平成29年末に当たっての知事あいさつ

最終更新日 2017年12月28日ページID 037525

印刷

 

 

 このページは、平成29年12月28日(木)に県庁で放送された、職員に対する平成29年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 平成29年の仕事納めに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。

 今年は国内外の情勢を振り返りますと、海外ではトランプ大統領など新たなリーダーが誕生され、一方で北朝鮮によるミサイル発射などの問題がありました。

 国内では安倍政権のもとで様々な課題についての議論が活発化した一方、政治の信頼に関わる課題などもあり、10月の衆議院の解散・総選挙が行われるなど、慌ただしい1年であったかと思います。

 また、今年も多くの自然災害が発生し、九州北部豪雨のほか、10月の台風21号では、本県も大きな被害を受け、復興や対策を進めております。

 こうした中、福井県の一年をふり返ると、北陸新幹線の大阪までの全ルートの決定や、中部縦貫自動車道の大野までの延伸など高速交通網の整備が一段と進み、農業では「いちほまれ」の発表そして販売したことなど、概ね事柄が順調に進んだと思います。県勢の次なる発展に向け、優れた成果を着実に積み重ねた一年でありました。

 これは県民の皆さんの不断の努力の結果であると同時に、職員一人ひとりの仕事の成果でもあると思います。改めて感謝申し上げます。

 それでは、具体的に1年を振り返ってみます。

 まず、高速交通体系の整備ですが、北陸新幹線については、3月に敦賀から小浜を経由して大阪に至る全てのルートを決定しました。これは長年の福井県の念願でありました。
 金沢~敦賀間については、2022年度末の開業に向け、福井市の北部それぞれの地区の高架橋のほか、九頭竜川や竹田川、日野川、足羽川などの橋りょう工事も目に見えるかたちで進んでいます。

 また、敦賀駅における新幹線と在来の特急との上下乗換えや福井駅における新幹線ホームの乗降口の増設など、利用者の利便性確保についても方向が出ました。

 地域のシンボルとなるそれぞれの新幹線駅舎については、デザインが昨日までに鉄道・運輸機構から駅が設置される、あわら市、福井市、越前市、敦賀市に対してそれぞれ3案が提示され、県にも報告を願いました。今後、それぞれの市が学識経験者や市民の意見などを参考に1つの案に絞り込み、今年度末には基本デザインが決定されます。

 中部縦貫自動車道については、7月に永平寺大野道路が全線開通し、県内の各市が総延長約160kmの高速道路で結ばれました。永平寺~勝山間の交通量は、1日当たり約13,000台であり、開通前に比べて4割増という状況です。大野油坂道路における南部地域の工事も着手しております。

 次に観光・まちづくり、あるいはブランド対策です。観光地整備やまちづくりも県内各地において進んでいます。
 石川、岐阜と協力した「白山開山千三百年記念事業」では、ちょうど今年が1300年の年に当たっていましたが、4月に泰澄ゆかりの地を紹介するガイドブック発行し、これを皮切りに、6月にウォーキング大会、7月に地元の様々な食べ物を楽しむ記念イベントなどを開催しました。

 その結果、4月から夏7月の平泉寺周辺の観光入込客は、昨年の約3倍の175,000人となっています。

 さらに来年度オープン予定の年縞研究展示施設は建築工事がこの一年順調に進むとともに、9月には年縞を中心に国際シンポジウムを開き、年縞の保全の意味や活用の機運を高めることができました。

 また、4年後の開館を目指している一乗谷朝倉氏遺跡博物館は、中世の新たな石敷の遺構も発見されたため、博物館の目玉の一つとして、そのまま見えるかたちで活用していこうと思っています。

 その他にも、「JR今庄駅舎」が、今庄の歴史を紹介する観光ガイダンス施設や土産物の販売所を併設して3月にリニューアルオープンしております。また、越前海岸ではガレット料理を楽しむレストランが4月にオープンし、9月には越前和紙の歴史や魅力を紹介する「紙の文化博物館」が再整備されています。

 特に食においては、開発から研究者が様々な苦労を重ね、6年の歳月をかけた「いちほまれ」が試験的に生産・販売し、名称決定しております。首都圏の百貨店においては、より粒を厳選した特別米が1キロ当たり県産コシヒカリの5倍以上の金額で販売されています。

 伝統工芸においては、4月に越前焼が北前船寄港地とともに日本遺産に認定されています。越前焼については「水野コレクション」を展示した越前古窯博物館を10月にオープンし、茶道家600を超える人たちが参加した「天心茶会」を開催しております。そして、12月には六古窯サミットを開催するなど、県内外に改めて越前古窯の価値を発信することができました。

 そして敦賀港については、2,700名の乗客を乗せた県内初となる海外の大型クルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス」が2回にわたって敦賀に寄港しました。合わせて1万人を超える方が、お祭りや駅周辺の見学をされ大いに盛り上がりました。

 それから、「ふるさと納税」については、様々な動きが広がっていましたが、5月に「ふるさと納税の健全な発展を目指す自治体連合」を皆さんとともにつくりました。はじめは27の自治体が参加しましたが、現在では74自治体まで拡大し、全国的な大きな国民運動となりつつあります。

 次に、大きく教育の問題についてです。
 4月に教育総合研究所・教育博物館を開設しております。教員研修の強化に加え、学校では実施が難しい科学実験を行ってこれをそれぞれの学校に配信するなど、全国トップクラスの学力・体力を継続する本県の教育をさらに引き上げる拠点となっていきます。

