第443回定例県議会提案理由説明要旨
令和8年6月22日 第443回 定例県議会
知事提案理由説明要旨
福 井 県
第443回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および令和8年度6月補正予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
1月の就任以来、「全世代リスペクト」「徹底した県民目線」「発信改革」を県政運営方針として掲げ、現場実践プロジェクトや政策ミーティングなど、私ならではの手法で、県民の方々のご意見や現状の課題の把握に努めてまいりました。
こうした取組みを通して改めて確信したことは、子育て・教育環境や産業、地域それぞれの歴史文化や食、そして人の魅力など、福井県の持つ大きな可能性です。誰もが夢をもって挑戦できる「躍動する福井」のもと、世界に誇れる福井にしていきたいとの思いを強くしました。
私が目指す姿は「世界があこがれる福井」。国内外における福井の価値・存在感を向上させ、県民自身が世界に誇れる故郷にします。
そこで、「3つのS」の観点から政策を強化してまいります。
1つ目は「スケール」です。私自身が先頭に立って、福井の魅力を世界に広め、インバウンドや販路開拓、情報発信など、世界とのつながりを成長の原動力にします。また、国際的な視点を持って活躍するグローバル人材の育成に力を入れていきます。
2つ目は「スピード」です。社会情勢や先進技術の急速な変化を的確にとらえて先手で動き、産業・教育・行政のほか各分野でAIを活用し福井らしい形で社会変革に挑戦するなど、未来を先駆ける福井を築きます。また、市町との連携や官民共創など、現場力を活かしたスピードある政策展開を強化します。
3つ目は「サステナビリティ」です。行政サービスの効率化・最適化や安心安全な暮らしの基盤強化、住む人も訪れる人も楽しめるにぎわいの創出など、人口減少に適応しながら戦略的に投資し、社会のあり方を未来に向かって再設計してまいります。そして、若者躍動をはじめ、世代を超えて幸せを実感できる福井県をともに創ります。
これらの「3つのS」を政策の強化軸として、「サステナビリティ」の観点のもと、持続可能な社会基盤を固めながら、「世界」を意識した「スケール」、「時代の先駆け」を意識した「スピード」という観点で政策を強化し、チャレンジすることにより、「世界があこがれる福井」を目指していきます。
これからの時代を拓き、次の世代につなぐ責任世代として、「世界があこがれる福井」に向け、県議会と一体となり、豊かで開かれた新しい福井県の実現に全力を投じる覚悟です。
それでは、県政の諸課題および予算案の概要につきまして、ご説明申し上げます。
まず、北陸新幹線の整備促進について申し上げます。
現在、与党整備委員会において、ルートの再検証が進められております。私自身、4月16日のヒアリングに出席し、一日も早い全線開業の実現には小浜京都ルートしかない、と強く主張しました。また、先月には、県議会議員連盟の決起大会において、本県の一致団結を確認した上で、オール福井および北陸3県として要請を行うなど、今国会中の確実なルート決定を、繰り返し政府・与党に求めてきたところです。
今月19日には、8ルートの費用対効果等が示され、小浜京都ルートは一体評価で「1.1」となりました。今後、大阪府、京都府等へのヒアリングが予定されており、小浜京都ルートの実現に向けた重要な局面にあります。
整備計画決定以来、半世紀にわたる県民の想いを胸に、県議会のみなさまはじめ県内各界の総力を結集し、今国会中のルート決定、そして令和9年度の認可・着工が必ずや実現されるよう、私自身情熱をもって、全力を傾けてまいります。
次に、コンプライアンスの推進について申し上げます。
4月にハラスメント防止条例を施行するとともに、コンプライアンス推進課の新設、推進本部や外部有識者による委員会の設置など、体制を大幅に強化しました。また、第三者相談窓口の設置や職員研修の充実、管理職の報告義務化などの対策も講じており、今後とも、制度や運用の点検と改善を重ねながら、さらなる職場環境の改善を図ってまいります。
次に、経済・産業振興について申し上げます。
中東情勢の影響により、燃料油や石油由来の原材料等の価格高騰、調達難などが生じており、県内経済は予断を許さない状況が続いています。このため、4月7日に商工団体等と対策会議を開催し、その結果を踏まえ、16日には、燃料油等の供給量確保や中小企業支援などを国に要望しました。先月29日には、両副知事をトップとする庁内連絡会議を開催し、県内への影響を共有したうえで、改めて今月2日に国に要望を行ったところです。
また、中東情勢に対応した融資制度への需要が高まっていることから、融資枠を大幅に拡充し、事業者の資金繰りの円滑化を図りました。さらに、県内中小企業における省エネルギー設備の導入支援を拡充するとともに、地域公共交通機関や医療・福祉施設を含む事業者等に対し電気・ガス・燃料価格の一部を支援します。
