イノシシの生態と被害の防ぎ方
イノシシの被害について
野生鳥獣による農林業被害のなかで、イノシシによる農作物被害は最も深刻で、被害は県内全域で発生しています。
▲ぬたうちにより被害を受けた水稲
▲掘り返しにより被害を受けた畦畔
イノシシの生態について
・よく活動する時間帯
人目につかないところでは、基本的に昼間に活動します。人里では、人間を避けるため、ほとんど夜間に活動します。
・性格と行動パターン
きわめて警戒心が強く臆病な反面、安全な場所だと判断すると大胆な行動に出ます。音、光、匂いなどのおどしや忌避剤は、長期的には必ず慣れて、効果がなくなります。非常に賢く、6ヶ月前の出来事を記憶しています。
・好む場所
体温調節や寄生虫を落とすための泥遊びをします。水田は泥遊びに最適な場所となります。草が生い茂った耕作放棄水田は、安心して活動する場所になります。
▲イノシシの食害とヌタウチの被害を受けた水田
・鼻は万能の道具
嗅覚は犬並みで、非常に優れています。鼻先を使って、押したり、掘ったり、転がしてあらゆる物の反応を探ります。成獣は最大70kgのものを鼻で持ち上げ、地面を掘り返す力も強力です。石の下にいる虫などを好んで食べることから、大小にかかわらず石を転がす習性があります。
▲鼻で動かされたU字溝
・食べ物
雑食性で、ほとんど何でも食べます。
春・・・タケノコ 夏から秋・・・稲の穂やクズの根など 秋季・・・ドングリ類 晩秋から冬季・・・主に植物の根や地下茎
出産準備のため秋には好んでミミズを食べます。山のエサと比べて、野菜や果実の収穫残さや、放置された生ゴミは栄養豊かなエサになります。
・繁殖能力
メスは生後1歳6ヶ月で妊娠可能になり、2歳で初めて出産します。基本的に1年1産で、4~6月頃に1回5頭前後を出産します。
人里や農地で豊かな栄養のエサを食べる個体は、毎年出産が可能になるとともに、死亡率が低下するので、群れの頭数増加につながります。
・その他
群れは母系社会。成熟オスは普段は単独行動し、交尾期だけ群れに入り込みます。
寿命は自然状態ではオス6歳、メス10歳程度です。近年、捕獲が進み高齢個体は少なくなっています。
イノシシの被害の防ぎ方
・集落をエサ場にさせない
収穫しない柿などを始め、盗られてもかまわない農産物など、気づかずに与えているエサに気がつくことが重要です。水田では、ひこ生えや落ち穂を与えないように、必ず秋起こしをしましょう。
野菜畑では、収穫を終えた野菜類は株元を切断して、枯れあがらせましょう。やせたイモやイモヅル、根菜類の葉っぱなど野菜クズも放置しないで、土に埋めるかコンポストで腐熟させてください。
熟して落ちた果実もエサになります。果実を収穫する見込みのない果樹は切り倒しましょう。
・農地を住みかにさせない
草などが生い茂った休耕地や耕作放棄地は、イノシシにとって格好の住みかになります。
耕作放棄地は集落ぐるみで草刈りを行い、見通しをよくしておくことが重要です。
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