 一方、高校については、このほど丹南エリアの県立高校再編計画を取りまとめております。地元と十分に相談しながら、地域を支える人材の教育環境を一層充実させてまいります。

 教育は、義務教育、高等教育、様々な課題がありますが、福井県の先生方が一生懸命がんばって長年にわたる努力の結果が出ているので、そうしたことをベースにおきながら、地域・学校・家庭が連携した福井県の教育を一層進めていきたいと思います。

 そして来年はいよいよ国体・障スポの年であります。これまでの競技力向上策が実を結び、愛媛国体では天皇杯7位と、目標であった10位以内を達成することができました。スポーツの関係では、本県選手団の一人である山口茜選手が、12月17日のバドミントン世界大会、多くの優秀な選手が集まる大会で優勝を果たすなど、来年の天皇杯獲得に向けて大きな弾みとなりました。

 県内各地における競技会場整備等の準備も順調に進み、新たに整備した県営陸上競技場において、桐生祥秀選手が、日本人初となる100m9.9を記録し県民が大いに盛り上がりました。こうしたことを記念し、県立陸上競技場9.98というスタジアムを様々な形でアピールしていきます。

 6月には県内外から46000人が集まりました「全国花のまちづくり大会」を開き、来県者を花でお迎えする機運を高めております。

 こうして来年は、いよいよ国体・障スポの本番であります。この勢いをさらに強めながら、国体・障スポの成功と総合優勝に向け、そして思い出深い大会となるよう態勢を整えていきたいと考えています。

 さて、原子力・エネルギー政策、防災対策についてです。
 原子力については、再稼働のほか、廃炉、使用済燃料の中間貯蔵施設の対策、もんじゅの将来など、様々な課題が一挙に動いた年でありました。

 高浜3、4号機については、大津地裁の仮処分により運転を停止していたところ、今年3月に高等裁判所が仮処分を取り消したため、4号機は6月から、3号機は7月から営業運転を再開し、現在まで安全・安定な運営が続いていると思います。

 大飯3、4号機については、先月27日に、「地元の考えや県議会の意見、県原子力安全専門委員会の評価、国から示された使用済燃料の中間貯蔵施設の今後の迅速な対応などを総合的に考えながら、再稼働に同意する旨」を表明しております。

 現在は規制委員会による検査が続いており、福島第一原発の事故を教訓として厳しく対処してまいります。

 「もんじゅ」については、先月22日、もんじゅ関連協議会において、関係大臣から、使用済燃料等の県外搬出を含む「もんじゅ」の廃止措置の実行や、地域振興策の充実について、今後も政府一体となって取り組むとの回答がありました。そうしたことから、「もんじゅ」の廃止措置手続きを進めることにしております。

 今月5日には、「もんじゅ」特有の課題である使用済燃料や冷却ナトリウムについて、安全に県外に搬出することを定めた廃止措置の協定を原子力機構と締結しております。

 廃止措置の進行管理については、新たに設けました連絡協議会等において、実務的に国から随時説明を受け、節目節目で安全性を確認し、さらに様々な政策について具体化に努めてまいりたいと考えています。

 大飯1、2号機については、今月22日に関西電力から、新規制基準への適合のために必要な安全対策を検討した結果、廃炉に至ったとの報告があり、我々としては安全管理体制の充実強化、解体廃棄物の処分場の確保や廃炉に当たって地元企業が参入しやすい環境づくりなどを求めて対応しているところです。

 引き続き、原子力については県民の安全を最優先に、丁寧かつ真摯に対応していかなければならないと考えています。

 原子力防災に関連して、弾道ミサイルの発射の対応については、11月、国のJアラート全国一斉訓練に合わせ、鉄道、原子力発電所、海上でも漁船への情報伝達訓練や、被害状況等について消防へ確認する初動訓練等を進めたほか、小中学校においても、避難訓練等を行っています。

 この問題に対しては防衛大臣や原子力防災担当大臣に対し、ミサイルに対する原子力発電所の防御や、避難等が必要となる場合の県や市町の対応などを具体的に明らかにするよう改めて要請しており、不測の事態に備え万全の措置を講ずるよう国に求めていきます。

 以上、今年の主な成果と課題を挙げました。
 今年は50年に一度といった大きなプロジェクトの目途や発展の方向が出た年であるので、これをベースに来年は一段と高い目標に果敢に挑戦し、今年を上回る成果が得られる年としたいと思います。

 明日からは年末年始の休みに入ります。様々な事業が展開し、世の中も激動しています。いろいろなことが起こりやすい状況でありますので、一方で公務員としての立場を自覚し、社会的批判を招くことのないよう気持ちを引き締め、さらに生活においてもしっかりした生き方を進めてほしいと思います。

 そして何といっても健康に留意することが大切です。さわやかな新年を迎えられることを心から念願し、仕事納めに当たってのあいさつとします。

アンケート
ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より詳しくご感想をいただける場合は、hishoka@pref.fukui.lg.jpまでメールでお送りください。

お問い合わせ先

県知事公室秘書課

電話番号:0776-20-0216ファックス:0776-20-0620メール:hishoka@pref.fukui.lg.jp

福井市大手3丁目17-1(地図・アクセス)
受付時間 月曜日から金曜日 8時30分から17時15分(土曜・日曜・祝日・年末年始を除く)