なお、報道によれば、アメリカとイランは17日に戦闘終結に向けた覚書に署名したところですが、依然として課題も残されており、中東からの原油等の供給が安定するまでは影響が継続することも懸念されます。
引き続き、関係機関と連携して県内企業の状況把握に努め、必要な措置を必要なタイミングで実施してまいります。
県内経済の持続的な発展のためには、物価上昇に負けない継続的な賃上げが重要です。連合福井の春闘中間報告によると、平均賃上げ率は6.21%、引上げ額は18,604円と、集計がある平成3年以降で最も高い水準となり、平均賃上げ率は2年連続、引上げ額は3年連続で過去最高を更新しました。引き続き、中小企業が賃上げ原資を確保できるよう、適正な価格転嫁や生産性向上などの支援を強く進めてまいります。
新しい経済プランの策定については、物価高騰や継続的な賃上げ、金利の上昇など、企業を取り巻く経営環境が大きく変化する中で、急速に進化するAIの活用や産業を支える人材の育成など、県内企業の稼ぐ力の強化に向けた指針をすみやかに示すため、現行の経済ビジョンの次期計画の検討に1年前倒しして着手します。
次に、海外戦略について申し上げます。
インバウンドの誘客促進、農産物や工業製品、伝統工芸品の輸出強化に向け、部局連携の「海外戦略ワーキンググループ」を立ち上げ、今後重点的に展開する地域や認知度向上に向けた施策の連携など、中長期的な視点で戦略を検討してまいります。
次に、観光誘客について申し上げます。
令和7年の観光客入込数は、前年比75万人増の2,144万人、観光消費額も前年比474億円増の1,987億円となり、いずれも2年連続で過去最高を更新しました。
こうした新幹線開業効果を持続させるとともに、切れ目ない民間投資を促進するため、国内外から来県する富裕層の宿泊需要にも対応できる上質で魅力的なホテルの誘致を図っていきます。
また、今月12日からは、県内宿泊客に「はぴコイン」を配布する「いいとこ、掘りだくさん。」キャンペーンを開始しました。今後、三大都市圏などにおいて出向宣伝を計画しており、私自身も観光PRを展開し、本県が選ばれる観光地となるよう取り組んでまいります。
次に、アリーナ整備について申し上げます。
経済界によるアリーナ整備への支援については、本県が国に申請していた交付金が4月に採択されました。県選出国会議員、県議会とともに要望を行い、アリーナ整備が新幹線開業効果を県内全域に波及させる起爆剤となるプロジェクトであることが、国に認められた結果と受け止めております。引き続き、県議会のご意見を伺いながら、福井市とともに経済界を応援してまいります。
次に、人口減少対策について申し上げます。
先月公表された国勢調査の速報値によれば、本県人口は72万9,386人、前回調査と比較して3万7,477人、4.9%の減少となりました。人数・率ともに過去最大の減少であり、大変重く受け止めています。
若者が東京に集中する社会構造の是正が重要であり、国に対し、分散型国家の実現に責任を持って取り組むよう、継続して要望していきます。また、県としても、市町との協働による移住・定住施策の推進や、地域づくりの新たな担い手となる「関係人口」の創出・拡大に取り組むとともに、若者躍動プロジェクトチームを中心に、若者の人生選択や夢を応援するなど、選ばれる福井の実現にむけて一層努力してまいります。
次に、こども・子育て応援について申し上げます。
本県の人口は減少が続いているものの、令和7年の本県の合計特殊出生率は1.45と全国3位の高い水準を維持するとともに、令和7年度の男性育休取得率は前年度から12.4ポイント増加し、過去最高の
57.3%となるなど、本県の手厚い子育て支援の成果が表れております。
県内大学等の授業料減免制度については、子育て世帯に選ばれる地域を目指し、大学期における経済的負担の軽減と県内進学の一層の促進を図るため、令和9年度から大幅に制度を拡充します。2人の子どもを扶養する世帯やひとり親世帯の県内進学者を対象に所得制限を撤廃するとともに、世帯収入の状況に応じた減免率の引き上げなどを実施します。
引き続き、出産・子育ての満足度を高める施策を強化し、子育ての幸せや喜びを実感できる「ふく育県」の実現に取り組んでまいります。
次に、高齢者福祉について申し上げます。
市町と協力して高齢化率の高い地域の課題や生活支援ニーズについて調査し、地域の声を丁寧に伺いながら、高齢者の安心と活躍を支える施策を検討します。また、買い物の利便性向上に向けた実証事業を行い、高齢者が住み慣れた地域で安心して快適に暮らすことができるよう施策を充実してまいります。
次に、農林水産業の振興について申し上げます。
