知事記者会見の概要(平成27年4月28日(火))

最終更新日 2015年4月30日ページID 029587

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平成27年4月28日(火曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

 
H27.4会見
  

 

 

 

【知事】

 今日は、発表事項は4点ありますが、県警察本部、県公安委員会と関係しますので、その点について最初に申し上げます。

 福井県と県公安委員会、それから県警察とが共同で策定した「安全・安心ふくい」万全プランについて、井上県警察本部長とともに説明、発表します。

〔資料:「安全・安心ふくい」万全プラン

 この治安に関するプランは、平成15年に全国初の試みとして県公安委員会、県警察と共同でつくり、それ以降、2年ごとに変えておりますが、私が知事に就任した平成15年当時、治安状況は非常に課題が多かったのですが、最初は治安回復、それから、「向上」、「実現」、「実感」、「充実」ということで推進をしております。改定を重ね、皆様とともに確実に治安対策を進めている状況です。この結果、刑法犯認知件数は12年連続で減少し、また、車上狙いや空き巣など県民が身近に不安を感じる犯罪も、この4年間で大きく減少するなどの成果を上げております。

 そうした中、私が今回、「元気あふれる日本一のふるさと」という「福井ふるさと元気宣言」をつくったのですが、この中の12の政策の柱の1つとして、「日本一の安全・安心(治安充実から治安万全へ)」というものを掲げております。福井県に住むひと、あるいは来るひとの豊かな人生を実現するためには、数字面での治安の良さはもとより、福井の治安が万全だと感じられるものでなければならないわけです。

 そこで、新しいプランは、高速交通網の充実してきており、これからもさらに充実をするという背景、また、インターネットあるいはハイテクなどの社会の変化など、日々の社会情勢の変化によって大きく犯罪の状況も変わりつつあります。それから、相変わらず子どもあるいは女性を狙った非常に日常的な場での犯罪や振り込め詐欺などが行われていますので、県民の皆さんがいろんな面で安全・安心に暮らせる社会の実現に向けて「万全」を期したいということから、今回プランを「万全プラン」としております。

 この重点は、私から3点コメントしたいと思いますが、1つは、お手元の資料の3、4ページです。子どもへの声かけ事案が後を絶たない、むしろ増えているということです。また、高齢者の特殊詐欺の被害も増加していますので、前回の充実プランでは2番目の柱に設定した「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」を今回は第1の柱にしております。

 その中で、「子どもと女性の安全安心」ですが、昨年は子どもへの声かけ事案が252件発生し、前年と同程度であります。また、女性が被害に遭う犯罪は159件と24件増加しています。子ども、女性を犯罪から守るためには、声かけ事案などが重大な犯罪に発展する一種の予兆ですので、県警察ではこれらの事案に関する先制的、あるいは予防的活動を一層強化するという決意で臨まれると伺っております。

 また、県ではこれまでの登下校の見守り活動に加え、新たに声かけ事案発生後に発生場所の集中的な見守り活動を行うなど、不審者を寄せ付けない体制をつくるということが3ページに書いてあります。また、4ページですが、地域防犯団体、これは防犯隊という名前が付けられているものが多いわけですが、声かけ事案発生場所の安全点検を定期的に実行し、学校等に情報提供していくということです。

 さらに、ストーカー・DV事件については、県警察において加害者に対する積極的かつ迅速な検挙等と被害者の安全確保の対策の推進などを行うということです。このほか、県警察と協力しながら、保護者、子ども見守り隊、防犯隊など地域の力によって安全を強化してまいります。

 次に、「高齢者の安全安心」ですが、振り込め詐欺等の特殊詐欺が問題となっています。このため、高齢者への巡回連絡などにより、一人ひとりに直接注意喚起を行うとともに、福祉事業所のケアマネジャーなどが高齢者に対して特殊詐欺の手口を伝え、注意を呼びかけるなど、官民一体となった特殊詐欺撲滅に向けた県民運動を繰り広げてまいりたいと思います。

 次に、5ページ、6ページですが、「犯罪の起きにくい社会をつくる」ということです。昨年の本県の刑法犯認知件数は4,871件と戦後最少を記録しており、一定の改善が見られます。しかしながら、冒頭申し上げましたが、交通網の発達、インターネット、新しいハイテク技術等の進展により、犯罪の広域化・凶悪化が懸念され、また、突発的な事件も未然防止をする必要があります。このためには、制服警察官の活動が結果として県民の目によく見えるような活動が重要です。そこで、県警察において「犯罪情勢に即した『見える・見せる活動』プロジェクト」として、警察官・パトカーによるパトロールを強化し、犯罪・交通事故を未然に防止する対策を講じていただく。これは5ページに書いてございます。

