知事記者会見の概要(平成30年12月28日(金))

最終更新日 2018年12月30日ページID 040590

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平成30年12月28日(金曜日)
10:30~11:50
県庁 特別会議室

H30.12.28知事写真
 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

【知事】  

 皆様方にはこの1年、いろいろとありがとうございました。あらためてお礼申し上げます。今日は年末の記者会見ですので、平成30年を振り返っての所感とマニフェスト「福井ふるさと元気宣言」に基づく4年間の県政についてお話ししたいと思います。よろしくお願いします。

 まず、平成30年を振り返ってということであります。今年は、「福井しあわせ元気」国体・障スポの成功や幕末明治福井150年博の開催、そして民間の研究機関(日本総合研究所)が2年ごとに実施しております「都道府県幸福度ランキング」において、3回連続で1位になるなど、県民が一丸となってその実力を発揮し、成果を収めた年であったと思います。そうした背景を踏まえまして、平成30年の主な項目として、国体・障スポの成功のほか、12の項目について、あらましを申し上げます。

 

 まず1点目は、国体・障スポの成功であります。

 9月から10月にかけて開催しました国体・障スポでは、県民の皆さんの実力を結集し、幸せを感じる、元気あふれる大会にすることができたと思います。また、両大会には天皇皇后両陛下、皇太子殿下をはじめ、多くの皇族の方々をお迎えし、開・閉会式や競技会の御観戦、さらには県内の各地を御視察いただいたことは、県民にとって大きな喜びであり、励みになったと思います。

50年ぶりの開催となりました福井国体では、天皇杯、皇后杯を獲得する完全優勝を成し遂げることができました。さらに、障害者スポーツ大会においても、130個のメダルを各選手が獲得するなど、ベストを尽くしてくれたと思います。素晴らしい成績を収めた福井県の選手団、式典の出演者、熱い声援を送った観客の皆さん、お支えいただいた役員、ご家族などの関係者、ボランティアなど全ての県民の皆さんにあらためて感謝を申し上げたいと思います。

 また、この大会では全国で初めて国体と障害者スポーツ大会の融合を掲げ、国体終了の3日後に障スポを開催をすると同時に、国体期間中に障スポ競技である車いすバスケットボールや車いすテニスを行いました。例えば、陸上競技場で国体の陸上競技をご覧いただいた後、隣の県営体育館で車いすバスケットボールを観戦されるなど、満席になるほど多くの方々が応援をしたということであり、初めてこれらの競技を見た方も多かったと思います。障スポの競技会場では、多くの観客が選手に声援を送ったほか、国体の選手たちが応援に駆けつけたり、サポートボランティアが試合前の練習を一緒に行うなど、スポーツを通じた交流が深まりました。この融合の理念を発展させ、障害の有無にかかわらず、全ての県民がともに支え合うという共生社会の実現につなげていくことが重要だと思います。

 また、国体・障スポ以外にも県民が活躍してくれた1年であったと思います。まず、福井商業高校のチアリーダー部「JETS」が全米大会で優勝するとともに、今月26日には、アメリカ・ニューヨークにあるカーネギーホールでの公演を成功させております。また、若狭高校の生徒が開発したサバ缶が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙日本食に食品メーカー以外では初めて選ばれたほか、ラジコンの世界一や将棋、オセロ、競技かるた、音楽など様々な分野において優秀な成績を収めてくれました。また今日は、NHKのラジオ英語番組の創作ストーリーコンテストで大賞に輝いた中学生の記事が載っていたかと思います。さらに、小中学生の学力・体力は全国トップクラスを維持するとともに、中高生の英語力が全国第1位となりました。今月22日、23日に東京で開かれました高校生の即興型英語ディベート全国大会においては、「米国の保護貿易主義は害をもたらすか」というパッと出されたテーマで藤島高校が初優勝するなど、素晴らしい成果を出してくれていると思います。

 また、女性の皆さんも活躍してくれました。ジェラート日本選手権の優勝や全国舞踊コンクールのクラシックバレエジュニア部門での優勝、その他、様々な分野で突破力を発揮してくれたと思います。

 企業におきましても、近畿ブロックの優れた長寿企業を表彰する「100年企業顕彰」において、前田工繊、セーレンの2社が最優秀賞に選ばれたほか、優れた農業経営を実践している経営体を表彰する「全国優良経営体表彰」において、かみなか農楽舎が農林水産大臣賞を受賞しました。また、県職員についても、少数精鋭で成功させた国体・障スポをはじめ、本県発のスニーカービズが国主催の第7回「健康寿命をのばそう!アワード」において厚生労働大臣自治体部門優秀賞を受賞するなど、これまでの取り組みが大いに評価されたところであります。さらに、国体・障スポに出場した県職員が好成績を収めるなど、結果が出ているかと思います。

 

 2点目が、3回連続の幸福度日本一であります。

 5月に日本総合研究所が公表しました「幸福度ランキング」において、本県は2014年、2016年、今回の2018年と3回続けて総合1位の評価を受けております。これは県民の日々の努力や、これまで進めてきた子育てなど各分野における成果が認められたものであり、大変喜ばしいことであります。お盆や国体・障スポの期間中には、幸福度日本一をPRするため、県庁舎を使い県内では初となる本格的なプロジェクションマッピングイベントを開き、約4万4千人の方にご覧いただきました。今後も本県のライフスタイルを「幸福度を高める福井モデル」として全国に様々な広報をし、また、実力をつけながら発信してまいりたいと考えます。

 

