平成27年末に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2015年12月28日ページID 031538

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 このページは、平成27年12月28日(月)に県庁で放送された、職員に対する平成27年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 平成27年の仕事納めに当たり、皆様に一言ごあいさつを申し上げます。

 今年は、北関東豪雨をはじめ国内では大きな災害がありました。パリなど海外ではテロが相次いだうえ、安全保障法制の論議もあり、改めて日本の国土や国民の安全について考える機会の多い一年であったと思います。
 そのような中、本県の1年を振り返りますと、高速交通ネットワーク完成への道筋が一層と明確になり、発展性が見えてきました。また、敦賀気比高校のセンバツ優勝に代表されるように「幸福日本一・福井」の実力がいろんなところに発揮され、本県の将来の発展に確信を持つことができた一年であったように思います。
 これは、県民の努力の積み重ねの表れであると同時に、職員一人ひとりの仕事の成果であると思います。改めて感謝申し上げます。

 それでは、福井県のこの1年を振り返ってみたいと思います。

 一つは、高速交通ネットワーク整備と観光まちづくりの進展がありました。
 1月には、北陸新幹線敦賀までの工期が3年短縮決定をされました。7年後の開業となったわけです。異例のことでしたが、地元として独自に短縮策を具体的に提案し、提言した結果であります。地方が中央を動かしたわけです。
 そして3月には新幹線金沢開業、さらに中部縦貫道の北陸道接続が実現しました。
 中部縦貫道は県内全区間の事業化もなされ、新幹線と同時期の開通に向け環境が整いつつあると思います。
 観光面においては直接的効果が表れています。来客は前年比で2割くらい増加しています。宿泊客は1割程度の増加です。特に外国人宿泊者数が8割増と、石川や富山を大きく上回る伸びです。
 市町とともに進めてきた観光まちづくりも大きく進展いたしました。敦賀の赤レンガ倉庫、福井市浜町のグリフィス記念館、南越前町の北前船主通りなど、新たな観光拠点を次々オープンさせることができました。
 そして来年度は中部縦貫道が大野まで延びてまいります。こうした高速交通ネットワークの整備効果を県内にくまなく浸透させるため、観光まちづくりや産業基盤形成のための行動計画・アクションプログラムの策定に着手しており、これを3月までにとりまとめる予定です。
 市や町のそれぞれの責任分野、民間企業等の役割を地域ごとにわかりやすく示し、速やかに実行に移せるようにする必要があると考えています。

 次に原子力・エネルギー問題です。
 関西電力の高浜3・4号機については、十分慎重に手順を踏んで対応してまいりました。地元高浜町や県議会のご意見、県原子力安全専門委員会の評価、国や事業者から示された方針などを総合的に考えながら、再稼働に同意するとの判断に至り、先週22日に経済産業大臣に対し、その旨を伝えたところです。
 24日は福井地裁の異議審において運転差止仮処分を取り消す決定がなされたところです。事業者においては25日から原子炉に核燃料を装荷する作業を始めています。1月下旬の再稼働に向けた具体的な準備が進められており、県として節目節目で立会い、十分なチェックを行い、事業者とのこれまで以上の情報連絡体制を作って、より密に対応していきます。
 我が福井県には、こうした再稼働の問題だけではなく廃炉の問題、40年を超える運転をどうするか、使用済燃料の中間貯蔵、核燃料サイクルなど様々な課題を並行的に抱えています。
 引き続き国に対し、国民理解を深める責任ある対応を求め、県民の安全を最優先に電力立地県として責務を果たしたいと思います。そして地球温暖化など地球規模の環境問題の解決にも貢献しなければなりません。そうしたモデル地域を目指すことが重要だと考えます。

