建設リサイクル法のご案内
資源の有効利用と廃棄物の適正処分を図り循環型社会の形成のために、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(平成12年5月31日 法律第104号)、いわゆる「建設リサイクル法」が制定され、14年5月30日から本格施行となりました。
この法律では発注者・受注者等の役割に応じて、建設工事に係る資材の再資源化等が義務付けられました。その内容をお知らせします。
法律がつくられた背景・概要
建設廃棄物は全国で年間約8,500万tも発生しています。これは、産業活動で発生しているゴミの約2割、家庭ゴミの約1.5倍もの量にのぼっています。この建設廃棄物の処理をめぐって不法投棄や最終処分場不足など様々な問題が発生しています。
このため、一定規模以上の解体等の建設工事において発生する建設廃棄物を分別・リサイクル化することとし、発注者、受注業者等がそれぞれの役割を果たすことが義務付けられます。
法律の概要
建築物の解体工事等について、建設資材を種類ごとに分別しながら施工し、その廃棄物の再資源化を行なうことが義務付けられます。
下記の規模以上の建築物や土木工作物の解体工事、新築工事(対象建設工事)ついては、その建築物や土木工作物に使用されているコンクリート(プレキャスト鉄筋コンクリート版等含む)、アスファルト・コンクリート、木材(特定建設資材廃棄物)を現場で分別しながら施工(分別解体等)すること。
(対象建設工事)
(1) 床面積が80㎡以上の建築物の解体工事
(2) 床面積が500㎡以上の建築物の新築・増築工事
(3) 請負金額が1億円以上の建築物の修繕・模様替(リフォーム等)工事
(4) 請負金額が500万円以上のその他の工作物に関する工事(土木工事等)
上記分別解体等によって生じた特定建設資材廃棄物を再資源化(リサイクル)すること。
ただし、木材が廃棄物となったもの(廃木材)については、工事現場から再資源化施設までの距離が遠い(50kmを超える場合(省令で指定))等については、縮減(焼却)を行なってもよいこととしています。
解 体:建築の場合、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床板、屋根板、又は横架材で建築物の自重若しくは積載荷重、積雪、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の振動若しくは衝撃を支える部分を解体することをさします。建築物の一部を解体、新築、増築する工事については、当該工事にかかる部分の床面積が基準にあてはまる場合について対象建設工事となります。また、建築物の改築工事は、解体工事+新築(増築)工事となります。
新 築:新たに建築物を建てることをいいます。
増 築:同一敷地内において、既存建築物の床面積を増加させることをいいます。
改 築:建築物の全部又は一部を除去するか、災害等により失われた場合に、用途、規模、構造等が従前の建築物と著しく異ならない建築物を建てることをいいます。
修 繕:同じ材料を用いて元の状態に戻し、建築当初の価値に回復させるための作業をいいます。
模様替:建築物の材料、仕様を替えて建築当初の価値の低下を防ぐ作業をいいます。
※修繕、模様替は、建築物の床面積が増減することがありません。
工事発注者や受注者の義務
工事の発注者や受注業者には次の義務があります。
ア)発注者(施主)
発注は建設業許可業者か解体工事業登録業者を選定すること。
分別解体等の工事計画の内容について元請業者から説明を受けること。
工事着手7日前までに、分別解体等の工事計画を記載した届出書を知事(現場が福井市内の場合は福井市長)に提出すること。(受付窓口については届出先をご覧ください)
受注者との契約にあたっては、分別解体等の方法、解体工事に要する費用や、再資源化のために持ち込む予定の施設の名称等を契約書面に明記すること。
工事の終了にあたっては元請業者から再資源化の完了報告を受け、リサイクル化を確認すること。
イ)受注者
発注者に対し、分別解体等の計画等について書面を交付して説明すること。
契約書面には、分別解体等の方法、解体工事に要する費用及び再資源化等のために持ち込む予定の施設の名称等を明記すること。
下請業者に対し、都道府県知事等への届出事項を告知して契約を結ぶこと。
分別解体等及び再資源化等を実施すること。
工事現場の公衆の見やすい場所に標識を掲示するとともに工事の施工を管理する技術管理者を配置すること。
再資源化等が完了したときは発注者に書面で報告するとともに、再資源化等の記録を作成、保存すること。
工事事前届出について