 3点目は、4年後の完成に向けた北陸新幹線の工事の進捗であります。

 北陸新幹線金沢・敦賀間については、2023年春の敦賀開業に向け、福井市内の九頭竜川橋梁の橋桁架設が7割完了し、また、南越前町から敦賀市にかけての新北陸トンネルの掘削が8割に達するなど、県内全域で工事が進んでおります。来年度にかけまして、いよいよ工事が最盛期を迎えます。そして、各地域のシンボルとなる県内4駅舎の外観デザインが3月に既に決定しておりますので、それらに基づいて、駅舎のほか、駅前広場、駐車場、道路アクセスなどの整備がこれから進むわけであります。

 フリーゲージトレインについては、8月に国が北陸新幹線への導入を断念したため、大阪までの全線開業となるまでの間、敦賀駅で新幹線特急の乗り換えが生じます。敦賀駅発着の全ての新幹線と乗り継げる特急の確保による利用者の利便性確保を引き続き、国やJR西日本に求めてまいります。

 大阪・敦賀間については、敦賀開業から間を空けずに着工し、1年でも早い完成、開業を実現するよう、政府与党に繰り返し要請をしております。今月、自民党の鉄道調査会(会長:稲田衆議院議員)のもとに、建設財源について検討するプロジェクトチーム(座長:高木衆議院議員)が発足しましたので、速やかに結論をいただくことを要請し、期待もしているということであります。

 今後も県内一丸となって、また、関西の自治体や経済界との連携を強化し、早期全線開業に向けた運動を展開します。

並行在来線については、8月の対策協議会において、本県単独による第三セクター会社の設立や、上下一体経営などを柱とした基本方針を決めております。また、9月には石川県と相互乗り入れや割引制度について合意をしております。これらを受けまして、人手不足の中、着実に社員を確保し、円滑に第三セクターに移行できるよう、セクター会社の早期設立についても検討してまいります。

 なお、関連して、えちぜん鉄道については、6月に福井駅など新しい駅舎を利用した専用高架での運行がスタートしております。この高架によりまして、最後に残っていた福井口の踏切が廃止され、この結果、福井駅周辺から5か所の踏切が全て廃止され、市街地の東西の交通の円滑化が図られています。

 

 4点目は、高規格道路の整備促進であります。

 中部縦貫自動車道大野東インターから油坂県境までについては、先月、新長野トンネルと下山トンネルの掘削が始まり、工事が進んでいます。大野油坂道路は、新幹線敦賀開業と同じ時期に全線開通を目指しており、今後も国会や県議会の議員、沿線の市町とともに国に働きかけてまいります。

 若狭さとうみハイウェイについては、今年7月に全線開通から4年目を迎えております。3月24日には、三方五湖スマートインターチェンジが開通するなど、沿線の企業誘致、周辺観光施設へのアクセス向上に伴い、交通量が毎年着実に増えています。開業1年目は1日約6,500台でありましたが、現在は1日7,100台と、約1割増えています。

 北陸自動車道については、南条スマートインターチェンジにおける平成17年の社会実験開始当時から続いていた午前6時から午後10時までの利用時間の制限がなくなり、3月27日から24時間での運用が開始されています。このことにより、夜間や早朝でも救急搬送、通勤、物流が可能となっています。

 それから、国道8号福井バイパスでありますが、あわら市笹岡から丸岡町玄女間の5.4㎞が9月に暫定2車線で開通し、これにより、昭和41年の事業開始以来、福井バイパスはあわら市笹岡地区から越前市塚原町を結ぶ42.2キロが全線開通したことになります。今後は暫定2車線で開通した区間や、石川県境までの区間の早期の4車線化を国に求めていくということで、石川県と合意を結んでいるところであります。

 なお、地域道路としては、吉野瀬川ダムの付替道路である県道武生米ノ線、国道476号西部アクセス道路、県道丸岡川西線布施田橋、国道476号持越バイパス、国道416号大日峠道路の5か所について、国体・障スポの開催に間に合うよう整備をし、開通しています。これらの新しい道路、いわゆる「しあわせ元気道路」の開通により、今年は住民の利便性や地域間の交流が進んだ年になりました。

 

 5点目は、幕末明治福井150年博であります。

〔資料:幕末明治福井150年博 実績と成果報告

 県では全市町、関係団体とともに、3月から11月までの8か月間、県内全域で「幕末明治の福井」というテーマで150年博を開催しました。県立博物館で開催した特別展「幕末維新の激動と福井」をはじめ、初公開を含む多くの貴重な歴史資料を展示した企画展、イベントなどを開き、各会場には合計で約64万人の皆さんに来場いただきました。今後はこうした意識の高まりが一過性のものとならないよう、本県の人づくり、まちづくりに生かしたいと思います。なお、幕末明治福井150年博の実績と成果については、お手元にお配りしてあるレポートにまとめましたので、ご覧いただきたいと思います。

 また、3月の幕末明治福井150年博の開幕にあわせて、福井城本丸の西側を守る門として築城当時から存在した山里口御門の復元が完了しました。8月には中央公園の再整備を完了し、9月にはかつての天守閣、櫓などをCGで閲覧できる復元アプリの配信を開始しています。この結果、中央公園から御廊下橋、山里口御門、福の井へと続く散策ルートが出来上がり、山里口御門への訪問者数は延べ4万人以上となっています。

 

 6点目は、福井ブランドの全国発信であります。

 ドラマ「チアダン」では、JR福井駅西口の恐竜広場をはじめ、県内各地で撮影が行われたほか、福井の食べ物、伝統工芸などが数多くドラマに登場し、また、出演者の皆さんは福井の言葉で話をされていました。現在上映中の映画「えちてつ物語」は、ふるさとの温かさや家族の絆を描いており、多くの方々から感動の声が寄せられています。大河ドラマ「西郷どん」では、松平春嶽公、橋本左内が重要な役割で登場するなど、メディアで数多く取り上げられ、その功績が全国に知れ渡ったところであります。さらに次の展開を期待し、また、働きかけてまいりたいと思います。

