腸管出血性大腸菌感染症について
腸管出⾎性⼤腸菌感染症の報告数が増加しています。2026年は全国および福井県においても報告数が増加しており、例年を上回る状況となっています。
腸管出血性大腸菌感染症は、例年、気温が高くなる初夏から初秋にかけて患者報告数が増加します。この時期は細菌が増殖しやすく、食中毒や感染症が発生しやすいため注意が必要です。
【全国の腸管出血性大腸菌感染症報告数の推移 】

※ 2025~2026年は速報値のため、今後変更となる可能性があります。
【腸管出血性大腸菌感染症報告数(福井県)】
| 年 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026※ |
| 報告数 (件) |
20 | 8 | 12 | 19 | 8 | 13 | 31 |
※2026年は、9月12日時点の速報値です。
腸管出血性大腸菌感染症とは
腸管出血性大腸菌感染症はベロ毒素を産生する大腸菌による感染症です。主な症状は、腹痛、水様便、血便などで、重症化すると溶血性尿毒症症候群や脳症などの合併症を伴い、死亡することがあります。原因菌は、腸管出血性大腸菌(EHEC;Enterohemorrhagic Escherichia coli)であり、ベロ毒素を産生します。ヒトを発症させる菌数はわずか50個程度と考えられており、少数の菌でも感染が成立するため、人から人への二次感染が起こりやすいことが特徴です。日本では、患者などから検出される血清型としてはO157が最も多く、そのほかはO26とO111などが知られています。
症状
潜伏期間は、通常3~5⽇程度であり、激しい腹痛をともなう水様便に続き、⾎便となります。症状の有る者の6~7%の方が、下痢などの初発症状の数日から2週間以内に溶血性尿毒症症侯群(HUS)や脳症などの重症な合併症を発症するといわれています。
感染経路
主な感染経路は、病原体に汚染された食品を摂取することによる経口感染です。また、ヒトからヒトへの糞口感染による二次感染もあります。
治療
対症療法が中⼼になります。
予防
- 感染症予防の基本は手洗いです。調理や食事の前、トイレやおむつの取り替えの後は、石けんと流水で十分に手を洗いましょう。
- 包丁、まな板などの調理器具は食材ごとにこまめに流水で洗い、熱湯をかけておきましょう。⽣⾁に使った調理器具は⼗分に洗って消毒しましょう。
- 腸管出⾎性⼤腸菌は 75℃1分以上の加熱で菌は死滅するとされていますので、調理にあたっては、中心部まで十分に加熱(75℃1分以上)し、調理した食品は速やかに食べましょう。
- 生野菜は流水でよく洗いましょう。
- 焼肉をする場合は、生肉専用の箸やトングを使い、食べる箸と使い分けをしましょう。
- 患者のいる家庭では、糞便に汚染された下着等の取扱いに注意しましょう。
【腸管出血性大腸菌感染症(O157等)の感染・食中毒に注意】
・腸管出血性大腸菌感染症(O157等)の感染・食中毒に注意しましょう(福井県医薬食品・衛生課ホームページ)
・腸管出血性大腸菌O157等による食中毒(厚生労働省ホームページ)
医療機関等関係者向け情報
腸管出血性大腸菌感染症は、感染症法に基づく三類感染症です。
患者を診断した場合は、直ちに最寄りの保健所へ届け出てください。
・「溶血性尿毒症症候群の診断・治療ガイドライン」(公益財団法人日本医療機能評価機構)
〇関連記事
・腸管出⾎性⼤腸菌感染症(Enterohemorrhagic Escherichia coli infection)(厚⽣労働省検疫所 FORTH)
・腸管出⾎性⼤腸菌感染症(国⽴健康危機管理研究機構(JIHS)ホームページ)
アンケート
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