 3点目は、9ページから11ページですが、「交通事故から県民を守る」ということです。昨年の人身事故件数は2,416件と平成17年以降10年連続で減少し、過去最多の昭和46年の4割以下になっています。また、交通事故死者数は49人で、前年より8人減少をしているという結果です。3年後の国体開催に向けて、この減少傾向を維持するため、交通事故の対策にも力を注いでいく必要があります。

 通学路・生活道路の安全対策として、県、市町、道路管理者、県警察などからなる「交通安全推進連絡協議会」を新たに設置します。この協議会においてビッグデータを保有する自動車会社と連携をし、通学路上の速度超過地点における重点的な見守り活動や路面標示を改良するなど、ソフト・ハード合わせた交通事故抑止対策を総合的に検討してまいります。これが10ページに書いてございます。

 また、現在、県下20か所、約15kmで整備済みの「自転車安心通行帯」を今後さらに整備していくとともに、「子どもを見かけたらスローダウン」運動を、県警察、市町、各種団体とともに県民運動として展開してまいります。これも10ページに書いてございます。

 こうしたことを主な内容とするプランを県民、県公安委員会、県警察、県がともに力を合わせて展開することによって、次の2年間、日本一安全で安心な福井県を目指したいと考えておりますので、皆様のご協力をお願いしたいと思います。

 

【県警本部長】

 それでは、私から「安全・安心ふくい」万全プランにおける県警察の取組みについて簡単にご説明させていただきます。

 平成25年4月から「安全・安心ふくい」充実プランに基づく施策に取り組みました結果、平成26年の刑法犯認知件数が戦後最少になるなど、治安水準に一定の改善が認められ、充実プランに基づく施策が効果的であったと認識しているところです。

 一方、昨年は、一昨年と比べますと子どもへの声かけ事案が高止まり状態であるほか、女性が被害者となる犯罪が増加し、また、高齢者が被害者となることが多い特殊詐欺の被害が急増するなど、これらのことが治安上の課題となっているところです。

 そこで、治安のさらなる向上に向けて、これまでの充実プランを継承しつつ、施策を充実させ治安に万全を期すとの趣旨のもと、「安全・安心ふくい」万全プランを作成しました。万全プランの柱は、これまでの充実プランの6本柱と同じであり、そういう点では変更はございませんが、子ども、女性、高齢者を巡る昨今の治安情勢を踏まえて、これまでの充実プランでは2番目の柱に設定していた「子ども、女性、高齢者を犯罪から守る」を今回は1番目の柱としました。さらに、これにつきましては抑止対策だけではなく、検挙に関する事項を盛り込むなどして、施策を充実させたところです。

 この内容は、子どもさんの通学路の警戒や不審者情報の発信を充実させるほか、女性が被害者となるストーカー等の犯罪では被害者の生命・身体の安全確保を最優先にした保護対策、それから加害者の取締りの強化、また、高齢者の被害が多い特殊詐欺につきましては、その手口や防止策をタイムリーに提供することなどを新たに盛り込んでいるところです。

 次に、第2の柱であります「犯罪の起きにくい社会をつくる」という項目についてです。犯罪が発生せず、被害者が生まれないということがもちろん何よりも望ましいことですので、こちらにつきましても引き続き力を入れていきたいと考えております。

 福井県は地域による防犯活動が大変進んでいると感じているところであり、ぜひこの強みをさらに生かして、自主防犯活動の活性化や地域の防犯力の向上を図るほか、犯罪多発地域でのパトロールの強化等による「見える・見せる活動」を展開していきたいと考えております。

 次に、第3の柱は「犯罪の取締りを強化する」としております。残念ながら犯罪が発生してしまったときには、これを検挙し、そして、次の犯罪の発生を止めることが重要だと考えております。このため、捜査支援システムの拡充整備などにより、広域的な犯罪への対応を強化するほか、危険ドラッグなどの取締りを強化していきたいと考えております。

 次に、第4の柱の「交通事故から県民を守る」につきましては、今までの目標であります交通事故死者数35人以下が達成できておりません。また、高齢者がお亡くなりになる事故が多いことから、危険歩行者に対する現場での指導や高齢者宅訪問による啓発活動などを進めていきたいと考えております。

