知事記者会見の概要(平成27年10月23日(金))
平成27年10月23日(金曜日)
13:00~14:10
県庁 特別会議室
【知事】
今日は5点発表します。北陸新幹線開業後の入込状況、越前がにの新しいブランド、福井のあゆみ写真展、3R推進全国大会、それから、ミラノ万博について申し上げます。
まず、昨日はプロ野球のドラフト会議があり、本県出身者から、敦賀気比高校出身の吉田正尚選手(青山学院大学)がオリックスから1位指名され、敦賀気比高校3年生の平沼翔太選手が日本ハムに指名されました。それから、敦賀気比高校出身の西川龍馬選手が広島カープに指名されました。
福井県は、統計を見ますと人口当たり最もプロ野球の選手が多い県で、人口10万人当たりのプロ野球選手数が1.6人です。
先日の北信越高校野球大会でも、敦賀気比高校が優勝、福井工大福井高校が準優勝ということであり、来年の選抜大会に県から2校選出の可能性も大いにあります。
また、この夏には日本少年野球選手権大会中学生の部で、鯖江ボーイズが県勢26年ぶりの優勝。もちろん選抜高校野球の敦賀気比高校の優勝もありますが、福井国体等々に向けてスポーツ競技力の向上を応援してまいりたいと思います。
それでは、本題に入りますが、新幹線の開業後の入込状況と観光地のスケールアップであります。
新幹線開業後の観光客の増加傾向は継続しており、開業後3月から9月までの状況ですが、一乗谷朝倉氏遺跡、越前松島水族館、大本山永平寺、恐竜博物館、氣比神宮、御食国若狭おばま食文化館、レインボーライン、こども家族館の主要観光地8か所の入込数は、前年同期に比べて22%増ということです。
また、先月末に発表された地域ブランド調査における魅力度ランキングでは、福井県の順番が前年の45位から29位と、20位台にようやく乗ったという感じでしょうか。これからもさらによく魅力が伝わるように努力したいと思います。
これは新幹線開業、また昨年の「若狭さとうみハイウェイ」などのいわゆる交通条件が良くなったことと、これに伴い北陸全体のいろいろなPRが全体に高まっているということもあろうかと思います。
こういう中で、この10月から12月までの3か月間はJRと北陸3県との共同による北陸デスティネーションキャンペーンを展開しておりますので、さらにその傾向を強めてまいりたいと思います。
特にいろいろな観光地の充実が大事です。県が観光拠点の整備を市町と一緒に応援する「観光まちなみ魅力アップ事業」により、10月10日には福井市の「グリフィス記念館」、10月14日には「敦賀赤レンガ倉庫」がオープンし、来客も多いようです。
また、別の事業として「ふるさと創造プロジェクト」がありますが、明日24日に一乗谷朝倉氏遺跡内に福井の食材、伝統工芸を使った「一乗谷レストラント」が開業します。月末31日には、「北前船主の館・右近家」の離れが案内施設兼休憩所としてリニューアルオープンします。ご利用なりご見学をしていただければと思います。
〔資料:今月オープンの観光施設〕
今後も、来年春には小浜市の「旧旭座」を活かした「まちの駅」、さらには永平寺門前の整備なども進めていきますし、もちろん福井市の駅前なども整備が進むと思いますので、そういう傾向を強めてまいりたいというのが1つ目のお話です。
それから、2つ目は新しいブランド、越前がに「極」の販売開始です。
〔資料:越前がに「極」〕
いよいよ11月6日に越前がに漁が解禁されます。ズワイガニは11月6日から3月20日まで。セイコガニは同じく11月6日に解禁をし、12月31日まで。それから、水ガニは来年2月9日解禁し、3月20日まで。
県としては福井県のトップブランドである「越前がに」ブランドをさらに強化するため、今年の漁から、重さが1.3kg、甲羅の幅が14.5cm以上などの条件で、形態や味も立派だというものを「越前がに」の最高級のブランドとして売り出したいと思います。
ブランドの名称は、「極(きわみ)」です。これは1年間にそんなに獲れないので、せいぜい500杯前後だと思います。雄ガニ全体の0.5%ぐらいの確率になると思います。これはそういう特別の値段で売っていくということになります。もちろんこれより体重が少なくても立派なカニはたくさんありますが、こういうタイプのものをいわゆる観光営業戦略として市場に出していくということです。
また、出漁前の11月5日夜、今回初めて、大漁と安全操業を祈願する「出漁式」を越前漁港大樟でやりますので、報道の皆さんにはぜひその様子をご覧いただくと同時に、またPRもしていただければと思っています。
