で、第二ふくい園芸カレッジ仮称ですが、これと園芸LABOの丘の整備を進めていくということで、これに着手をします。第二ふくい園芸カレッジということで、今の園芸カレッジを嶺南にも一つ増やして、それからインキュベート機能のある研修圃場も整備をしていきますし、観光施設としても利用できる園芸LABOの丘も基本構想を作っていくということです。そして昨年大変課題となったイルカの被害対策に対してはリアルタイムで位置情報が、イルカがどこにいるかわかるようなシステムも導入したいと思いますし、市町が例えば監視員を置くことや、また広報をするなど、こういった経費についての補助も行って、海水浴客への被害の防止を図っていくと考えています。

 続いて、県民のみなさんの芸術文化に触れる機会を増やしていくということで、ふくい文化創造センターを設置いたします。これによって、専門スタッフを配置して、こういうことをやりたいんだけどということを、いろいろなアドバイスができるような体制にする。 こういったことを相談機能も強化をしていくということですし、みなさんが取り組むアートプロジェクトに助成金の支給を行っていくというものです。そして県立美術館、県立歴史博物館がありますが、幾久公園も含めて、例えば美術館も建って47年経ったなど、歴史博物館も40年ぐらい経過したということですので、現在、今風の機能もこういったものにできるように、今のこの館のリニューアルに向けて基本計画の策定、もしくは基本的な方向性を策定をしていくということを考えています。

 また、すべての世代のチャレンジ、活躍を応援するということで、若い方だけではなく、色々な経験を積まれたり様々な能力を持っていらっしゃる方々、さらにはシニアのみなさんが、集まって楽しむ場。いわゆる福祉ということとは違って、健康で元気で、これからも活躍しようと思っている人たちが楽しめる場。こういったものを増やしていこうということです。そういう意味で、文化祭をやるとか健康長寿祭をやるということでもいいです。今までは、例えば、社会のために何か役立つようなことをしていただけるようなシニアの団体に対する補助はありましたが、そうではなく、ただみんなで集まって楽しくワイワイやろうというようなグループホームを作るようなこと、そういったところで何かを楽しいことをするようなことへの補助も、これからも継続して行っていくと考えています。

 そして医療福祉の充実の一つとして、医療的ケア者のグループホームを作る必要性。特にお父さんお母さんが高齢化してくると、子供が心配だということになるので、こうしたグループは県内に出てきています。しかし当初は特に赤字になるということなので、補助を行い、医療的ケア者のグループホームの設置、それから運営の支援を行っていきたいというものです。

 そして、脱炭素社会の実現ということで、2027年に蛍光灯の製造輸入禁止になるため、県有施設の照明のLED化を27年度までに行っていくというもの。また、原子力リサイクルビジネス、今非常に注目をされていますが、クリアランス集中処理事業、これを行う新会社を嶺南地域に設立し、地元の企業が元請けに近い立場でこれに携われるようにしていこうということで、このリサイクルビジネスを行う会社の設立に、県、民間、嶺南の市町が出資をする。今のところ県が51%、嶺南の市町が19%、民間が30%出資する予定です。また、そうした地元企業が、参入しやすいような人材育成の研修を行っていくということを考えているところです。

 そして、幸福実感推進ということで、幸福度日本一ですが、新幹線の開業で幸福実感のアンケートでも全国上位になってきている。こういう中で、さらにそれを高めていくことを、ウェルビーイングコーディネーターなども配置しながら。またハピネスクリエーションという組織も作り、産官学、いろんな形でここに入っていって。例えばカップル、夫婦で料理教室に参加してもらい、この2人の幸福度や性別による役割分担意識はどう変わるか、などということについて実証的に調べていく。そのためにハピネスクリエーションという組織を作って取り組んでいきたい。

 またよく言われますが、DXを活用して県民のみなさんへの広報を充実しようということで、県や市町は色々なよい政策をやってくれているが、全然聞いたこともなく、知らなかったという話がよくあります。こういったことを、事前に自分がどんな属性に属しているか、何歳ぐらいで、何歳ぐらいの子供が何人いるか、そういった基本情報を入力していただくと、色々な形でその人に必要な行政情報などが届く、こういったことを、DXを活用してやっていこうということを、市や町と一緒になってシステムを作っていくことを今進めようとしています。

 続きまして、社会基盤の整備ということで、例えば、国道416号線で布施田橋のところから白方の所へ結んでいく、県の産業団地のところへ結んでいく。そういった道路の整備やあわら湯のまち駅の近くのほ場整備、こういったことも着実に進めていきます。

 

[知事]〔配付資料:産総研「北陸デジタルものづくりセンター」の新棟整備について

 大きな発表の2つ目ですが、産業技術総合研究所が、北陸デジタルものづくりセンターを開設していただいていますが、ここの連携活動用の新棟を整備することが明らかになりましたので発表をさせていただきます。詳細はいずれまた近々、産総研の方から発表があると認識をしていますが、この連携活用のための新棟を作るということで、そこで複合材料に関する研究開発や評価分析を実施していくと伺っているところです。規模等についてもその時に発表あると思いますが、現状は、金属3Dプリンタやスマートテキスタイル、こういったものをテーマとして研究開発を行っていますが、さらに色々な企業が、産総研との連携、こういったことで活用できるような施設ができるということす。現状は、全国に11ある地域センターに比べて、人も面積もだいたい3割とか4割ぐらいの水準にとどまっているので、それができるだけ大きくなることを期待しているところです。

 

 

~質疑~

 

 

[記者]

 今回の当初予算のテーマが『「ふくい新時代」を拓く』になっていると思いますが、これに対して今年度は「ふくい新時代の幕開け」の予算という位置づけだったと思います。まもなく開業から一年経つ今年について、まず新時代のその良いスタートが切れたのかどうか、この認識からまずお伺いします。

 

[知事]

 まず、まさにおっしゃっていただいたように、新時代の幕開けということで、これは県民のみなさん、いろいろな形で接しさせていただいて、また報道を拝見していてもまさに新時代の幕開けにふさわしい、昨年・今年度はそういう年だったと考えています。これは、いつも申し上げるようにお客さまの数が全国から2割近く増えているとか、課題だった関東圏との行き来、もしくは信越地域からも多くのお客さまが来ていただいている。これも大きいですし、またいろいろな売り場のところのお客さまの数も多ければ売上も伸びていると、そして宿泊客も増えている。こういったことが非常に大きく伸びてきているという意味において、さらには、いつも申し上げておりますが、県民のみなさんの幸福実感、前向きさも統計上も全国トップクラスに出てきた。こういったことを含めて、北陸新幹線の開業効果、もしくは新時代の幕開けにふさわしい年であったと考えているところです。来年度は、それをさらに拡大していく、ステージアップしていくという年だと、新時代の幕開けから今度はステージアップの時代になっていくのだと思っています。そういうことで単に継続していく、もしくは維持していくということではなくて、いろいろな投資がさらに進んでいく、拡大していくようなことを、もしくは多くのみなさんに帰ってきていただく、Iターンで来ていただける。こういったことも含めて充実できるような予算にさせていただいていると考えているところです。

 

[記者]

 この重点ポイントの「開業1年後の現状を踏まえた対策」というので、金額にすると、大体49億円を計上されていて、今年度の予算では、その新幹線開業関連に関しては110億円を盛り込んでいました。金額で見ると半分以下にはなっていると思いますが、今の課題に充分対応できるとお考えでしょうか。

 

[知事]

