世界初!多筒型繊維用超臨界染色・機能加工試験機 “Sustaina Dye-mini”(サステナテック株式会社)

最終更新日 2023年7月24日ページID 053476

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二酸化炭素を媒体とする染色の実用化展開を受け、調色に用いる簡便で再現性の高い試験機を開発しました。

 

令和3年度、 令和4年度
成長産業チャレンジ支援事業補助金
「超臨界二酸化炭素染色加工専用高性能試験機の開発と販売 」 

 

事業実施の経緯

近年、水を使わず、廃液も出さず、エネルギー使用量が半分で済む超臨界二酸化炭素染色が実用化されていますが、適当な試験機がなく、目的の色の調製が十分できていません。これを解決するために高効率で再現性の良い超臨界染色・加工の試験を実施できる装置の開発に取り組みました。

事業の内容

福井大学およびサステナテック(株)がこれまでに積み上げてきた超臨界染色・加工の基礎研究の成果を生かし、世界で初めて、(1)効率が良く、(2)再現性が高く、(3)同時に3バッチの試験ができ、(4)取り扱いが容易で、(5)染色以外に繊維の精練や機能加工などの試験にも使える試験機を設計・製造しました(図1)。

 

図1 設計製造された3ポット式超臨界染色加工試験機

               図1 設計製造された3ポット式超臨界染色加工試験機

 

事業の成果

プロジェクトの連携機関として参画いただいたウラセ(株)には超臨界染色専用に選ばれた市販染料を用い、ポリエステルについては黒を含め、ありとあらゆる色に染色できること(一例を図2に示す)、さらに染色された布の染色堅ろう度は水系で染色されたものより良好であることを見出しました。染色試験のデータ蓄積により、コンピュータカラーマッチング(CCM)システムもほぼ完成しています。

 

図2 開発した試験機で染色されたポリエステル織物 サンプル

図2 開発した試験機で染色されたポリエステル織物サンプル

 

染色サンプル

                図3 その他の染色サンプル

 

 
製品のPR

製造した試験機について和文・英文のパンフレットを作成し、学会、展示会等で発表し(図4)、大きな興味をいただいています。装置の商品名を“Sustaina Dye-mini”とし、商標登録されました。特許出願も済ませ、2023年4月から販売を開始しています。

 

図4 ジャパンヤーンフェアでの出展風景

              図4 ジャパンヤーンフェアでの出展風景

 

経営者の声

代表取締役社長 

堀 照夫   氏

染色ポット内部に設置する治具については効率向上および浴比(繊維とCO2の割合)可変のために数回の改良を重ねました。他に例のない超臨界専用の染色・加工試験機が製造できました。

 

 

企業情報
企業名 サステナテック株式会社
業務内容 繊維技術サービス業
所在地 福井県福井市文京三丁目9-1福井大学産学官連携本部内
担当者 代表取締役社長 堀 照夫  
問合せ先 TEL 0776-27-8641
HP https://sustainatech.co.jp/

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