次に、3つ目ですが、「幸福日本一に至る福井のあゆみ写真展」です。
〔資料:幸福日本一に至る福井のあゆみ写真展〕
福井県は、大学や民間調査機関のランキングで幸せが非常に高い県だということです。折りしも戦後70年、また3年後には明治維新150年ということです。由利公正、松平春嶽、橋本左内など、また、近世に至っては敦賀の大和田荘七、そういういろいろな先人の業績に加え、福井震災、昭和38年、56年の大雪、福井豪雨などの災害を乗り越え、また交通条件の整備等、様々な県民の努力によって今日になっているわけであり、こうした明治以来の先人たちの功績にも触れながら、次の3つのテーマで写真展を実施したいと思います。
1つはインフラの整備、福井の教育、生活スタイルの変化を中心とする「県民の生活環境の向上と変化」の様子を写真で見ていただき、実感していただく。
もう1つは産業面ですが、繊維・眼鏡、あるいは農林水産業、伝統工芸などの発展を紹介する「産業の発展と雇用環境の改善」です。奥さんが赤ちゃんをおんぶして、織物の機械の修理をしているという写真も昔ありましたが、そういう時代と今は何がどう違うのかということ。
それから、地域の伝統行事や祭り、災害対応という地域との関係、文化などの関係、家族の絆などのテーマで写真展を実施したいと思っています。
まず、11月30日から12月2日までの県庁1階県庁ホールをスタートに、12月4日から10日まではJR福井駅周辺の3か所において開きたいと思っております。また、12月12日から18日までは小浜市の若狭図書学習センターにおいて開く予定です。
県民の皆さんからも、ご家庭で持っている写真、またビジネスあるいは趣味で写真を撮っておられる方から、そういう写真を広く募集したいと思います。募集期間は10月23日から11月6日まで。写真の例としては、青空教室、結核集団検診、学校給食、嫁入りの様子、饅頭まきなど、そんな写真も面白いと思います。産業関係では、金の卵なんて言われていましたが、集団就職の歓迎風景や共同作業で行っている農業の様子など。それから、地域や家族の関係では、伝統行事の楽しい様子、あるいは防災の様子、そのようなものを歓迎します。もっとも、全然違うタイプの面白い写真があるかもしれません。
また、来年2月7日のふるさとの日には、こうしたことに対するシンポジウムを開き、幸福日本一までの軌跡を振り返るスライド、フイルム等の上映、パネルディスカッションなどを行いたいと思っています。
なお、この事業で使用した写真、パネル、スライド、フイルム等は、その後、小学校や公民館などに貸し出しもしたいと考えています。
次に、4点目ですが、「3R推進全国大会」です。
物を大切にし、ごみの減量化や再資源化を進める「3R推進全国大会」。3Rというのはリデュース、物を大切に使い、ごみを減らすという意味です。リユース、使える物は、繰り返し使う。それからリサイクル、ごみを資源として再び利用する。この3Rです。
国においては、環境省を中心にこうした活動をしているわけですが、第10回の全国大会を、来月11月21日、ユー・アイふくい(県生活学習館)において開きますので、今日、環境省と同時に発表します。
〔資料:3R推進全国大会概要、チラシ〕
3R活動を実践するリーダーによる講演のほか、おいしい物を適量食べる運動として、本県が始めた「おいしいふくい食べきり運動」推進のパネルディスカッションなども行いたいと思います。全国から企業、団体、自治体など、こうした運動に関わる約500名の皆さんが集まる予定です。
なお、大会当日は、会場に隣接する県産業会館において、「ふくい味の祭典」、また「北陸3県食の祭典」が開かれており、出席者には、「天皇の料理番」秋山徳蔵を生んだ福井県のおいしい食材、食育に関する活動などもあわせてPRしたいと思います。
5点目は、ミラノ万博におけるセールスの話です。
明日24日から27日までの4日間、ミラノ万博の日本館において福井県のブースを展開します。ミラノ万博自体は、5月1日から10月31日まで184日間を予定している国際博覧会です。福井県ブースのテーマは、「禅(ZEN)と精進料理の福井」です。敦賀市、大野市、鯖江市、越前市、永平寺町、越前町、県JAグループが共催をします。小浜市も独自で既に7月20日から23日まで4日間先行して行っています。いよいよ今月末が閉会ですので、一番の後半戦の時期に行うわけです。
〔資料:ミラノ万博スケジュール〕