 次に、第5の柱は、「テロ、大規模災害等から県民を守る」としております。災害はいつ起きるか分からず、また、日本を取り巻くテロ情勢も大きく変化しているところであります。したがいまして、大規模災害対策などを推進していきたいと考えております。

 そして、第6の柱は、「治安基盤を強化する」としております。ここはどちらかといいますと通信指令の人材の育成や捜査環境の変化への対応等、部内的な強化が中心ではありますが、被害者支援の充実などもこちらの方に入れておりまして、この点につきましても力を入れていきたいと考えております。

 以上、県警察では今後とも県をはじめ関係機関、団体、県民の皆様と力を合わせて、安全で安心して暮らせる福井県を実現するため全力を尽くしてまいりたいと考えております。

 私からは以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 近年の犯罪として、危険ドラッグの密造工場が福井にあったり、銘板盗など広域的な犯罪に関わった人物が福井にいたといった事件があり、一県民、市民として、意外と福井は密かに水面下で狙われているのではないかという印象も受けたりもしますが、そういった犯罪に対して、特別な新たな取組みとかというのはあるのでしょうか。

 

【県警本部長】

 福井県は基本的には非常に安全な地域だと考えていますが、やはり交通機関等の発展、それからインターネットの発展等により、これまで維持されてきた安全が、これからも今まで同様に確保されていくかどうかという点につきましては、警察の方としても一層力を入れていかなければいけないと考えているところです。そういう点では、世の中の変化に応じて我々の方でも対応ができるようにいろいろと考えて、この中に施策を入れているつもりですので、県民の方々に安心していただけるように対応を進めていきたいと考えております。

 

【記者】

 昨年夏以降、殺人事件が7件あるのですが、そういったものも今回のプランの中でどのように盛り込まれているのですか。もう1つ、特殊詐欺などで速やかな公開と仰りましたが、それはどのような基準でされるのでしょうか。

 

【県警本部長】

 殺人につきましては、我々としては、まず気をつけておりますのは初動捜査です。やはり時間が経てば経つほど検挙は難しくなりますので、初動の捜査に力を入れていきたいというのが、まず基本的なことだと考えております。それから、科学的な鑑識活動等が今まで以上に重要になると考えておりますので、そういう点も強化していくことが必要であると考えております。

 また、特殊詐欺につきましては、もちろん被疑者の検挙を進めていきたいということが一方であります。それから、もう一方では、やはり電話を受けられる方々に対してきちんとタイムリーなご説明をさせていただくことによって、犯罪を受けにくいような県にしていきたいということを基本的に考えて対策を進めていきたいと考えております。

 

【記者】

 柱の5、「テロ、大規模災害等から県民を守る」ということに絡んで1つお願いします。県内には原子力の関連施設が多数あります。昨今、ドローンのような空を飛ぶ物体の警備が注目を浴びていますが、これまでは空域に関する原子力関連施設の警備というのはどのような体制だったのか、そして、これから強化とありますが、どのような強化を考えているのか、本部長の見解をお願いします。

 

【県警本部長】

 空域に関しましても、警察としてもその警戒監視というところは従来からやっていたところですが、実際このような事案が起きたというのが事実でありますので、そこは体制等を考えて、これまで以上に警戒監視の強化、それから、周辺における職質等の対応を進めていきたいと考えております。また、今後につきましては、国の方で新たな施策が議論されていると承知しておりますので、その方向性が決まりましたら、また改めて我々の方としてもそれを取り入れて対策を進めていきたいと考えております。

 

【知事】

 では、よろしくお願いします。

 

【井上県警本部長】

 よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

 

【知事】

 それでは、他の説明事項に移ります。観光客の1,300万人に向けてということを申し上げたいと思います。連休の前ですので、若干感想なども含めての話になります。

〔資料:観光客1300万に向けて

 昨年は、あわら温泉での「芦湯」や鯖江市の道の駅「西山公園」が4月にオープンし、また、7月には野外恐竜博物館など新しい観光スポットがオープンしました。また、7月から11月にかけて「海湖と歴史の若狭路」キャンペーン、また、大宮駅や上野駅など首都圏での新幹線沿線での宣伝など誘客拡大に努めました。こうした結果、平成26年の本県への観光客入込みは初めて1,100万人を超える見込みとなったという状況です。

