知事記者会見の概要(平成28年9月9日(金))
平成28年9月9日(金曜日)
10:30~12:00
県庁 特別会議室
【知事】
おはようございます。
今回は、平成28年度9月補正予算案、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立、有明夏夫ほか文学関連資料の寄贈について申し上げます。
まず、メインのテーマである9月補正予算案の概要であります。
〔資料:予算案の概要、主要事業の概要、主要事業(施策別・予算額一覧)、発表要旨〕
今回の9月補正予算は、次の3つを大きな柱として位置付けました。「ふくい創生・人口減少対策」の充実を目指そうというのが1点目です。日本総合研究所が7月末に発表した『全47都道府県幸福度ランキング2016年版』において、本県は、前回2014年版に続き、総合で第1位を獲得しました。また、今回のランキングは、新たな試みとして移住者の幸福度についても分析をしており、「子育て世帯の移住幸福度」が全国1位、また、「シニア世帯の移住幸福度」は5位という評価を得ております。ですから、この好機を逃すことなく、幸福度ランキング全国第1位はもちろんですが、移住幸福度の高さも全国に広くアピールをし、U・Iターンや移住・定住の促進を一層強めたいというのが1つ目の柱であります。
2点目は、「高速交通開通アクション・プログラム」の推進であります。今回、新幹線駅の周辺整備に関して、福井駅以外のあわら、南越、敦賀について支援制度を創設します。また、福井市の中心部の整備についてはかなり進んでおりますが、鉄道などの延伸の可能性などの調査もしてまいりたいということです。
また、来年春には、中部縦貫道の永平寺大野道路が開通しますので、県内の主要なまちは全て高速道路で結ばれ、これまでにないインフラの完成度になるわけであります。
来年は、泰澄大師が白山を開山して1300年という節目の年であります。もちろん、石川県や岐阜県も関係することかと思いますが、福井県としては、関係市町とともにキャンペーンを行うことにより、奥越・永平寺エリアへの誘客拡大、開通効果を高めてまいりたいと思います。
3点目は、県のその他の各施策に関係するものであり、マニフェスト「福井ふるさと元気宣言」の実現に向けた施策の充実であります。産業分野で、炭素繊維の新たな利用分野への拡大、「ポストこしひかり」のブランド化の推進、また、教育については、高志中学・高等学校の給食施設整備などの事業を追加・拡充してまいりたいと思います。
こうした結果、9月補正予算の規模は47億円であります。当初予算4,864億円プラス47億円ですので、9月補正後の予算現計は4,911億円、これは、昨年の同じ時期に比べますと53億円、約1.1%の増となります。
それでは、主な事業について申し上げます。
まず、「幸福ふくい魅力プロモーション事業」1,300万円弱であります。幸福度ランキング総合1位だといって自慢をしたり喜んでいるだけでは意味がないので、なぜ福井県が1位なのか、それを、17の市町がそれぞれ頑張っている、特色を持って仕事を進めている様子、また、それぞれの市町がこれからどんなことをしていくのかということを通して紹介するパンフレットを作成し、県内への移住などに活用したいという予算であります。
また、総合月刊誌に本県の魅力を掲載し、幸福度日本一を発信します。
さらに、最近、福井県のごく普通にある世間的な遺産や、それぞれの地域にあるおもしろい行事を、メディアの皆さんもずっと連載をしていただいているような動きもあるわけでありますが、こうした幸せというものを感じられる、行事や風習、食べ物などを歳時記的に紹介し、幸せというものを内部から感じ、それをまた外の人にも広く知っていただくという地道な事業を進めてまいりたいと思います。
次に、「『ふるさと納税1兆円』国民運動事業」300万円余であります。ふるさと納税額は全国で年々増加をしております。昨年度は総額で1,650億円となりましたが、実際この制度を使っておられる人は個人住民税納税者全体の約2%程度であり、まだ2桁にも届いていないわけであります。その意味で、ふるさと納税は、これからさらに発展する制度であると思います。金額は20倍になりましたが、全国の半分ぐらいの人たちがこれを使っていただくと約1兆円になるかと思います。そのようなかなり大きな目標を持ちながら、国民運動を展開し、ふるさとというものをほんとうの意味で大事にする。それから、みずから自分のふるさと、あるいは第2のふるさとと思うようなところを選び直す。あるいは、寄付をするという風潮を高めていくということですね。日本はあまり寄付文化が発達していません。自分の出している税の使い道とか意味を考える制度であり、多くの人がよりたくさん利用していただくことが大事でありますので、最近、返礼品自体が話題になっておりますが、あまりそういうことはメインの話ではありませんので、すそ野を広げて、この制度を、大都市と地方の問題とか、ふるさとを大事にするとか、あるいは幸せといういろいろなもののきっかけとなる制度にしようというプロジェクトであります。
次に、「ミレニアル世代U・Iターン促進事業」です。福井県が「子育て世帯移住幸福度日本一」となったことを活かし、西暦2000年以降に成人となる20代から30代の皆さん(ミレニアル世代)に対し、仕事と子育ての両立をしやすい魅力的な職場をアピールし、U・Iターンを促進したいということです。U・Iターンには魅力的な就業場所の確保が重要ですので、子育て応援モデル企業、また、女性活躍推進企業、あるいは全国大手企業の福井事業所などにおいて、新たな求人を開拓していくとともに、こうした求人情報を掲載した情報誌を作成してまいります。