発注者は、工事着手の7日前までに、分別解体等の計画について、知事(特定行政庁である福井市内の工事の場合は福井市長)に届出ることが必要です。届出先、届出様式等はこちらをご覧ください。
以下に、発注から完了までの流れを説明します。
A.受注者から発注者への説明(受注者(元請)の義務)
対象建設工事の元請業者は、発注者に対し、建築物等の構造、工事着手時期、分別解体等の計画等について書面により説明する。
B.契約(発注者と元請業者間)
対象建設工事の契約書面においては、分別解体等の方法、解体工事及び再資源化等に要する費用、再資源化等のために持ち込む予定施設の名称等を明記する。
C.事前届出(発注者の義務)
発注者は、工事着手の7日前までに、分別解体等の計画について、知事(福井市内の工事の場合は福井市長)に届出る。
D.変更命令(事前届出の内容に対して)
発注者の届出に係る分別解体等の計画が基準に適合しないと認めれれる場合、知事(福井市長)より変更命令が行なわれる。
E.告知・契約(元・下請け業者間)
受注者は、請け負った建設工事を他の業者に下請けさせる場合には、元請業者は下請業者に対してCの届出事項を告知して契約を結ぶ。
F.分別解体等、再資源化等の実施(元・下請け業者の義務)
元・下請け業者は現場での標識掲示や工事の施工を管理する技術管理者の配置により、適正な分別解体、再資源化等の実施する。
G.発注者への完了報告
元請業者は、再資源化等が完了したときは実施を確認し、発注者に書面で報告するとともに、再資源化等の実施状況に関する記録を保存する。
解体工事業者登録
罰則
この法律では、分別解体や再資源化等に対する命令違反、届出、登録等の手続きに対して、発注者や受注者に所要の罰則が適用されます。
内 容 | 懲 役 | 罰 金 |
1. 登録を受けないで解体工事を営んだ者 | 1年以下 | 50万円以下 |
2. 不正手段によって解体工事業の登録を受けた者 | 1年以下 | 50万円以下 |
3. 事業停止命令に違反して解体工事業を営んだ者 | 1年以下 | 50万円以下 |
4. 分別解体等又は再資源化等に関する命令に違反したもの | 50万円以下 | |
5. 対象建設工事の届出の内容に係る変更命令に違反した者 | 30万円以下 | |
6. 解体工事業の登録内容の変更が生じた場合において、届出をせず不正又は虚偽の届出をした者 | 30万円以下 | |
7. 対象建設工事の届出をせず、又は虚偽の届出をした者 | 20万円以下 | |
8. 登録取消しの事実を発注者に通知しなかった者 | 20万円以下 | |
9. 技術管理者を選任しなかった者 | 20万円以下 | |
10. 解体工事業者又は対象建設工事受注者で都道府県知事の報告徴収届出に対して報告をせず又は虚偽の報告をした者 | 20万円以下 | |
11. 解体工事業者で都道府県知事の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、 又は質問に対し答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者 |
20万円以下 | |
12. 対象建設工事受注者で都道府県知事の検査を拒み、妨げ、又は忌避した者 | 20万円以下 |
以下は過料
1. 再資源化等の実施状況に関する記録を作成せず、若しくは虚偽の記録を作成し、又は記録を保存しなかった者 10万円以下
2. 解体工事業の廃業等の届出をしなかった者 10万円以下
3. 解体工事業者の標識を掲げない者 10万円以下
4. 解体工事業者で帳簿を備えず、帳簿に記載せず、 若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者 10万円以下
本法に基づく義務の履行を十分に担保するためには、違反行為の実行者のみを処罰の対象とするのではなく、違反行為の実行者を雇用している法人又は人自身も処罰の対象とする。このため、第52条では、従業員等が法令違反行為を行い処罰される場合には、その従業員を雇用している者も処罰するいわゆる両罰規定を定めている。
届出先・様式等
福井県の取り組み(指針)
福井県における建設リサイクルの実施に関する指針の概要
福井県における建設リサイクルの実施に関する指針
- 国土交通省リサイクルHP (法律全文 基本方針 等)
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アンケート
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お問い合わせ先
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