福井県庁獣医師の紹介(健康福祉部)
獣医の目で、73万人の日常を守り抜く。
「肩書き」を超えて「免許」を活かし尽くす、福井の命の番(つがい)
獣医師というと、一般的には動物の「お医者さん」としての側面をイメージされることがほとんど。動物病院に就職するか、自分で開業するか......。その選択肢は一見狭いようにも思えます。しかし福井県庁には、動物病院の診察室という「点」ではなく、福井県民73万を含む地域全体という「面」で獣医師の知識を活かせる土壌があります。
福井県庁健康福祉部の獣医師は、わずか10人の少数精鋭。人数が少ないからこそ、専門職という枠に閉じない仕事に挑戦できます。
保健所での食中毒や感染症対策、動物愛護センターの立ち上げ、薬剤耐性菌の最先端研究や学会発表、さらには家畜伝染病発生時の防疫員、時にはなぜか、温泉掘削の立ち合いまで。
「獣医師って、そんなことまでできるの?」 福井県庁では、その答えはすべて「YES」です。
検事や弁護士と協議しながら、法律に切り込む
目の前の一頭を治療するのではなく、県全体で「不幸な犬猫を生まない仕組み」を作るのが行政獣医師の仕事です。例えば野良犬・野良猫の増加、多頭飼育などに対する防止策、野良猫対策、適正飼育の啓発など、地域全体を見て問題を発掘し、根本的な解決策を考えます。
ある獣医師は、動物愛護管理条例の策定担当として、「犬の放し飼い禁止」「適正頭数での飼育義務」「不妊去勢の推奨」など、専門知識に基づく規定を条例に盛り込みました。
同業者だけではなく、検察庁の検事や弁護士と協議しながら、法律に切り込む。そんな経験もできます。
殺処分ゼロの「仕組み」を設計する
県に引取り・保護された犬猫を「救いたい」という純粋な願いを、感情論で終わらせない。それが福井県庁の獣医師の流儀です。
そのきっかけとなったのは、当時、全国でも数少なかった保護犬・保護猫収容施設への冷暖房設置でした。「動物も人間と同じように温度管理ができる環境で健康に過ごせるようにしたい。」まだ収容施設への空調設置が常識外だった時代、一人の獣医師が、コツコツと周囲を説得し続けるなど、泥臭く歩み始めました。
この精神を引き継ぎ、設立したのが「動物愛護センター」。獣医師自ら設計図面と向き合うなど私たちは建築から運営体制までゼロからの制度構築に挑みました。単に行政が抱え込むのではなく、地域の動物愛護団体と手を取り合い、彼らがプロとして手厚いケアに専念できるよう、県が活動の仕組みを徹底的にバックアップ。この「信じて託す」協働体制の結果、現在では保護された犬猫の約9割が新しい家族のもとへ。かつては諦めるしかなかった命を、社会の仕組みで救い続けています。
さらに福井では、保健所の獣医師がこのセンターを兼務し、自ら不妊去勢手術の執刀も行います。「行政だから臨床は諦める」のではなく、行政の役割として環境を整え、自らの手で命に責任を持つ。専門知識と行政手腕、その両輪を回すことで、73万人の日常と動物たちの未来を、今日も守り抜いています。
獣医の「目」で食中毒を未然防止
福井県庁健康福祉部の獣医師は、動物だけではなく、人間の命も救っています。食品衛生面の調査を通して「県民の食卓の安全」を、事故が起きたときはもちろん、未然に守るという側面もあります。
ある年、県内で腸管出血性大腸菌による患者が立て続けに発生し、患者が飲食チェーン店を利用していたことが確認されました。一見すると、単発の食中毒事案にも見えるケース。しかし、過去の県内事例や他自治体での発生動向、菌の型、発症までの時間などを突き合わせると「これは広域に拡大する可能性がある」という違和感が浮かび上がりました。
そこで、県内データだけで判断するのではなく、近隣自治体や本社所在地を管轄する自治体と連携し、同一チェーン・同一菌型の発生状況を緊急確認。最悪のシナリオを想定し、原因となり得る流通・製造工程にまで調査の網を広げました。その結果、特定の工程での汚染リスクが明らかになり、早期の営業停止と是正措置を実施。県内外でのさらなる患者発生を防ぐことができました。
