年末に当たって職員の皆さんに(知事あいさつ庁内放送)

最終更新日 2018年12月28日ページID 040382

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 このページは、平成30年12月28日(金)に県庁で放送された、職員に対する平成30年末に当たっての知事あいさつをまとめたものです。

 平成30年の仕事納めに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 まずは今年一年、様々な困難に直面しながらも、皆様方には日々仕事に励んでいただき、少ない人数の中で大きな成果をあげていただきました。優秀な職員の皆さんに心から感謝を申し上げたい。ありがとうございます。

 まず国体・障害者スポーツ大会について申し上げます。 
 今年の福井県を振り返ると、秋に開催した「福井国体・障スポ」では途中二度の台風に見舞われながらも県民の元気でこれを克服し、天皇杯・皇后杯の両方を獲得するなど、大成功をおさめることができました。

  国体・障スポには、2,800人の全庁体制で臨みました。皆さんには普段の仕事に加え、大会期間中には、それぞれの持ち場において全力で対応してくれました。

  国体推進局には、先催県の視察を重ねて入念な準備を進めてきました。他県にはなかったような式典での観覧者用のクッションシートの配布などのおもてなしや、トイレをできるだけ清潔に保つための様々な工夫も凝らされと承知しています。

 さらに、台風による風雨や寒さへの対策として、雨具を補充したり、タオルやカイロなどの準備にも奔走されました。雨の中、強風対策のために急きょ、のぼりや旗など様々な造作を撤去し、また作り直すなど、早朝から深夜まで、時には泊りがけで準備や対応に尽力されました。

  障スポ大会においても、選手たちはこれまでの努力の成果を充分に発揮してくれました。過去最高となる130個のメダルを獲得しています。これも大会期間中、福井県選手団に同行して支え続けられた職員の皆さんの縁の下の力持ちのおかげだと思います。

  また、今回は史上初めて両大会の「融合」を掲げ、国体期間中に障スポの競技である車いすバスケットボール、車いすテニスを開きました。

  障スポの競技会場では多くの観客が声援を送ったほか、学生などのサポートボランティアの皆さんが選手を支援するなど、スポーツを通した交流が行われ、学生の諸君からは「障害のある方への理解が深まった」という声が多数寄せられています。

  しかし我々はここで満足することなく、今回の融合の取り組みをさらに展開し、東京オリ・パラにつなげていくことが重要です。最も人に優しく、年齢や性別、障害のあるなしに関わらず県民誰もがベストを尽くせる福井県を実現していかなければならないでしょう。

  また、若者をはじめ、県民が文化や芸術、産業など様々な分野においてわが福井のこの地を本拠にして、世界中に挑戦できる環境を作っていく必要があります。ぜひとも、職員の皆さんが、どんどん知恵やアイデアを出していただきたいと思います。

  次に高速交通体系の整備とまちづくりのお話を申し上げたいと思います
 北陸新幹線については、これまでの工事着手率が100%となりました。ここに無事たどりついたのも、厳しい用地交渉にご尽力いただいた皆さんのおかげです。

  また、これから最盛期を迎える建設工事にあたって、最近の経済情勢から生コンが不足するなど様々な課題がありましたが、業界団体と何度も交渉を行い、材料や人材の確保の見通しを立てることができました。

  7月には、人件費の上昇などのため、建設費が見込みから約2200億円増加するとの試算が国から示され、これに対し国費の増額などを求めてきました。その結果、来年度の政府予算案において北陸新幹線建設費について、約400億円の増加を確保しています。

  また、国は8月にフリーゲージトレインの導入を断念しています。これに対しては、引き続き、国やJR西日本に対し、敦賀駅における新幹線と特急との乗り継ぎの利便性確保を要請しています。

  大阪開業に向けては、関西の各府県と連携し、政府・与党に早期開業や建設財源確保を要請しています。その結果、政府の来年度予算案には環境アセスメントの経費が幸い盛り込まれています。敦賀開業から切れ目なく着工できるよう、方向性を早く定めることが大事です。

  中部縦貫自動車道大野油坂道路についても、用地取得が順調に進み、新たに新長野トンネル、下山トンネルの2つの掘削が始まっています。

  新幹線開業・中部縦貫自動車道開通に向けたまちづくりも加速させることができました。

  県都福井市では、3月に山里口御門を復元し、隣の中央公園と併せて福井城の歴史をしのぶ空間ができあがりました。この御門の忠実な復元のため、5年前から文献調査が始まっていました。また福井城址の石垣を保全しながらの施工になるため、県内外の専門家に何度も技術的助言をもらいながら、幕末明治150年博に間に合わせる形で完成させることができました。これまでに延べ4万人以上が訪問しています。

  嶺南では、9月に年縞博物館を開館しました。入館者が1か月余りで1万人を超えています。オープン直前まで、展示はもとより入館者が最初に見る説明映像に最大の努力を払って改善を加えてくれました。おかげで多くの入館者から「年縞のすごさ、世界的価値がよく分かった」との声をいただいています。

  そして、幕末明治150年博も期間中に延べ64万人が訪れ、メディアでも頻繁に紹介されるなど大きな成功を収めました。一つのテーマで県内の博物館が連携することが初めてであったことに加え、3月から11月までの比較的長い期間に切れ目なく準備し、盛り上がりを図っていただきました。学芸員をはじめ関係者の皆さんには、マラソンのような持久戦を展開してくれたと思います。その甲斐あって、福井の先人の先見性、偉大さを全国的に発信できました。

