福井県民の皆様へ

 

　ご周知のとおり去る五月二十二日念願でありました子供達の帰国が実現し、一年７ヶ月ぶりに家族五人が揃い私達の故郷にて新しい生活を始めることが出来ました。

　これもひとえに、今日まで手厚いご支援、ご協力を賜りました県民の皆様のお陰と心より感謝しております。

　特に昨年十一月二十四日には、県民会館において私どもを励ます福井県民集会を開催していただき、知事をはじめ多くの皆様から励ましのお言葉をいただいたことを深く感謝しております。

　また私達夫婦はもとより子供達の帰国後、多くの方々から心温まる激励のお手紙、品々を頂き家族一同感謝感激の日々を送るとともに、地元の皆様方の恩誼を切に感じています。

　その甲斐もあり私達夫婦は二十四年間の空白を乗り越え自立の道を着々と歩んでおりますし、子供達も日増しに故郷での生活に順応しながら日本語習得に意欲を見せ始め日々元気に励んでいます。まだ日時は少なからず必要かと思いますが、一日も早く普通の家庭を築き、子供達が地域社会に自由に溶け込んでいけるよう努めて参りたいと思いますので、今後とも、私達家族を温かく見守り虚心坦懐にご指導を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

　県民の皆様一人一人にお目にかかり直接感謝の気持ちとお礼をお伝えするのが道義ですが、書面によりあいさつに代えさせていただきます。

 

　　平成十六年七月

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　地村保志

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　富貴恵

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（原文自筆）