 恐竜博物館については、人気映画「ジュラシック・ワールド/炎の王国」とのタイアップにより、博物館の知名度が一層高まり、また獣脚類をテーマとした特別展も話題を呼んだところであります。この結果、特別展「獣脚類」は、特別展としては過去最高の約26万3千人の入場者を記録しております。また、野外恐竜博物館も過去最高となる約3万9千人のツアー参加者数を記録しました。今年も冬の企画展の開催や年末年始の特別開館を行い、里帰りをされた方など、多くの方に来館していただけるよう取り組んでいきたいと思います。

 日本遺産については、5月に日本遺産「北前船寄港地・船主集落」に本県から新たに坂井市と小浜市が追加認定されています。今回の認定により、昨年認定された南越前町、敦賀市など合わせて15道府県38市町で構成されることになりました。県内だけでなく関係地とともに、一層誘客に力を入れてまいります。

 また、国重要指定文化財については、引接寺(越前市)の「水瓶」、明通寺(小浜市)の「寄進札」の2件が10月に重要文化財の指定を受けております。本県を代表する丸岡城天守については、国宝指定を目指し、坂井市が中心に調査を進めており、引き続き県も支援していきたいと考えております。

 

 7点目は、農林水産関係の「食の國福井」の魅力発信であります。

 新ブランド米「いちほまれ」については、今年2月に食味ランキングで「特A」を獲得し、本格デビューに向けて大きな弾みとなりました。生産量を昨年の600トンから3,000トンに増やし、9月に本格販売を開始しました。国体にもお見えになった五木ひろしさん出演のCMや店頭での試食販売、国体・障スポでの振る舞いなどを行っております。評判もよく、販売開始から約3か月で今年の生産量の5割を出荷しています。

 また、新たな酒米については、県農業試験場が県酒造組合の協力のもと、8年間の歳月をかけてオリジナルの酒米を開発し、この11月に「さかほまれ」という名称に決定しております。来年から本格栽培をし、2020年に地酒を商品化する予定であります。

 それから、越前がには、9月にカニとしては全国で初めて、地域の特産品を国が知的財産として保護する「地理的表示(GI)保護制度」に登録されています。

 

 8点目は、新たなものづくり、産業関係であります。

 新たな移動手段として期待される自動走行については、昨年3月に永平寺町の「永平寺参ろーど」が国の実証地域に選ばれ、実用化に向け、10月から1か月間、定時ダイヤを運行し、1人のドライバーが2台の車両を遠隔操作するという世界初の公道での実験が行われています。

 また、小型衛星の製造については、県内企業と東京大学、県工業技術センターが連携し、アフリカのルワンダ共和国で使用される超小型衛星の製造効率化に向けた共同研究をスタートさせています。さらに、2020年度に打ち上げを予定している県民衛星とあわせて、株式会社アクセルスペースが打ち上げを計画する衛星のうちの数基についても、同社と県内企業が共同製造することになっています。

 さらに、AI・IoTを導入する企業を支援するとともに、IT人材を育成するために、11月には「ふくいAIビジネス・オープンラボ」を県産業情報センター内にオープンしているところであり、県内企業に積極的に役立てていただきたいと思います。

 

 9点目は、自然災害への対応と対策であります。

 2月の豪雪の教訓を踏まえまして、市町、鉄道・バス事業者、除雪関係者から様々な聞き取り、検討を行い、12項目にわたる対策を10月にまとめました。これが今、実行に移されているところであり、今後、降雪時の対応に全力で取り組みたいと思います。

 また、7月の豪雨では、国道305号福井市居倉地区の道路法面が崩壊いたしましたので、カニの季節に間に合うよう、10月末に海岸部に張り出した仮設道路を整備しました。なお、崩れた斜面については、来年度中に本格的な復旧を完了する予定であります。

 

 10点目は、原子力防災対策の充実であります。

 8月に実施した原子力総合防災訓練では、大飯・高浜両発電所を対象として190の機関から約4,300人が参加しました。さらに、住民の方々約7,500人が訓練に参加され、そのうち1,500人の方々は県内外への避難訓練に参加するなど、過去最大規模の訓練となりました。この訓練では、自衛隊など実動機関の大型ヘリ、大型船舶の輸送力、自家用車やバスによる避難のほか、スクリーニング(放射性物質の汚染検査)の地点を2倍以上にするとともに、初めて海上自衛隊の掃海母艦(ぶんご)に災害医療拠点を設けるなど、量的、質的に防災訓練のストレスを高めて実行したものであり、今後も様々な訓練を積み重ねながら防災力を強化をしていきたいと思います。

 

 11点目は、救急医療体制の強化であります。

 関西広域連合と京滋ドクターヘリの共同運行に関する協定を国体開催前に締結し、運用を始めております。また、岐阜県との共同運行についても、協議を進めているところでございます。

 

 12点目は、里山里海湖の保全活用であります。

 年縞博物館が9月15日、国体前に開館いたしました。皇太子殿下、秋篠宮同妃両殿下にご来場をいただくなど、これまでに2万人が訪れています。今後は、環境教育の拠点として、年縞の魅力を国内外に発信してまいります。