今回の出展は、本県を海外にPRする好機です。ヨーロッパで認知され、関心の高い禅、精進料理、それから伝統工芸品。永平寺のお坊さんたちや職人の方も約60名、みんなで行くということです。私も最終日の27日、この福井ブースにおいて福井の食や観光地を紹介するプレゼンテーションを行い、アピールをしてまいります。また、翌28日には万博出展に引き続きミラノ市において商談会を開き、県内事業者、県議会、市町と団結して県産品を売り込むとともに、観光交流会も行ってPRをしてまいりたいと思っています。
以上です。
~質疑~
【記者】
越前がにの「極」ですが、どういう経緯でこれをつくったのですか。
【知事】
カニについては、北陸はもとより山陰まで日本海側でいろいろなタイプのカニがそれぞれの地域で、美味しいとかこうだという話が多いのですが、やはり一番最高のブランドは「越前がに」ですし、そこははっきり県民の皆さんにも知っていただきたいし、全国、極端に言うと世界にも分かっていただきたい。世界一美味いものだと思いますし、それをこういう形でやりたい、そういうタイミングです。今、競争がかなり厳しくなっています。もっと値段が10分の1ぐらいのカニも種類としてあり、そういうビジネスももちろんあると思いますが、それはそれとして、いろいろなカニがあるけれどもこれが最高だということです。
【記者】
「極」という名前は、なぜ。
【知事】
これはそれ以上ないということです。極限、最高、スーパー、プレミアム、いろいろありますが、名前だけではないということでしょう。
【記者】
ミラノ万博で観光プレゼンテーションをするのに当たり、知事の意気込みをお聞かせいただきたい。
【知事】
禅については、アップル社のスティーブ・ジョブズ氏が永平寺で座禅をしたかったという話があり、あるいは和食が世界文化遺産になった際の国の提案書の23の事例の中に福井の活動が3つも入っているわけです。食育や女性の活躍、器を使ったいろいろなものが。福井県の本当の意味の食の素晴らしさというのは十分にまだ分かっていただいていないのではないかと思いますし、これが絶好の機会かと思いますので、しっかりとPRをしてまいりたいと思います。もちろんこれで全てではありませんので、そのきっかけにしたいと考えています。特に日本館でやりますから、日本の食べ物がどういうものかというのが分かっていただけるだろうし、永平寺の僧侶の方がそういうところへ出向いて禅がどうとか、精進料理がどうなんていうことは、およそこれまで考えられなかったのですが、一緒にやりたいということですので、やるということです。
【記者】
越前がにの「極」について、具体的にどういうところを強くアピールしていきたいとお考えでしょうか。
【知事】
従来のものも美味いからね。これも高級ですよ。ただ、0.5%ぐらいしか獲れないものでやると。
【記者】
先ほど知事は年間500杯前後しか揚がらないカニということで、特別な価格で売り出していくと仰いましたが、従来のものに比べてどのぐらい高い値段がつくのでしょうか。また、売り先や、どういう人をターゲットに買ってもらおうとしているのでしょうか。
【知事】
まだ値段がどれぐらいになるか分からないです。かなり高くなると思います。
【記者】
何割増しというような見込みは。
【知事】
何割ぐらいではないかもしれない。これからです。良いと言っても、買っていただかないと。
【記者】
売り先のターゲットは。
【知事】
そういうものをお買いになる方やお店ではないでしょうか。例の石川県のブドウなんかもそうですね。普通の値段よりもまた違う値段がついたりしますから。そのこと自体を目的にしているのではなくて、福井県全体のカニの値段や評価が上がるようにしたい。これが先頭に立つ、リーダーシップをとると。最先端に行くということです。これが良くなれば、従来のカニも皆美味いわけですので。
【記者】
高浜3、4号機の再稼働について、原子力規制委員会の安全審査が終了して、今、使用前検査が行われていますが、知事は、原子力の重要性、必要性に対する国民の理解については十分とは言えないということを言っておられますが、これまでの国の対応についての評価と、不十分としている点について理由をお聞かせいただけたらと思います。
【知事】
原子力の重要性、必要性に関する国民理解については、総理大臣あるいは経済産業大臣等が国会答弁あるいは記者会見で様々仰っているわけであり、それはそれとして重要ですし、評価もしますが、国民理解の状況はなお不十分な状況かと思います。再稼働に対し賛成かとか反対かとか、何が問題かというのは、いろいろなアンケートなどでもそんなに変わっていない状況があります。安倍総理も、10月6日の原子力防災会議において、「原子力についてさらなる国民理解が得られるよう、引き続き全力で取り組む」という発言もされていますが、県としては、今後、政府が国民に対してどのような説明、説得をしていくのか、さらに具体的な行動を見ていく必要があると思います。
