福井県公設試験研究機関等評価ガイドライン

最終更新日 2023年3月29日ページID 000993

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1.評価の目的

1.より効率的、効果的な試験・研究開発の実施

 評価を実施する者(評価者)と評価を受ける者(被評価者)が、評価のための委員会の中で相互に啓発しあうとともに、外部の新たな視点からの意見を取り入れることなどにより、試験研究開発の力点や方向性等を検討し、県民生活、産業社会への貢献という観点から、より効率的、効果的な試験研究開発を実施していく。

2.試験研究機関等業務実績の開示による科学技術開発の活性化

 試験研究開発がより高度化、専門化していく中で、その意義や内容を厳正な評価システムにより評価公開することで、一般県民、社会の理解を促進し、また幅広い層からの意見を取り入れることで科学技術研究開発活動を活性化する。 

2.評価の基本理念

 各機関における評価の実施にあてっては、以下の考え方を基本理念とする。

1.客観性の確保

 評価作業を効率的に行い、評価結果をより有効にその後の試験・研究開発活動に反映させるため、客観的数値指標を活用し、評価委員会の中で評価者、被評価者の真摯な討論を通じてより正確で客観性、中立性の高い評価を目指すこと。特に先進的な取り組みに関しては、評価者にあってはその先進性を評価に反映することに努め、また被評価者にあっては、先進性、創造性の重要さを常に意識し、評価においてもこれらの点について十分な説明をし、理解を得ることができるよう努めること。

2.透明性の確保

 試験研究機関においては、積極的にその成果を公開し内容について広く意見を聞くこと。また、評価実施に当たっては、そのプロセスなどについても出来る限り公開すること。

3.継続性、実効性の確保

 評価は研究結果の良否、研究継続の是非を一時的に判断するためだけに行うものではなく、試験研究開発活動全体をより良い方向に導くために行うものでもあることを認識し、評価とそれを反映した試験研究開発の推進というプロセスの繰り返しという、継続性のある評価方法をとること。また、評価のための評価とならぬよう、明快で実効性のある評価システムを確立すること。 

3.評価者の責務

 評価者は、評価結果を出すに当たって、公正な立場から総合的な判断をしなければならないことを十分認識するとともに、優れている試験・研究をさらに伸ばし、より良いものとなるよう適切な助言を与えなければならない。 

4.本ガイドラインの適用範囲

 本ガイドラインにおいては、県所管の公設試験研究機関で行う研究課題および県所管の公設試験研究機関を対象とする。評価の形態としては下記の二つに大別される。

1.研究課題評価

 研究開発課題選定、研究中における進行管理、研究終了後の成果測定、研究成果の波及効果測定などを主なものとする。

2.試験研究機関評価

 試験研究機関全体の運営全般を対象として評価する。 

5.研究課題評価

1.対象

 各機関においてその役割と社会的要請を鑑み、幅広い観点から評価を行うことが必要と判断されるものについて研究課題評価を行う。

1.評価時期とその位置付け

 研究課題評価は、その実施時期により以下のように分類する。

1.事前評価

 研究課題選定時に、技術的可能性や社会産業への波及効果などの多様な観点から研究内容の評価を行い、また同時期に提案されている複数の研究課題との比較を行うことで、課題選定に資する。

2.中間評価

 研究開始後、一定期間経過時において、それまでの研究成果を基に当該研究の見直しの必要性の有無を含めた研究方針の確認を行い、研究継続の是非などについて判断する。

3.事後評価

 研究終了時点において、事前評価の内容との比較や予測された成果への達成度について評価し、成功した要因、または予定された成果が得られなかった要因を検討することで、今後の研究活動の参考とする。

4.追跡評価

 研究終了から一定期間経過後、研究成果の実用化や社会産業への普及等の観点から評価を行い、今後の研究活動へのフィードバックを行う。

 このうち、事前評価と事後評価については、原則として、前項5.1で規定した評価対象の研究課題全てについて実施する。中間評価は研究開発期間が長期にわたるもの(3~10年)について実施し、追跡評価は、研究開発の最終目的が実用化及び一般への普及であり、事前、事後評価(中間評価も含む)だけでは評価が不十分となる研究開発課題について適宜実施する。

2.評価方法

 試験研究実施機関が評価委員会を設置し、事前、中間、事後、追跡評価を行う。評価にあたっては、客観性の確保に十分留意し、外部専門家、外部有識者を評価委員に含めることとする。また、実施要領や評価基準等を各試験研究機関で策定公開し、それに基づいて評価を実施する。評価結果については、個人情報や企業秘密の保護、知的財産権の取得等に配慮しつつ、原則として公開とする。 

6.機関評価

1.対象

 各試験研究機関の運営全体を評価対象とする。

2.評価時期とその位置付け

 5年毎を目処に機関評価を実施する。機関評価においては、重点研究開発分野の設定や試験・研究運営体制の妥当性、指導普及業務体制の妥当性、課題評価実施プロセスなどを判断し、より効率的・効果的な試験研究推進を図る。

3.評価方法

 課題評価と同じく、各機関毎に、外部専門家や外部有識者を含む評価委員会を設置し評価を行う。評価作業の運営については、やはり課題評価と同じく客観性の確保等に留意し、評価実施要領や評価基準等を各機関で策定、公開する。また、評価委員会の内容等も報告書に取りまとめ、原則公開とする。 

7.評価結果の取扱

 各試験研究機関においては、評価委員会終了後速やかに報告書を取りまとめ、地域産業・技術振興課産学官連携推進室に提出するとともに、一般に公開する。

 試験研究機関は、評価の結果を最大限尊重し、運営の改善に努める。 

8.評価における留意事項

1.評価実施体制の充実

 公正な評価を行うため、本ガイドラインも含めて、各試験研究機関において評価実施にかかる要領等諸規程を整備の上、公開するものとする。

2.数値的指標の活用

 研究後の技術移転の件数、普及面積、論文・報告数、機関評価における技術相談数など、定量的評価をできるだけ活用し、評価により客観性を持たせるよう留意すること。ただし後述にもあるとおり、研究分野、内容等によりこのような数的指標の意味は大きく異なるものであり、偏重することのないよう注意を払わなければならない。

3.試験調査や短期間では業績をあげにくい研究開発の評価

 試験調査等、研究開発活動の基盤整備的な役割を担う業務にあっては、一般的な研究開発活動の評価に用いられる指標、基準などとは異なる指標や基準を用いる配慮をすること。また、新品種の開発など短期間では具体的業績を上げにくい研究開発分野についても、評価に当たっては個々の業務、研究の性格を十分考慮に入れなければならない。

4.指導・相談、普及業務等、研究以外の固有業務の考慮

 公設試験研究機関においては研究開発業務以外にも、技術指導、普及業務、依頼試験等の責務を担っており、機関毎にその形態も多様である。評価にあたっては、このような地域社会への貢献が評価結果に反映されるように十分に留意しなければならない。

5.研究成果の波及効果の考慮

 研究開発の評価にあたっては、県民生活上の効果や経済的な効果など、課題設定時から研究成果の県民生活や産業社会への波及効果について十分考慮しなければならない。

6.評価システムの不断の見直し

 評価をより精度の高いものとし、社会情勢などの変化に常に対応していくために、課題事後評価、機関評価を通じて常に評価プロセス自体を振り返り、見直すべき点があれば検討し、見直しを行うなど、より効果的、効率的な評価システムとなるよう、評価に関わる全ての部署、機関が不断の努力を行わなければならない。

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