 また、越前市内で飼育しているコウノトリのペアから初めて有精卵が産まれ、5月にヒナが誕生しました。元気に成長した3羽については、9月に越前市坂口地区で放鳥を行っており、平成27年以降、4年連続、計9羽の放鳥に成功しております。これからコウノトリを福井県のシンボルとしてどのように展開していくのかは、地元と相談しながら対応してまいります。

 以上、12項目にわたって申し上げたところでございます。

 

 次に、2つ目のテーマであります「福井ふるさと元気宣言」に基づくこれまでの約4年間の県政についてであります。

 マニフェストに基づく4年間の県政については過去3期とも、12月末のこの時期に成果を公表しております。「福井ふるさと元気宣言」についても、各指標の数値がある程度出そろったので、本日お示しします。

〔資料:資料1「4年間の県政」資料2「実施状況」資料3「目標数値の進捗状況」

 資料を3つ配りましたが、私からは資料1「『ふるさと元気宣言』に基づく4年間の県政」に沿って説明をいたします。

 12の政策ごとに、成果について4年前と比較して数字を出しているところであります。中身としては、1期目は元気指標50項目の達成率が74%、2期目は110項目の達成率が84%、3期目は100項目の達成率が85%であります。今回、4期目の見込みは91%となっていますが、目標を低くしたわけではありません。

 例えば、11ページにあります立地企業数は、前期(3期目)は4年間で100社の目標でしたが、116社の立地となりました。今期は120社を目標に掲げ、135社の見込みとなっています。

 このようにより高い目標を掲げまして、職員の皆さんの奮起を促すとともに、効果を上げるというのがマニフェスト行政の狙いであり、こういう目論見は概ね当たっていると思っております。

 

 主な項目について説明いたします。

 「元気な社会」については資料1、2ページをご覧ください。U・Iターン数は今年度末に700人を超える見込みであり、4年間で2倍になっております。

 女性の活躍についても、就業率等、昨年の内閣府の白書でも紹介されたように、先進国スウェーデンを上回る成果が福井で出ています。

 3、4ページの教育や人材については、全国トップレベルの「学力・体力」、「英語力」、また、ふるさと先生による「ふるさと教育」、あるいは産業人材面では「園芸カレッジ」、「伝統工芸職人塾」に加え、新たに設けた「水産カレッジ」、「林業カレッジ」などの成果があると思います。

 5、6ページの医療や健康・福祉の分野では、福井発の県民運動としてスポーツ庁とも連携した「スニーカービズ」や、東京大学とのジェロントロジー共同研究に基づくフレイル(虚弱)予防プログラムなど先進的な取り組みを進めました。また、在宅ケアについては、坂井地区をモデルに始めた24時間在宅ケアを全県展開いたしました。

 7、8ページの安全・安心の分野では、子供の安全について見守り運動の強化や事故防止対策などを進めたほか、ダムや河川整備による自然災害の防止、あるいは大雪対策などを行いました。

 9、10ページのコウノトリ、年縞については、先ほど申し上げたところであります。

 

 次の「元気な産業」について、11、12ページの企業立地は、冒頭申し上げた通りでありますし、県民衛星プロジェクトも2020年度の打ち上げを目指し、進んでおります。

 13、14ページについては、先ほど申し上げた「いちほまれ」や「越前がに 極」など農林水産業の分野が記載してあります。

 15、16ページのブランド・観光については、幸福度日本一や恐竜博物館の状況を記載しています。

 

 次の「元気な県土」について、17、18ページの北陸新幹線は冒頭に申し上げました。他に、中部縦貫自動車道の大野油坂道路の全線事業化や永平寺大野道路の開通、若狭さとうみハイウェイのスマートインターの開通などが記載してあります。

 鉄道については、平成28年3月に福井鉄道・えちぜん鉄道の相互乗り入れと福井鉄道の駅前延伸が実現しております。相互乗り入れは平成15年の1期目就任時のマニフェストに盛り込んだものでありますが、ようやく実現できたところであります。

 19、20ページの原子力・エネルギーの分野については、様々なことがありました。特に新しいエネルギー基本計画については、原子力を「重要なベースロード電源」と位置づけてありますが、一方で「依存度を低減する」としております。原子力の将来像が曖昧でありますので、国に対し様々な要請をし、明瞭化を図りながら、原子力政策を進めなければならないと思っております。

 

 次の「元気な県政」について、21、22ページの「国体・障スポ」は先ほど申し上げたとおり目標を達成したところであります。

 23、24ページの「幕末明治福井150年博」についても先ほど申し上げたところでございます。

 25、26ページは行財政改革であります。県債残高はこの4年間で約474億円削減できる見込みであります。14年度末時点から見ますと、2,000億円程度の削減になります。

 また、目標に入れていませんでしたが、職員数の削減もかなり進んでおり、一般行政部門では就任当時と比べますと約19%、650人を削減し、全国一少ない人員ながら様々な創意工夫をし、職員の皆さんに頑張ってもらい成果を上げているということであります。

 以上、代表的な成果を選んで説明しましたが、まだ年度末までしばらくありますので、「福井ふるさと元気宣言」の仕上げに全力を挙げてまいりたいと思っております。

 

~質疑~

 

【記者】  

 マニフェストについて、確かに徐々に達成率が上がってきています。しかし、1割は未達成、達成困難となり、結果的にこの4年間の活動の中で、1割は県民との約束を果たせなかったということになりますが、その点について、知事のお考えはいかがですか。

 

【知事】  

 これは、できるだけ結果が出るように目標のハードルを上げていくのですが、やっぱり上げても上げたなりに、達成するとなにかがちょっと低いのではないかと、そんな感触を持たれるかもしれません。しかし、決してそうではないわけであります。特に、観光というものは、十分成果の上がりにくい分野であると考えていますが、数値自体は実際に上昇しており、一定の効果はあると思います。特に、国体はクリティカルな目標でありましたが、天皇杯、皇后杯を獲得するなど成果が出たと思っています。

