知事記者会見の概要(平成29年2月13日(月))

最終更新日 2017年2月14日ページID 035037

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平成29年2月13日(月曜日)
10:30~12:00
県庁 特別会議室

H29.2.13知事写真
 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【知事】

 今日は、平成29年度当初予算案のほか、国体関係の話もします。

〔資料:予算案の概要(29年度当初28年度2月補正)、主要事業の概要主要事業(施策別・予算額一覧)発表要旨

 平成29年度当初予算編成の重点ポイントは、東西南北の交流促進ということであり、北陸新幹線の敦賀開業や小浜京都ルートの決定、中部縦貫自動車道永平寺大野道路の開通などにより、東西南北4つのゲートが開かれますので、「高速交通体系の整備」、「定住人口・交流人口の拡大」、「魅力発信の強化」について重点的に予算を編成しました。

 一般会計の予算規模は4,719億円、対前年度比3%の減です。地方財政計画についてはある程度の伸びがございましたが、これは主に市町村の予算の伸びであり、大体の道府県については県税の減収などによって、マイナスの予算の地域が多い状況です。特別、緊縮予算にしたということではありません。最大限の努力をしながら予算を計上したということです。

 主な事業について項目ごとに申し上げます。

 まず、「高速交通体系の整備」です。

 北陸新幹線の敦賀開業と中部縦貫自動車道の全線開通に向け、着実に事業を推進するとともに、東西南北の交流促進の基本戦略となる「高速交通開通アクション・プログラム」の見直しを行うということです。

 「北陸新幹線建設事業」は、29年度政府予算案において事業費1,340億円が盛り込まれておりますが、そのうち県内区間の事業費は、今年度と比べて365億円増の871億円が予定されています。整備財源は、JRからの貸付料を差し引き、残りを国と県が2対1で負担します。負担額としては174億円を計上しています。福井高柳高架橋、九頭竜川橋りょう、新北陸トンネルなどの工事が行われます。

なお、敦賀以西については、昨年末に小浜京都ルートが決定し、29年度から国土交通省がルートや駅の位置などの詳細調査を行います。北海道新幹線開業が平成42年度末ですが、それ以前にできるだけ早く開業できるよう、我々は、政府、与党に整備財源の確保、また早期着工をさらに厳しく求めていきたいと考えています。

 「中部縦貫自動車道整備事業」については、永平寺大野道路がこの夏までには大野まで開通するということです。大野油坂道路については、荒島第1トンネルの工事などを進めます。事業費は今年度に比べ38億円増の112億円です。この道路については、北陸新幹線敦賀開業に合わせた全線開通を国に要望していきます。

 既につくっております「高速交通開通アクション・プログラム」ですが、ステップアップをします。北陸新幹線小浜京都ルートの決定や平成34年度の敦賀開業、それと同時期を目指す中部縦貫自動車道の全線開通など、方向が見えてきましたので、ステップアップ事業として442万円を計上しています。

 隣接の府県である、石川県、岐阜県、滋賀県、京都府などとの人の交流を促進するとともに、若狭湾エリアの新たな地域構想と具体的なプロジェクトを検討し、「高速交通開通アクション・プログラム」を改訂します。

 次に、「定住人口、交流人口の拡大」です。これから内にこもることなくオープンな姿勢で様々な人たちの来訪を歓迎し、我々自体もそのような人たちとの結びつきや交流によって考え方をオープンな形に変えていくという、福井県の大交流のスタートの年にしたいということです。「ふくいワークキャンプ推進事業」は、都市部の学生が企業で新商品開発などを行いながら住民と交流し、将来的には福井への移住につなげるということです。

 「30歳の成人式開催支援事業」は、成人式から10年後、30歳を契機に「30歳の成人式」を開催することにより、県内外の同級生が集まり、交流会を通して地域を考え、地域の活動に参加するきっかけとするものです。県外に出た若者の将来的なUターンにもつなげていくというプロジェクトです。

 「幸福ふくいロングステイ推進事業」は、1,200万円余りです。現在、二地域の居住やロングステイが全国的にも増えていることから、長期滞在受入施設を持つ勝山市や美浜町などにおいて、モデル的にロングステイ希望者を受け入れる事業を新たに実施します。

 次に、「小松空港国際定期路線開拓推進事業」です。小松空港については、福井県そして石川県共通の国際空港というような役割をこれから担っていくと思います。現在、ソウル、上海、台北に定期路線が週に14便就航していますが、さらなる利用拡大を図るため、両県で定期路線の開拓を目指していきます。このため、国際線を利用して現地団体との様々な交流事業を行う団体への支援のほか、石川県と連携した香港メディアへの働きかけなど、認知度向上を拡大したいと思います。

 次に、「海外クルーズ客船おもてなし事業」です。今年の9月2日と10月14日に、大型クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」が本県初めての海外クルーズ客船として敦賀港に寄港します。乗客定員が2,700人、総トン数11万トンの非常に大きな船ですので、寄港時には敦賀市と連携し、様々なおもてなしを行い、今後の継続寄港につなげていきます。

次に、「国際ビジネス人材育成支援事業」と「留学生県内就職支援事業」です。海外で活躍できる社員の育成や留学生の県内就職を応援するということです。福井県と大変つながりの深いフィンドレー大学の協力を得て、県内企業の若手社員を派遣し、研修をし、現地で産業人としての様々なトレーニングもしていただくということです。また、留学生と企業のマッチングを支援するという最終的な目標を持っているものです。