 新幹線はいろいろな事業費そのものなどが、もともと非常に大きいので、今回は新幹線のためにというよりも、新幹線をよりよく活用するために県民生活全般にわたって、人口減対策も含めて重点的にやらせていただいた、相当手厚い内容になっていると考えています。

 

[記者]

 また開業1年後の現状を踏まえた対策の中で、開業効果の県内全域への波及というのがあります。先ほど、嶺南の投資促進の事業もありましたが、波及していかないといけない地域、恩恵を受けていない地域というのは、嶺南の他にどこがあるとお考えでしょうか。

 

[知事]

 これはそれぞれの地域の中で、いろいろな思いはあるのだろうと思います。奥越の地域の中でも、例えば勝山は恐竜博物館の関係もあってものすごく人が来ているが、大野はそれほどではないというお話も伺います。また丹南の鯖江駅の周辺や、武生駅の周辺などの人手が今一歩だというようなことや、おっしゃっていただいたような嶺南地域でも特に西部の方の効果が薄いのではないかということも言っていただいていることは認識をしています。そういうこともあって、奥越については、引き続き中部縦貫自動車道の整備を促進することが最大の効果を生むとも認識しています。あわせて、大野市においては六呂師高原の整備を引き続きやっていくということがあると思っています。その上で、丹南地域についても、これからも含めて、商店街対策として計画づくりをやっていただいていますので、こういったことを実行的に応援していくこともやっていきたいと思いますし、嶺南地域については、先ほどから申し上げている、例えばプレミアムリゾート構想を現実化していくというお話もありますし、またなんといっても令和7年度に期待していますのは若狭湾サイクリングルート。これがナショナルサイクルルートに指定されることを期待していまして、そのために全力を挙げていく。こういったことも行っていくことでインバウンドも含めて課題の解決に向かって一歩でも前進したいと思いますし、例えば、民宿のリニューアル事業、もしくは、まちの中にいろいろなお店を増やしていく。これは福井市、敦賀市でも継続して今のファンド事業をやってまいりますし、それ以外の地域でも県の単独事業として、お店を増やしていくようなものに対する助成もさせていただく。そして、民宿のリニューアルも引き続きやらせていただく。新幹線の開業までにと思って、いろいろやってきましたが、開業の効果が見えたので、ぜひ今こそやりたいと思っていらっしゃる方が増えているので、継続してやることでこの賑わいがさらに拡大していくと考えています。

 

[記者]

 新年度予算に関連してイルカの被害対策事業についてお伺いします。

 昨今、被害が相次いだことを受けて、市町と連携してやられる事業かなと思いますが、改めて市町だけではなくて、県としても取り組むことになった背景というところと、知事としての事業に対する意気込み、期待感を教えてください。

 

[知事]

 もちろん、県が管理する海岸というところもありますし、更に言えば、やはり県内で、市町を越えてイルカが移動しているという現実がありますので。こういう中で、県民の方が噛まれるということだけじゃなくて、ここの観光事業にも大きな影響もある。もちろん県外の方にも影響があってもう二度と来たくないって、こういうことになってはいけないということもあります。そういったことを含めて県としてすべきこと。やはり広域に移動するような部分を事前に察知ができるような、そういったことを、今回システムを考えたいということでもあります。また、地元では、実際に近づいてこないように大きな金属音を出すとイルカは近づかないということを言われてますので。そういったことなんかは、市町でやっていただくのですが、そういった準備をするための経費の補助をする。こういったことは県の仕事かなと考えてやらせていただく。市町と連携しながらやらせていただくということです。

 

[記者]

 今回の予算で、いわゆるふくい新時代を拓くというようなお話だったかと思いますが、編成の上で特に念頭に置いた重視した課題というのは何か教えてください。

 

[知事]

 ひとつはやはり人口減です。大きな課題は人口減をどう止めていくのか。社会減ではなくて、自然減がありますので、止まることはなかなかないと思いますが、社会減のところをどう止めるかということで、やはり、県内の子供たちが福井に安心していていただけるような状態を作る。または儲かる仕事になればUターン・Iターンも増える、こういうこともあります。そして日本一の子育て県、ふく育県。ここのところを、さらに強みを生かしていく。こういった人口減対策。またやはり新幹線がせっかくここまで開業して成果が表れてきていますので、これを継続、拡大していく。そのための対策。そして人手不足。結果として、福井県は非常に人手不足が深刻になっている。一方で有効求人倍率日本一ということそのものは悪いことではないのですが、人手不足をどうやって解消していくか。こういったことに力を入れていこうということを主なポイントに予算で編成をさせていただいています。

 

[記者]

 それに関連して人口移動に関して福井県だと転出超過となり、転出は増えているというような増加率は高いというような調査も出ていますが、それに関して、今はどのようなタイミングだと考えていますでしょうか。

 

[知事]

 社会減、転出は続いているということですが、統計的に見ると、転入については大きく増えている。これは転入の増え方は全国で1位と、増加率で1位ということです。また転出していく人が減っている。転出の改善率、ここのところも全国の5位というようなことですので、日本人に限ってもそういう状況ですので、新幹線の効果は見てみますと新幹線駅のある周りの、人口が今言ったように改善しているというようなところもあります。認知度が高まってきているということもあるとも考えています。そのようなことから、新幹線駅の周辺に雇用が増えてきているので、みんなが行きたくなるような会社も増えてきている、お店も増えている、このようなことで新幹線効果も一定程度あるのではないかなとも思っています。もう一つあるのは、昨年は能登半島地震がありまして、これによって石川県からの転入もかなりありますので。これに、増えた増えたということを喜ぶのではなくて、今申し上げたような、これから引き続き効果を拡大するような政策を打っていくことで人口減対策強化をしていきたいと考えています。

 

[記者]

 成長産業立地促進補助金について伺います。新幹線効果で雇用も生まれているというところなのですが、企業の誘致に関して、新幹線が果たしている効果について現状受け止められていることはありますでしょうか。

 

[知事]

 企業の誘致の状況で申し上げますと、私が知事になってから令和5年度まで、これは新幹線が来る前ということですが、この5年間でも、企業立地の件数が49件でして、その前の5年間に比べると4割近く増えている。雇用者数も1075人ぐらいになっていまして、これも2割近く増えている。5年で50件ぐらいだから1年に10件ぐらいですが、新幹線の開業後、今年度に入って1月まで10か月の間で、13件の立地が決定をしているということですので、またさらに増えてきていると認識しているところです。新幹線はやはり引き合いも非常によくなっているというか、いろいろな問い合わせも多くなっています。新幹線によって、移動がしやすい。テレワークは非常に今、実施しやすい環境ですが、一方で時にはやはり本社に行かなくてはいけないとか、いろいろな形がありますので、新幹線効果は非常に大きいと思っています。

 

[記者]

 来年度新しく補助金もリニューアルされるということで、新幹線関連で期待することをお聞かせください。

 

[知事]

 例えば、越前たけふ駅へ福井村田製作所に進出していただきましたが、本社機能や研究開発機能など、高度人材というような人たちが集まるような場所は、やはり移動が非常に重要になると思っています。新幹線によって、より付加価値の高い企業が立地をするという環境は整うと思いますので、それに向けて、県営産業団地なども拡大をさせていただくということもやっていますし、また、今も空いているような越前たけふ駅などにも、子どもたちが帰ってきて就職したくなるような、企業にも多く立地していただけたらいいなと思っていますし、そのための今回の企業誘致補助金のリニューアルだと思っています。

 

[記者]

 万博の子どもの招待事業について伺います。他府県の事例を見ますと、希望するご家庭のお子さんにチケットを配るというやり方が多いかと思うのですが、福井県の場合、申請を待たずにみなさんに配るというところで、こういった形の狙いをお聞かせください。