 また、一番大きなプロジェクトである北陸新幹線などについても方向が大体見えてきたと思います。

 一方で、原子力などについては、様々な国の関係や日本全体のエネルギー政策のいろいろな動きなどもありまして、必ずしも明瞭に数字でお示しする言い方はしにくいところがあると思います。

 

【記者】  

 今年のトピックやマニフェストの達成状況など、いろいろお伺いしましたが、結果としてこの1年、県民の暮らしというのはどのように良くなったとお考えですか。

 

【知事】  

 特に、福井県の経済成長率も北陸の中では高いですし、子育てや教育などの水準も安定しながら伸びています。国体・障スポで皆が気持ちを合わせ、目標を持って地道に頑張ると成果が出るという気持ちが県民の皆さんにあるでしょうから、それをしっかりと受け止めたいと思います。どこへ行っても、そういう話をおっしゃっておられる方が非常に多いです。そういうエネルギーを上げていくということが大事だと思います。

 

【記者】  

 国体が自信になったということはあると思いますが、民間の調査や政府の調査でも、暮らし向きなどの評価というのは、数値、マインドとしては悪化しています。ふくい・くらしの研究所の調査結果や福井財務事務所の調査でも、自信がついたという一方で、将来に対する不安というのは県民の皆さんにはまだ根強く残っているのだと思います。その辺りを解消する方法というのは、今後どういうものがあるとお考えですか。

 

【知事】  

 県の行政というのもできるだけ合理的に運用しながら、この15年、様々な財源を確保し、子育てや福祉、特に教育などは全国に例を見ない少人数学級としています。あるいは、特別支援なども、一人でもそういうお子さんがいらっしゃると、そこに先生を一人担当させるなど、他県には無いようなことを行っています。財源は無限にあるわけではありませんので、借金をずっと減らしてきましたけれども、こういう財源を見ながら、そういう安心できる分野にお金を振り向けることが必要です。また、何といっても、農業、水産業、林業というのは福井の基盤になっています。そこには、様々な経営体がありますので、皆さんの意欲に合った方向で財政的や人的な応援をし、例えば「いちほまれ」や「カニ」のように、全体をリードできるタイプのものを入れながら進めていくということが重要だと思います。

 

【記者】  

 成長戦略を考えた時に、必ずしもその姿が見えてこないということが、国民、県民の実感だと思います。福井県が成長戦略を描くときに、磨いていきたい部分というと、特にどこに軸足を置きたいとお考えでしょうか。

 

【知事】  

 私が知事に就任した時には、失業者も多く、有効求人倍率が0.7など今とは全く別の様相を呈していました。知事に就任して数年間はいかに働く場を皆さんに見つけるかということが課題でありましたが、大きな経済の流れや政策も変わり、今は当時とは逆の状況ですから、人材をいかに確保するか、それからAI・IoTなどいろいろな新しい技術の地元中小企業への普及や、誘致した企業と地元企業との連携などいろいろなことを進めていくということが重要だと思います。そして今、2年間前倒しして福井経済新戦略、また、農業計画の見直しを進めております。そういう中で、盛り込んでいくということだと思っています。

 

【記者】  

 新幹線の建設費上振れについて、国費増を確保できた一方で、貸付料の増額については、まだ課題を積み残したと思います。また、先ほど、敦賀以西の議論を早く進めてほしいという話がありました。1年ぐらいで結論を出すという話も出ています。今後、財源の議論で特に期待していることや、1年で結論を出すというペースについて、知事はどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】  

 約2,200億円という金沢・敦賀間の建設費増加分の財源については、来年度政府予算案において国費が約40億円増額の約790億円となっておりますし、新幹線の譲渡収入や貸付料の充当などにより確保できておりますので、4年後の敦賀開業の見通しは財源としては立っています。そして、その財源をそのまま敦賀以西にさらに改善をしながら充当していく作戦だと思います。

さらに、JR西日本の協力が必要ですが、貸付料の算定期間を30年から50年に20年延長すると、いろいろ利子の割引料も計算しないといけませんが、1兆円近くという相当な財源が出ます。国費が800億円ということになれば、10年間で8,000億円でありますから、それを合計すると、計算上は2兆円となりますので、そういう見通しを立てて進めていくことかと思います。大阪万博など、関西でのいろいろなプロジェクトがありますし、関西広域連合や経済界もそういう動きであり、先日のJR西日本主催の経済界の集まりでも、皆さんが強い決意を述べておられましたので、そのような方向になると思います。

 

【記者】  

 知事は国体の成功ということを何度も強調されています。そのレガシーをどう受け継ぐかということを目的に、各地区との意見交換会を一通り終わられたと思います。意見交換会を終えて、どのようにレガシーを受け継ぐかというイメージを持っているのでしょうか。 

  

【知事】  

 意見交換会では、競技団体と市町のいろいろな動きをお聞きしました。年明けにはさらに式典に加わった人たちのご意見も十分お聞きしないといけないと思っています。

 頑張っている皆さんのお気持ちをさらに吸い上げてほしいというような意見もありますので、それを受けて、これからの競技力を向上させ、継続的に一定のステータスをしっかり持ち、「スポジョブふくい」で福井県に来てくれた皆さんが、企業人としてもアスリートとしても頑張っているという新しい姿をつくる必要があるだろうと思います。