 次に、3つ目のテーマになりますが、「魅力発信の強化」です。

 「幸福度日本一」の本県の魅力を国内外に広く知ってもらうため、ブランド発信を強化していきます。県内のみならず、近隣府県とも連携し、本県の優れた古い歴史や文化を「交流新時代」に新しい形で発信していくということです。

 まず、「幸福ふくい情報交流促進事業」です。幸福度ランキング総合1位の実績を踏まえながら、本県の幸福度の高さを県内外に発信していきたいと思います。29年度は、新たに首都圏において幸せを感じるラジオ番組を福井ゆかりの著名人を起用して、月1回30分程度放送します。また、季節ごとの様々な場所での行事、風習などを紹介する「しあわせ歳時記」を完成させ、県内全世帯に配布します。

 次に、「『ポストこしひかり』のブランド化事業」、1億4,000万円です。来年の本格販売を目指している「ポストこしひかり」は、今年度1種に絞り込み、その名称募集を年末から行いました。29年度は、品種登録およびテスト販売を行いながら価格を決定する大事な年となります。新しいコシヒカリにふさわしい、より高い価格で販売するため、首都圏における本格的な販路確保、情報発信を行います。

 次に、「幕末明治福井150年博(仮称)開催準備事業」、さらに新規の事業として「歴史資源魅力創出事業」、1,400万円などです。幕末明治150年となる平成30年に向け、全国的にも、特に薩長土肥と言っている地域、また京都なども誘客活動の動きを深めております。最近は由利公正や坂本竜馬、松平春嶽などの新しい歴史資料が出ていますが、そのようないろいろな動きの中で、歴史資源を様々磨き上げながら150年博を実行していきたいと思います。これは市町の協力が不可欠でありますし、時間がかかりますので、しっかりと事業を進めていきたいと思います。

 次に、「年縞研究展示施設開館PR事業」です。年縞研究展示施設については、今年度から建設工事に着手し、開館を30年度に予定しています。国体の年になります。29年度は機運盛り上げのため、嶺北において年縞研究の第一人者を招いたシンポジウムを開き、嶺南地域では建設現場の見学会や水月湖上の学習会のほか、中学生、高校生を対象に立命館大学の先生によるサマースクールなども開催します。

 次に、「泰澄白山開山一千三百年記念事業」、予算は1,800万円です。717年(養老元年)、奈良時代が始まったころ、福井県出身の高僧である泰澄大師が、白山を開いたということです。白山は、現在は石川県、岐阜県、そして我が福井県、それぞれ登山道路があります。平成29年の白山開山1300年を記念して3県それぞれ事業を進めることになりますが、福井県としては白山信仰ゆかりの文化財の特別公開やゆかりの地を巡るバスツアー、眺望ポイントの整備、歴史博物館における記念展を行い、首都圏などで3県による共同出展も実施します。

 次に、「国際工芸サミット(仮称)開催事業」、800万円です。北陸の工芸の魅力を世界に知らせるため、文化庁と北陸3県が連携し、平成29年度から33年度の5年間、各県において「国際工芸サミット(仮称)」を行います。29年度は富山県、31年度が福井県、32年度が石川県という予定です。29年度は、各産地と芸術家、バイヤー、デザイナーなどとの商談会を開く予定です。なお、福井県の31年度は、サンドーム福井をメイン会場に国際工芸展やシンポジウム等を開く予定です。

 次に、「福井・滋賀・京都観光連携事業」です。若狭さとうみハイウェイ(舞鶴若狭自動車道)と京都縦貫自動車道が全線開通し、嶺南地域と京都、滋賀を周遊する新たな高速交通ネットワークが誕生しており、隣接する滋賀県、京都府と協議を重ねた結果、この3月に三府県連携観光促進協議会を設立し、共動して観光誘客を進めることになりました。三府県に共通する日本遺産や鉄道遺産をメインテーマに、広域観光による新たな観光需要をつくっていきたいと考えています。

 次に、「『御食国・和食の祭典』開催事業」です。歴史的に朝廷に食材を納めていた、いわゆる御食国(みけつくに)と呼ばれる福井県の若狭、兵庫県の淡路、三重県の志摩、そして都である京都府とが連携し、「御食国・和食の祭典」を行います。第1回は、兵庫県洲本市で開催し、各府県のブランド力を合わせた相乗効果によって福井の魅力を全国に発信します。30年度以降は、各県において順次開催を予定しています。

 続いて、マニフェスト「福井ふるさと元気宣言」の実現に向けた事業です。ちょうど今期の中間の年に当たりますので、マニフェストに掲げた政策を進化させ、加速化するということになります。

 まず、福井の未来を担う人材の育成ということであり、教育に関係します。

 「英語力向上事業」、1億円余りです。

 新しい学習指導要領に基づき、32年度から小学校5、6年生において英語が教科化されます。本県では、その32年度に先立つ2年前、30年度から小学校の英語教科化を先行実施する予定です。1年前となる29年度は、教科化に対応するための小学3年生から6年生の指導案や指導用教材をつくります。これに際しては、ベネッセコーポレーションと協働し、県独自の教材開発を行います。また、教材の活用法についてはベネッセの協力を得ながら小学校を中心に教員の研修を強化するとともに、語学番組の活用や授業研究なども行い、全ての教員の英語力の強化を行った上で子どもたちの教育に臨む予定です。