 

[知事]

 方法は同じだと思います。何が言いたいかというと、これも使った分だけお金を払いますので。より積極的に、「いつでも行けますよ」「行ってください」という気持ちが出るかなということで、「行った人にはあげます」というよりは、「行ってください」ということがいいかなと。そしてもう一つ、やはり子どもが「行くんだ、行くんだ」と家で言うと思いますが、そうするとお父さんもお母さんも行こうという気になってくれると思いますので、一緒になって家族みんなで出かけていただくといったことの効果も大きいと思っています。いろいろと相談もさせていただいたところ、精算のやり方というのもできますので、こういうやり方をさせていただくのは効果が非常に大きいと思っています。

 

[記者]

 子どもたちに万博でどういう経験をしてもらいたいと期待されているか、お聞かせください。

 

[知事]

 万博も、今のところあまり「行きたくない」というような報道等もされますが、私も、1970年の大阪万博の時は小学校一年生でしたが、やはり夢と希望がとても広がるというか、あそこに立っているというだけで、ワクワクするような。私は、日本館の月の石は何時間も待たないといけなかったので見られませんでしたが、太陽の塔に入って、進化の歴史が樹形図のようになっていて、ああいうのを見て、すごく科学に対する興味がわきましたし、「ああ、こんな時代が来るんだ」っていう、目の当たりにするというのは、とても経験として貴重だなと。本で読むというところだけではなくて、実際にこんな風な社会になるということを、実際に体験などもできるわけです。ドローンには乗れないようですが、そういったことに近いような経験がいろいろな形でできるということは、人生全体にとって、特に子どもたちにとっては、大きな糧になっていくと思います。私は、軽々には言えませんが、始まってみると、日本のみなさんというのは風に乗って行くので、終わってみると大盛況だったということになるのではないかと思っていますし、期待をしています。

 

[記者]

 万博の件ですが、県の予算で全員に配るという理由・目的を改めてお聞かせください。

 

[知事]

 一つは、子どもたちに、やはり日本を含めて、世界でもいいですが、科学技術、そして、これから地球がどうなっていくのか、こういったことを経験していただく。一番いいのはやはり子どもたちだろうということで考えさせていただいています。また、大阪・関西万博をなんとか支えられる部分でもあると思いましたし、また、子どもたちを起点として親御さんたちにも広がっていくということは、やはり、全国で人の流動も大きくなりますし、経済波及効果も大きくなるということも考えています。やはり、まず一番大事な子どもたちに、「日本の将来悪くないぞ」ということを、先ほども申し上げたように、私がワクワクしたような、こういう思いを持っていただくことが効果が大きいのではないかと思っています。

 

[記者]

 子どもたちは8万人を想定されているということですが、チケットが利用される想定割合はどれぐらい見ていらっしゃいますか。

 

[財政課長]

 特に想定割合はなく、全員分の予算を持っています。

 

[知事]

 最大で持っているということです。

 

[記者]

 福井新聞の読者から、家庭の事情で行ける子、行けない子が出てくること、交通費などはまた別だということ、希望者制にしてほしい、無駄になるかもしれない政策に1億4000万円も使うなんておかしい、というような批判の声が出ていますが、こういう声に対して、知事はどのようにお答えになりますか。

 

[知事]

 無駄が出るということは、先ほど申し上げたとおり、行きたい方が行くという趣旨においては、同じような予算編成になっているということだと認識をしています。その上で、行ける子、行けない子がいるということについては、もちろんそういった部分が出てくるということは認識をしています。しかし、万国博覧会は、国としてもこれをしっかりと進めていこうということでやられていますし、また、先ほどから申し上げているように、教育効果は非常に大きいと認識をしています。どうしても行けない子どもたちをどうやって行ってもらうのかということは、また別のこととして考えていく必要はあるかもしれませんが、この事業としては、ぜひともみなさんにも、親御さんにも、ご理解をいただいて、お子さんたちと一緒に行っていただくという「きっかけ」になればいいなと理解しています。

 

[記者]

 財源ですが、地方創生交付金が財源と書いてありますが、この交付金の目的との整合性というのはどのようにお考えでしょうか。

 

[知事]

 地域の活性化や、子どもたちの人材の育成というような趣旨も、もちろんあると思います。福井県の子どもたちが、より万博を通じて人として成長していく。こういった地域、子どもを大事にする県であるということで、「ふく育県」と言わせていただいていますので、こういった意味での効果は非常に大きいということで、地方創生にも大きく資すると認識しています。

 

[記者]

 新幹線関連の誘客促進で、インバウンドについて伺います。インバウンドは県内であまりいい調子ではないという現実がある中で、県として、インバウンドの誘致にあたってどのような課題を感じているのかということと、情報発信に重きを置かれているということで、今後の可能性をどのように感じられているかお聞かせください。

 

[知事]

 やはり、一番大きいのは知られていないというところだと思います。来ればとてもいいところですし、恐竜博物館などは少し注目が集まりつつあるというところはあるようですが、まだまだインパクトにも欠けているというところがあるとも思っています。そういうこともあって、今回、まず知っていただくということを、様々な形でやらせていただこうと思っていますし、また、インバウンドのお客さまが東京や大阪、京都に集中する、地方に展開しない、ここのところは大きな課題だと認識していますので、高輪ゲートウェイ駅で大きく宣伝を打つとか、京都駅で福井を紹介する、そういったブースに人を置くなどといったようなこともやらせていただこうと思っていますし、また、大阪・関西万博なども活用しながら、そこで福井のPRもさせていただこうということも考えているところです。しかし、現実のところは、インバウンド、昨年も力を入れさせていただいています。一方で、なかなか効果が上がっていないというところは現実ですので、まずは、とにかく今、いろいろな方からのアドバイスもいただいて、そして専属ということではないかもしれませんが、大変こういったインバウンドの拡大に力のある方なども、福井県のインバウンド対策に加わっていただくような手立ても講じさせていただこうと思っています。まずは、いろいろなことを試しながら、さらに効果的な方法に向けて、前に進めていきたいというところです。

 

[記者]

 路線バスの外国人材採用に向けた支援のところですが、このあたり、人手不足という現状がある中でも、外国人の方がハンドルを握るということに対して抵抗感と言いますか、いろいろな乗り越えるべき課題も今後見えてくるかと思います。まだこれからの取組みではあると思いますが、現状として、どのようなハードルがありそうかと見据えているかと、どのように乗り越えていくかというのを現状で見えていることをお聞きします。

 

[知事]