 それから、それぞれの市町が自分のところの競技を誇りを持って応援し、成果を上げましたので、次のお家芸スポーツを皆でつくっていこうという話などいろいろな動きがあります。身近なお話としては、「はぴりゅう」たちをどう活躍させるかなどいろいろあると思います。

 

【記者】  

 知事として、この1年間を一言で振り返るとどういった1年になりますでしょうか。  

【知事】  

 やっぱりいろいろなことがありましたが、激動の、そして、これまでに経験のない1年だったかと思います。特に、国体・障スポについては県民の皆さんもそうだと思いますが仕事冥利に尽きると、そんな気持ちを強く抱いております。天候の問題をどうクリアするかや皇室の方々をいかにしっかりお迎えするか、県外から来られる皆さんへの対応、国体と障スポの融合、そして、天皇杯、皇后杯がどうなるのかなどかなり厳しい毎日であったと思います。そして、最後は追い風がしっかり吹いてきて、皆の頑張りを押してくれたということだと感じています。

 

【記者】  

 国体が一番印象に残っているということですが、ご自身の中でも思い入れがあったというのはどういうところでしょうか。

 

【知事】  

 2つありまして、1つは、雨の中で始まった式典です。相当、力を強くして、皆と力を合わせて最初の式典で演技をしないといけないわけです。皆さんのやりたいという気持ちを皆に見ていただかないといけないですし、見ていただく皆さんも、そこが大事だと思いました。

 2つ目は、国体の競技が進むにつれ、段々と成績が上がってきて、優勝するのではないかという予感というか、70年近くの経験の中では感じたことの無い特殊な感覚を抱いたということです。優勝するのではないかという予感というのは、大変おもしろく有意義で貴重な感覚でありますし、他の方もそういう感覚を抱いたのではないかと思います。

 

【記者】  

 関西電力の中間貯蔵施設候補地の提示が見送られたことについて、あらためて今、知事としてどのように思われているでしょうか。

 

【知事】  

 これはもともと高浜発電所の再稼働の時に、2020年頃の計画地点の確定、2030年頃の操業開始というフレームを相互に理解したわけです。その中でどうこれを進めるかということで、本年末を一つの区切りとして、そこまでで関西電力も全力を尽くし、本来はその結果を出したいという予定だったということであります。これについては、我々福井県と関西電力だけの議論ではなく、地元という他のどこかの地域が存在するという非常に難しい課題であります。そこをどうクリアするかということで最大限努力をされて、今の時点では計画地点の表明ができないということですが、その基本的な枠組みは変わらずに、2020年を念頭に、早い時期に期限を区切って計画地点を示したいということで、感触を得ているということですから、継続的にこの問題に取り組むという結果かな、こういう性格のものであろうと思います。

 その間に、国、政府のコミットとしては、使用済燃料対策推進協議会という場を必ず設けるように我々が要請をし、その動きをさらに強めていますので、そういう中で、継続的に成果を出すという状況だと思います。

 

【記者】  

 関西電力から年内に伝えられなかったことに関してはどういうふうにお考えですか。

 

【知事】  

 基本的な枠組みはしっかりしています。今回は中間段階になりましたけども、最終的には、2020年に考えを示して、「2020年頃の計画地点確定、2030年頃の操業開始」を実現するということかと思います。

 「2020年頃の計画地点確定、2030年頃の操業開始」と普通に言っていると、いつ頃何が起こるのかという話になりますが、そんな訳にはいかないわけで、一つ一つチェックをしないといけないと思います。これから後、2020年までについても、関西電力から、今どのような状況になっているか、引き続きお聞きして、この問題を解決するということだと思います。

 

【記者】  

 知事はそういうふうにおっしゃっいますが、去年の大飯発電所の再稼働同意時、関西電力が2018年内に提示すると言ったことに対し、県民は必ず提示するだろうと思っていたと思います。それができなかったら、当然、再稼働合意の際の議論の中での関西電力社長の発言でしたので、それが明確な条件になったかどうかは別にして、止めるという選択肢もあるのではないかと思っている県民の方も多いと思います。それについては、知事は止めるつもりはないということでしょうか。

 

【知事】  

 これは、「2020年頃の計画地点、2030年の操業開始」という計画をしっかり実現していかないといけません。また、岩根社長は、再び県民の信頼を損ねることがないように自ら先頭に立って取り組むということをおっしゃられていますので、その発言を肝に銘じて政府との連携を一層強め、全力で取り組んでいただきたいということであります。

 

【記者】  

 止めるつもりはないということでしょうか。

 

【知事】  

 そういう性格のものではないと思います。大枠を押さえて、一つ一つ県民の皆さんにどこまで頑張って物事を解決してやっているかということを見ていただかないといけません。そういうふうに理解をしていただくのがいいかと思います。

 

【記者】  

 関西電力の中間貯蔵施設に関連して、嶺南の一部の首長から議会等において、県内でも乾式での貯蔵など、必ずしも県外にこだわらないような声が上がっています。その状況も踏まえた上で、知事が、県外ということを今までおっしゃられてきているその理由、なぜ県外なのか教えてください。

 

【知事】  

 これは福井県が歴史的にいろいろ積み重ねてきた経緯もあります。福井県は主に関西を中心に原子力発電のために貢献をし、もちろん県民の安全や地域の振興などもありますけれども、その役割を果たすということであって、発電が終わったら更地にして現場を戻していただきたいという基本的な方針であります。いろいろな燃料については、県外へ搬出していただきたいということであり、中間貯蔵施設の県外立地を進めるという考えは全く変わりもないし、そういうことが基本的な考えです。この原則はしっかり押さえた上で、地元で安全な保管の考えとして、湿式ではなくて乾式という考えをお持ちの方もいらっしゃるのかもしれません。それは貯蔵の仕方としての議論であると思っています。