県内の大学に高校から1,500人、あるいは県外には2,700人進学しますが、県内であれば、ほぼ8割方県内で就職されますし、県外に行かれると、逆に2、3割しか戻ってこないということですので、そういう意味で、県外のU・Iターンを促進するという事業であります。
「高速交通開通アクション・プログラム」に関係する説明をいたします。北陸新幹線の駅のあわら、南越、敦賀ということになりますが、福井については県都ということで比較的手厚い応援もやっているわけですが、3つの駅に対し、県として応援をしたいということであります。北陸新幹線駅の駅前広場や駐車場など、周辺に対して支援を行うということです。1市当たり約3億円程度を補助します。具体的な支援は、いろいろ出てきたときにどういう金額になるかということになります。
また、「市内循環鉄道の整備調査事業」300万円ですが、平成34年に新幹線を中心とする大きな人の流れが生まれてくる中、その玄関口となるそれぞれの駅なり地域鉄道について、さらに鉄道整備の発展の可能性があるかどうかを調査するということであります。えちぜん鉄道、あるいは福井鉄道の利用者も、通勤も含めてかなり増えているようですので、循環鉄道整備の可能性について調査をしようということであります。
次に、「『永平寺大野道路』開通記念キャンペーン事業」600万円余りです。来春、永平寺・上志比間の5.3㎞が完成し、大野まで全線開通します。この機会を捉えて、来年3月から8月までの半年間、県と関係の市町が一体となって開通記念キャンペーンを展開し、奥越あるいは永平寺エリアを中心とした観光誘客につなげてまいりたいと思います。
次に、「泰澄白山開山一千三百年記念事業」です。泰澄大師の業績を検証すると同時に、関連する事業を進めようということであります。さまざまな出向宣伝、あるいは眺望ポイントの整備、越前の秘仏の公開、いろいろなツアーなどを考えます。
教育でありますが、「中高一貫校給食施設整備事業」1億4,000万円余りです。現在、高志中学・高等学校においては、ランチルームや厨房などの学校給食に必要な施設を整備していますが、建設予定地であるプール等の解体工事が予定より早く完了することから、来年度に予定していました建築工事を本年度から前倒し実施して、平成30年1月から給食を開始できるようにします。今、高志中学は、給食がありませんので、現在の1期生が、3年生の1、2、3月は食べられるようにしたいと思います。もちろん高校生も、希望者は学校給食を利用できるよう考えてまいりたいと思います。
次に、「『年縞』活用推進事業」であります。年縞研究展示施設については、現在、実施設計を行っていますが、平成30年度、国体の年の開館に向けて、今年度より建築工事に着手いたします。年縞研究展示施設の展示スペースは、大体50メートル近くになると思いますが、7万年分の年縞は、横にしても45メートルありますので、それを直線的に展示するということになります。全体事業費は14億8,000万円ぐらいということになります。
次に、「開繊炭素繊維の新用途開発事業」、1,400万円余りですが、まず1つは、航空機の主翼や胴体向けの開繊シートを開発するというものです。日本のJAXAおよびドイツ航空宇宙センター(DLR)との共同事業になります。10年後の売上げは30億円程度を見込んでいます。もう1つは、炭素繊維の製造技術の開発ということであり、開繊シートをさらに積み上げて、強度を強化して、できるだけ軽いものをつくるというもので、10年後、売上目標を40億円とし、これはかなり使い道の広い分野であります。
次に、「『ポストこしひかり』ブランド化事業」1,000万円余りです。「ポストこしひかり」については、いよいよこの11月に、現在の4種類から1種類に絞り込んで品種を決定することになります。そこで、福井発のコシヒカリの後継品種にふさわしいこの新しい「ポストこしひかり」の名称などを募集し、今年度中に決定をします。来年度のテスト販売に向け、首都圏のいろいろな料理店やホテルへ本格的なPR活動をスタートしてまいります。今、全国的には、山形のつや姫や、青森の青天の霹靂、新潟の新之助などいろいろな新しいお米がありますが、それを凌駕するようなお米にしてまいりたいと思っております。もちろん、全国でいろいろなお米と切磋琢磨するということが大事でありますので、特色のある、かつコシヒカリを発明した福井県にふさわしいお米として売り出していくということです。
次に、水産業であります。
越前がにについては、皆さんの努力によって、日本一おいしくて、また立派なカニだというブランド力がついているわけであります。昨年の「極(きわみ)」の提供により、さらにその価値が高まっているわけですが、さらに、生産額が上がるように、越前がにを実際に船で獲る場面の動画を新たに作成し、テレビや首都圏などにおいてPRを行います。ドローンを使って、何十隻とあるカニ漁の操業風景を上空から撮影します。越前がにのタグにQRコードを近づけると、いろいろなデバイスで見られるというやり方であります。昨年度は、「極」を売り出したことによりまして、売上げが18億円から21億円に増えたのですが、今回のこうした方法によって、さらに2、3億円増えるような努力をしてまいりたいと思っています。
次に、「幕末明治福井150年博(仮称)開催準備事業」600万円余です。これは、近代日本の礎を築いた福井の偉業を県内外に発信するため、平成30年、国体の年がちょうど幕末明治150年ということで、数年前からこういういろいろなことを進めていますが、本番となる30年にこの150年博を開くため、今年度は、関係団体と準備委員会を設置し、150年博の具体的な内容について検討を進め、3月にはJR福井駅前において機運醸成のためのイベントなどを開催し、また、春には福井市の春まつりなどもありますので、こういうものと連携ができるように、今回、補正予算を組むわけであります。