最近の動きとしては、11月4日、経済産業省が主催して「資源のない日本、将来のエネルギーの姿に関するシンポジウムin大阪」をおやりになるということです。また、内閣も変わられて、新しい経産大臣も就任されたので、そのことをさらに強く申し上げたいと思っています。既に経産大臣には一度、ご就任になられたご挨拶も兼ねてそういうことを申し上げていますが、いずれまたそういう状況をご理解願って、しっかり国民理解活動をやっていただくことが重要かと思います。
【記者】
TPPの交渉で合意した関税撤廃の内容が明らかになりました。全品目の95%の関税が撤廃されるということですが、知事の受け止めをお願いします。
【知事】
今回、大筋で合意されたTPP協定ですが、福井県の例で言いますと、眼鏡や繊維やいろいろなものがありますけれども、産業の市場拡大、それから地域経済の活性化に期待ができるわけですが、一方で、コメの輸入枠拡大や肉類の関税の大幅な引下げ、野菜や水産物の関税撤廃など、たくさんの項目とリストがありますので、どの品目がどの程度削減されるのかというのはこれからチェックが要りますし、政府もしっかり影響を早めに国民に示す必要がありますが、この点については農林水産業への影響が懸念をされます。
政府としては、地域産業への影響を速やかに分析、公表し、特に農林水産業が力強い産業として発展できるように、具体的には農業政策に対してはっきりとした国としての政策―これは平場の農業、中山間の農業がありますが―を出すこと、それから、食料自給というものをどう考えるかということ、それから、安全な食べ物を、福井県民も含めて、いかに供給できるかという、こういうことを押さえるによって初めてTPPが国民の理解を得られるのではないかと思います。
【記者】
コメが農業の中でも主要品目ということもあると思いますが、県として、例えば対策本部を立ち上げるといったことはお考えでしょうか。
【知事】
これは農業が中心ですが、中小企業が一体どうなるのか、あるいは、消費者は何に注意しないといけないのかなど、いろいろな分野があります。対策本部をしかるべき時期、近々につくることによってこの問題に対応するのが望ましいかと思っています。
【記者】
横浜市で旭化成建材が杭打ちをしたマンションが傾いているという問題が大きな社会問題になっています。この問題についての知事の受け止めをお願いします。
【知事】
今日の報道では福井県内にも1件あるのではないかという数字が出ていますけれども、事務的に問い合わせた段階では、どの物件かはまだ特定できない、それが一体どんな状況かというのは分からない状況のようですが、横浜市で問題となっている物件の担当者が関与した物件ではないのではないかという話も伺っております。いずれにしても全国的な調査もあると思いますし、建築基準法の抵触の問題がありますので、しっかりした対応を県としても今後やりたいと思います。
【記者】
自民党の高木毅衆議院議員が復興大臣に就任されましたが、その後で一部週刊誌やワイドショーでパンツ泥棒疑惑が報じられていますけれども、知事の感想はどうでしょうか。
【知事】
ちょっとそれは分からない。
【記者】
高浜原発3、4号機の話で、国に求めている5条件のうち、国民理解については先ほどお話しいただきましたが、残る4条件については現時点でどのように評価されていますか。
【知事】
原子力規制委員会が、今月9日に4号機の工事計画、それから3、4号機の保安規定を認可したということですから、設置変更許可、工事計画認可、それから保安規定変更認可という3つの手続きが実務的には終わったという段階かと思います。
それで、一昨日、規制委員会から副知事が事務的に説明を受けていますが、また関西電力からもこういうことを受けてどうするのだという説明がおそらく今後出てくるのだとは思っていますけれども、そういう中で、先ほども原子力の重要性、必要性についてはお話がありましたので、ああいう形でやりますが、一昨日の規制庁に対してもさらに国民理解、あるいはいろいろな制圧訓練とか事務所の体制などについても申し上げています。これは別に新しい項目を追加したという意味ではありませんが、できるだけ具体的に4つの項目が充実した形になるように要請をしているということですので、一つひとつその中身を詰めていくということになると思います。