 今おっしゃられることは現状においてあるのだろうと思います。しかし外国人だからというのは少し、まさに、我々がアンコンシャス・バイアスではないですが、いろいろなものを乗り越えていかなければいけないところの1つかもしれません。物理的にというか、現状として、では他の手段は何がありますかということをまず考えた時に、私どもは県民のみなさんに対してバス、特に公に資するような路線バス、こういったところの運転士に対して、育成についてさまざまな形で実行をさせていただいています。効果も上がってきていると意識をしています。しかし抜本的に現状をなんとか打開、継続的にしていくということを考えた時には、やはりもともと外国人であっても、長く福井県で過ごしていただいて日本人になるかもしれませんし、それは外国人という意味ではなくて、もともとに日本に暮らしていなかったということは1つの課題だということもあると思いますので、外国人材の方の大きな1つのハードルとしては、言葉の壁、そして文化の壁ということがあることは充分、他の分野も含めて認識をしています。とりあえず今回の予算は、年度の前半においては申し上げたようなことを含めて、どんな課題があるのか、もしくはどんな方法で外国の方に福井においでいただけるのかといったことをまず考えたいと思っています。それを前提としながら、今度は外国人の方に来ていただくような動きを年度の後半からできればというような、手順を考えながらやらせていただいています。この時に申し上げた言葉の壁、文化の壁というのは、ある意味これまで福井県の場合は、福祉であったり、その他の人材の方でも、現地において日本語クラス、福井クラスを作りながら、そこで日本語だったり、福井の環境なども知ってもらうというようなクラスを作って、それで何人かまとまって来ていただくようなことを進めてきています。これも1つの大きな解決の鍵にもなるかなと。そうすることで日本語を知った形でこちらに来ていただく、もしくはお友達と一緒になって来てもらうなど、安心してみなさんにも働いていただけるし、またそういうことで、お互いにこう教え合うということも可能になるかと思っています。しかし、現実のところは、もちろん免許を取っていただくということが必要ですし、また運転中はワンマンになることがほとんどだと思いますので、ワンマンバスを運転すれば、いろいろな事態が起きた時に説明責任などいろいろなことの対処が必要になってきますので、言葉のスキルの向上とともに、それをどうやってサポートできるかということも、これは機械的にも不可能ではないかなと思いますが、すぐに連絡が取れる体制をどう取るかなど、外国の方、日本語をもともと学んでいない方が、福井に来て運転をするということについては、法規制を含めていくつもの課題はありますので、それを洗い出した上で、我々としてはなんとか乗り越えて、そしておいでいただいて、運転していただきながら、言ってみれば福井県民になっていただく。こういったことを目指していきたいと考えています。

 

[記者]

 県内の誘客促進の部分でお聞きしたいのですが、今回、敦賀・若狭エリアのブランド力向上ということで、嶺南に観光投資を呼びこむことが、1つポイントとして挙げられたかと思います。投資をしていただくにも、やはり事業者側にも採算が見込めるといったメリットの部分が必要になるかと思います。このリゾートエリアプロジェクトについて、10日の会見の際に米澤市長が、和歌山だったり、伊勢志摩だったり、ほかのリゾートエリアの例も挙げておられていて、投資を今後呼び込む上でも、ほかとの差別化をどのようにしてやっていくのか、戦略等あればお願いいたします。

 

[知事]

 まずは、ここだという場所を、やはりご紹介できるかどうかということだと認識をしまして、市町とよく相談をさせていただいて、まずとりあえずの候補地を示させていただいています。行っていただくと、ここにこんな施設ができたらいいなというような、多分お客さん目線で見たときに思うような場所、そのような場所をみなさん提示していただいているなと、まず認識をしています。また事前にいくつか、こんな場所なのですがというようなことを言いながら相談させていただいたところ、ぜひ出たいというような意向を持っているところも実際にありますので、それでは空振りになることはないだろうとも認識しています。その上でやはり大きいのはブランド力、若狭という言葉は、海に近いし、山もすぐ近くにあって、自然豊かで、食べ物は特に海のものを含めて美味しい。こういうところは知っている人はみんな知っています。ついこの間も岐阜の人と話しましたが、岐阜の人もほとんど若狭をよく知っています。海がきれい、魚がうまい、海水浴ができる、そういう思いは非常に強い中で、いい宿泊施設、行ってみたいと思うような宿泊施設ができると、さらに、あの宿泊施設行きたいのよねということで、若狭よねとこういう話になって、若狭全体のブランド力が上がっていくのだろうとも考えて、今回仕組ませていただいているところもありますので、やはりみんなが憧れるような宿泊施設を中心とした施設に集まっていただいて、若狭のブランド力を上げることで、今の本物の若狭の良さを、さらに発信力をつけていく。こうすることが大事だと思っています。

 

[記者]

 財源的な部分で、先ほど万博のところにもありましたが、今回多数の事業で、新しい地方経済・生活環境創生交付金が、財源として入ったかと承知しています。石破首相の手による交付金かと思いますが、この交付金の意義をどのように捉えているのかという部分と、またどういう事業を中心に、今回、交付金を割り当てたのかを教えてください。

 

[知事]

 福井県の地域振興に資する部分というのは、多くの場合が対象になると認識をしていまして、積極的に活用させていただいているということです。石破首相が地方創生2.0や、日本創生などおっしゃっていただいていますが、私どもはいわゆる地域振興という意味での地方創生という部分については、大賛成していますし、一方で、それだけで日本の人口移動の課題が解決するわけではない、国として社会減対策というのは国の責務だということは変わらない、という上で、それはそれとして、国が果たすべき役割はあるとして、私たちが地域づくりに工夫を凝らす、こういったような方向性としては非常にありがたい政策であり、財源だと思っているところですし、大きく拡大していただいていることで、こうした事業も大きく推進できると考えています。

 

[記者]

 原子力リサイクルビジネスのことでお尋ねします。これはEコースト計画でずっとされていて、初めて事業としてはスタートになるのかと思います。まだ施設を建てるところまで行っていませんので、今後のスケジュールをお聞きしたいのと、地元企業が元請に近い立場で入れるということで、嶺南の事業者にとっても大きなものだと思いますが、嶺南にとってこの事業がどういう事業になっていってほしいという思いがあればお聞かせください。

 

[知事]

 この事業がいつまでにできるかは、これから審査、当然、申請をして原子力規制委員会の審査等もありますので、簡単には見通せないというところはありますが、できるだけ早く実現をしていきたいとまずは考えているところです。また原子力リサイクルビジネスを、そもそも敦賀市内を念頭に置いていますが、こう考えていますのは、原子力立地地域というところが発電だけを行うのではなくて、さまざまな形で産業の複合化を行っていく。これは非常に重要だろうと認識をしている中で、特にそうは言っても、原子力発電ということがまず基盤にあって動いている部分は1つあるわけですので、その分野で、福井県の場合は廃炉などということが全国的に見ても数多くこれから起きる。そうすると、その廃炉作業の中のどこかの一端を担っていくというのは、地元の廃炉作業を安全かつ安定的に行うということにも資するわけですし、せっかくそういうところを集中的にこうやってやっていくわけですから、そうすると技術力は高まっていくだろうと。高まっていったのであれば、全国からいろいろな仕事を受注できるようにしていく。こういうことは大事だろうということで、リーディングケースとしてのリサイクルビジネスということを構想して、それを嶺南に置こうと考えています。これが大きくなっていくことで、嶺南地域の産業、もしくは企業もそうしたリサイクル、廃炉、こういったことについていろいろなノウハウが蓄積できていきますので、個別の事業者としてのレベルも上がっていくと思いますし、またそこに、全国からのいろいろな、もちろんクリアランス物ですが、そういったものがさらにリサイクルされていく。全国のいろいろな原子力発電所の、廃炉まで含めたサイクル全体の中で1つの役割も果たしていけるのかとも考えています。

 

[記者]

 原子力規制委員会の審査がまだ必要だと思いますが、それも今年の夏ぐらいに目処が立つという話を聞いたことがあります。それが会社設立の目処とかになってくるのでしょうか。

 

[知事]

 会社を作るという意味ではそういうことですので。まだ、これから実際に作った後また審査などいろいろ受けなくてはいけませんので。

 

[エネルギー環境部副部長]

 今年の夏までというのは。全国初の溶融、検認前に溶融するという処理を行うので、それに応じた新しいルール、内規を原子力規制庁の方で検討しています。それが出るのがだいたい6月ごろ。今後その新しい規制に応じた個別の審査というのは、また時間がかかってくるということになります。

 

[知事]