 次に、「教育総合研究所機能強化事業」、2,000万円余りです。

 これまで運動公園にありました教育研究所について、現在、旧春江工業高校跡地に移転整備をしています。この4月に「教育総合研究所」として開館し、「教育博物館」なども新たに敷設する予定です。

 「教育博物館」では、県民や学校から収集した昔の教科書や様々な教育資料、福井ゆかりの教育者の愛用品などを展示するとともに、企画展、関連講座を開き、福井の教育力を全国に発信する予定です。特に教科書などの昔の資料については、それぞれのご家庭にまだ何となくあるとか、ああ、ここにあったというようなことも多いですし、そういうことをお忘れになっている方もいるかもしれませんが、ぜひこの機会にこちらにお預けいただいて、実際に使用されていたものを見て、みんなが教育の歴史をわかってほしいと思います。

 また、「サイエンスラボ」を設置して、学校には整備されない高度な実験機器を揃え、遠隔授業・研修システムを使って中学校や高校に実験動画を配信したり、高校生が実際にサイエンスラボの機器を使って実験を行う講座を開くことにより、理科教育の強化を図ります。

 教育総合研究所移転リニューアル記念事業は、4月15日(土)に記念講演などを含めて行いたいと思います。

 次に、「学校業務の効率化」、1億3,000万円です。教員の多忙化を解消し、学校業務の効率化を図るため、まず1つは、部活動指導について、専門のスポーツ指導者あるいは退職教員などで部活動の指導ができる人たちを雇用しまして、教員に代わって指導や引率ができるようにし、教員の負担軽減を図ります。もう1つは共通の校務支援システムの導入です。現在、学校ごとに様々な校務支援システムがあるのですが、学校ごとに違いますと先生が学校を異動するごとにそれに慣れるのに時間がかかりますので、共通化をする予算です。この2つによって、先生が不要に時間をとられることがないようにしていきたいと思います。

 次に、産業の活性化についてです。

 まず、「宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)開催準備事業」、約200万円です。福井県では平成31年度の県民衛星打ち上げを目指しプロジェクトを行っていますが、これに合わせ、国内外から多数の来訪者が見込まれる「第32回宇宙技術および科学の国際シンポジウム(ISTS)」を開く予定です。29年度は愛媛県松山市で第31回大会が開催されますので、そこにも参加し、本県の観光や産業を大会参加者に紹介します。そして、翌々年になりますが、32回は本県でこの大会を開催するということです。

 このほか、「宇宙産業拠点整備事業」、「ロボット研究開発拠点整備事業」があります。

 次に、「ステップアップ・ファンド創設事業」です。福井県の企業がより知名度を高め、優秀な人材を確保するためには、株式の上場ということが1つの課題になります。このため、県および金融機関等で構成する投資ファンドをつくることにより、上場を目指す成長志向の企業に対して出資し、経営指導を行います。投資ファンドは約5億円です。これによってぜひやりたいという企業も内々に聞いていますので、頑張ってほしいと思います。

 次に、「越前古窯博物館開館・振興事業」です。越前焼研究の第一人者で、越前焼の命名者でもある水野九右衛門さんの旧宅と資料館を、平成27年度から越前陶芸村に移築整備しており、今年の秋には「越前古窯博物館」が完成します。これを記念し、茶会なども開きます。また、越前焼コレクションの展示と整備なども行います。

 次に、農林水産業の振興についてです。

 まず、「『福井県産そば』産地競争力強化事業」です。福井県のそばについては、米、大麦、大豆・そばという2年3作体系を行っていますが、県産そばを「世界三大そば」として県内外に売り込んでいこうということです。29年度は、県立大学と連携して、天日干しや雪室貯蔵による高付加価値の「プレミアムブランドそば」を開発するということです。また、麺以外での県産そば粉の需要を開拓するため、女性にも人気のある「ガレット」として売り出すなど新たな魅力の発信につなげていきます。現在そばの販売額は5億円ですが、まず3年後には6億円に引き上げていく予定です。

 次に、「ふくいワイン振興事業」です。ワインにつきましては、最近非常に人気が高いということです。越前市安養寺に研修施設がございますが、そこを中心にワインの栽培、製造などを行い、地元のいろいろなレストランやお店で使っていただく、こういう格好にしていきたいと思います。

 次に、「園芸拠点施設整備事業」です。園芸研究センターについては、これまでの大規模施設園芸や果樹の技術開発に加え、薬草を新たな中山間地域ビジネスとして実証・展示するほか、園芸についての体験学習を実施するなど、より幅広く県民の皆さんが園芸に親しみ、また、いろいろな技術開発も行う園芸拠点施設として整備します。29年度は、土地の造成や薬草展示園の整備、30年度には薬草や農産物の加工体験ができる園芸LABOを整備します。また、地元で生産された農産物の直売所および薬膳や地域食材を使った料理を提供するレストランを美浜町が整備します。

 次に、「新魚種養殖振興のための施設整備事業(水産学術産業拠点関連事業)」です。29年度から将来有望な「マハタ」、「トラウトサーモン」の種苗生産施設などを整備し、カニあるいはフグに加えて目玉にしていきたいという事業です。