この対応で救われたのは、目に見える「患者数」だけではありません。本来、発症していたかもしれない多くの人たちの日常、そして「当たり前に食事ができる安心」です。食品衛生行政の本質は、事故が起きた後の対応ではなく、起こさせないこと。そのために、過去事例の蓄積、データから傾向を読む力、そして獣医師として培った“症例を全体で捉える視点”が活きています。
日本代表として「世界獣医学大会」出場
「保健衛生研究」においても、地域の最前線で貢献しています。その象徴的な取り組みの一つが、衛生環境研究センター配属の獣医師が担当した薬剤耐性菌に関する研究です。犬や猫に存在する薬剤耐性菌は、動物医療の問題にとどまらず、人の医療や環境にも影響を及ぼします。そこで本研究では、人・犬猫・環境(河川など)に存在する薬剤耐性菌を横断的に調査し、それらに共通性があるのかを分析しました。
この研究は、「人の健康」「動物の健康」「環境の健康」はすべてつながっているというワンヘルス(One Health)の考え方を体現するものです。この研究を、自治体等の公衆衛生部門に勤務する獣医師が日頃の食品衛生・動物愛護・感染症対策などの実務で得た調査研究の成果を発表する「全国公衆衛生獣医師協議会(JAPHV)調査研究発表会」にて発表。
日々の業務として積み重ねてきた調査結果を、自らの視点で統合し、社会的意義のある研究へと昇華させた点が高く評価され、最優秀賞を受賞しました。その後、南アフリカ共和国で開催された世界獣医学大会に出場するという快挙につながりました。
特別な研究者だけが挑戦できる舞台ではありません。福井県庁では、日常業務の中から課題を見つけ、自らテーマを設定し、研究として深め、国内外へ発信するチャンスがあります。目の前の仕事を丁寧に積み重ねた先に、世界へとつながる道がある。福井から世界へ、エビデンスを発信するのは、福井県健康福祉部の獣医師の大きな醍醐味です。
求めれば、なんでも経験できる
動物に関わることだけではなく、あなた自身が求めればどんな機会も獣医の活躍の場になります。例えば、地域の「観光資源」。ここにも獣医師の知見が活かされます。温泉を掘る現場に立ち会った事例はベテラン職員にとっても珍事件(!?)。
しかし確かに、温泉は「観光資源」であると同時に、県民や来訪者の健康に関わる生活インフラ。温泉を新たに掘削する際には、温泉法に基づき、湧出量や成分、周辺環境への影響などを科学的に確認する必要があります。その判断に関わるのが、健康福祉部の獣医師です。
地下から湧き出る温泉水が、人の健康にとって安全かどうか。掘削が周囲の生活環境に悪影響を及ぼさないか。専門知識をもとにデータを読み解き、事業者や他部局と調整しながら、掘削の可否や管理方法を判断します。そして実際の掘削にも立ち会います。机上だけでは得られないリアルな現場に触れられるのが福井県庁獣医師の面白みです。
動物も人も社会も守れるのが、福井県庁健康福祉部の獣医師
福井県庁健康福祉部の獣医師は、動物と人間の間に立ち、その間の溝を埋める道をつくる仕事。そしてその道は、あなた次第でどんな方向へも広がります。
「動物の医療」という枠を超え、研究、政策立案・運営といった幅広い分野で専門知識を発揮し、73万人の未来をも支える...。知らなかった世界に飛び込み、知的好奇心を地域の資源や暮らし全体を守る力に変えたい人にこそ、挑戦してほしいです。
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【福井県庁健康福祉部】獣医師パンフレット(PDF形式 10,457キロバイト)
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