 そのルールができると、このビジネスが、まずビジネスとして成り立つということが分かるので、始まっていって、その後はやはり、きちっと工場のとしての審査を受けていくということになっていくということになります。

 

[記者]

 だいたい何十年スパンぐらいなのか、何年後ぐらいで事業化してきたらいいと思っていますか。

 

[知事]

 そこも軽々には言えませんが、何十年にはならないのではないか。もともとクリアランス物前提でやっていきますので、危ないものを扱っていくというのとは違う世界かとは認識をしています。

 

[記者]

 新幹線の関係の予算について伺いたいのですが、開業前の時の当初予算だと、観光地の磨き上げで、昨年は開業効果の最大化で、次年度・新年度に関しては、インバウンド対策であったり、県内全域への波及効果に重点が置かれているかと思うのですが、今後、福井県にとって新幹線というものは、あるのが当たり前な位置付けになっていくという中で、先ほど、新幹線をよりよく活用するために重点的にやらせていただいたという言葉もあったと思います。この新幹線をよりよく活用するということは、知事としてどのようにお考えなのかということをお聞かせください。

 

[知事]

 まず、よりよく使うということは、新幹線が開業するまでも同じ思いで、新幹線が来たら使おうと思ってやっているわけで、大きくは変わっていないと思います。例えば観光地の磨き上げは東尋坊や丸岡城の周辺、六呂師、敦賀、あとは嶺南プレミアムリゾートなど、こういったところも含めて、やはり投資をすることが、より多くのみなさんに対してアピールができて、人を集める。その人を集める手段が新幹線ということですので、やはりまず投資ということを引き続き、福井のイメージアップも含めて行っていくということだと認識をしています。

 

[記者]

 新幹線が当たり前にある福井県という中で、今後、福井県の予算編成の中で、だんだん金額的には減ってくるのかもしれませんが、新幹線はどういう位置付けになっていくのかお聞かせください。

 

[知事]

 これは、申し上げたとおりで、新幹線は道具であって、より多くの人が移動しやすくなるということが、効果の最大のものだと思いますので、そうした人を集める、観光客もそうですが、先ほど申し上げました、仕事上で行き来しやすくなることは、働く人にとっても選ばれるということになるので、新幹線のメリットの部分を享受できるような事業、人口減対策そのものにもなりますが、こういったことも行っていきますし、何よりも、その効果を最大化するためには、新幹線を敦賀から先、小浜・京都ルートで大阪に早くつなぐということで、そちらにもまた予算をしっかりとシフトしていくということになっていくのだろうと思っています。

 

[記者]

 産総研の北陸デジタルものづくりセンターについてお伺いします。大きく二点、これまでのものづくりセンターが、金属3Dプリンタとスマートテキスタイルを主なテーマにするということですが、新棟では複合材料に関する研究開発ということで、これは新しい三つ目のテーマができあがるという認識であるのか教えてください。

 

[知事]

 これは、新しいことがやはり立ってくるのだろうと期待をしています。もちろんデジタルを使うこともあるでしょうし、繊維なども含めて、テキスタイル、スマートテキスタイルということもあるのだろうと思います。北陸の強みはやはり繊維であったりということですので。連携活動ということですので、シナジーだったり、コラボだったり、イノベーションだったり、そういったことが期待されると思います。やはり福井の場合は、繊維などの素材産業が多いので、そういった素材から今度、付加価値を高めるような連携も非常に期待をしているところではあります。

 

[記者]

 今のお答えにも関連しますが、5月には開所2年を迎えるという中で、この北陸デジタルものづくりセンターが、どのような役割を果たしてきたかという認識と、今回の新棟整備が県の重要な提案の一つでもありましたが、どういった思いがあって汲んでいただけたのかなというところ、今後の期待というところで改めて教えてください。

 

[知事]

 それは付加価値をより高めるという方法を、デジタルでものづくりというところから、さらに福井をはじめとした、この北陸地域のいろいろなものづくりの力を高めるためということをお願いして、こういう連携活動というようなことをおっしゃっていただいているのかなと思っています。

 これまでも、例えば繊維で、いろいろな体の情報を繊維からとって外に出せるようなデバイスをつけてやっていくような繊維を作り出す、またメガネを活用して、ARのデバイスをここのところに取り付けるのをもっと小型化するなど、いろいろな研究はされてきていると認識をしています。これまでも福井の強みのところを生かしながらの研究が進んできたと思いますが、そこへさらに産総研と福井の企業が連携する、または、全国のいろいろな大きいところと福井県のいろいろな産業がくっつくなどというような場所ができると、とてもありがたいと思います。

 

[記者]

 人口減について、繰り返しになる部分もあるかと思いますが、先ほどお話もありましたが転出超過の状態が続いていて、2050年には福井県の人口が57万人ぐらいになるというような推計もある、極めてあの深刻な状況だと思います。人口減と人口の東京一極集中に対して、知事は危機感をどのようにお持ちか、改めてお聞かせください。

 

[知事]

 これは、常々申し上げていますが、国として早く解決をし、早く解決をすればするほど、より傷は浅くなる。逆に言うと、このままいくと本当に手遅れになっていく、そういう危機感を持っているというところです。福井は新幹線効果なのか、これから少し見ていかないといけませんが、少し社会減が、減ってきているように見えますが、一方で続いていることは明らかです。大学に行く時には7割の子どもが県外に出ていく大学を選んでいる。そのうち戻っていく子どもは3割ということからすれば、非常にそこのところに危機感を持っていて、しかもそれは、先ほども申し上げましたが、これは地方の問題ではない。各地域が競争すればいいということではなくて、国として、その国土政策として、人の配置をどのようにしていくのか、これをしっかりと国が結論を出していく必要がある、そのように思っています。そのために、大学の定員の話もいつもさせていただきますし、また、例えば法人税などで、地方に人を置いた方が税率・税額が安くなるような仕組みを国として、国の制度として、しっかりと持ちながらやっていく必要がある。そういうことを一日も早く取り掛かり、より効果的にやっていただく必要があると認識しています。

 

[記者]

 国のリーダーシップという話もありましたが、今回の当初予算では、県としては、総額292億円を盛り込んで、「次世代に選ばれる福井」ということで、かなり力を入れた予算配分となっています。若者達に選ばれるために、福井のどんな良さ、強みを引き伸ばしていきたいか、どうすれば選ばれるのか、その点、改めてお聞かせください。

 

[知事]

 まさに予算の中でも、いろいろとそこの強みを生かしていこう、もしくは、弱いところを強くしていこうという努力をさせていただいています。「『安心のふくい』を未来につなぎ、もっと挑戦!もっとおもしろく」というのが、長期ビジョンの基本テーマになっています。ここにまさに書かれていて、安心の福井というのは幸福度日本一。本当に教育力も高く、そして三世代同居だったり、女性活躍だったり、こういったところが、非常に福井の強みだと思っています。

 一方で女性活躍は、一つには、非常に女性にとってのプレッシャーになっているというところも大きいわけで、頑張ろうから楽しもうへ、というのが、男女共同参画計画の基本になっています。そういう意味において、一つには、女性活躍というところを、女性が、もしくは女性に限らず障がいをお持ちの方なども含めて、いろいろな形で今の社会に対してバイアスを感じている、こういう人たちが、一人ひとりの自分らしさを形にできるような、安心の居場所と、また活躍の舞台を持っているということが、一人ひとりの皆さんに訴えかけて戻ってきていただくことにつながっていくのだろうと思っており、そのための政策をいろいろと打っていると思います。