なお、大河ドラマは、残念ながら、昨日薩摩の「西郷どん」と発表されましたが、諦めることなく、粘り強く、由利公正などを中心に、継続してこのようなことを行い、地元でも福井の先人たちをより知っていただく、また、いろいろな資料なども発掘する、県外の人たちにもよりわかっていただくという運動を展開してまいりたいと思います。
次に、「オリンピック東京大会事前キャンプ誘致広報事業」です。昨日からリオのパラリンピックが開催されていますが、4年後にはいよいよ東京オリンピック・パラリンピック開催であり、各国競技団体のキャンプ地の選定活動が活発化します。本県においても、市町と協力し、県内へのキャンプ誘致に向けたPR、要請、視察受入の誘致活動をしてまいります。また、パンフレットの作成やいろいろな情報収集なども強化してまいりたいと思います。過去には、直近でいいますと2008年の北京オリンピックに、ギリシャの陸上選手が40名、さらに、2007年大阪世界陸上のときもまたギリシャの陸上選手が来ております。さらに前には、2002年ワールドカップサッカーにメキシコが来ており、キャンプなどをしているわけです。
以上が28年度補正予算の主なものでございます。
次に、「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立であります。
〔資料:「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」の設立について〕
福井県は、かねてから、おいしいものを適量食べるという「おいしいふくい食べきり運動」を実施してきました。この運動は、他の自治体からも、食品ロスの削減、あるいは、おいしいものをつくろうという運動として評価されており、この運動をモデルとして、食べきり運動を推進する自治体が増え始めました。こうしたことから、昨年11月に福井県で開かれた「3R推進全国大会」において、おいしい食べきり運動に取り組む自治体のネットワークをつくろうということを提案し、参加団体の合意を得たところであります。このたび、全国の自治体に改めて呼びかけ、現在のところ35の都府県、115市区町村が参加する予定のこの協議会を10月10日(月・祝)に設立することが決まりましたので、今日、発表します。食品ロス削減のための自治体ネットワークとしては、これが全国初めてであります。10月10日、県生活学習館において設立総会を開く予定です。
このプロジェクトは、国においては、環境省、農林水産省、消費者庁からも関心と期待が寄せられています。総会では、参加自治体による情報共有、共同キャンペーンなどいろいろなことを決定するほか、パネルディスカッションなども行われます。この協議会の設立により、本県が実施してきたメニューの小盛り化の設定や、少量パックでの販売を行うお店の登録を全国に拡大し、運動を全国展開してまいりたいと考えております。
次に、3点目ですが、文学関係資料の寄贈を受けるという話であります。
本県ゆかりの作家として有明夏夫、中野重治および妹の鈴子、橘曙覧に関する文学資料の寄贈を受けております。
〔資料:有明夏夫ほか文学関連資料の寄贈について〕
まず、有明夏夫に関する資料については、原稿、自筆ノートなど、およそ2,500点の寄贈を受けております。
有明夏夫は、昭和11年(1936年)に大阪で生まれ、戦時中、祖母の家が越前市(旧今立郡岡本村)にありましたので、そこに疎開をし、小学校から高校卒業まで本県で過ごしております。『大浪花諸人往来』で直木賞を受賞している方であります。NHKドラマ「なにわの源蔵事件帳」というのが有名なので、私も楽しませていただいた記憶があります。また、幕末を舞台にした『幕末早春賦』という小説も書いております。昭和20年代の福井市を舞台にした『俺たちの行進曲』という作品も有名です。
寄贈された主な資料は、遺作『誇るべき物語』の原稿や、デビュー作『FL無宿のテーマ』の自筆ノート、直木賞副賞の懐中時計ほか万年筆、スーツなどの遺愛品などです。今回貴重な資料をご提供いただいた草原光啓さんは、甥に当たり、奈良市内のご自宅に保管された資料を、一括してご寄贈いただくことになったわけであります。有明夏夫の資料をこれだけ所蔵する文学館は、全国にはないわけでありまして、9月下旬から県ふるさと文学館において公開する予定です。
次に、中野重治および鈴子に関する資料については、書簡等20点の寄贈を受けました。
中野重治は、明治35年(1902年)、現坂井市丸岡町、昔の高椋村に生まれ、旧制四高時代から創作活動を始めました。代表作は『梨の花』等がありますし、その後、さまざまな活躍をしています。
鈴子は重治の妹であり、戦後は郷里福井で『ゆきのした』という文芸誌を創刊し、詩人としても有名であります。このたび、中野重治の長女であります鰀目卯女さん、中野重治の姪の能登素さんから寄贈をいただきました。
中身としては、中野鈴子の自筆遺言、重治夫妻から能登氏に宛てた書簡などであります。鈴子の遺言は、兄重治や妹の美代子に宛てて書かれたものであり、家族へのメッセージ、丸岡の土地の相続などを記しております。このようなことは、いろいろな研究上、明らかになっておりますが、原本は未公開でありました。今回寄贈された資料は、10月15日(土)から始まる中野重治展において公開する予定ですので、ご覧いただきたいと思います。
