建築士法の改正(平成19年6月施行)

最終更新日 2008年5月16日ページID 005694

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 平成17年11月に発覚した構造計算書偽装の問題は、多数のマンション等の耐震性に大きな問題を発生させ、多くの住民の安全と居住の安定に大きな支障を与えただけでなく、国民の間に建築物の安全性に対する不安と建築界への不信を広げました。
 このような問題の再発を防止し、法令遵守を徹底することにより建築物の安全性の確保を図り、国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるよう、建築基準法および建築士法の改正がなされ平成19年6月20日に施行されました。
 このうち、建築士法に係る改正の概要は次のとおりですが、建築士事務所の業務に直接関係する改正もありますので、業務にあたって十分ご留意ください。


1.建築士の職責

 建築士は、常に品位を保持し、業務に関する法令および実務に精通して、建築物の質の向上に寄与するように、公正かつ誠実にその業務を行わなければならないことが規定されました。【法第2条の2】


2.建築士免許の絶対的欠格事由の拡充等

 禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないこと等が絶対的欠格事由に追加されました。また、建築士の免許を取り消された者が免許を受けることができない期間が2年から5年に延長されました。【法第7条】


3.建築士の免許に関する規定の見直し

(1)建築士が死亡したとき等においては、その相続人等は、その日から30日以内に、その旨を、一級建築士にあっては国土交通大臣に、二級建築士または木造建築士にあっては免許を受けた都道府県知事に届け出することが規定されました。【法第8条の2】

(2)国土交通大臣または都道府県知事は、本人から免許の取消しの申請があったとき等一定の事由に該当する場合に免許を取り消したときは、その旨を公告することが規定されました。【法第9条】

(3)国土交通大臣または都道府県知事は、建築士に対し、懲戒等の処分をしたときは、その旨を公告することが規定されました。【法第10条第5項】


4.建築士の業務の適正化

(1)建築士は、構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合においては、遅滞なく、その旨の証明書を設計の委託者に交付することが規定されました。【法第20条第2項、規則第17条の14の2】

構造計算によって建築物の安全性を確かめた旨の証明書 (PDF形式) (Word形式) 


(2)建築士は、非建築士等に自己の名義を利用させてはならないことが規定されました。【法第21条の2】

(3)建築士は、建築基準法に定める建築物に関する基準に適合しない建築物の建築その他の建築物の建築に関する法令に違反する行為について指示をし、相談に応じ、その他これらに類する行為をしてはならないことが規定されました。【法第21条の3】

(4)建築士は、建築士の信用または品位を害するような行為をしてはならないことが規定されました。【法第21条の4】


5.建築士事務所の登録拒否事由の拡充

 建築士事務所について登録を取り消された者が登録を受けることができない期間が2年から5年へ延長されました。また、建築士事務所の閉鎖の命令を受け、その閉鎖の期間が経過しないこと等が絶対的登録拒否事由に追加されました。【法第23条の4】


6.建築士事務所の業務の適正化

(1)建築士事務所の開設者は、事業年度ごとに、業務の実績の概要等を記載した設計等の業務に関する報告書を作成し、事業年度が終了した後3月以内に登録をした都道府県知事(建築士事務所の所在地を管轄する土木事務所)に提出することが規定されました。【法第23条の6】
 また、この業務報告書は土木事務所において一般の閲覧に供されることになります。【法第23条の9】

設計等の業務に関する報告書 様  式 (PDF形式) (Word形式)  

                       記載例 (PDF形式)   


① 報告事項
 ・建築士事務所の業務の実績
 ・所属建築士の氏名、一級・二級・木造建築士の別、登録番号、管理建築士である場合にはその旨
 ・所属建築士の当該事業年度における業務の実績
 ・管理建築士による意見の概要

② 報告時期
 業務報告書の提出義務は、平成19年6月20日以後に開始される事業年度の業務について適用されます。報告の時期は、各建築士事務所の事業年度により異なりますので、次の図を参考に提出してください。
 報告時期の参考図 

(2)建築士事務所の開設者は、自己の名義をもって、他人に建築士事務所の業務を営ませてはならないことが規定されました。【法第24条の2】

(3)建築士事務所の開設者は、業務に関する事項を記載した帳簿を備え保存することおよび業務に関する図書を保存することが義務づけられていますが、この保存期間が5年から15年に延長されました。【法第24条の4、規則第21条】

(4)建築士事務所の標識の様式が改正されました。なお、この改正の施行は平成19年12月20日です。【法第24条の5、規則第22条】

■ 標識の様式
 看板の様式

(5)建築士事務所における閲覧事項が拡充され、所属建築士の業務の実績、保険契約等の内容を記載した書類が閲覧の対象に追加されました。【法第24条の6、規則第22条の2】

閲覧に供する書類 (PDF形式) (Word形式


(6)建築士事務所の開設者が設計または工事監理の受託契約を締結したときの書面交付義務について、書面を交付する相手方の範囲を拡大し、建築主だけではなく、全ての委託者を対象とすることが規定されました。【法第24条の8】

(7)都道府県知事は、建築士事務所の登録の取消し等の処分をしたときは、その旨を公告することが規定されました。【法第26条第4項】


7.罰則の強化

 構造計算によって建築物の安全性を確かめた場合でないのに証明書を交付した建築士、非建築士等に自己の名義を利用させた建築士等は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる等罰則が強化されました。【法第38条】

 

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