 次に、「林業ビジネスの拠点整備」です。総合グリーンセンターの研修館などを改修し、人材育成や流通・販売促進の拠点として機能強化を図ります。製材所や工務店向けの技術研修に加え、きのこや山菜の生産者の養成など、林業に関する幅広い研修を実施する場所にします。

 次は、地域の医療や福祉の充実です。これについては非常に分野が広いですし、いろいろな国の制度や県独自の制度もあり、全ての説明はできませんが、代表的なものとして、まず「子ども医療費助成事業」です。子ども医療費について、福井県は所得制限を設けず、市町と合わせ、中学校3年生まで無料化を拡張させて、全国的に非常に充実した県ですが、支払いに関しては、窓口で、一旦利用者が支払い、後日、ご自身の口座に振り込まれるという自動償還払い方式となっています。国はこれまで、窓口無料化に対して、国民健康保険の国庫負担金を減額調整する措置をとってきましたが、福井県をはじめ全国知事会などの要請を受けて、これを平成30年度から、小学校へ入るまでの子どもの保護者に対してはそのようなことをやめるという方針を決定しています。これを受けて福井県でも30年度から、小学校に入るまではもちろん、中学校3年生までの全ての子どもを対象に、自己負担を除き窓口無料化とすることを市町と相談して決めました。なお、小中学生に係る減額調整分については、県が全額負担することになります。29年度は、その準備として、システムの改修を行う予算を計上しています。

 次に、「ふくい健康の森リニューアル事業」です。ふくい健康の森は、オープンから20年以上経過しており、屋外施設の一部リニューアルのため、29年度から実施設計に着手します。県内初となる公設のスケートパークの整備や屋外イベントが可能な大型屋根の設置など、県内全域から様々な世代の人たちがいろいろな機会に集まるような施設に衣替えをし、平成31年春のリニューアルオープンを目指します。

 次に、「県立病院ハイブリッド手術室整備事業」です。7億円余りですが、県立病院に外科手術に加えて、カテーテル治療(血管内の治療)を同時にできるハイブリッド手術室を整備することにより、何度にも分けて手術をしたり、いろいろな感染リスクがあるということがない体制にします。

 「県立病院こころの医療センターの再編」については、精神単科病院では対応が困難な、精神と身体の合併症患者の増加に対応するため、精神科一般の1病棟を削減し、新しく「精神科救急・合併症病棟」を開く予定にしています。

 次に、福井しあわせ元気国体・大会の成功に向けた準備についてです。いよいよ来年に迫ってきたところですが、様々な準備や競技力向上に、それぞれ11億円、13億円を計上しています。

 特にここで申し上げたいのは、いわゆる国体と障害者スポーツ大会の融合の問題です。

〔資料:国体と全国障害者スポーツ大会の融合について

国体と障害者スポーツ大会をできるだけ融合するために、今回、まず両方の大会の略称を「国体・障スポ」と決定し、融合をPRしていきたいと思います。オリンピックでいいますといわゆるオリパラというのに相当するかと思います。この「国体・障スポ」を使用することにより、全国障害者スポーツ大会も国体と一緒にやるのだということを知っていただくということです。両大会の略称として「国体・障スポ」を使用するのは全国で初めてのことですので、おそらく来年の福井大会以降はそのようになるのではないかと思います。

 また、国体会期中に障スポの競技である車椅子バスケ、車椅子テニスを実施します。さらに、「国体・障スポ」の開催期間を含む「県民スポーツ交流期間」を設定します。これらは初めてのことで、誰もがみんないろいろなことをやっていくということです。

 29年度は、「国体・障スポ」の融合に向けたバリアフリー環境の整備、車椅子用トイレの購入、プロモーションビデオの作成、市町が実施する融合推進イベントへの助成を、実行していきたいと思います。

 なお、競技力向上については、強化対策を最大限実施し、しっかりした結果を出したいと思っていますが、県外への遠征や実戦練習を通じて厳しい戦いに確実に勝利を得るという力を身につけるように応援していきたいと思います。

 また、新しい県営体育館をはじめ、国体・障害者スポーツ大会用の施設については順調に整備を進めています。県営体育館は3月に完成し、4月8日(土)に記念式典を行うとともに、記念イベントとしてプロバレーボールチームによる親善試合を行います。

 このほか、「美しいみち・かわづくり事業」は、道路に草が生えていたり、河川の中で雑草が生えていることがないように整備する事業として4億5,000万円。

 「宿泊施設バリアフリー整備事業」は、宿泊施設を対象に、バリアフリー整備の支援をする予算を8,200万円計上しています。

 私からの説明は以上です。

~質疑~

 

【記者】

 今回の当初予算編成の狙いを改めてお願いします。

 

【知事】

 予算の狙いは、「東西南北の交流促進」です。県内はもちろん、県外、周辺の県、あるいは海外にも目を向けた新しい交流時代という心がけでみんなで動いていこうということです。それに向けての完璧な予算かというとまだわからないところがありますが、できるだけそれを目指したということです。

 例えば高速交通体系の整備をまず着実に進めなければいけませんから、北陸新幹線、中部縦貫自動車道、高速交通開通アクション・プログラムなどで200億円余り、定住人口、交流人口の拡大で1.6億円、魅力発信の強化で10.6億円。合計で215億円ぐらいの事業になっています。

