宇宙機搭載用蝶番の製造技術開発(ヨシダ工業株式会社)

最終更新日 2021年7月1日ページID 053384

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太陽電池パネル等の展開構造物を接続し、宇宙空間上で展開し固定することが可能な蝶番を製造する。

 

令和4年度
成長産業チャレンジ支援事業補助金

「異種金属による高精度・非可逆的宇宙機搭載用蝶番の製造技術開発」  

ヨシダ工業 装置

 

 

事業実施の経緯

宇宙機では宇宙・軌道上での展開構造が重要視されています。東京大学中須賀・船瀬研究室とセーレン株式会社との共同研究により開発された「超小型衛星用SAP」の構成部品である蝶番では摺動性や繰り返し耐久性の向上が求められています。

通常の蝶番は同種金属であり、機能としては開閉が原則で可逆性が求められていない事から、異種金属を組み合わせた宇宙蝶番の新技術を開発することで上記要求を満足することとしました。

事業の内容

ヨシダ工業では、眼鏡部品で培った切削加工を基盤技術として、難加工材であるチタン合金の加工技術を有しています。蝶番機構の形状・仕様は、東京大学とセーレン株式会社にて設計された設計図に基づいています。

本開発において、従来設計を解析して摺動部である蝶番支点シャフト材をステンレスから、6-4チタン合金に変更することで、目的の摺動性と繰り返し耐久性の向上を計りました。

事業の成果

太陽パネル等の展開構造物を接続する、宇宙機搭載用の蝶番を製造する技術を開発し試作品を製造しました。今回、異種金属(アルミとチタン合金)の平面・芯材をつなぎ合わせて一枚の部材とすることが出来、高い平面度の要求基準を満たすことが出来ました。また、特殊なストッパー機能を設けることで、可逆性を許容しない設計をしており、ストッパー機能の確認と、摺動性・繰り返し耐久性の向上の可能性を確認することが出来ました。

 

 

 
製品のPR

今回の宇宙蝶番は、宇宙機の汚染の排除や摺動性の確保の為に特殊な加工をいたしております。従来は福井県外企業から、高い部材を購入しておりましたが、福井県内での内製化による、高機能・低価格化・短納期化・動作保証の実現について可能性が高くなりました。今後、この加工技術を応用した新製品の開発に努めていき、幅広い分野での販売展開に繋げていきたいと考えております。

経営者の声

 

代表取締役社長 

吉田 俊一  氏

 

 

 

ヨシダ工業では「とりあえず一度やってみるか。」というチャレンジ精神のもと、これまで様々な新製品開発に取り組んで参りました。福井県が新たな事業として宇宙産業の拠点化を目指している。との事でございましたので、ヨシダ工業がその一部を担うことが出来れば良いと考え、本事業に取り組んで参りました。今後も、信頼と夢のある企業となるよう、チャレンジして参ります。

開発者の声

ヨシダ工業 開発者

技術開発部 主任

稲田 昌弘 氏

宇宙機蝶番の開発をお聞きした際は、高度な技術開発による製品化が実現出来るかどうか?正直不安で一杯でした。そのような中、セーレン株式会社から設計開発について懇切丁寧なアドバイスを頂くことで、製品化を実現することが出来ました。宇宙機が、今後様々な分野で活用される事で、安全・安心な社会を実現するのであれば、技術者冥利に尽きると思っております。

企業情報
企業名 ヨシダ工業株式会社
業務内容 非鉄金属製造業
所在地 福井県鯖江市有定町2丁目11-24
担当者 井上 章    
問合せ先 TEL 0778―51-4690
HP https://www.yoshida-i.co.jp

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