 昨年は、特に、越前大野城が「天空の城」として話題になるなど、「大野まちなか」の観光客が前年5割増であるとか、「若狭さとうみハイウェイ」の影響もあったと思いますが、おおい町で道の駅「うみんぴあ大飯」ができるとか、レインボーラインの入込み客などが増加し、そういう結果になっております。それぞれの詳しい観光地の状況については、引き続き分析、調査をしたいと思います。

 今年に入ってから、北陸新幹線が開業し、中部縦貫道が北陸道と直結するなど、さらに道路・鉄道条件が整ってまいりましたので、引き続き観光地のレベルアップや誘客宣伝に努め、観光客1,300万人の実現を次の目標として営業したいと考えております。

 それから、北陸新幹線金沢開業後の最近の状況、1か月余りの状況であります。3月14日から4月13日までの入込み状況を大まかに申し上げますと、一乗谷朝倉氏遺跡では昨年に比べて5割以上の増加、永平寺は2割以上の増加になるなど、効果は上がってきております。こうした効果が継続するよう、金沢開業後、毎週日曜日と祝日にJR系バス会社が金沢駅から大野まちなかや恐竜博物館などの観光地を巡るバスの運行を始めています。これから交通機関やレンタカー会社と連携し、2次交通を充実させ、観光客の利便、周遊性を高めてまいりたいと考えます。

 それから、首都圏等での誘客宣伝の強化ですが、ゴールデンウィーク中にJR秋葉原駅とその周辺において誘客プロモーションを実施します。JR秋葉原駅は1日約50万人が乗降する大きな駅であるそうです。恐竜骨格標本の展示や動く恐竜ライブショーを実施するなど、本県の断トツのブランドである「恐竜」を前面に出してPRをしてまいります。さらに、首都圏等からの宿泊客の増加を図るため、カタログギフト「福のおみやげ」を抽選でプレゼントするなどのキャンペーンを3月14日から6月30日まで首都圏からの観光客を対象に実行いたします。7月からは、関西・中京圏や航空機を利用する観光客にも対象を拡大して実行します。

 それから、明日からいよいよゴールデンウィークです。県内でもさまざまなイベントが開かれるので、この機会にぜひ家族揃って、まずは県内の観光地を皆さんで訪れてほしいと思っております。

 県関連で申し上げますと、昨年オープンした野外恐竜博物館が、4月25日から既に再開しております。今年はこの野外恐竜博物館での滞在時間60分を全て化石発掘体験ができるコース等を新設するなど、リピーターの方にも楽しんでいただく予定です。

 また、歴史博物館では、明治・大正期の福井出身の写真家、丸木利陽氏の写真展を4月25日から5月31日まで開催しております。教科書などで明治の元勲の写真を見ますと何となくこういう性格の方かと分かるような非常に立派な写真家だと、こんな印象を持っています。JTBの田川会長の曾祖父に当たる方だということであり、オープンのときは田川会長もお見えになったところです。

 それから、こども歴史文化館では、選抜野球の敦賀気比高校の優勝記念展を開催します。県庁での展示では子どもたちが十分にゆっくりお休みのときに触れていただいていないようですので、5月2日から10日まで記念展を開催したいと思います。

 また、今週末には福井市内で国内最大級のロボット競技会である「ロボカップジャパンオープン」が開かれる予定です。5月2日から4日まで、産業会館、生活学習館で行われます。(ビデオ上映)

 ゴールデンウィーク以降も、7月から11月までの5か月間にわたり、「海湖と歴史の若狭路」キャンペーン第2弾を予定しております。

 それから、10月から12月にかけて、JR各社と北陸3県で連携して北陸デスティネーションキャンペーンを実施したいと思っております。

 

 3番目は、水月湖「年縞」の活用です。水月湖の「年縞」も恐竜と並び、全国に発信すべき福井の宝になるのではないかと思います。このため、地質学的年代の世界標準としての学術価値をさらに高めるとともに、学校教育や学術観光などに活用していくことが重要ですし、最近は教科書などにも年縞が教材の中に入っているという状況です。

〔資料:水月湖年縞について

 昨年夏に水月湖において採取し直した年縞のコアの一部を立命館大学古気候学研究センター長の中川毅教授の協力を得て、県内外の方々に広く紹介するための移動展示物といいますか、そういうスタイルで加工を行ってまいりました。このたび、この展示アイテムが完成し、まず、明日29日(水・祝)から若狭町にある里山里海湖研究所において公開を開始します。年縞コアの縞模様がこれほどはっきり見える実物展示は世界でも数少なく、見学していただければと思います。厚さは50ミクロンだそうです。

