東大教授が提唱!福井の未来にも関わる「KNT理論」とは!?

最終更新日 2022年3月7日ページID 048999

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2020年1月23日に、東京大学社会科学研究所から3名の教授を招いたセミナー『「地域の秘密」が未来をつくる〜鍵を握るKNT(小ネタ)理論とは〜』を開催しました。福井県では、長期ビジョンの策定の一環として、福井の未来を一緒に考えるセミナーを実施しています。第8回となる今回は、合計202名の方にご参加いただきました。 
講師を務めた東京大学社会科学研究所の玄田有史教授、中村尚史教授、宇野重規教授の3名は、2009年以降、福井県をフィールドとした「希望学福井調査」を行っています。今回はそのご縁で、セミナーを実施することになりました。


目次

1東大教授が提唱する「KNT理論」とは
2教授が参加者に質問連発で、会場は大盛り上がり!



東大教授が提唱する「KNT」とは

今回のセミナーでは、玄田教授が提唱している「KNT(ケー・エヌ・ティー)理論」についてお話しいただきました。KNT理論とは、地域の希望や危機についての研究を通して行きついた仮説であり、安心の地域を未来につなげるには「小ネタ=K(小)N(ネ)T(タ)」が重要という考え方です。

そこで、「小ネタ」って何?とみなさんは思うのではないでしょうか。

玄田教授は、市井の人が語る、地域の動きを感じる、ふっとではあるが、それでも確かなイメージを喚起させる言葉を「小ネタ」と呼んでいます。

そして、「人口が減っても、地域はそう簡単になくならない。だが、小ネタが尽きるとあっという間に地域は衰退していく。」という仮説(KNT理論)を提示しています。

小ネタとは、完璧な事実というよりも「こうであってほしい」という願望が入り混じったものもあります。何かを自慢した時に少し話を膨らました経験がある方もいると思います。まさにそれです。

そして、「それネタでしょう」と言いたくなるような、事実かどうかがはっきりしないものもあります。むしろ虚構の方がリアルだったりする。小ネタの神髄は「本当らしく」思えること、考え得る一つとして共感をもって受け止められることにあります。小ネタは、「地域らしさ」と話す人の地域に対する「自信と誇り」を表す日常の言葉なのです。

また、小ネタは、語られた方に何らかの余韻を残し、かつ、対象への興味関心を引き出す効果があります。話す人の自信と誇りが誰かの心に響き、新たな話題につながり、また新たな小ネタを生み出す。このような循環が人々のネットワークの形成に役立っているのです。

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教授が参加者に質問連発で、会場は大盛り上がり!

セミナー当日は、玄田教授が観客席まで降りて参加者に質問をしたり、時には鋭いツッコミを入れながら進行し、会場は爆笑の渦に包まれました。玄田教授、中村教授、そして宇野教授の3人の完璧なチームワークに魅了されました。

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玄田教授から地方と小ネタの関係について、「地方の将来を考えると、人口減少などの厳しい課題もある。それでも、人口減少だけでは地域は衰退していかないと思う。人口が減っても小ネタがある地域は元気だし、持続も発展もする。」という話がありました。

また、小ネタについては、「小ネタの語源は”タネ”。タネって何かって言うと、生み出す最初のもの。初めはうまくいくかわからないけど、色んな種をまき続けることが大切。」と説明しました。

それに対して参加した中学生からは、「小ネタは、福井などの地域だけに蒔くのではなく、日本全体に種を蒔くといいのでしょうか」といった鋭い質問も寄せられました。それに対して玄田教授は、「地域と多様に関わる人々である”関係人口”を増やすにも、小ネタがポイントになるのではないか」と回答しました。

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3名の教授と参加者との双方向のコミュニケーションによって、会場が一体となって笑いや驚きが絶えず、あっという間の1時間となりました。
福井県長期ビジョンの公式Facebookでは、福井県の「小ネタ」を楽しい写真とともに紹介しています。


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