 新幹線効果を最大限に生かして、より多くのみなさんに観光に訪れていただく観光産業というのは裾野が広いので、それをこちら側でそれを受けて、サービス産業だったり、ものをつくったり、またホテルだったり、宿泊施設を整備するなど、こういった新幹線効果も活用しますし、また、大学も県内に留まりやすいような形を作って、実は福井にいたいのに、福井県内の大学に入れなくて外に行かなくてはいけない、もしくは、嶺南の人にとって福井は遠いので、そういった人たちが福井県内に留まれるようにする政策もさせていただきます。

 子育て支援も、さらに充実もさせていただく。「ふく育さん」は、とても福井らしいやり方だと思います。三世代同居が非常にもともと底辺にあって、その子どもたちを共稼ぎの中でこう育てていくというところがあって、けれど、三世代同居、近居がだんだん減ってきているから、「ふく育さん」という制度を地域でもってやっていこう、それを使いやすくしていくことも考えさせていただいてます。長期ビジョンだったり実行プランだったりということを念頭において、福井のIターン・Uターンもしくは定着、福井から出ていかなくても済むような、こういったことを伸ばしていくということをテーマにしながら、それぞれの事業を組ませていただいているというところです。

 

[記者]

 次に、文化芸術の機能強化について伺います。まず、新年度は基本計画や基本的方向性を作っていく年になるのかなと思いますが、だいたい向こう何か年ぐらいの方針を定めようということでしょうか。

 

[知事]

 県立美術館と歴史博物館をリニューアルしていくことが目標になり、数年ぐらいと考えています。まずは基本構想なりを作って、設計とかに入って、幾久公園を含めて、あの辺りのところをどのようにしていくのかということを考えていくので、施設のリニューアルを数年ぐらいでやっていくのかと思っています。

 

[記者]

 この2つの施設が、比較的郊外で、福井駅からやや少し距離があって、例えば、金沢などを引き合いに出すわけではないですが、中心地に主な県立文化施設が立地しているパターンがあるかと思いますが、移転は念頭になくて、あくまでこの場所で立て替える、リニューアル、改装をする方針を県は持っていますか。

 

[知事]

 構想の中で、そういったところも検討されると思っています。今、県立美術館にしても、歴史博物館にしても、展示の仕方とか、古さということは、ある程度40何年も経ってくればあるのかもしれませんが、展示の機能、展示の中身なども、古さとか常設展示とかあるのかもしれませんが、機能としては、まだまだ十分に果たしているという思いはあります。それが基本構想の中でも十分にご検討いただくということかと思っています。

 

[記者]

 移転ということも、除外はしないのですか。

 

[知事]

 除外はしませんが、40年程度ですので、まだまだ使えるかなとは思っています。

 

[記者]

 北陸新幹線の敦賀以西について伺います。今週の初め、整備委員会の西田委員長が京都府知事と京都市長と面会されました。その中で京都市長が、地元として北陸新幹線を要望しているわけではないという発言や、地下水への影響といった懸念に対して、市民の体感的な納得が必要という発言がされました。これまでよりも、一層厳しい言い方をされたのかなと感じています。県の当初予算でも、北陸新幹線早期全線開業PR事業として、関西の理解や機運醸成に向けて、ネット広告などを展開して訴えていくとありますが、現状なかなか京都の理解を得るのが難しくて、仮に得られたとしても、非常に時間がかかることが想定されますが、こういったPR事業などで、どういったことを訴えて京都の理解を得ていく考えかお聞きします。

 

[知事]

 まず、福井であるとか、沿線の新幹線ができることの効果。経済効果もいつも申し上げているとおり、交流人口1910万人が全国で広がる中の1650万人は関西圏の交流が増えることになりますので、そうしたことを含めて、効果をできるだけわかっていただく。それ以外の選択肢があるのかということも含めて考えるという機会も持っていただくことは必要だと思いますので、そういったことも含めて、どういう形になるかもこれから考えますが、よりよくわかっていただく。そういったことも大事だと思っています。私が認識する限り、現場にいたわけではありませんが、まず西脇知事は、敦賀止まりでいいといったことは一度もないと言われて、北陸新幹線の小浜・京都ルートにより北陸圏と近畿圏が近接になっていくことの重要性、日本海国土軸の重要性は十分に認識しているということを言われて、これに対して松井市長も同感だとおっしゃっていますので、必要性については十分に認識をされていると思います。その上で、いつも言われている懸念事項を早く解消するということだと思いますので、ここのところはしっかりと国なり機構なりが科学的根拠に基づいたいろいろなPRを行っていただく。また、知事、市長とも、地元の説明会に対して協力するともおっしゃっていただいてますので、ここはしっかりとご説明をしていただいて、みなさんにご理解をいただくことを地道にまずやっていくことが重要だと認識をしています。

 

[記者]

 次に、石川県の馳知事が、最近の会見で、小浜・京都ルートについて、本当に可能なのかどうかについて決着を図る時期が来ているというご発言をされていて、沿線都府県で作る同盟会の考え方と少し乖離してきているのではないかという思いを抱きましたが、どのように考えていますか。

 

[知事]

 いつも馳知事はおっしゃられているとおり、3つの案が出てきて、相当元の案より高くなったり、時間が延びているのだから、そこのところをしっかりと検証すべきだとおっしゃられていますので、そういったことを早く着手しようということだと思います。それで、その結論を得ようということだと思います。これは私どもからいつも申し上げていることで、早く財源議論にも入って、もしくは費用対効果の議論もしっかりと進めていただきたいということを今までも申し上げていますので、大きく言えば同じ方向だと、それをしなければ、いずれにしても、前に進めないということだろうと考えています。

 

[記者]

 関西電力のロードマップが、六ヶ所再処理工場の竣工延期が原因で見直しが必要になったということにも関わらず、今回のロードマップも、六ヶ所の目標どおりの竣工を前提にしながら、延期した場合の対策を示しませんでした。前回、経産大臣のお墨付きまでもらってうまくいかなかったロードマップと六ヶ所の竣工ですが、今回、県として、六ヶ所が目標どおり竣工することの担保、また、竣工しなかった場合、延期した場合の対応策についてどのように求めるか伺います。

 

[知事]

 担保というよりも、まさに物事が進んでいるのかどうかということをこれから精査していくことが重要だと認識しています。担保があれば物が成り立つわけではなくて、担保というのは、できなかった時こうするということを言っているわけであって、我々が求めているのは、とにかく県内で発電をすることで出てくる使用済燃料を安定的に必要な量、県外に搬出していく姿をしっかりと形にすることだということだと思っています。

 今回は1つには六ヶ所の竣工に向けて、規制委員会に対する説明の計画というのを、しっかりと規制委員会と共有しながら提示をして、それを日本原燃は、毎月ホームページでどこまで進んだということを、計画との乖離も分かるような形で発表しているわけですし、そして国としても、使用済燃料対策推進協議会について四半期に1回に増やしていく、それでチェックをしていくと、透明性を確保しながらやっていくということを明らかにしていくわけです。その中で、もしも多少遅れてくることがあれば、それに対してどのように対応していくのか、これについては事業者大で、もちろん関西電力は先頭に立ちながら、人材の派遣もして遅れを取り戻すということになるのだと思いますが、そういったことも行っていくということですので、そういった点を考慮しながら、今後精査していくのだろうと思っています。

 

[記者]

 中間貯蔵施設について、今回のロードマップでも2030年頃2,000トン規模で操業という目標は堅持されましたが、具体化はされませんでした。中間貯蔵に関しては、個別具体な候補地やスケジュールは地元の関係で容易に公表されないことは理解していますが、県として、関西電力が中間貯蔵の調査、建設、審査にどのぐらいの時間がかかる見通しかという、一般論としてその考えを求めるのは1つのやり方ではないかと思いますが、知事の考えを伺います。