 今後は県内の公共施設、学校やイベント等で順次展示していくとともに、国立科学博物館との共同企画開催について協議を進めております。また、この価値を高めるためには、採取した年縞コアを基に、新たな分野の研究を展開していくことが重要です。現在、立命館大学との共同研究体制の構築に向けて協議を行っているところです。

 

 4点目、最後ですが、これは歴史の話になりますが、羽柴秀吉の書状の発見ということです。

〔資料:羽柴秀吉書状について

 このたび、朝倉氏の滅亡を伝える羽柴秀吉の書状が明らかになったということです。この書状は天正元年(1573年)の織田信長による朝倉攻めの際に、従軍していた羽柴秀吉が、その結果を丹後の国の矢野備後守という人物に対し送ったものであり、朝倉義景の最期を最も早く知らせた書状だそうです。義景の自害や織田信長の越前出兵の経緯、越前における信長と義景の攻防、また、滋賀県の小谷城攻めの計画など、当時の戦況を残しているということであり、これまでの研究者の間でも知られていなかったものですので、貴重な資料ということです。

 なお、秀吉が発給した文書は約7千点あるそうですが、朝倉氏の戦況を伝えたものはこの1件のみだそうです。秀吉が木下藤吉郎から羽柴秀吉になってからの2通目の発給文書だそうです。

 一乗谷朝倉氏遺跡資料館では、朝倉氏ゆかりの重要資料について情報収集をしていたところ、今回、島根県に住んでおられる所蔵者(個人)から情報提供があり、入手したものです。来月2日(火)から、資料館において、信長の越前侵攻にスポットを当てた特別展を開き、今回の書を公開することにしております。

 私からの報告は以上です。

 

~質疑~

 

【記者】

 書状は購入をされているのですか。

 

【知事】

 購入しています。

 

【記者】

 お幾らでしょうか。

 

【企画幹(文化振興)】

 210万円でございます。

 

【記者】

 資料を集めていた中で、島根の方から連絡があったということですか。

 

【企画幹(文化振興)】

 そうです。朝倉氏に関する資料の情報収集をしていたところ、島根県の方から情報提供があったということです。

 

【知事】

 いろいろこういう世界は、経緯など、その手続きはやや微妙なところもありますが、できるだけたくさん入手できないといけませんので、古書店から出てきたり、あるいはオークションと、いろんなことがあります。

 

【記者】

 年縞について、先ほど、新分野の研究の展開も大学と検討しているというお話もありましたが、例えば具体的に…。

 

【知事】

 これは、高さで言うと、30、40m蓄積した年縞ですが、それぞれの1mmなら1mmの中に花粉やいろんな土砂一般、いろんな情報が入っていますが、それをいかに分析して世界の研究者にそれを提供したり、あるいは、立命館大学と連携するこの場所にいろんな人に来ていただいて、使い道の拡大、特に気象学とかそういうところが重要ですので、それをこれからどんどん進めたいということです。そうしますと、そこでいろんな使うときのお金とかそういうものも、研究費として確保できるわけです。そういうことを広めたい。

 

【記者】

 拠点はやはり里山里海湖研究所でやるということですか。

 

【知事】

 そうですね。だから、立命館大学がいかに福井の方に学者、あるいは活動を移していただけるかというのがかなり重要なポイントになると思います。もちろん立命館大学でやっても悪くはないのでしょうが、我々としては物があるこちらでやっていただく方が地方創生とかいろんな観点からも良いでしょうし、また、面白いだろうと思っておりますので、立命館大学と協議してということです。

 

【記者】

 秀吉の書状ですが、これは、新発見資料になるのですか。

 

【知事】

 そうです。

 

【記者】

 この価値は、どの程度のものなのですか。歴史的に何か新しいことが書かれているとか、そういうことはありますか。

 

【知事】

 専門家ではありませんが、信長攻めを受けて一乗谷で朝倉家が滅亡したというのは歴史的な経過ですが、秀吉がこれを報告していることですから、そういう意味で、彼がどんな認識でそれを伝えたかという意義があるのかなと思うんですが。

 