【記者】
今のお話ですと、事故制圧の部分が含まれるのですが。
【知事】
事故制圧はまた今日、具体的に国との連携、電力会社の連携など、かなり実践的な訓練をやって積み重ねをしながら、特に安全面については、今後そうしたいろいろな手続きの中で、原子力安全専門委員会の議論も加えなければならないだろうと思います。政府におけるいろいろな発言や態度などについても具体化していくということになると思います。経産大臣にもお会いしないといけないと思います。こういう考え方です。
【記者】
経産大臣にはいつごろお会いになる予定ですか。
【知事】
まだ決めておりませんが、いろいろな状況について、国民理解というのをもっとやっていただく必要があるでしょうし。
【記者】
5条件のうちの1つで、使用済核燃料に対するアクションプランが、関係閣僚会議で10月6日に示されました。事業者に協議会を設置したり計画を策定するといった中身にはなっていますが、比較的薄い中身かなとも思いますけれども、この中身についてどのように受け止めていますか。
【知事】
今月6日、アクションプランが出ており、政府と事業者による協議会を設けるとか、事業者による計画をつくるよう要請をしたとか、地域における使用済燃料対策の強化、交付金の見直しということで、国が前面に立って取り組むという姿は評価できますが、なお今後、事業者が策定する推進計画において、県が求めている中間貯蔵の県外立地について、目標の年次や道筋、それから国がそもそも事業者と一体になってどう取り組むのかということをよりはっきりする必要があるのではないかと思っています、今の段階では。
【記者】
事業者に対する使用済核燃料対策推進計画の策定を求めているわけですが、そうすると、この計画ができ上がるまで待つということなのでしょうか。
【知事】
どれをどこまでというのはまだ決めていません。いろいろな程度がありますから。全部一遍にできるものでもありませんし、長く時間がかかりますから、それにいかに見通しを立てられるような状況といいますか、そういうもので県民の皆さんに説明できるような状況になるかということだと思います。かなり難しい課題だと思いますが。
【記者】
先ほど、経産大臣にお会いになると仰っていましたが、タイミングとしては同意手続きに関する地元の判断を伝えるときにお会いするのか、それとも県が要請して…。
【知事】
もっとそれ以前ですね。
【記者】
5条件に対する回答…。
【知事】
それはまた別で、特に国民理解などが中心になると思います。新しい第3次改造内閣として体制も変わり、また問題が切迫してきましたから、どう対応するのという、そういうものの考え方をしっかり国民にも知らせてほしいということが中心になると思います。
【記者】
それは前回、経産大臣にお会いしたときには伝えてはいないということですか。
【知事】
いや、いろいろ段階を踏まないと。伝えてはありますけれども、よく分かっておられると思いますが、内閣全体としてどうするかというようなことは大きな課題ですから。
【記者】
改めて国民理解に対して…。
【知事】
それは特に重要です。どう国民にちゃんと責任を持ってどうだということが言えるかなと思います。川内も伊方もああいう状態でしょう。そして、今度は福井県の高浜ということですから、福井県は原子力発電所もたくさんありますし、それから廃炉の問題もありますし。40年超過、中間貯蔵、そして民主党時代の大飯原発の再稼働といろいろなことがある場所ですから。ほかのところとは全然状況が違いますから。全体がそれにまた日本の原子力発電の影響が出ますし、国際的にも原子力問題でいろいろな動きが出ておりますから、そういう中でどうなるかということでしょうね。
【記者】
高浜の場合は福井地裁の仮処分が出ていて、異議審の審理が11月13日に行われますが、その行方は知事の判断に影響するのかどうか、改めてお伺いしたい。
【知事】
司法手続きと行政手続きは前から別系統のものだということを申し上げていますので、県原子力安全専門委員会でのチェックといいますか、議論など、県としてなすべき事項については、司法の手続きに関わりなく進めていくということは変わりありません。
【記者】
11月2日から京都の舞鶴市を皮切りに京都府内の30キロ圏の7市町がそれぞれ原発の安全性に対する住民説明会を開きますが、これに対する知事の受け止めをお願いします。また、この説明会は府が共催していますが、改めて県として共催も含めて説明会を開く考えはあるのかないのか。