 次に地方創生と人口問題への対応であります。
 人口減少問題については、4月の機構改革において「ふるさと県民局」を設置しました。人口政策を中心に、一体的、総合的に仕事を進める体制をつくりました。
 10月には「ふくい創生・人口減少対策戦略」を策定し、福井県は、客観的な県民幸福度が日本一であるだけでなく、子育てや暮らしやすさなど県民自身の幸福実感も高いのです。
 このため、「幸福」を人口問題解決の原動力として考え、人口の捉え方を広げる「愛着県民」の拡大など、新たな政策を取り入れながら、県民幸福度を高める政策と人口増加対策との間に良い循環をつくりたいと考えます。
 すでに、『結婚応援』の分野では、お寺の住職や職場内の「縁結びさん」による縁結び活動、メディアと連携したポジティブなCM放映も行っております。『子育て応援』の分野では、3人目以降の保育料等無料化を小学校入学前まで拡充する「新3人っ子応援プロジェクト」を進めております。『若者のUIターン促進』の分野では、福井県と東京での生活コストを比較した「ライフデザイン設計書」を具体的に作り、これを見ていただくことで福井に住んでみたいという気持ちにしていきたいということです。県外大学との就職支援協定も締結しています。『若者・女性・高齢者の活躍応援』の分野では、具体的な話として水産カレッジの創設や園芸カレッジの拡充、これはスマート園芸コースと呼んでおります。さらにはシニア人材の活躍支援センターをオープンしております。『学生の県内定着』の分野では、福井駅前への新たな大学連携拠点の開設準備など、着手できるところから着実に逐次実行しているところです。
 こうした戦略に掲げる政策を、県はもちろん市や町と協力し、徹底して総合的に実行することが必要と思っております。

 次に、幸福日本一「福井の宝」の発信の課題です。
 今年は福井県の様々な魅力を国内外に広く強く発信できた年だったと思います。これらから我々は、それぞれの実力が高まり、発信力が備わってきたことを自覚しながら事業を進める考えです。
 例えば、恐竜博物館の入館者数は3年続けて70万人を突破しました。すでに11月の時点でこれまでの最多を更新しています。PRはもちろん、化石発掘・研究など恐竜ブランドの浸透に努力した職員皆さんにも大きな努力がありました。お礼を申し上げたいと思います。
 JR福井駅前の恐竜も海外ニュースに取り上げられるなど話題を呼んだ事柄でした。
 食に関しては、ミラノ万博において「禅」をテーマに独自の食文化をPRしてまいりました。
 また、越前がにの新ブランド「極(きわみ)」を作りなおし、平均の値段が2割高となるなど効果が表れています。
 “天皇の料理番”である秋山徳蔵さん、“御用写真師”丸木利陽さんといった先人たちにも光を当てた一年でした。由利公正など幕末福井の偉人を中心とする大河ドラマの誘致にも着手しました。福井が生んだ人物の活躍を広く県民に知っていただく機会にしたいと考えています。
 産業の分野でも、越前和紙と17世紀オランダの画家であるレンブラントの関係の調査が進みました。アムステルダムでの越前和紙展には約8万人が来場しております。
 先端素材では、本県の炭素繊維が大手航空メーカー等のエンジン部品に採用されています。こうした動きを速めるため、6月には経済界、大学、金融機関等と協力して「ふくいオープンイノベーション推進機構」を設立し、支援体制を整えております。
 教育の分野では、子どもたちの学力・体力は引き続き全国最上位を継続しております。教員の皆さんの熱心な指導と努力の賜物です。さらに中高一貫の新たな体制もスタートしております。
 ただ、他の県もこの問題には大きな力を入れているところです。福井県としては学力・体力日本一を土台にしながら、子どもたち一人ひとりの可能性を引き出す教育を実現することが大切なことです。
 文化面においても、「ふるさと文学館」が2月に開館しました。4月には鯖街道が日本遺産の第一号に登録されています。また、県立美術館での相次ぐ特別展の開催、ゴーギャン展・古代エジプト展・大永平寺展など、成果をあげることができたと思います。
 そして、10月には福井生まれのコウノトリ、げんきくん・ゆめちゃんの放鳥が実現しております。幼鳥の飼育は初めてのことで苦労も多かったと思います。
 そして、三方五湖の年縞についても立命館大との共同研究体制を整えております。
 これから、こうした「福井の宝」をさらに磨き上げ、特に発信する方法に更なる工夫を加え、交流人口の拡大とその充実に結び付けることが必要です。

 次は、福井国体・障害者スポーツ大会への準備についてです。
 3年後となった福井国体・大会については、7月に会期が正式決定しました。企業や県民からのあたたかいご支援による募金・協賛金の募集もスタートしているところです。
 競技力については、和歌山国体ではやや残念な結果でした。体制を改めて立て直し、福井国体優勝に向けて抜本的な強化策を実行しなければならないと考えています。

 以上、今年の主な成果と課題を挙げました。
 来たる年は、今年を土台に、更によい成果が得られるよう、うまく歯車が回るような年にしたいと考えております。
 明日からは年末年始の休みに入るわけですが、日ごろなかなか手にできない本を読むなど、有意義な6日間としてもらいたいと思います。
 そして、健康にご留意いただき、ご家族とともに穏やかな新年を迎えられることを心から祈念申し上げまして、仕事納めに当たってのあいさつといたします。

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