5G/Beyond5Gで普及を目指す可撓性(フレキシブル)導波管 (株式会社米澤物産)

最終更新日 2021年7月1日ページID 053610

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V帯・E帯・W帯可撓性導波管の生産技術では5G通信の28GHz帯可撓性導波管の製造は難しく、新たな生産技術開発に取り組み実現しました。

 

令和4年度
成長産業チャレンジ支援事業補助金

「組紐技術を応用した5G通信用途の可撓性導波管量産化技術開発 」  

 

フレキシブル

 

事業実施の経緯

通信線路として既存の同軸ケーブルは限界が見えており、光ファイバーは接続性と屈曲耐久性に課題があります。そこで福井県工業技術センターで開発を進めていた可撓性導波管の技術に着目し、弊社の繊維製造技術を活かし、新たに製造装置の開発も行いV帯・E帯・W帯のサンプル出荷までこぎ着けました。しかし、肝心の5G通信線路の28GHz帯には製造方法の変更が必要でした。

事業の内容

従来の製造方法である組織の32打、および外導体用フィルムヤーンの厚さでは屈曲時に外導体にシワが発生しやすいです。その事に起因して特定周波数でのロスが増大し伝送特性の悪化となります。その解決方法として組織を64打に変更し、外導体用フィルムヤーンの厚さを若干厚くすることでシワの発生を抑える事を目指しました。また64打にすることで外導体用フィルムヤーンの幅は半分程度になるので密着度の向上も見込めます。

事業の成果

組織を64打に変更した事で屈曲時の外導体用フィルムヤーンの動きやすさが向上し、シワの発生低減につながりました。また、外導体用フィルムヤーンの幅・厚さも専用に設計したことにより、内部誘電体PTFEと外導体用フィルムヤーンとの密着度が向上しました。伝送特性の向上を達成し、併せて細かい反射も抑える事が出来ました。

 

 

 
製品のPR

福井県が開発をした世界初の技術を用い、福井繊維産地の企業として開発に取り組む事は我が社の使命と考えます。この先、高速・大容量・低遅延のミリ波通信が色々なケースで使われる社会が実現されます。高速通信装置・高速移動体内通信・工場内通信・設備装置内通信など色々考えられます。その場合、既存技術の同軸ケーブル・光ファイバーケーブルと競合することは無く補完する技術としての可撓性(フレキシブル)導波管が有ります。

比較表

経営者の声

社長

代表取締役

米澤 稔喜 氏

いまの情報社会はSociety4.0と言われており、モノ・人・サービスが繋がりました。これからはSociety5.0に向かっていきます。Society5.0というのはサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させ、人々がより質の高い生活を実現するというものです。その為にも今まで以上に大容量の情報を高速で安全に、また簡単な接続通信という事が不可欠となります。そのような時代に少しでも当社の技術で貢献出来ればと思っています。

開発者の声

kawakami

品質管理・R&D室

河上 敬則 氏

可撓性導波管の普及のためには通信線路としてつながる事が必要です。現在はMIL規格コネクターを採用しておりますが、可撓性導波管には金属導波管に使用するMIL規格コネクターはデメリットしかありません。重く・取り付けに時間がかかり・コストの高いコネクターは不要です。現在、新市場創造型標準化制度の採択を受けて可撓性導波管コネクターの標準化を目指してJIS原案作成委員会が開催されました。世界初の技術を使いやすい技術としての普及を目指しています。

企業情報
企業名 株式会社 米澤物産
業務内容 繊維製造業
所在地 福井県福井市八重巻中町1-13
担当者 深川 馨介  
問合せ先 TEL 0776-56-0135
HP https://www.yonezawa-bussan.jp/flexible.html

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