【安全環境部長】
2日から舞鶴市を皮切りに始まる京都府内の住民説明会は、広域的な避難計画を検討している際に、京都のUPZ市町の住民の代表の方々に対する理解が必要ではないかという趣旨で開催されると伺っております。避難計画を国において確認する、その手順として行われているものだと私どもは受け止めております。今後、県としては、住民の安全に関わるということもございますし、他県においては原子炉の設置許可の段階でこうした広域計画が協議会で確認されているということから、内閣府において高浜発電所においても同様の対策がとられるべきだという立場です。
【記者】
政府の国民理解について、国が国民に対して説得、説明していくという中の1つとしてシンポジウムを挙げられたかと思いますが、一方で、知事は、夏ごろには「政府に発言を求める」という言い方をされていたかと思いますけれども、発言なのか、行動なのか、どういう形で何をもって国民理解の促進活動と捉えられるのか、教えていただきたい。
【知事】
今、エネルギーの長期計画とか、2割から22%だとか、あるいは中間貯蔵がどうだとか、いろいろな計画が出ていますが、それを全体性をもってどんなふうに物事を進めていくのかです。それから、規制委員会との関連はどうなのか。それから、安全というのはどういう意味なのかとか、そういういろいろな考え方の説明とか、行動もその中にあると思いますが、そういうものがなおもっと必要ではないかということです。かなり物事がそれぞれに出ているという問題があるのと、もう少し具体的なところがないところがあります。どうやってこれを進めていくのだというようなところが。
【記者】
それは発言という形ではなくてでもよろしいのですか。
【知事】
あまり発言とか行動と分ける必要はないと思いますが、全般的な政府の国民に対する対応ということです。いろいろなものが含まれると思います。それ以外のこともあるのかもしれない。そのように思います。
【記者】
新しい内閣が発足して、林経産相にはいつお会いして、どういうような内容のお話をされたのでしょうか。
【知事】
ご就任直後でしたから、いろいろなこれからの準備もありましょうし、一種表敬的にお会いして、基本的なことはご存じだと思うけれども、ということを申し上げて、いずれ県としてさらに具体的にいろいろなお話を申し上げますということであったわけです。
【記者】
仮処分の関連でお伺いしたいのですが、裁判所として今出ている再稼働を認めないという決定が効力を持っている間であっても、知事は司法判断と行政手続きは別のものだとして再稼働を判断する可能性もおありなのでしょうか。それとも最終的な裁判所の決定が出るまでは同意判断はされないということなのでしょうか。
【知事】
先ほど言った言葉の範囲でしか今の段階では申し上げられません。
【記者】
裁判所の決定が覆されるよりも前に同意を判断する可能性もあるということですか。
【知事】
あまりそういうしゃべり方は、この問題としてはできません。
【記者】
先ほど、安全専門委員会の手続きなど行政手続きは進めていくと仰っていたのですが、知事の最終判断というのは行政手続きか、政治判断か、どちらになるのですか。
【知事】
行政にはそんな特別意味はありませんが。
【記者】
そこで分けているわけではない…。
【知事】
関西電力からもどうしたいのだというお話がまだ来ていませんから、一応手続きは終わったのでしょうが、事業者がどうしたいというのが基本に、こういう条件でこう思うというのがありましょうし、その上でいろいろなチェックが要ると思います。
【記者】
高浜3、4号機の話ですけけれども、議会の意見も聞きながら判断したいと知事はいつも言っておられますが…。
【知事】
それは当然ですね。
【記者】
その議会の時期ですが、これからそういう全員協議会などを開いて議論してもらって聞くのか、それとも12月議会での議論を踏まえて判断されるのか、その時期は…。
【知事】
それはこれからの関西電力のいろいろなご都合というか考え方もありますし、県原子力安全専門委員会の審査の状況もありますし、かつ規制庁のさらなるいろいろな事柄があるのかもしれませんから、どんなふうにこれから展開されるのかによって、タイミングも今仰ったようなやり方なのか、あるいは12月の議会なのか、まだ確定できないですね。
【記者】
今日、高浜発電所で行われている関西電力の事故制圧訓練は、知事が再稼働の判断をする上での条件のうちの1つの要素だとは思うのですが、今日の訓練をどのように位置づけられて、どう評価されるのかということをお伺いしたいのですが。