最後に、江戸期の橘曙覧の屏風をご寄贈願ったわけであります。
橘曙覧は、文化9年(1812年)に生まれ、慶応4年(1868年)、明治維新の年に亡くなった方であります。福井市の森山家から自宅に所蔵する屏風を寄贈したいという申し出があり、寄贈を受けています。
資料は、橘曙覧の自然の風景などを題材にして著した「沽哉集」に掲載されている「初ゆき」、それから「田家鳥」の内容を記載した屏風であります。鑑定の結果、希少な曙覧直筆の作品であることがわかったということであります。なお、寄贈された資料は、来春の新収蔵品展において公開をする予定です。
私からは以上であります。
~質疑~
【記者】
補正予算の高速交通アクション・プログラム推進の3億円の補助制度創設について、用地買収などは県でもやっていると思いますが、新幹線駅の周辺整備の進捗状況は今遅れているとお考えでしょうか、進んでいるとお考えでしょうか。
【知事】
周辺整備そのものは、遅れる、進んでいるという状況ではなくて、6年後に向けて今さまざまな仕事を進めている状況で、用地買収がどうだというタイプのものではありませんけれども、遅れているとは思いませんし、しかし、のんきにやっていると遅れますから、方針を早く、このような応援があるよということを申し上げて、市が積極的に仕事を進めていき、その中で何かさらに問題があったら、どう応援するのか、あるいは違うことをするのか、ということになると思います。これまであまり経験がないプロジェクトですよね。従来の建物を建てる、公民館をつくる、学校がどうだ、体育館がどうだというタイプの事業ではありませんし、単発のまちの道路を整備する、地区公園をするというタイプではありませんので、総合的なものですから、駅舎のいろいろなデザインなども含めて、関連する事業の応援をしますということになります。
【記者】
循環鉄道整備ですが、どのようなものを具体的に想定しているのか、例えば、既存の福井鉄道とえちぜん鉄道との組み合わせなのかもしれないですが、具体的にお願いします。
【知事】
これから、どこでどんなことがあり得るのかということを、基本に立ち返ってやりたいと思っています。大体想像はできますけれども、直ちにどこをどうだということではないです。道路の上を電車は走りますから、西武百貨店の前から駅前まで延ばすのでも、なかなか容易ではない事業です。相互乗り入れも大分時間がかかりましたけれども、早めにいろいろな議論をしていくきっかけにしたいという状況です。
【記者】
市内循環鉄道の市内というのは、具体的にどこの市ということを指している言葉ではないということですか。
【知事】
福井市は当然そうだと思いますが……。いろいろどういう市になるかなということもありますね。
【記者】
循環ということは、環状になるというイメージでもないのですか。
【知事】
循環になれば理想だけれども、まず延ばさないと循環にはならないから、どうやろうかという段階で、ただ、延長とも言えないから、循環という言葉を使っています。
【記者】
知事のお考えとして、最終目標はやはり環状にするという方向性を目指していければということですか。
【知事】
環状が問題ではないのだけれど、ある程度のスケールでやらなければならないと思います。そのようなこと自身に興味があるのではなくて、みんなでいろいろなところでもう少し延ばしたり結びつけたりする場所はあるかどうか考えたいと思います。一応相互乗り入れと福井駅前延伸は終わりましたよね。いろいろなところでありますけれども、これからでしょう。そのような時代になったということです。
【記者】
ミレニアル世代のUターンですが、内容を見ると、今までやってこられたような移住やUターン制度とそれほど変わらないのかなと思います。このミレニアルに限定している狙いと、目標の人数などありましたら教えていただきたい。
【知事】
この年代の人たちが一番Uターンに悩んでいると思います。ここを過ぎると、もう1回考え直さないといけないということになりますので、この20代30代で福井へ戻りたいと思っておられる人たちへ手を差し伸べるということをしたいのです。特にそこにターゲットを置いてやるべきかなと思ってこの制度を導入しています。
【記者】
特に若者のほうを応援したいということですか。
【知事】
子育て世代が移住すれば幸せになれるのではないかというデータも出ていますから、そのような関心も世の中で高いし、また、実際、福井へ戻ってくれれば幸せによりなれるだろうと我々は思っていますから、そのようなことにインセンティブを与えたいということです。
【記者】
幸福ふくい魅力プロモーション事業で、暮らしや文化、行事、風習等々をPRしていくということだと思うのですが、幸福度ランキングを見る限り、どちらかというと、教育や仕事に関する客観的な指標が全国的に水準が高かったという話だったと記憶しており、暮らしや風習の幸せと言われると、ちょっとぴんときません。ランキングで言われている幸せ度とここで言っている幸せ度というのはあまりリンクしないように思うのですが、その辺はどういうことなのですか。
【知事】