【企画幹(文化振興)】

 これ以外に朝倉氏の滅亡を語る同時期の関係文書としては、あと2通確認されており、1通は織田信長の覚書で、西本願寺に所蔵されております。もう1通は織田信重の書状で、真田宝物館に所蔵されております。今回入手した資料は、3点の中で最も早く朝倉氏の滅亡を伝えたという意味で非常に貴重であると考えております。

 

【記者】

 本物と裏付けるポイントみたいなところは何ですか。

 

【知事】

 これは資料評価委員会に依頼をして確認をしたということです。評価委員というのは、京都大学の藤井名誉教授、中京大学の播磨教授、椙山女学園の加藤教授に評価をしていただきました。

 

【一乗谷朝倉氏遺跡資料館文献調査専門員】

 鑑定した根拠は、書かれております文字、内容、それから、秀吉の花押、署名の下に独特の形でサインの代わりになるような花押というのを添えるのですが、その形状、紙の形式、それから、折り方、そういったことから総合的に判断されて、本物であるということが確認されたということです。

 

【記者】

 購入されたのは、時期はいつですか。

 

【文献調査専門員】

 3月です。

 

【記者】

 原発についてお伺いします。昨年8月に廃炉・新電源対策室が報告書を出した際に、大学、事業者、経済界などで近く検討会を設けて、国に対して廃炉に関する対策について提言する、と県として発表されていますが、この検討会というのはもう設けられているのでしょうか。

 

【安全環境部長】

 はい。もう経済界、大学等と設けて、現に活動、協議をしております。

 

【記者】

 それは、いつ、どういうメンバーなのか教えてください。

 

【安全環境部長】

 メンバーは、福井大学の原子力工学研究所の所長をはじめ、電力事業者、プラントメーカーなどが構成員となっているところです。

 

【記者】

 それは公開しないのはなぜでしょうか。

 

【安全環境部長】

 今、協議・検討の途中ですので、また成果が出た段階で発表をさせていただきたいと考えております。

 

【記者】

 14日に福井地裁の仮処分の決定があり、これがこれからの地元の判断にどう影響を与えていくかお伺いしたいのですが。政府も粛々と、安全であると原子力規制委員会が認めたものは進めていくということですが、福井県としてこの進め方について、最終的な決定がどうなるかというところまで地元として判断を進めていかないのか、それとも、司法は司法として、今粛々と検討して、できることは進めていくという考えなのか、どういうスタンスでしょうか。

 

【知事】

 これは仮処分に対して関西電力が取消し申請というのでしょうか、手続きをしておるわけであり、こうした動きを十分見る必要がありますし、その間、国もそうでしょうが、我々としても対応できるさまざまな検討とか、あるいは手続きがありますので、それは進めていくということかと思います。ただ、これからどんなふうに時間的にも内容的にも展開するか、まだ分からないところがありますので、その状況を見ながら進めるという今のところの状況かと思います。

 

【記者】

 仮の話で申し訳ないのですが、例えば3年後に何かしらの最終的な結論が出たときに、3年経ったそのときに県として最終的な判断を出すものなのか、県として手続きなどを進めながら行けるところまで行って、判断を出してしまうものなのか、その辺のニュアンスというか、考え方としてはいかがでしょうか。

 

【知事】

 まだそこは決めておりません。

 

【記者】

 先週、経済産業省がエネルギーミックスについて、原発の比率を20から22%という数字を出しましたが、これまでも福井県の原発をこれからどうするかというときに、ベストミックスという数字が非常に大きな意味を持つという認識を示されていますけれども、今回のその数字が出たことの受け止めはいかがでしょうか。

 

【知事】

 これはいろんな結論がどう出るかというのがありますが、いずれにしても、福島の事故以来、電源構成比率をどうするかというのは大きな日本としての課題でありますし、さまざまいろんな意見があるわけですけれども、それを議論をし、方向を出すということは重要なことだと思います。ただ、数字を出すことに意味があるということだけでとどまってはいけないわけであり、その積極的な意味付けというのがまた必要です、原子力についても。そうなったのだとかいうことではありませんから。

 したがって、数字のみならず、これからの原子力エネルギーの重要な技術、安全対策も含めたそれの継承とか、それから、そのことはとりもなおさず今全国にある、福井県にもたくさんありますが、原子力発電所の安全管理あるいは国民の信頼に深く関わることになります。これがどうなるかということがですね。かつ、これからリプレースとか、あるいはより安全なプラントをどう考えていくのかということについても、いろんな方向が出ることが重要かなとも思います。