 

【記者】

 29年度当初予算案に込めた知事の思いは。

 

【知事】

 気持ちを外に向けるということです。内向きにならず、オープンに、外に向けて頑張る人を応援する。自分ができないのだったら人にやってもらう。あまりああだこうだと言っているような時代ではないので、みんなで積極的に進めていくということかと思います。内側に向けているとゼロになってしまいますので、ベクトルを外に向けることです。

 

【記者】

 来年の国体と、34年度の北陸新幹線敦賀開業に向けた準備も着々と進めようという予算という見方をしています。新幹線、国体に向けた魅力づくりで力を入れていくのは、一乗谷、年縞、恐竜といったところですか。

 

【知事】

 そればかりではなくて、これまでインバウンドでは、爆買いなどと盛んに言われていましたが、だんだんと、歴史、文化を楽しむことに変化してきています。そこを福井県としてよく捉え、対応するということだと思います。福井は歴史や文化などいいものがたくさんあり、交通条件もよくなってきたことによって認知度が上がり始めました。そして、若い人たちがいろいろなところですごく頑張っていたり、映画ができたりといったことがありますから、このような動きを全力でエンカレッジし、行政も先頭に立って推進していくということだと思います。

 

【記者】

 新幹線に向けた準備という意味でも大きなキーポイントですか。

 

【知事】

 新幹線の準備は非常に地道なもので、まず用地買収、工事の着手、そして、それぞれの駅周辺の事業、その事業を県と市でどう負担するか、それをどう活用するかなど根っこの事業は、着実に進めていかなければならないと思います。

 

【記者】

 予算について、新交流時代という言葉を知事は使っていますが、今までもいろいろ交流はあったと思います。今回の予算の中で新しい人の流れや、この新交流時代という言葉を使われていることの狙いをもう一度お願いします。

 

【知事】

 まず、福井県と隣接している石川県とはかなりやっておりますが、岐阜県、滋賀県、京都府など周辺の府県と連携しながら、東京や大阪などいろいろなところへの売り込みを進めるということ。また、国際的にも発信していくということです。どこまでやっていいかというようなことがあるのですが、国際的な交流は大きな流れになってきましたので、県民の皆さんも、そのようなことをしても我々の生活とあまり関係ないのではないかという気持ちを抱かなくなってきているかと思います。そのことが福井県の子どもたちの将来や産業の振興、あるいはお金の動きにいい面があらわれればそれに越したことはないわけですので、そのようなことを進めていこうということです。

 

【記者】

 新しい交流の時代ということは、県民に対してもかなりエネルギーが要るようなことを求めていくのだろうと思いますが、今回の予算を見てみると、比較的低予算のものをいろいろ打ち出しているのかなと思います。これはいろいろやってみることが大事だという狙いですか。

 

【知事】

 あまり片方だけではオープンではないから、全体に可能な限りいろいろなことをやり、そこからいろいろなものが生まれてくると思うのです。そのようなタイミングでできたと思います。

 

【記者】

 その中で福井の売りというのは、歴史や文化だと思いますか。

 

【知事】

 福井県は北陸の中でも歴史が非常に古いです。そういったものをうまく文化と絡めて売り込むと同時に、福井県内の主な産業都市の魅力も発信していくことが大事です。

 

【記者】

 国体について、全国で初めて「国体・障スポ」と略称を決定して融合のPRをしたいということですが、融合の狙いは何ですか。

 

【知事】

 国体と障害者スポーツ大会は、これまでずっと別々でしたが、みんなが一緒になってやるものでしょうし、こうした少子高齢化の時代に、障害があるとかないとかいう話はみんなの話なのです。年を重ねますといろいろな障害も出てきます。今そうでないというだけの話ですから。スポーツはその最も典型的なあらわれだから、そこで皆で一緒にやっていくという大会にすることが2巡目国体以降の意味にもなりましょうし、オリンピックなどにも関連すると思います。国や日本障害者スポーツ協会、障害者団体といろいろな話も意見交換もさせていただいて、そのようにしようではないかということになったわけです。

 

【記者】

 大交流時代という中で北陸新幹線と中部縦貫自動車道と国体があり、この3つだけでも前年度から比べると100億円ほど増えていると思いますが、その増えた分をほかのことでもやりたいのだけれどできないというような悩ましさはあるのでしょうか。大きな夢や独自性のあるものはないのかなという印象を受けるのですが。

 

【知事】

 一定の財政規律は今、最大限度でやらないといけないと思いますが、その中で事業を如何に有効に実行するかということだと思います。これからいろいろなものをつくらないといけませんし、既にできたもののメンテナンスなども課題です。そんなにいろいろなことができる状況にはないと思いますが、これまで貯金を積み、また、新幹線などは借入金を平準化しながら物事を最大限進めていこうということですので、何とか財政を乗り切って今必要なものは最大限やろうということです。

 

【記者】

 今後も新幹線がさらに本格化してきたりすると毎年こういった状況が続いていくと思いますが。

 

【知事】

 そうですね。さらには並行在来線がどうだとか、いろいろな課題も出てくると思います。

 

【記者】

 国体の融合について、少子高齢化社会を迎える中でみんなで一緒にやる大会にしたいというのは、障害があるとかないとか関係なくみんなでやるという意味でおっしゃったと思えばよろしいですか。