 

[知事]

 このことは、まさに事業者が自身で、あらゆる可能性を探っていくとも言っていますし、また、相手のある話を、私は外にいる立場として、その期間がどれだけとか言えば、その相手の方に対する影響もあるわけですので、これは事業者が責任を持って、確実にそれを進展させていく必要があると思っています。

 その中で、先ほど申し上げた使用済燃料対策推進協議会の中でも、関西電力は2030年頃に、まず中間貯蔵施設を稼働するという計画を作って、公表して推進をしていますし、今回もそれをさらにしっかりと進めていくという話をしているわけですので、これに従って関西電力が最大限努力をしていくのだと認識しています。

 

[記者]

 一般論であっても、関西電力にそういった考えを求めるという気持ちはないということでしょうか。

 

[知事]

 私どもが申し上げているのは、とにかく安定して使用済燃料が福井県から搬出されていく、搬出容量を確保していく、ここが重要だと申し上げています。

 

[記者]

 ロードマップにも、主な搬出先の3本柱の1つとして、中間貯蔵施設の2030年頃県外で操業開始というのは明確に記載されています。今後、全体の確実性などを確認していく中で、中間貯蔵施設の実現性について、県から追求もしくは確認する考えはありますか。

 

[知事]

 我々はどちらかと言うと、1個1個のことについてどうなっているというよりは、全体として福井県内の使用済燃料が増え続けるという状況にはならないということをとにかく確認をできるようにしてほしい、こういうふうに申し上げているわけです。今回のロードマップの中でも、おっしゃっていただいていますが、六ヶ所の再処理、それからオラノ社との共同の実証研究、それと中間貯蔵施設、この3つの柱の中で全体としてそういうことが実現できるのかどうか、これらをしっかりとこれから精査させていただきたいと考えています。

 

[記者]

 必要な量、いわゆる年間発生する量と同じくらい、もしくはそれ以上の量が県内から安定的に継続して搬出できるかどうか、これを確認するときに、六ヶ所の稼働が前提になっていますので、前回のことを踏まえれば、どれだけいろいろな管理体制が強化されたとしても、再び遅れる可能性は完全には否定できません。その時に、安定的に継続して搬出するためには、やはり中間貯蔵施設が大きな搬出先の柱になります。そこが確認できないと、現実フランスの400トンしかないので、それは必要な量を安定して継続的に運び出す方策とは言えないと思いますが、その点も含めてどうでしょうか。

 

[知事]

 それも含めて、今回のロードマップについてしっかりと我々としても精査をしますし、そして県議会、立地の町、原子力環境安全管理協議会、こういったところのご議論も踏まえながら、我々として厳しく判断をしていくということだろうと思っています。

 

[記者]

 福井県としてロードマップの実効性を厳しく判断する中で、先日、共創会議が開かれて、その中で国や、特に関西電力は工程表に掲げた取組みをかなり具体化してきたと承知しています。地域振興に対する国や関西電力の貢献というか協力、この点を最終的にロードマップの実効性判断に参考材料とする考えは現状ありますか。

 

[知事]

 まず、共創会議の時にも申し上げましたが、このロードマップのことと、そして地域振興の話というのは、まず議論としては別のものであると認識しています。いつも申し上げているとおり、原子力については、これは安全最優先、そのために我々は実効性のあるロードマップを求めているということになります。

 一方で、原子力行政三原則というのは、これは当然のことながら、まずは安全の確保、また地域住民の理解と同意、そして恒久的福祉の実現ということにあるわけで、これまで福井県の県民のみなさんが非常に志を持って原子力政策に協力をしてきた、もしくは、その原子力発電によって賄われている電力で潤っている地域のみなさんに貢献をしてきている。こういった中で、当然のことながら地域振興というものが重要な要素だと認識していますので、1対1の関係にあるかどうかはともかく、地域振興がしっかりと進んでいくということは1つの判断材料にはなっていくと考えています。

 

[記者]

 県として最終的に実効性を判断する中に、立地町の考え方というのも1つ含まれていると思います。これまでは、例えば中村副知事が立地の3町に集まっていただいて、それぞれ町の考え方を聞くような場を設けたこともあると思いますが、今回も何かしらの場を設けて、立地の首長から実効性についての考え方を聞く場を設ける考えは現状ありますか。

 

[知事]

 どんな手順になるか、今先を見越しているわけではありませんが、いつも申し上げるとおり、立地の町の考え方、議論を確認すると申し上げていますので、いつもこういう時には、いろいろな形がありますが、実際聞きに行くとか、来ていただくとかいろいろあると思いますが、それは何らかの形でコンタクトを取るなりコミュニケーション取って、考えについて確認をさせていただく必要はあると認識しています。

 

[記者]

 ロードマップについて、県がずっと県外搬出を求めてきて、それは、栗田知事からの県政の歴史的な経緯であったり、現状として各プールが逼迫しているという事情も踏まえてだと思いますが、改めて県外搬出を求めていく理由を伺います。

 

[知事]

 一番大事なことは、原子力発電に求められているのは、安定して運転して電力が作られて、使われるということだと思います。その時に安定して運転していくためには、当然、原子力発電所の運転というのが1つの大きな要素としてあるのだと思いますが、栗田知事の頃から特に言われているのは、使用済燃料がたまり続ける現状で、使用済燃料まで受け入れているわけではないということで、我々は、原子力発電は担っていくので、しっかりと使用済燃料はどこかで処理をされる、もちろん核燃料サイクルの中の話なので、核燃料サイクルを実現して、県内から使用済燃料がちゃんと持ち出されるという形をはっきりすべきだということをずっとおっしゃっていると思います。

 もちろん我々は原子力発電所の立地地域としてその部分を受け持ちつつ、それ以外の搬出、中間貯蔵なのか再処理なのか、こういったところを、しっかりと全国の電力の恩恵を受けているところも含めて、受け持ちをしていただきながら進めていく必要があるのではないかということを栗田知事も言われていたと思いますし、私もそういう趣旨で申し上げています。

 

[記者]

 その上で伺いますが、今までずっと、県外搬出と中間貯蔵というのがある意味福井県にとって同じような意味で使われていたという気がしますが、昨日の場では、関西電力としては、貯蔵量の推移の見通しでギリギリ綱渡りのところなので、中間貯蔵施設も必要だと回答していたと思いますが、もし例えば十分な安定した搬出量が確保できれば、県としては必ずしも中間貯蔵施設にこだわるわけではないという考えでしょうか。

 

[知事]

 あるべき姿は、核燃料サイクルが回っていくということなので、使用済燃料が再処理されてMOX燃料になって、それがまたさらに使用済MOX燃料の再処理をしながら、どのようにそれを減毒化、減容化するかとか、いろいろなことを経ていって最終処分ということに動いていくのだと思います。

 それが、しっかりと成り立っているということが大きな目標ですが、現実の問題として、中間貯蔵なしで、簡単にそれらがちゃんとループとして動いていくかと言うと、現状を見ている限りなかなか難しいだろうということもあって、当然中間貯蔵ということが出てくるのだろうとは認識しています。しかしそこはちゃんと核燃料サイクルを全国で回していくというところが前提にあるということかと思っています。

 

[記者]

 県としては、六ヶ所が安定的に稼働すればという話にはなりますが、その見通しが立っても、中間貯蔵施設の提示は求めていくという考えでしょうか。

 

[知事]