【安全環境部長】
今日の訓練は4時ごろまでかかっており、まだ継続しています。国の緊急事態対策監が東京から来られて緊急事態即応センターを開設するなど、本番に即した実践的な訓練が行われているものと認識しています。現在、県の原子力安全対策課の職員あるいは原子力安全専門委員会の委員もこれに立ち会っています。その結果を見て評価などは行われるべきものだと考えています。
【知事】
他の原子力発電所ではそういうことをやってはいないのでしょう。
【安全環境部長】
はい。
【知事】
だから、特別に、個別ごとに大事なポイントをかなり実践的に今やっているわけです。この結果をまた、これこそ県原子力安全専門委員会でもチェックしないといけないわけで、あれでどうなんだ、どういうことが要るのだろうと。こういう訓練は、いつも言っているような発電所プラントの安全そのもの、制圧とするとかなり2番目もしくは3番目に近い事柄ですので、ものによっていろいろと積み重ねが必要なのです、これからも。ここで100%いいという話ではありませんので、そういう今後の動きなども加えて判断をするということになると思います。
【記者】
北陸新幹線の敦賀以西について、先日、JR西日本社長が「若狭ルートになった場合、並行在来線は小浜線と考えています」という発言をされたのですが、この発言についてどうお考えでしょうか。
【知事】
直接伺っていないので、社長のお考えは分かりませんが、一般的に言うと地域鉄道をちゃんと維持するというのは鉄道会社、JRの重要な社会的使命だと思いますので、まだ敦賀以西ルートがどうなるか分からない段階でそんなことを言う状況ではないと思います。
一般的に言いますと、優等列車、特急が新幹線に移る線を普通、並行在来線と言いますから、あそこは特急列車が走っているわけではないから、該当しないルートかと思います。ですから、どういうお考えで言われたのかと思いますが。あまりそういうタイミングでもありませんし。これはちゃんと理解していただかないといけないと思います。
【記者】
知事としては、若狭ルートになった場合、どのルートが並行在来線になるとお考えでしょうか。
【知事】
そんなものはないのではないかと思います。仮定の話だけれども。
【記者】
石川県議会が米原ルートを決議して、先日の検討委員会でも谷本知事は米原ルートを強調したような形だと思いますが、石川県の動きについてどう受け止めていますか。
【知事】
一つひとつあまり細かいことを聞いてはいませんので。いずれにしろ、我々は若狭ルートということで理解を求めるようにしたいと思っています。大分そういう傾向は強まっていると思います。
【記者】
「ふくい創生・人口減少対策戦略」が、今月中には内閣府へ提出されると思いますが、人口を68万人に近づけるということですけれども、25年後の政策の成果をどのように検証するのか。その目標に向けて、施策や事業を今後どのように進捗管理なり、次の世代に継続させていくのかというのは非常に難しいと思いますが、戦略案提出後にどのように進められるのか、そのお考えをお聞きしたい。
【知事】
この話はほかの計画と違ってちょっと難しい。遠い将来のものを一つひとつチェックするわけですし、国のいろいろな政策にも絡みますし。しかし、その年々である程度チェックできる個別指標もありますから、人の移動についても、予算の執行についても。それから出生率など個別のファクターもありますから、そういうものは来年度以降も政策の進捗状況を評価して追加や修正を行いますし、もちろん来年度の当初予算でいろいろな対応も入りますと、今回の政策も一部修正しないといけないでしょう。全て計画どおりの中で予算を執行するというわけではないでしょうから、新しいものが入ってくれば直すということでフォローアップをしていくということになると思います。
【記者】
今回、国の概算予算が1千億円と力強さはとても感じられない内容ですが、新しい内閣も発足して、地方創生というか、ふるさと創生について改めて国に要望や大臣に直接お会いするというようなお考えはありますか。
【知事】
これはこの計画を出すことを通じて行われると思いますが、あわせて今回の人口の計画については、福井県は、幸福度との関連で物事を進めようということ。人口が増えることが究極というよりも、幸せになることでしょうから、幸せになるために人口がどうなのかというアプローチをするのが全国にないやり方。ですので、人口を増やすという政策と同時に、すぐに人口が急激に増えたりすることはありませんから、並行していろいろな政策を進めなければならないという、突破力とか並行して実行する戦略と2つに分けていますので、2つのやり方でやっていかざるを得ない、そういう性質のものだと思っているということです。一辺倒ではできないので。