幸福度指数というのは65項目あり、これはお金の話や、衣・食・住、あるいは今おっしゃった教育、雇用の話などもありますけれども、これをいかに実感に結びつけるかというのは非常に難しいところがありまして、まだこれが決め手だという決定打はないのです。幸せというのはこのような指標だと、行政的にはしにくい話題なのですけれども、日々の暮らしや日常、福井のいろいろな風土の中での幸せとして表れる、感じてもらえる、あるいは感じる努力をするということがありますので、そのような問題に挑戦をするということなのです。もちろん、いろいろな指標をもっと上げるということはやっていく必要がありますが、これだけではなかなか問題が解決しないし、全国的にもこの問題に悩んでいるわけです。しかし、福井以外の都道府県が、このような問題を、地域を良くしたい、人をもっと集めたい、ここで地域を愛して生活したいというときには、そう思わないのではないかということです。例えば、順番が20番の県であったとしたら、その前に20番を5番ぐらいに上げないといけないということへインセンティブが変わってしまうという議論になるわけで、福井は幸いそのような議論はしなくていいので、その1つ先のことを考えていこうということです。
【記者】
指標は指標であるけれども、それはそうとして、暮らしの中に幸せがあるということをPRしたいと。
【知事】
指標そのものを実感できるにはどうしたらいいかというのは、他の県ではやってもそれほど意味がないかもしれない。その大もとがだめだろうという議論になると思いますね。学力が30位でそのようなこと言っていいのか、それを上げようよという話になりがちですし、そのようなことかなと思っています。
【記者】
今回の補正予算の中で、幸福度日本一を改めて全国に発信する、あるいはミレニアル世代にターゲットを絞って福井をPRしていくということですが、改めて知事の所見をお聞かせ願えますか。
【知事】
幸福度というのは究極のテーマでして、それゆえに、甲子園で優勝した、オリンピックがどうだという話とは違いますので、いかに我々のプライド、あるいは移住、あるいは観光、いろいろなものに活かせないと福井県としては意味がありませんので、そのようなものにつなげていくということを、今回、ぜひ2回連続幸福度1位ということで、4年後に東京オリンピックが迫る中で福井県が東京を押さえて1位ということですから、かなり難問ですが、いろいろやってみようということです。
【記者】
人の暮らしの中に、幸せを実感できるというところをアピールしていくのですか。
【知事】
何か良いアイデアがあったら教えていただきたいですね。福井暮らし、福井ライフ、それを皆さんも発信していただきたいし、また、我々世代にも教えてほしいということであります。
【記者】
「ふるさと納税1兆円」の国民運動事業について、全国のパイを増やしたいという意図だと思うのですが、県民にとってどういったメリットがあるのかということをまず教えてください。
【知事】
これは、福井県がこの制度をつくった提唱県ですので、制度の趣旨にできるだけ沿う形で発展するということは、提唱県としての意味がまずあるわけです。それから、福井県内のふるさと納税をより活発化することもあると思います。かつ、提唱県である福井県に他の地域に比べてもっと応援をしてほしいということも広めたいと思います。そして、返礼品という話があります。今はまだ発展途上の制度ですから、そのようなところの議論をして、この制度が途中でおかしくなることのないようにしたいという狙いもあるわけです。さらには、日本のふるさと全体を、このような代表的なシステムを使ってふるさとづくりをもっと広めることもできないかと思います。今、海の日や山の日はありますが、ふるさとの日というものはありません。そのようなことを全国的に考えるきっかけになるといいと思います。あまり返礼品に目くじらを立てたり、俗に言う角を矯めて牛を殺すということになってはいけない。大きなスケールで広げていく、おおらかに広げていくことも狙うということです。たくさん言いましたが、気持ちとしてはそのようなものがあります。
【記者】
返礼品競争になっている現状というのがここであるのですか。
【知事】
まだ利用している人が2、3%でありまして、それが50%ぐらいになりますと1兆円になるわけです。すると、もうこれは立派な1つの大都市と地方の間のふるさとを応援するシステムとして、税という我々が一番政治に深く関わる自己負担によって政治自身を動かすという議論となります。それと、寄付を行うという要素がありますが、あるものを自分で選び直せるという動きが一定のスケール、量的に拡大すれば、それが意味を持ってくるということかと思います。そのスケールが、2,000億円以内ではまだだめだろうと私は思っております。それでも20倍になりましたので、さらに次があるかなと思います。
【記者】
「幕末明治福井150年博」について、昨日、大河ドラマが西郷隆盛に決まりましたが、県としては引き続き粘り強く活動していくということです。これは大河ドラマ誘致の活動を引き続きしていくということですか。
【知事】
これもそうですし、大河ドラマというのはそれ自身としてありますけれども、より根っこには、福井の歴史、特に大河ドラマですと明治や戦国時代もあるかもしれませんが、今我々が思っているのは、当面2年後の明治維新、幕末明治ですね。これにおける福井のさまざまな役割を我々自身もよく自覚しなければなりませんし、全国にも知っていただきたい、また研究もさらに深めると。そのような中の1つだと思います。いろいろな歴史観というのはありますが、今、ちょうど明治150年に近づいて、そのような歴史をもう1回、どのような意味であったか、これからどうなるのかというところを見直すときに、福井はその役割の中で非常に意味がある県だったと私は思っておりますので。
【記者】
その目指していた2年後の大河ドラマで、由利公正が叶わなかったということの原因をどのように考えていますか。
【知事】
これはエントリーしているわけではありませんから、国の事業の要望というわけではなくて、NHKの番組をいかに決めるかは、我々には全く権限がありません。そういった中でいろいろな情報を提供して、福井のことをわかっていただいて、あらゆる機会にそのようなものがうまく出るようにしたいということなのです。大河ドラマもあるだろうし、ほかのドラマもあるでしょうし、さまざまな中でこれからいろいろなことも起こり得るだろうということです。全く普通のタイプの要望というものと違うわけです。