 

【記者】  

 岩根社長が来られた際に、「手応えを感じている」、「前に進んでいる感触がある」ということを強調されましたが、今は候補地を言えないという発言だと思います。一部報道によると、当初から進んでいないという情報も出てきていますが、知事として、関西電力の交渉状況は、先日の報告を受けられて進んでいるとお感じになられていますか。

 

【知事】  

 これは、普通にしていても何の報告も受けられないし、どれだけの交渉を彼らがしたのかということも、おそらく分からなかったと思います。我々としては、関西電力が、いつまでに何をしたいのかということをおっしゃっていただきたいと思います。自ら期限を決めてこちらに提示があったのだから、それがどうなっているかということを、この年末時点で判断したということだと思います。本来であれば、候補地の報告ができるのがベストだったんだと思います。しかし、こういう状況ですから、それを受けて、さらに全体のフレームの中で、2020年を念頭に、できるだけ早く全力でやっていただくことかと思います。行程が遅れているわけではありません。

 

【記者】  

 今おっしゃられたように、年内という期限は、関西電力から示してきたわけですが、県民としては、いつぐらいにどこに行くのかということを早く知りたいという気持ちがあると思います。岩根社長からは2020年の早い時期にというお言葉ではありましたけど、県として、いつまでにもう一度報告に来てほしいと要請するお考えはありますか。

 

【知事】  

 それは毎年、少なくともいろいろな報告を受ける必要があると思います。お見えになると思います。

 

【記者】 

 関西電力と県だけの問題ではなく、受け入れる第三の地域があるということで、この1年間、むつ市の話題が報じられてきました。それ以外にそういった議論が今まで出てきていないような印象でしたが、そういった中でも今、関西電力の進めておられる作業に手応え的なものが何かあるんだろうなと思われる知事の根拠は何かあるのでしょうか。

 

【知事】  

 原子力プラントの立地地域では、はっきり目に見えて、議論をしているわけですが、使用済み燃料を引き受けになる地域というのは、やはりまた一定の条件と地域の対応というのが必要ですから、いろいろなことを努力はしておられると思いますけども、そう軽々にどこだと言えるものではないと思います。政治的にも、あるいは行政的にもいろいろあると思いますので、そういうものを受けながら、さらに確定をしていくということかと思います。箇所は何千となくいろいろ議論しているというお話はありました。九州などの他の立地地域でもいろいろな議論が今、出ています。そういうことがいろいろあっても、やっぱり信頼を得ながら両方の地域で物事を解決していくということが基本だと思います。これはますます政府の介入が重要だと思います。全体としてのいろいろな権限や、あらゆる対応ができるのは、国であり政府であるし、しかし、電力事業者が政府任せにしては、またいけない。全力を挙げながら政府がバックアップするというのがこの問題の基本だと思います。これは核燃料サイクルの枠があるわけですので、そこを押さえてやっていただくことをさらに強めたいと我々は思っています。

 

【記者】  

 仮に、2019年に国を含めた打開する何かがあるとお考えなのでしょうか。

 

【知事】  

 これは一つ一つ、物事を進めていただかないといけないし、そういういろいろな情報も我々にいただかないといけないと思います。

 

【記者】  

 先ほど知事は、進むことを期待していると言われましたが、そこの進展がなければまた関西電力と話をするということでしょうか。

 

【知事】  

 これは、進んでいただかないといけないし、全力でやってもらわないといけません。再び県民の信頼を損ねることがないようにと言っておられるわけだから。

 

【記者】  

 これまで関西電力の中間貯蔵施設のことで、2020年頃と言っていたのが、今回の面談では2020年を念頭に早目にというご回答でした。そのこと自体は、知事として前進だったと受け止めていらっしゃいますか。

 

【知事】  

 もともとお約束したものは果たせなかったということはありますけれども、これは2020年までという全体の中で問題を解決するということです。1回では解決できないということでありますので、再び解決していただかないといけません。何でも1回ではできないこともあります。しかし、全力で一回一回話を詰めて、相手との話もいろいろと詰めてやらないといけないということです。

 

【記者】  

 再び県民の信頼を裏切らないようにということは、1回裏切っているという認識が関西電力にはあると思いますが、いかがですか。

 

【知事】  

 それは電力事業者のお考えを言っているので、私がそれを何か言うわけではありません。

 

【記者】  

 関西電力はそういう思いでいて、向こうが示してこなかったという理由として、報道では知事が来年の春に任期満了を迎えるということに関連して、県の原子力政策の方針が変わるという期待があるのではないかという声もあります。原子力政策を巡る県の方針の継続性など、その辺はどのようにお考えでしょうか。

 

【知事】  

 原子力政策はそのようなお話で変わったりするというわけにいかないでしょう。そんな話は無関係だと思います。国民の大事なエネルギー政策ですから、そういう議論ではないと思います。

 

【記者】  

 これから関西電力は高浜1、2号機や美浜3号機の再稼働も考えているかと思いますが、今回のこの社長の報告がそれらに影響を及ぼすということはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 全般的にいろいろな影響があるということについて、枠の中でそういう議論があるわけですから、無関係ではないと思います。とにかく、電力事業者と県や地元の市町との信頼関係がないと、幾らやっても何の安全安心の議論もできないし、県民の支持を受けられないわけです。国もさらに加わると思いますけど、そこの信頼を押さえてやることが我々の大事な仕事です。そこを押さえて解決したいというのが私の思いというか願いであり、そこは関西電力も同じだとは思います。

