第４４０回定例県議会提案理由説明要旨

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　令和７年１２月１日　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第４４０回 定例県議会

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　知事提案理由説明要旨


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　福　井　県

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　

　

　第４４０回定例県議会の開会に当たり、私の言動に関して職員から不適切であったとの通報があった事案への対応と、今回議案を提案させていただいた理由等につきまして、ご説明申し上げます。

 

　今年４月、私が職員に対し不適切な内容のテキストメッセージを送ったとの通報が、外部相談窓口に寄せられました。
　以来、私は、本事案に関し、県および特別調査委員による調査に誠実に対応してまいりましたが、県職員約６千人を対象とする全庁調査も実施される中で、通報者のほか、自身として複数の職員に対してもセクハラと受け取られかねないテキストメッセージを送っていたと認識するに至りました。職員を深く傷つけてしまったことについて、極めて重く、責任を感じているところです。

 

　こうした中、先月２５日に、特別調査委員の調査結果の報告の公表が年明け以降になることが発表されました。年明けには、当初予算や人事等、次年度の県政運営に向けた重要な意思決定を行う必要があり、また、今議会においても、経済対策や将来の県政に向けての審議が予定される中、私の今般の事案の影響で、県政に深刻な混乱を招くことは避けなければならないと考えています。
　私は、知事に就任して以来、北陸新幹線の開業に向けたまちづくり、原子力・エネルギー政策、ふく育県の推進などに、全力で取り組んでまいりました。これらの県政課題はまだ道半ばでありますが、調査報告書の公表が来年１月以降となる中で、今後の県政の重要な時期を迎える前に、新たな体制に引き継ぐことが、県政への影響を最小限に抑える方法と考え、知事の職を辞することを決意し、近日中に退職の申出をさせていただくことといたしました。

 

　一方、今般の私の判断により、行政運営に空白を生じさせることが　あってはならないと考えております。このため、県民生活の維持、切れ目のない行政運営の確保、法令改正や人事委員会勧告への対応などに必要となる予算や条例等については、県政を停滞させないために不可欠なものとして、今議会に議案を提案させていただいたところであります。

 

　この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は全体として３３億円、本年度予算額の累計は５，１３９億円となります。

 

　なお、私の事案に係る特別調査委員による調査は継続中であり、私自身も、今後とも誠実に対応してまいります。本事案に関し、通報者や関係者などへのいかなる推測、誹謗中傷、不利益扱いなどは許されません。また、県は、調査結果がとりまとめられ次第、必ず公表し、その結果を踏まえた必要な対応を講じることとしております。私としましても、調査結果が公表された際には、内容を踏まえ、適切に対応してまいる所存です。
　改めて、私の不適切な言動により、通報者をはじめ、私の言動により深く傷ついていらっしゃる皆様方にお詫び申し上げますとともに、このような事態を招きましたことについて、県民、県議会、県職員のみなさまに対し、重ねて謝罪を申し上げます。
　最後に、今回提案させていただいた議案は、いずれも県政運営を維持していくために必要不可欠な議案です。何卒ご理解を賜り、慎重なご審議を賜りますようお願い申し上げます。

知事提案理由説明要旨（ＰＤＦ形式）