【記者】
ふるさと文学館への資料の寄贈について、江戸時代末期から昭和にかけての幅広い作家や詩人の方の資料が揃ったわけですが、知事としては、地元の人にどのようなことをこの資料の展示から酌み取ってもらいたい、受け取ってもらいたいとお考えですか。
【知事】
図書館の中に文学館をつくりましたので、皆さんに関心を持っていただいて、資料が集まりつつあるということであります。宮下奈都さんの本屋大賞受賞など、いろいろな動きもありますので、福井県の若い人たちも文学に関心を持ってもらい、いろいろな賞もとってほしいですし、また、福井県を舞台にしたいろいろな小説、文学作品もありますので、教育にも使えます。そのような場にしたいということで、できるだけ資料があれば散逸しないようにして集めるということです。いろいろな勉強会や研修会なども広めていくということです。そのような中で、いろいろなドラマがまたできるかもしれない。朝ドラマもあるかもしれないし、あるいはヒストリアもあるかもしれません。シリーズもあるかもしれないし、単発の番組もあるかもしれないし、また、大河ドラマだって、これからどのようになるかというと、いろいろあるだろうということなのではないでしょうか。
【記者】
循環鉄道について、高齢化社会や持続可能なまちづくりという観点で、地方鉄道の役割はますます増していくと思います。循環鉄道の可能性、効果をどのように探っていくのか、知事の考えをお聞かせください。
【知事】
私自身は鉄道に非常に関心を持っておりますし、副知事に就任してからえちぜん鉄道の存続、あるいは、知事になりましてからは相互乗り入れや駅前延伸などいろいろなことをやっているわけです。ただ、鉄道については、時代の大きな流れがあると思いますし、パーク・アンド・ライドも進んでおりますが、福井県は全国的にも1、2を争う車社会の地域ですので、住民の皆さんの考えているのは多方面です。何か一定の方向をやろうとするときにはかなりコンセンサスが要ります。みんなでわかって、ある程度いろいろな障害があってもやるのだ、いや、違うのだという議論は研究する必要があります。放っておくと研究になりませんし、進みませんので、そのようなことのきっかけ、スタートにしようということです。駅前まで1㎞弱延伸しましたから。
【記者】
「『ふるさと納税1兆円』国民運動事業」について、ふるさと納税の制度が始まって8年ぐらいになるのかと思います。先ほど知事からも寄付文化を根付かせたいというお話もありましたが、この寄付額1兆円というのは、目標時期としては大体いつぐらいとお考えなのでしょうか。
【知事】
日本国民の社会貢献の意識がどれくらい高まっていくかという、一種国民運動ですので、着実に上げていくとしか言えません。
【記者】
今朝の北朝鮮の核実験の受け止めを一言いただければと思います。
【知事】
政府の情報も来ていないのですが、もし報道されているような事案であると、環境問題に影響していないかということで今チェックをしております。現在の空間線量は通常どおりの状況ですが、庁内の連絡会議などを開いて、対応は必要があればしたいと思っております。いずれにしても、このような国際関係の中で緊張を及ぼすようなことをどのような状況でしているのかということは課題が多いとは思っております。
【記者】
先日行われた高浜原発と大飯原発の原子力防災訓練について、課題は講評の場などでもおっしゃられたとおりかと思いますが、大飯原発の広域避難計画の策定の時期や広域避難訓練の時期など、見通しがあれば教えていただけないでしょうか。
【知事】
これは、国のほうで今進めていて、まだはっきりしていません。早くしていただかないといけないと思っていますが。いずれにしても、広域がどうであれ、我々は地元として、いろいろなこれまでの避難訓練、それから、高浜でやったことがまたすぐ隣の大飯にほぼ使えるということですので、そのような広域訓練、また、個別訓練もさらに加えないといけないと思います。訓練というのは一定のスケールもありますけれども、個別の深みというのがありますので、両方を互いに組み合わせながらだんだん意味のあるものにしていく必要があります。単に粗っぽくやるだけではまた効果がないところがあるわけです。
【記者】
大河ドラマが今回見送られたということで、ここで総括として、足りなかったとするとどのようなことなのか、それを活かして次にどのような活動をしていくのかお伺いします。
【知事】
大河ドラマは、野球の試合とか、エントリーしてどうだとかいうタイプではありません。NHKが自由にお決めになる中で我々がいろいろやっている話なのです。新幹線の要望をしている時に、国はなぜこのような国家的な大事業をしないのだという話と全く性質が違うということです。頼まれなくてもやることもあるでしょう。今回、鹿児島がどうだったか、私はわからないが、全くひょうたんから駒の話ということもありますし、それは関係ないのです。ただ、地域のいろいろな人がおられて、そのような情報というのは絶えずいろいろと働きかけないとわかってももらえませんから。そのことがまた我々の幕末明治150年や地域の人材を掘り起こしたりする材料になります。タイプが全く違うということだけよくお考えいただきたい。何番目だった、点数が何点だは全く関係ない世界ですから。
【記者】
ただ、それにしても、これからまた引き続き粘り強く目指すという意味では、さらにこうしていこうとか、ここがこうだったらもっと良かったのではないかとか。