 

【記者】      

 今までの議論を聞いていると、2020年というのが大事であり、2018年というのは関西電力が1つの区切りとして約束したものだったということでしょうか。

 

【知事】  

 そうではない。

 

【記者】  

 では、どういう性質のものだったのでしょうか。

 

【知事】  

 これは相手があることで、私が全て言うわけではないけど、全力で、ある期限を定めて取り組んで、いろいろな事情で困難であるから、さらに最終的な目標を定めてやろうということだと思います。

 

【記者】  

 2020年というのはもちろん大事だというのは分かりますが、今年の末に報告するという中身に関しては、知事として絶対に計画地点を確定させるというところにこだわってはいなかったということでしょうか。

 

【知事】  

 こだわるとか、こだわらないという話ではなく、関西電力がそうだとおっしゃるから決めて欲しかったと思いますが、それがいろいろな事情でできないということです。放っておくと2020年頃の話なんて何も起こっていないことになるのではないですか。

 

【記者】  

 去年の11月時点での約束というのは、今年中に決めるというものでもなくてもよかったということでしょうか。

 

【知事】 

 そんなことはありません。それぞれの時点で全力を尽くしてもらわんといけない。

 

【記者】  

 去年の段階では、全力を尽くすという約束でもよかったということでしょうか。

 

【知事】  

 全力で地点を示したいということだったのだと思います。

 

【記者】  

 知事としては、全力を尽くせばどんな約束でもよかったということですか。

 

【知事】  

 そんなことはないです。

 

【記者】  

 それなら、今回の2018年中に地点を持ってくると言ったことに対しては、約束を破ったのだから、何かペナルティーがあるべきではないですか。

 

【知事】  

 ペナルティーがどうかという議論があるのかどうかはちょっと分かりません。

 

【記者】  

 一企業と県、県民との約束なわけです。それこそマニフェストで約束したことを達成できなかったら、仕方がないとは誰も言わないですよね。

 

【知事】  

 はい。

 

【記者】  

 そうであるなら、関西電力が約束を破ったのですから、何らかのペナルティーがないとそれは県民は納得しないと思います。2020年というのにこだわるのは分かりますが、この時点での約束が果たせなかったことに対して、関西電力への注文がないと意味が分からないのですが、知事はいかにお考えでしょうか。

【知事】  

 2020年頃の地点確定という最終目標の中で、できるだけ前倒しして物事を決定しようという提示をしたわけです。それが今回果たせなかったということですから、さらに全体の中で、再びこの問題の答えが出ないようなことがないようにやりたいということだと思います。

 

【記者】  

 違約であったけど特にペナルティーが無くてもいいということになるのでしょうか。

 

【知事】  

 このこと自体に陳謝をされ、電力事業者としてさらにいろいろな責任を負っているわけですので、それを我々はしっかり押さえて結果を出させるということではないでしょうか。

 

【記者】  

 関西電力が責任を負っているというお考えということでしょうか。

 

【知事】  

 ペナルティーをかけるために何かをやっているわけじゃないですから。

 

【記者】

 先日、自民党県連が杉本氏に県連としての推薦状を交付しました。知事の推薦願が議論のテーブルに載らないまま決定がなされたことについて、知事はどのようにお考えですか。

 

【知事】

 万機公論、公に論じていただく課題だと思います。少数で何かを議論する話ではなくて、みんなで議論してやろうということです。それができていないということですので、政党としてしっかりと議論をすすめていただきたいと思います。

 

【記者】

 県連の推薦は杉本氏になりましたが、知事には企業、団体から600を超える推薦が出て、前回を上回る数字となっています。そのことについてはどのようにお考えですか。

 

【知事】

 今回の政党としての議論が違うのではないかという、様々な団体や県民のみなさんのお気持ちがそこに反映しているのではないかと思います。

 

【記者】

 その中には自民党の職域支部も入っています。

 

【知事】

 多くの皆さんがいらっしゃるのだから、民主主義の世界ですので、特定の少数でものごとを進めても、そういうことにはならないのではないかということです。

 

【記者】

 先日、県庁を退職されたOBの方が中心となって杉本氏の応援団をつくりました。そのことについては、いかがでしょうか。

 

【知事】

 そのことの事情を良く知りませんので。

 

【記者】

 知事選に出られるにあたって、マニフェストを公表される予定があるのか、公表されるのであればいつ頃に公表されるのかをお聞きします。

 

【知事】

 まだいつかは決めていませんが、マニフェストを示すことになると思います。

 

【記者】

 やり方としては、今までと変わらないのでしょうか。

 

【知事】

 マニフェストのつくり方や作成した後のいろいろな計画、どのようなご意見を賜るかなど、これから臨機応変に対応することだと思います。一回一回事情も違いますし、世の中も変っておりますので。

 

【記者】  

 知事、年末年始はどのようにお過ごしになられますか。

 

【知事】  

 いろいろなことをしないといけないですから。

 

【記者】  

 マニフェストの原案づくりなどもされるのでしょうか。

 

【知事】 

 ありますね。心静かにしないといけないところもあります。

 

【記者】  

 知事がインターネット上に日記などを公開されていますが、7月頃から更新が止まっています。

 

【知事】  

 何かアップしないといけませんね。

 

【記者】  

 その当時の知事の心情がよく分かる貴重な情報源なので、こまめに上げていただけると。

       

【知事】  

 エッセイというのはまだ出てないですか。

 

【記者】  

 エッセイは7月ぐらいから出ていません。

 

【知事】  

 そうですか。では、出しますので。

 

【記者】 

 お願いします。

 

―― 了 ――

 

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