 

【知事】

 そのようにお考えいただきたいと思います。

 

【記者】

 今回融合という形が1つ具体化されて、日程で一緒にやるということですが、日程を一緒にして、さらにどのようにしていくかという形が次の課題になってくると思います。その後の変化をどのように考えていますか。

 

【知事】

 これはこれからのことですが、これまでは国体が終わると、障害者スポーツ大会があるのにもうすべて終わったような話となり、これは課題としてみんな意識していました。それを同じ場で、バスケットボールの後、連続して車椅子バスケットをすることで、いろいろなことがまず見えてくることが大事かなと思います。最初ですから全て完璧にはできないと思いますし、またいろいろ考え、皆さんのご意見もいただきながら、このようなことをやったらいいということがあったらそれをやっていこうと思います。

 

【記者】

 そのような仕掛けもやっていくという。

 

【知事】

 はい。

 

【記者】

 ふるさと納税について、全国の自治体連合をつくってふるさと納税のさらなる発展を目指す運動をやっていくという予算も負担金として20万円出てきていますが、こうした運動をやっていくことの思いを改めてお聞かせいただけますか。

 

【知事】

 ふるさと納税というのは強制的な制度ではなくて、納税者が思うところに寄附をしてその地域を盛り上げようという趣旨の制度ですので、基本的には国民のそういった気持ち、精神を増進するシステムです。ただ、それが今、かなり市場的になっているという課題があります。できるだけこれを一時的な現象にしなければなりませんし、国民のほんとうの自覚を何としても取り戻すために、強制するのではなく、みんなでいい制度にしていこうという狙いなのです。

 

【記者】

 市場というのは返礼品の話ですね。

 

【知事】

 それもありますし、もうかるとかもうからないという発想の制度では全くないということです。そういうことになる傾向が見られるので、それをみんなで自制する、あるいはものの本題に立ち返ることだと思います。

 

【記者】

 税収がかなり落ち込んでいるという厳しい状況の中で、どういったところに重点配分した予算ですか。

 

【知事】

 今どうしてもやらないといけない北陸新幹線や中部縦貫自動車道に対する現実的な負担がありますので、それはしっかり財源を確保して投入をします。国体も多少そういうところがあります。それ以外は、教育です。人づくりにお金を入れないと福井県の将来はないと思います。また、観光などについては、具体的にお金がたくさんかかる分野ではないですが、できるだけ有効に使って産業的によい動きが出るような体制をとっているということです。特に農林水産業は新しい動きが出ていますから、そこにはある程度思い切ったお金を投入しています。個人的な事業が多いですからあまり多くのお金は投入できませんが、これまでとはやや基準を異にして応援をしているのが実際です。

 

【記者】

 財源について、今回、財政調整基金を90億円取り崩したということで、税収が思ったより伸びないと予想されたということですが、行財政改革実行プランで29年度の基金取り崩し額を10億円と予想していた中で、今回90億円取り崩さざるを得ないということは、今後の行革プランの見通しを変更する可能性があるのでしょうか。

 

【知事】

 基金というのは当初予算で取り崩して、いろいろな財政運営をしている中で年度末の補正でまた戻すのもあるのですが、行財政改革実行プランの目標では135億円の貯金残高を確保しようということで、29年度末の見込みは148億円です。

 

【総務部長】

 今、28年度末で180億円の残高見込みで、90億円崩しますので、見かけ上は残高90億円になる見込みですが、基金の戻しなどを見込みますと大体150億円ぐらいには戻りまして、行財政改革実行プランの135億円を15億円ほどはクリアできるのではないかと思います。

 

【記者】

 私の伺いたかったのが、その行財政改革実行プランでは基金取り崩し額が90億円ではなくて10億円と予想していた中で…。

 

【総務部長】

 その点については、今回の税収ならびに歳出の見込みが当初行財政改革実行プランを立てたときとは若干異なってきているということでございますので、10億円の取り崩しが今回90億円になっています。

 

【記者】

 その取り崩し額が予想より多くなった中で、年度末に積み戻すのは148億円まで積み戻せると予想しているのですが…。

 

【知事】

 それは、28年度は税収があまり伸びないと予想していたのが、28年度の決算の税収が予想以上に伸びているということも背景にあると思います。

 

【記者】

 実際の予算で予想しているよりも、決算はもう少し伸びると踏んでいるということですか。

 

【総務部長】

 決算の不用額なり税収の若干の上振れなりを期待しているという部分がございます。

 

【財務企画課長】

 基本的にはこの目標は残高ベースで、貯金額が最初に幾らになるかというのが一番目標になっていまして、単年度ごとの財源不足というのは一応行財政改革実行プランにも立てていますけれども、それはあくまで想定で、事情の変更で、基本的に歳入歳出額ともプランとはいろいろ大幅に変わってきますし、行財政改革革プランで29年度の歳出総額は4,900億円となっているのですが、それは実際、今回4,700億円台ということで、そこは大きく変わってきます。ただ、一方で、27、28年度の税収が行革プランよりもよかったということで、かなり手元の目標よりも今財政調整基金に余裕がありますので、そういう部分を活用して、今回は90億円取り崩してもまだ行革プランに対して余裕があるという状況で、最終的に年度末においても行革プランの目標は超えられるということで、あくまで単年度の取り崩し額がどうかというよりも、最終的な貯金額の残高がどうかという部分で我々としては管理しています。一応の予想で立てている29年度、30年度の歳出額や財源不足額だけで議論してもあまり意味がないのかなと考えています。