【記者】
内閣には何か改めて…。
【知事】
1千億円では少ないですしね。あまり少ないお金でああだこうだとしても成果が上がるわけでもない。特に東京集中といいますか、集中といいましてもいろいろな意味があって、分散を積極的にやってほしいけれども、その前に集中をまず、これ以上歯止めをかけておくだけでも十分人口問題の解決ができると思いますので、そういうことは強く言わないといけないと思います。それから、政府機関の移転やふるさと納税などいろいろなものがあります。
【記者】
高浜3、4号機の同意判断について、地域原子力防災協議会の開催を見てから判断するのか、その前にも判断する可能性はあるのでしょうか。
【知事】
他の県では、要するに設置許可についてオーケーを出してから地域原子力防災協議会をやっているでしょう。そうではないですか。
【記者】
そうです。
【知事】
元々ずれてしまっている。福井県はそういうことをしていないから、今話題にされておられるのだと思いますが、もちろん実体的には関係あると思いますけれども、避難というのは、きりがない部分があるのです。いろいろなタイプの、どういう程度の、どの範囲の何の分野の。ですから、それをどのところで問題としてわきまえるかということなのです。ですから、これでないといけないというタイプの3番目の層の部分ですから、いろいろ決めて議論はできません。いろいろなやり方があって、毎年毎年これは充実しないといけませんし。そういうタイプでしょう。
【記者】
地域原子力防災協議会を開催する前にも…。
【知事】
福井県の避難としても、県内でまず避難できるタイプのものを福井県は用意していますから、それとしてまた避難できるわけでしょう。その訓練もいろいろやっていますし、広域避難というのもあるし、広域避難もまたいろいろなタイプがあるわけです。何百人か避難したらそれで済むのかって、絶対それだけでこれから済まないわけで、いろいろなタイプのことを積み重ねるということですから。
【記者】
えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れについてお尋ねします。来春の開始に向けて整備が着々と進んでいると思いますが、先日、低床車両「FUKURAM」が脱線するという事故が起きました。それで、私鉄を支援する立場として、安全確保にどのように取り組んでいかれるのか知事のお考えをお聞きしたい。
もう1点、相互乗り入れは知事の2期目のマニフェストに書かれていたと思いますが、それがようやく日の目を見るということで、来春開業に向けた知事の思いをお聞かせいただければと思います。
【知事】
後段については、以前からマニフェストにも書いていますし、県民の立場からも相互に利用しやすいというのは大事です。鉄道会社は2つに分かれていますが、県民の目から見るとそんなにどっちがどっちということではありません。ですので、これは時間管理をしっかりして、両鉄道事業者が目標に向かってしっかり物事を完成するのが大事ですので、あまり日もありませんが、間違いのないようにしてほしいと思っています。
それから、安全の問題は、事故が起きた木田四ツ辻は、ちょうど路盤が十分でない部分が若干あるのだと思います。あそこの線路や基盤の工事がこれから始まりますので、あの部分からもう少し北の部分にかけて安全度が高まると思います。
【記者】
新幹線の敦賀以西ルートに関する与党の検討委員会について伺います。新内閣が発足してメンバーの変更の可能性が出てきていますが、委員会構成について知事のお考えがあればお聞きしたいと思います。
【知事】
今回、かなりの方が役職に就任されたことでプロジェクトチームから抜けられたので、今、体制を早く整えていただくように与党に要請をしています。これは県議会ともども同じ認識ですので、できるだけ早くつくって、2回、3回と議論を深めていただくように思っていますので、今、その対応中です。
【記者】
検討委員会でJR西日本を呼ぶという話があるのですが、呼ぶタイミングとしては年内がいいのか、それとも年度内ぐらいになるのか、時期について知事の希望は…。
【知事】
それはプロジェクトチームのお考えによります。
―― 了 ――
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