【知事】
一度、お聞きしたいとは思いますが、言っていただけるかどうかはわかりません。どのような様子なのか、どのように決められたのか。ただ、それはご自由でしょうから、一種の放送は、あるいは番組は自在に決められるわけですので、一定のご都合で決められるわけですから、ちょっとわかりにくいかもしれません。できるだけいろいろな関係者に聞きたいとは思っていますが。
【記者】
協議会を設立されていると思いますが、それは存続させていくのか。また、由利公正を中心に据えるということでやってきましたが、そこはぶれないのか、この2点お伺いします。
【知事】
あまりぶれるとかぶれないというタイプの話とも違うけれども、今のところそのように思っています。昨日コメントを出しましたが。
【記者】
大河ドラマ関連について、新幹線の問題などとは違うと知事はおっしゃるのですが、協議会をつくって、経済団体と、議会も交えてやって、しかも、予算を組んで県民の税金も使って誘致活動をしている中で、今回は誘致できなかったというところの総括はやはりきちんとやるべきだと思いますが。
【知事】
これは、全国の様子を見ても、できるかできないかというのは10年20年のスケールかとは思っているのです。ただ、できるだけいろいろなタイミングでできるといいと思うし、活動そのものが、県民も、あるいはいろいろな関係者も、福井県のいろいろな歴史を知っていただいたりするタイプの事業だということなのです。
何もしないと何も起こらないかもしれない、起こるかもしれないのです。前回の朝ドラは、わりといろいろ要請して早めにできましたが、大河ドラマだと、1年間で全国から30も要望があって、それになるわけでもないし、違うのが出ることもある、何ともならないところがあるタイプで、だから、そういったことを利用して、いろいろな福井の歴史などを盛り上げていこうというものです。
【記者】
「もんじゅ」について、先日、「もんじゅ」のあり方というのは官邸マターになっていて、廃炉も選択肢で検討しているという報道があったのですが、この報道に関して、知事のお考えを聞かせてください。
【知事】
「もんじゅ」については、既に関係大臣にも申し上げていますが、エネルギー基本計画には、中核的な施設として位置付けられておりますから、そのような方針の中で我々は進めていくものと思っております。政府もそうだと思います。ですので、途中の今の段階でどうだというようなことについて憶測してもいけないかなと思います。しっかり確固たる結論を出してほしいということです。
【記者】
規制委員会が、運営主体の変更を、文部科学大臣に勧告しているのですが、その回答期限がおおむね半年と言われているところだったのにかなり遅れています。この状況についてはどう思われていますか。
【知事】
それは早く約束どおりやるべきだと思っております。ただ、問題が大きいというのか、あるいは政府の体制がどう整っているかということが課題ですが、早く文部科学省のみならず経済産業省、あるいは内閣、官邸といいますか、一体となって方針を出さないと、国際的にも、またエネルギー全体にも関わりますので、しっかりした対応をしてほしいという我々の姿勢です。
【記者】
40年超運転に関して、先日、関西電力から、高浜1、2号機の工事スケジュールの説明があって、県としても、その安全対策の進捗状況や県民の理解活動を確認していくということでした。県の立場としては、確かに安全というものをいかに確認していくかというのは重要だと思いますが、一方で、県民理解のためには、40年超運転の必要性ということもどう関西電力が説明していくのかも大事だと思います。改めて知事として40年超運転の必要性についてはどう考えられていますか。
【知事】
規制委員会においては、今のところ安全だという議論があり、それを受けて、関西電力が先頭に立って、進めようということですが、我々としては、県民理解や国民理解がまだ十分進んでいるとも思えないし、これをしっかりもっとやっていただく必要があるだろうと思います。それから、今回の工事などについては、途中段階でいろいろなチェックを加えて県民の理解も求めるということかと思います。そのような中で最終的な判断をこれから加えるということです。
【記者】
必要性についてどう思われますかという質問に対しての答えにはあまりなっていないのかなと・・・・。
【知事】
必要かどうかというのは、それが安全で、しっかりした運転ができるかというときに初めて必要だと言えるので、安全でないと、必要だと勝手にいっても、この問題は県民に対して責任もった答えが出せないからということになりますね。
【記者】
「もんじゅ」について、昨日も敦賀市長が文部科学省などに要請に行かれましたが、地元にも今後どうなってしまうのかというような見通しがちょっと見えない不安のようなものがあるかなと見えます。そのあたり、知事としてはどのように対応していきたいと思いますか。
【知事】
昨日は敦賀市も要請をされたようですけれども、福井県としても既に関係者にいろいろなことを申し上げておりますので、その中でしっかり判断をしていただきたいというのが我々の今の状況であります。
【記者】
先日、知事が文部科学大臣と会われたときは、なかなか具体的な答えがなかったと思いますが、国の対応というのをどのように見ていますか。
【知事】
今のところ、それ以上は中身がよくわからないです。
【記者】
引き続き「もんじゅ」についてお伺いします。国のほうで廃炉か存続かという話も出ているようです。知事は、先日、大臣に要請した際も、政府一丸となって考えてほしいとおっしゃっていました。ただ、結論を国のほうに預けたというような形にもとられかねないかなと思いますがいかがですか。