 

【知事】

 前の年の決算との出入りが絶えず生じますからね。

 たくさん崩したけれども、前年28年度は税収が予算の予想よりも多くて、また戻ってくるということで、ストックだけをいうと今のところ29年度見込みの基金は150億円程度。行財政改革実行プランの目標では135億円は確保しないといけないということで、大体15億円は余裕があるということになるのではないかということです。

 

【記者】

 今回の予算には高速交通体系の完成を見据えてハード・ソフト両面で受け皿整備の予算が多く盛り込まれていますが、実効性を高めていくためには市町や民間との連携が大事になってくると思います。その点についての考えを聞かせてください。

 

【知事】

 「高速交通開通アクション・プログラム」がそのような発想でして、県と市町だけではなくていろいろな民間企業などの役割を一覧的に明記してやろうということですので、そのことを特に意識しています。

 

【記者】

 今回の予算編成に当たって幸福度日本一を県民の実感につなげる施策をポイントに掲げられたと思いますが、今回の予算の中でその柱となるような施策はどういったところになりますか。

 

【知事】

 幸福はあらゆる総合指標の結果であるから全体であらわさないとしようがないですが、特に現象としてはこの幸福情報をみんなにわかっていただこうということで、首都圏におけるラジオ放送や催事など、いろいろなことをやろうということです。幸福という実態をいかに売り込むかという予算であって、幸福の実態は既にここに存在するということになります。子どもたちがよく体を動かし、勉強を仲よくやっているということは、教育予算のことになってしまいます。

 

【記者】

 子どもの医療費無料化について、国からの負担金の減額が緩和されることがきっかけになったという話でしたが、無料化自体の狙い、期待される効果をどのようにお考えですか。

 

【知事】

 我々の経験からも子どもは病院によくかかります。医療費無料化は、子育てに対する基本的な応援になるのではないでしょうか。ただ、そこだけやると単に物的な給付支援ということになりますので、他の政策と一緒にやらないといけません。実際福井県は他の県よりも手厚くやっています。近隣の県では3億円、4億円のオーダーですが、本県は8億円とか9億円という予算です。

 

【記者】

 4期目の折り返しということで、マニフェスト政策を進化、加速させるとおっしゃいましたが、今任期の折り返し時点でマニフェストの進捗がどれぐらいあって、この予算でどれぐらいまで達成できるとお考えですか。

 

【知事】

 4月に28年度の成果を見て検討、発表します。

 

【記者】

 この予算ではどれぐらいまで知事のマニフェストは遂行できるとお考えですか。

 

【総務部長】

 それはもうしばらく精査が必要なので、今ここでは。

 

【記者】

 あと2年で100に持っていくためにはそれを割り算するしかないわけで、単純に今年度の成果を見ないといけないというのもわかりますが、この当初予算でどれぐらい進捗させるのかということを教えていただけるとありがたいのですが。

 

【財務企画課長】

 そこは定量的な数値がどうこうよりも定性的な話なので、方向性として加速させていくということです。今の時点でこれによって何%進捗しますという数値的な分で整理しているものではないです。あくまで定性的な方向性です。

 

【知事】

 特に幸福度について、65の指標がありますが、その中で福井県が低いものが幾つかありますので、そこについては特に気をつけて予算を組んでいます。よいところは伸ばせばいいのでしょうが、具体的にごみの減量化など、いろいろなことがあるのです。

 大体マニフェストは特定のものを除いて、28年度ではほぼ順調に進んでいます。今回は北陸新幹線などいろいろなものの大きな動きで、これはマニフェストで指標化はなかなかできませんが、順調にいっているのかなと思っています。

 

【記者】

 子どもの医療費助成制度について、福井県は他県に比べて手厚くされているということはよくわかるのですが、今回を機に、現在、県としての助成で小学校3年生までとなっているものをさらに広げるとか、または一部の自治体がやっている500円の自己負担をなくす、完全無料化にするというような拡充というのは難しかったのでしょうか。

 

【知事】

 国のいろいろな医療政策なり意図がありますから、そういったものをある程度忖度しないとけないこともあると思います。何でもやっていいというものではないというように市町長も言われますので、そういったものに応じたということです。

 

【記者】

 既に県の助成も使って市町で独自に中3までやっているという…。

 

【知事】

 そうですね。それでも構わないという市町長もいますが、それはそう思わないのだという市町長も少なからずいますので、そのような状況でこういったところで折り合ったということになります。

 

【記者】

 市町との調整の結果という…。

 

【知事】

 そのように思っていただければよろしいかと思います。

 

【記者】

 高浜原発のクレーン倒壊事故について、関西電力の豊松副社長との会談の中で藤田副知事は、運営体制に強い不信感を示し、今、安全の総点検を求めている状況だと思います。関西電力側は後々報告をしてくると思いますが、その報告がある前に仮に再稼働したいという話になった場合、県としてどのような対応をしますか。総点検が終わるまで再稼働するなと言うのか、それとも別の話として捉えるのか。

 

【藤田副知事】

 総点検が終わるまでに再稼働したいとおっしゃるのですか。

 

