小型犬向けTTA(脛骨粗面前進化術)用インプラント(ヤマウチマテックス・エンジニアリング株式会社)

最終更新日 2021年7月30日ページID 047388

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チタン合金三次元積層造形技術を用いて骨成長を促す国産の小型犬用インプラントを開発しました。

 

令和2年度
将来のふくいを牽引する技術開発支援事業補助金
「伴侶動物用国産インプラントの開発促進」 

事業実施の経緯

動物用整形外科インプラントの分野では海外製が主で、特に犬の整形外科疾患の中で最も多い疾患である前十字靭帯断裂に数多く採用されている治療法TTA用のインプラントに国産のものはありません。そのため、動物病院が個々で輸入し入手するなどコストがかかり、保険のきかない自由診療の動物医療分野では飼い主の負担が増加しています。そこで獣医師より依頼を受け、小型犬向けTTA用国産インプラントの開発を進めました。
 

事業の内容

日本で多く飼育されている小型犬向けのTTA用インプラントとして、狭い術野でも簡単に設置可能な小型インプラントを設計開発しました。従来品は骨との親和性が弱いため、三次元積層造形の特徴を生かして多孔質構造を付与し、長期固定力の向上を目指しました。そして、それら試作品を用いて臨床試験を進めました。
 

事業の成果

小型犬用インプラントのサイズや形状について獣医師と協議し、設計・試作を繰り返し、目標であった複数サイズの同時製造形を達成しました。また、その試作品を用いた臨床試験の症例数も増えてきており、高い評価が得られています。インプラントの強度に関しても既存品と同等の結果を得られており、現在、手術用デバイス開発にも取り掛かり、試作品の評価ならびに改良点のあぶり出しをはじめています。

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製品のPR

我が国で飼育されている犬種は小型犬の割合が約67.9%以上と非常に高く、従来の海外製インプラントは大型で適合が悪かったのですが、開発品は小型犬に適合するサイズと少ないパーツで簡便な手術が可能となっています。獣医師が一人体制で運営している動物病院が約64%もある現状(農林水産省,2018)では、少人数で対応せざるを得ない小動物の手術において、大きなメリットとなりユーザビリティが高いものとなっています。

経営者の声

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代表取締役 
山内 隆嗣  氏

本事業における活動と成果がきっかけとなり、整形外科分野で著名な動物病院のドクターから共同開発の提案もいただきました。また、第二種動物用医療機器製造販売業許可も取得し、今後の動物用医療機器承認申請や上市後の販路開拓に向けた準備を着々と進めることができました。今後も動物用インプラントならびにデバイス開発を進めることで、人用インプラントへの応用の礎となり、人と伴侶動物のQOL向上に貢献できると確信しています。


企業情報

企業名 ヤマウチマテックス・エンジニアリング株式会社
業務内容 非鉄金属製造業
所在地 福井県福井市問屋町2丁目22番地
担当者 杉山 美弥子   
問合せ先 TEL 0776-25-5600
HP http://www.matex.co.jp/

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