【知事】
これは国の事業で、国のプロジェクトなのです。そして、国が決定をして、エネルギー基本計画でこのような位置付けをし、我々に対してそのようにやりたいと。それで、安全やいろいろな問題について我々が申し上げているわけです。その中で彼らがどう考えるかというのは彼らが言わないといけないのではないですか。私たちが「もんじゅ」を運転しているわけではないのだから。「もんじゅ」は福井県の敦賀にあるけれども、これを我々がどう対応するかではなく、それは政府が責任を持った話をされて、それを我々がいいか悪いか、どう思うかということになる。どういう結論になるにしても。
【記者】
「もんじゅ」がなくなる話になると、拠点化計画にも大きく影響して、県としてもかなり大きな影響を受けるのではないかと思うのですが、必要なのか必要ではないのか、別になくても困らない施設なのかということをもう少しはっきり言えないものですか。国が決めることはわかるのですが、それはそうとして、県として位置付け的には重要な施設だとか必要だとかは言えないものでしょうか。
【知事】
今、エネルギー基本計画の核燃料サイクルの中核施設に位置付けているから、我々はそう思って対応しているわけです。国がそう言っているけれども、要らないとは言っていないわけで、そのように言っているから我々もそのように対応しているということです。
【記者】
原子力防災訓練の話で、総括は国も含めておいおいやっていくという話ですが、10日ほどたって、見えてきた課題というのは、ある程度深掘りはできましたでしょうか。
【知事】
これは国の広域計画なものですから、国とのいろいろな対応が要ると思います。それぞれ実働部隊がどれくらいうまく運用できたかという問題、特にヘリコプターについては、気候の影響によって、具体的に避難に参加できないという事例が非常に多いですから、その点について、さらに体制整備ということは課題かと思います。それから、広域避難については、相手先の受け入れ体制の整備、参加者のいろいろな多様性の問題、そのようなことを一つ一つチェックしていく必要があるだろうと思います。これは全体のものもありますし、個別にもやっていかないといけないという課題ですね。ただ、国が中心となって実施しているのですから、そのまとめと我々のいろいろ思っていることをすり合わせて総括をし、一定のレポートを書くということかと思います。
【記者】
スケジュール感というのは今のところどうですか。
【知事】
我々は、できるだけ早くしてほしいと言っています。
【記者】
広域避難計画の実効性を検証するという目的で、これから具体的に総括をやっていかれることになると思いますが、現時点で、今つくられている計画というのは実効性のある計画であるというふうに今回の訓練を通して認識されているのかどうか伺えますか。
【知事】
この避難訓練については、全国の原子力発電所が立地する中では、最も広域的、かつ参加者も多く、より実態的な訓練かと思います。ただ、それでも課題がいろいろあるわけで、参加者がどれくらいいるか、いろいろな情報の確認がうまくとれているか、あるいは、どの現場でどれぐらいのことが実際にできるか、スクリーニングや除染などいろいろありますけれども、これだけのスケールでいいのか、多いほうがいいのかなどいろいろなことがありますので、それをこれからだんだん検証して対応していくということになると思います。
【記者】
高浜原発の広域避難計画ができて、その後の昨年12月再稼働に同意された判断について、今回、訓練でいろいろ課題は見つかってきているとは思いますが、それ自体考え直される部分というのがあるのかどうか、今のご認識をお伺いしたいです。
【知事】
避難というのは、全体の安全対策では一番外側にあるものなのです。プラントの安全をいかに確保するか、それから、万が一にそういう状況に立ち至りそうになったときの制圧、そして避難ですから。避難はあらゆるさまざまな条件がありますので、それは一つ一つ、あれがどうだ、これがどうだというのはあるのですけれども、できるだけ現実に即するようにやると。既に動いているほかの他県の原子力発電所は、そのようなものを全てやっているわけではなくて、それはこれからもやっていこうということなのです。福井県としても、既に高浜や大飯を動かしましたが、それは安全基準をもとに、あるいは我々自身が暫定的な安全基準をつくって動かしています。さらに、それに避難訓練をだんだん充実していこうということでしていっているわけであり、避難訓練があるからどうだという逆の方向ではないわけです。
【記者】
国体が間もなくちょうど2年前という段階になりますが、選手強化、大会運営も含めて、知事は、ここまで順調に来ているというような認識があるのか、課題があるとするとどういったところだと考えられているかをお伺いします。
【知事】
いろいろな式典、あるいはボランティア、施設整備、そのほかについては計画どおり大体いっていると思いますが、選手強化をさらに、十分充実しなければならないという状況かなと思います。今度のいわて国体でまた状況もわかると思います。
―― 了 ――
アンケート
より詳しくご感想をいただける場合は、kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。
お問い合わせ先
知事公室広報広聴課
電話番号:0776-20-0220 | ファックス:0776-20-0621 | メール:kouhoukoucho@pref.fukui.lg.jp
福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)