 いずれにしても、原子力エネルギーの一定の確保は、現状では必要なことでありますし、国の安全保障とか、国の力といいますか、そういうものに深く関わることですので、国として、また、我々も、重要な関心事としてこの問題に対応する必要があるだろうと思います。

 

【記者】

 今、国の安全保障とか、一定の原子力の確保が必要だというお話もありましたが、例えば20%を原子力で確保しようと思うと、結構高経年化した古い原発なんかも動かしていかないと、現状その数字は確保できないのではないかなと考えるのですが。

 

【知事】

 これは、40年の延長の問題の個別の判断と、それから、新しい原子力発電所をどうするのかという置換の問題もありますし、かなり技術的な話がここに絡んできますので、今回、電源構成比率がどんなふうに出てくるか、またこれは個別の委員会の報告ですから、別に親委員会もありますし、そういうところでどんな議論が行われるのかということになると思います。私もそのメンバーになっておりますので。

 

【記者】

 同意の手続きで、進められるものは進めるというのは、具体的に言うとどんなことになるのですか。

 

【知事】

 要するに原子炉の設置の変更許可、その計画の実行計画、それから、運転の安全管理の計画、この3つがありますので、川内発電所では最初のところで地元が同意ということですが、我々としては、その一つひとつのチェックと全体としての3つ、これを総合的に議論していくということです。既に申し上げていますが、政府における原子力の重要性や必要性のいろんな考え方を国民に十分説得するとか、いろんな提案もしておりますので、そういう状況をよく見て判断をすることになるということです。そういう手続き的、あるいは個別のプラントの判断、3つの手続きの、それから、それを取り巻く環境の対応といいますか、そういうものがあるといとことです。

 

【記者】

 工事計画認可と保安規定と原子炉設置変更許可と、この3つの審査に関しては、県の方でも専門委員会などで確認する手続きは進めていくということですか。

 

【知事】

 これは一つひとつ進めていくということです。このことと仮処分が今出されていることは直接影響のないことだということです。

 

【記者】

 そもそもこの仮処分の福井地裁の再稼働を差し止めた決定内容に対する知事のお考えを改めてお伺いしたいのですが。

 

【知事】

 それはそのときに出したコメントと変わりませんが。

 

【記者】

 政府や行政側が再稼働を進めるとしているのですが、福井地裁のレベルですが、司法が差し止めるという状況になっていることを含めて、三権分立だから関係ないとは仰るかもしれませんが、その内容自体にどう思われるか。

 

【知事】

 福井地裁と鹿児島地裁の判断が非常に、ほぼ同じ事柄だと思いますけれども、分かれているということも、こうした問題の判断の意味について国民はいろいろ考えをお持ちになると思うのです。ですから、やはりこれはこれとして司法の判断で、遅滞なくこの判断が良いのか悪いのかというさらなる手続きが進められないといけなと思いますが、やはり原子力の重要性とか安全についてかねがね申し上げていますけれども、国が国民に対し責任ある見解を十分折りあるごとに示すといいますか、そういうものがなお必要ではないかと思います。

 

【記者】

 仮処分の件ですが、当日コメントという対応で、実際にぶら下がりにはいらっしゃらなかったというのは、何か理由はあるのでしょうか。

 

【知事】

 特にありませんが、そういうので対応したということであります。

 

【記者】

 先日、若狭の鯖街道が日本遺産に選ばれたときには出ていらっしゃったのですけれども、今回の仮処分も福井県にとっては重要な影響が生じる問題だったと思いますが、そこで実際に今聞いたような内容を当日に私たちも聞きたかったのですが、いらっしゃらなかったというのは何か深い理由が…。

 

【知事】

 特に理由はありません。日本遺産は私が言わないと分からないと思いますし、意味が。ものによってそれぞれ違うと思います。

 

【記者】

 コメントだけではやはり分からないことが多く、やりとりの中で誤解を生じないようにしていきたいと思うので、今後こういう大事な局面はぶら下がりをしてほしいのですが。

 

【知事】

 コメントははっきり言葉で書いてありますから、一番正確だと思っておりますが。

 

【記者】

 あれでは分からないことがとても多いので。

 

【知事】

 もし分からないのであれば、ご質問していただければと思います。

 

【記者】

 それは担当課に聞くということですか、知事ではなくて。

 

【知事】

 それはどういうやり方もあるかと思いますが。

 

【記者】

 よろしくお願いします。

―― 了 ――

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