県産米のトップリーダー「いちほまれ」については、メディア等での情報発信の強化、試食販売や販売促進企画の支援を通じて、主要量販店での定番化を進め、全国でのブランド定着を図ります。今月6日には、私自身も首都圏の店頭に立って直接お客様にPRを行ったところであり、引き続き「いちほまれ」の魅力を発信してまいります。
若狭牛については、生産基盤の強化や販路拡大、担い手確保などの方向性を明確にする総合戦略を年度内に策定します。また、次世代の畜産人材の育成を図るため、来年4月の畜産カレッジの開校に向けて準備を進め、安定的な生産と持続的な振興に取り組んでまいります。
次に、県内の幹線道路網の整備について申し上げます。
福井外環状道路については、先月15日に開催した「福井外環状道路整備促進期成同盟会」の総会において、計画具体化の推進に加え、北陸自動車道との結節点として福井市南部にスマートインターチェンジを整備するための支援を求める決議を行いました。これにより、事業化に向けた機運醸成を図るとともに、国に対し提言を行ったところです。
また、中部縦貫自動車道大野油坂道路の県内全線開通と、舞鶴若狭自動車道の全線4車線化の早期実現に向け、それぞれ先月25日と今月2日に国へ要請を行いました。
いずれも本県の産業や観光等の発展を一層加速させる重要な幹線道路であり、引き続き、県選出国会議員、県議会、沿線市町、地元経済界と協力し、国などに対し強く働きかけてまいります。
次に、吉野瀬川ダムについて申し上げます。
昭和61年の事業採択から40年にわたり整備を進め、今月16日に供用を開始しました。また、かつて水害や水不足から地域を救ったという龍神伝説にちなみ、ダム湖の名称を「吉野瀬龍神湖」といたしました。ダムの完成により、流域全体の治水安全度が向上し、特に越前市中心部における浸水被害の大幅な軽減が期待されます。これまでご尽力いただいた関係者の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。
次に、教育について申し上げます。
2月に国が公表した「高校教育改革に関する基本方針」に基づき、本県の県立高校の今後の方向性を定める「ふくい県立高校魅力向上プラン」の策定に向け、4月末に第1回策定委員会を開催しました。
今後は、県内5地域で「ふくい県立高校未来会議」を開催し、中高生や地域の皆様のご意見も取り入れながら、高度産業人材の育成や文理融合型の学びの推進、学校の枠を超えた多様な学びの機会の確保などについて、検討を進めてまいります。
また、小中学校に設置している校内サポートルームについては、現在の73校から100校へと拡大するとともに、支援員の配置時間も拡充し、悩みや不安を抱える児童生徒への支援をさらに強化してまいります。
次に、原子力について申し上げます。
4月28日、赤澤経済産業大臣、松本文部科学大臣に対し、原子力の将来像の明確化、使用済燃料対策への主体的な対応、廃止措置の着実な実行、立地地域の振興と課題解決の取組み等について要請しました。
赤澤大臣からは、中長期的な原子力発電の見通し・将来像の検討が必須であり議論を深めていくとともに、関西電力のロードマップの確実な実行を含め、事業者全体で一層連携しながら、使用済燃料対策を強化していく等の考えが示されました。
県としては、今後も様々な機会を捉え、国に対し、責任ある対応を強く求めてまいります。
使用済燃料対策については、6月12日、関西電力から、8日の六ヶ所再処理工場にかかる審査会合で説明を終了し、原子力規制庁が「大きな論点はない」との見解を示したとの報告がありました。合わせて、日本原燃が、検査・保安規定等の全体工程を精緻化した結果、2026年度中の竣工目標に変更はないとの説明があったところです。
また、国は18日、使用済燃料対策推進協議会を開催し、赤澤経済産業大臣は、官民一体で総力をあげて再処理工場を確実に竣工させるべく、国として進捗管理を行うとし、各事業者のトップに対し、必要な人材確保等を要請しました。
乾式貯蔵施設の事前了解については、県として適切に対応してまいります。
以上、予算および事業を含めて申し上げました。この結果、今回の一般会計の補正予算案の規模は、全体として282億円、本年度予算額の累計は5,338億円となります。
最後に、第48号議案、福井県核燃料税条例の制定についてご説明申し上げます。
核燃料税は、昭和51年に本県が全国に先駆けて創設した法定外普通税であり、以後5年ごとに見直しを行ってまいりました。現行条例の課税期間は本年11月までとなっており、今回、持続可能な立地地域を創るための財政需要が増大していることを踏まえ、価額割、出力割、搬出促進割全ての税率を引き上げるものであります。
その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。
なにとぞ慎重なご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。
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