 あまりこうであれば、ああであればということを申し上げても仕方がないというのは、中間貯蔵施設のものはいずれにしても六ヶ所に持っていって再処理するということになるわけで、六ヶ所の工場が動かなければ、日本中に溜まり続けるということを是とするのかということは、多分全国でも、是とされないということだと思います。そういう意味では、再処理工場が動くということを、1日も早くまずしていただくということの上で、今、中間貯蔵施設なくして、そう簡単に核燃料サイクルが、スムーズに動くという認識にもないというところではあります。

 

[記者]

 少し話は変わりますが、新幹線と原発の関係で、新幹線のルート問題に絡んで、各大臣の要望活動であったり、年頭の関西電力との挨拶の時も言及されていましたが、小浜・京都ルートを主張する際に福井県の原子力政策の貢献を主張、アピールされていたと思います。福井県にとって、原子力発電というのは、大きな交渉のカードではであると思いますが、改めて、県として原子力政策への貢献を積極的にアピールしていく、その意図を伺います。

 

[知事]

 意図はまさに原子力基本法にも書いてありますが、立地地域の地域振興というのは、国としての責務だとされている中で、今、立地地域が最も求めているものの1つが北陸新幹線の小浜・京都ルートであるということを根拠にしながら申し上げています。しかし、これは軽々にそのことだけをごり押しするということとはまた違って、やはり沿線のみなさんの理解を得ながらということ自体は、非常に私も大事なことだと認識していますので、いつも国もしくは与党に対しても申し上げているのは、中間報告というのを年末に出していただいていますので、この方向に沿って、科学的、技術的な情報発信もしていただくし、また理解促進の活動もしていただく。財源の確保もしていただく。こういった議論を早く進めていただく。こういったことも求めながら、我々の立場としては、地域振興上、北陸新幹線の小浜・京都ルートは非常に重要であるということを申し上げているというところです。

 

[記者]

 少し遅くなりましたが、総務省が昨年12月に公表した地方公共団体の男性育休の取得率について福井県が1位になったというところで、おめでとうございます。知事肝入りの子育て政策の一環ではあると思いますが、この受止めと、県として取り組んだこと、今後の取組み方針を教えてください。

 

[知事]

 まさにおっしゃっていただいたように、男性育休についてはもちろん福井県社会として、なんとかこれを広げていこうということで強く、当初から取組みをさせていただいています。結果として、令和5年度の一般行政職だけではなくて、すべての都道府県の役所として男性育休の取得率が日本一になったということは、結果として嬉しいと率直に思っています。それだけではなくて、例えば県庁の一般事務職の状況で申し上げれば、100%男性育休を取得しているというだけではなくて、平均の日数だけでも昨年来の9か月間で取ると66.4日になっている。さらに年次有給休暇を活用して子どもを育てるとことももちろんあるわけで、余っている年休は使うので、それも入れると79.5日になっています。これは非常に職員の意識も変わってきている。最近はもう3か月取るのは当たり前という感じに、職員と話していてもなってきていると感じます。特に令和2年度から力を入れてき始めていますが、そういったことはもうこの5年のうちに大きく意識まで変わってきたというところが、まず我々の効果がこのように出るんだということも非常に感じているわけです。今までどうやっていこうかということで、所属長に対して、所属長の目標の一つとして男性職員の配偶者が子どもを出産した場合には取りましょうというのを目標にしたり、また子どもができた男性職員に対しては子育てプランを作ろうということを言って、そのプランの中で必ず育休を入れていくというようなこともしてきましたし、アドバイザーを置いてその人たちに声をかけてもらって、色々とアドバイスをしてもらうという積極的なこともやりましたし。また休んだ時には会計年度任用職員や臨時的任用の職員とか、またどうしても手当がつかなければ、職員が残業代はもちろんですが勤勉手当で処遇したりとか、こういうことをすることで取りやすい環境もできてきたということは非常に大きいと思いました。つい先日も、育休から戻りましたという男性職員と話しましたが、本当に私がいつも言っているように、「1か月目は大変だったんですと。2か月目になったら少し楽になって、3か月目本当可愛くて、もう終わった後もとても家に帰るのが楽しみなんです」と、このように男性職員が嬉々として言っています。こういう社会をつくっていくことは、福井県社会にとってとても大事なことだと私は思っていまして、もう事あるごとに年始のいろいろなご挨拶でも、その話もさせていただきます。また日本一の男性育休の支援の補助金制度も設けさせていただいてますし、今申し上げたような意識がこう変わってくると、本当に働きやすいと職員が言ってくれるので、それがまた従業員のみなさんを定着させる対策にもなりますよということを含めて、これを全県に広げていく努力も引き続きやっていきたいと思っています。

 

[記者]

 中国のDeepSeekのAIサービスに関して庁内での利用を禁止するような自治体も出てきていますが、福井県庁として職員が今利用できる状態になっているのかというところと、もしそうであれば禁止するお考えはあるか教えてください。

 

[知事]

 DeepSeekはそのまま使えるようにならないよね?

 

[総務部長]

 県が使っているAIでやっていますので。

 

[知事]

 閉ざされている県のパソコンで調べられないことになっているということで、個人が携帯で使うかどうかということを私どもは分かっていませんが、そこのところはまた確認をして、今の段階ではそれを認められていないと思いますので、すみません、詳細はまた確認をしていただくとありがたいと思います。

 

[記者]

 新幹線開業一年に向けての話をたくさんしていただきましたが、この3月は金沢開業10年の時期でもあるようです。すごい長いスパンで恐縮ですが、この10年を振り返った時に新幹線の影響で、まちづくりがどのように変わっていったのかという点を、お答えできるならばお答えいただければと。例えば振り返ってみると、今、恐竜のまちというイメージがすっかり定着しましたが、10年前はさほどでもなかったのかなと。福井駅前にあります恐竜モニュメントも金沢延伸に向けてまず整備され、その後敦賀延伸に向けて整備、そして去年25体目のスコミムスが完了したという流れになってきたかと思いますが、そのあたりどのようなご印象をお持ちかというあたり、もしお答えいただけるならお願いします。

 

[知事]

 10年後を見通すと、本当に大きく、またさらに福井が発展するというのをまず感じています。いま10年間、福井がというのはありましたが、まず金沢と富山の変わりようは非常に大きいと思います。金沢は元々開業したときからすごく栄えているように見えましたが、現実には開業後に、さらにホテルなどがどんどんこう増えていって、それで今、多くの人も受け入れられるような環境にもなっています。富山も、電車側の駅のところで接続して、東西南北のところがこう行き来ができるようになっているということも、10年間で起きていること。福井においても、最初の恐竜モニュメントは私が副知事の時に一生懸命交渉してやっていましたので、状況をわかっていますが、結果的にあの頃も恐竜をとにかく推していこうということもあって、福井市とよく相談をしてやらせていただきまして、結果的には新幹線の開業の前後でしたが、今回少なくとも恐竜だらけの状況になっているのは、新幹線の開業ということを意識してやってきたということです。ここから先の10年後、福井をどう変えていくのかというのは、まだ必ずしも見えませんが、先ほど申し上げましたように、本当に新幹線の効果が目に見えてきて、投資意欲が民間の中でも非常に広がっている。そういったところに、我々が誘い水を出すことで、さらにそれが広がっていくことも新幹線開業に向けた我々のいろいろな政策の中で、明らかになってきていますので、当面は今の方向をしっかりと前に向けて進めることが、金沢や富山の発展ぶりにまた福井が一歩でも近づいていくことにつながると思っています。

 

 

 

                                            ―― 了 ――

 

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

知事公室広報広聴課

電話番号:0776-20-0220 ファックス:0776-20-0621メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)