【記者】

 高浜原発3、4号機に関しては、裁判の結果次第で2月以降、3月以降再稼働できる状態になる可能性もあると。そうなった場合、安全総点検の結果を待つまでは…。

 

【藤田副知事】

 趣旨はわかりますが、それで総点検もせずに再稼働したいとおっしゃるのですかね。

 

【記者】

 いや、それは関西電力のことですが。

 

【藤田副知事】

 僕らは総点検してくださいとお願いしているわけです。そうでないと安心できませんと言っているわけですから、それをしっかりしてもらうことがまず先決だということです。

 

【記者】

 そういうことはあり得ないという考えでいいということですか。

 

【藤田副知事】

 そこは我々がどうこうではなくて関西電力のスタンスだと思います。まずはしっかり総点検をしていただくことに尽きると思っています。

 

【記者】

 ふるさと納税について、返礼品の競争とは別に、例えば東京都の区長などからかなり税収が落ち込んでいるという声が上がっています。そういった点について、どのように受け止めていますか。

 

【知事】

 もともと大都市に住んでいる人たちがふるさとを思って自分の出身地などに寄附をされたときに、その寄附金はふるさとで有効に使われ、住んでいる町の税金が控除されるという制度です。普通、大都市については地方交付税などの財源の中で行政がしっかりできるように進められるというシステムですから、問題がそこから格別生じるような状況ではないと私は想像します。

 

【記者】

 現状は問題ないというようなお考え…。

 

【知事】

 そう想像いたします。財政的にもカバーのシステムがありますし、それは区長には、自分の区の人たちが一体どこから来たのか、自分の区で子どもたちや生活する社会人を育てたのかという大もとに立ち返ってもらわないといけないと思います。

まさにそこに30万人なら30万人の人口がなぜ、いらっしゃるのだろうかという思いは当然常識として持たれるべきだと思います。

 

【記者】

 職員の懲戒処分の公表基準について、県としては人事院の指針に準ずるという形をとられていると思いますが、今後改めていく考えや動き、あるいは何か検討されているなどをお聞かせ願えればと思います。

 

【総務部長】

 県の懲戒処分ですが、人事院の公表基準に準じて今公表しています。我々としては独自に明文化はしていませんが、基準は持っていると認識しています。これからどうするのだという話ですが、今、懲戒処分の公表基準について全国調査をしていますので、この調査を参考にしながら検討して明文化をしていきたいと考えています。

 

【記者】

 つまり全国調査を終えると明文化して基準をつくるということですか。

 

【総務部長】

 それを検討しているということです。

 

【記者】

 我々マスコミからすると情報公開請求をするとわかるものであって、一般的なイメージとしてはやはり出されたほうがいいと思います。この前の公用車の事故の件も、減給処分ですけれども結局あまり重大な事案ではないということで、指針の中に公表すべきとあるものを公表しなかったということもあります。その考えについてはいかがですか。

 

【総務部長】

 公用車の事故の件は、議会には相手方を公表しているのですが、こちら側の職員名などは公表していませんので、これについてこれから検討していきたいと思います。

 

【記者】

 つくることも含めて検討する。

 

【総務部長】

 はい。

 

【記者】

 第2恐竜博物館の検討を進めていると思うのですが、現時点で整備に向けた知事の感触と、立地の場所として望ましいと思われる場所があれば教えてください。

 

【知事】

 28年度には、今の恐竜博物館の来客や機能、役割がどうかということ、それから、新しい恐竜博物館はどんな役割が必要なのか、どんな展示が必要なのか、今の施設と新しい施設の対比の中で民間の参画というのはどのようなものがあるかというようなことの検討をやり終えつつあるところですから、この計画をもとに、29年度には今言ったものをどう具体化できるか。つまり、100万人のお客さんがいますけれども、100万人となりますと、新たにそういったものをつくるといったときにどのぐらいのお客さんを目指すのか、そのためにどのぐらいのお金が必要かということを十分慎重に計算しないと大変です。そういったことがありますので、金額も大きいですし、その辺を具体的にさらにもう少し詰める必要があるだろうということで、これはぜひとも県議会ともかかわる話ですし、将来にかかわりますので、29年度に具体的な計画をさらに考えていくということになると思います。

 

【記者】

 第2恐竜博物館のオープン時期というのは北陸新幹線敦賀開業までにという思いですか。

 

【知事】

 そういったことを含めて検討します。北陸新幹線なのか中部縦貫自動車道なのかということがありますから。

 

【記者】

 それも視野に入れて。

 

【知事】

 かなりスケールの大きい事業になりますので、十分その辺を見て計画をつくらないといけないだろうと思います。

 

【記者】

 北陸新幹線の敦賀以西ルートについて、京都・大阪間の南回りの調査結果がまだ国土交通省から示されていませんが、従来福井県は北回りを推してきたと思います。県議会の中で、あまり北回りにこだわらず京都府に配慮して早期整備のためには南回りでもいいのではないかという声もありますが、知事として考えに変わりはないでしょうか。

 

【知事】

 いずれにしても年度内にはB/Cなどが示されますから、それを見て北陸3県としても考える必要があると思います。基本はできるだけ早く大阪につながるようなルートでないといけないし、工事自体も早くできるルートでないと我々の目標には達しないということを強く言っているということです。

―― 了 ――

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