  次に産業の活性化です。
 県民の生活の基盤であり、幸せの大元である農林水産業を含む産業の活性化についても様々な成果があがっています。

  まず、福井が誇る農産品・水産品については、ブランド化が大きく進展しました。

  特に「いちほまれ」は今年から本格的な販売を開始しました。また、今年は新たに酒米「さかほまれ」の開発も実現し、水・酵母・米の全てが福井産のお酒の商品化を目指すことができるようになりました。「さかほまれ」は「いちほまれ」より長い開発期間を経て、大吟醸酒用として広く用いられる「山田錦」を超える品種に仕上がりました。名称も、ひらがなで優しく力強い名前をつけることができました。

  ダントツの福井県ブランド「越前がに」は、全国に先駆けて厳格な品質管理をしながら水揚げに取り組んできており、今年、地理的表示(GI)保護制度の登録を獲得しております。カニの登録は「越前がに」が初めてであり、ブランド力がより一層向上しています。

  ものづくり全般の産業面では、11月に「ふくいAIビジネスオープンラボ」を開設しています。専門家などからのヒアリングを何度も重ね、企業が何を必要としているのか、どういう設備が重要か、ソフトウェアはどれがよいかなどを検討された結果、先端技術の導入や新たな分野への進出を望む企業にとって使いやすい施設となりました。

  また県民衛星については、2年後に海外の商用ロケットでの打ち上げが決定しています。振り返りますと、4年前に県民衛星プロジェクトを立ち上げようというアイデアを皆さんからいただいたときには、県内企業には全く実現性を信じてもらえない状況でありました。しかし、粘り強く働きかけ、少しずつ理解が進み、技術研究組合の設立にまでこぎつけ、今では衛星開発も順調に進んでいます。

  さらに、産業面での海外展開については、台湾における観光営業窓口の設置を5月に行い、香港での初となるアンテナショップが10月にオープンし、11月にはタイにおいて、トップセールスの場も作るなど、特にアジアへの売り込みを強化することができました。

  特にタイについては、これまで食文化提案会を実施してきた香港、シンガポールに比べると、食品の輸入規制が厳しいようですが、日本食の好みが異なることに対応しながら、国体直後に多くのバイヤーを招いてこれを行い、今後の輸出強化への道筋をつけてくれました。

  いろいろ申し上げましたが「幸福度日本一」がその発展の先にあります。
 福井県は、3回連続で幸福度日本一の評価を獲得しました。優れた生活の基盤がこのように高い価値につながっており、この評価をさらに向上させていく必要があります。

  県民の健康・医療の分野については、職員の提案から始まった「スニーカービズ」の普及を進めるため、スポーツ庁の鈴木大地長官を招いてウォーキング大会を開いています。お金もかからず手軽に取り組める点が高く評価され、厚生労働大臣表彰も受けることができました。今後、全国のモデルとして普及をしていくことが重要です。

  医療体制を充実させるため、9月から関西広域圏と共同し、嶺南地域におけるドクターヘリの運航を開始しています。また、奥越地域での岐阜県との共同運航についても協議を行っています。

  県民生活の面では、行政、交通事業者、県民が一体となって進めてきたカーセーブ運動、えちぜん鉄道と福井鉄道の相互乗り入れによる利便性、これは非常に全国的に新しい事業であり、長年の皆さんの努力によって成し遂げられたものです。これも今回、国土交通大臣表彰を受けることができました。今後も活動の輪を広げ、新幹線開業に向け、移動しやすい環境の整備を進めていきます。

  それから教育の面では、福井の先生方の熱心な指導のおかげで、11年連続して学力体力全国トップクラスを維持しています。
 また、福井の子ども達は、学力のみでなく、スポーツ、将棋、写真、ラジコンなど、いろいろ分野で個性を伸ばして活躍しており、大変喜ばしい限りです。こうした突破力のある子ども達をみんなで育てていきたいと思います。

  18年教育を進めていますが、それから先、大学の問題もあります。県立大学については、新しい学部の設置や定員拡大、社会人の学び直しの支援などを定めた第3期中期目標を策定しました。

  全体的には人口減少対策が焦眉の急ですが、大都市圏の強い吸引力という逆風の中、本県の企業や暮らしの魅力を、地道にきめ細やかに伝える努力を続けていかなければなりません。今年は東京と大阪において初めて全市町がブースを構えて「ふくい・移住就職フェア」を開催するなど、大都市への働きかけを一緒に強化しており、新ふくい人は4年前は約360人でしたが、これが倍増し、今年度は700人を超える新ふくい人になると思います。

  今日は初雪が降りましたが、本年2月、福井県は37年ぶりの記録的な大雪に見舞われました。防災担当部局を中心に、まさに全庁をあげて不眠不休で迅速な情報収集や情報提供、除雪、生活物資の確保などに全力を挙げていただきました。この秋には今回の教訓を生かし大雪対策を取りまとめており、この冬の大雪、防災に活かさなければなりません。

  また、7月の大雨や9月の台風への対応においても、現場にいち早く駆けつけ、情報収集やパトロールを行い、道路の復旧なども観光に間に合うように迅速に進めていただきました。

  そして福井県の大きな使命である原子力に関しては、7月にエネルギー基本計画が閣議決定されました。原子力発電の将来像はなお曖昧な状況が残っています。11月には安倍首相に対し、国が原子力政策の明確な方向性を示し、国民の理解と信頼を得るよう改めて強く求めています。

  今年再稼働した大飯3、4号機などについては、工程の節目ごとに職員が立ち会い、事業者の安全管理の状況を確認するなどしており、現在まで安定的な運転を継続しています。

  また、一昨日26日には、使用済燃料の中間貯蔵施設について、事業者から「今年中に計画地点を提示することはできない。」との報告がありましたが、私からは、「県民の信頼に関わることで、大変残念であり遺憾である。使用済燃料の中間貯蔵や放射性廃棄物の最終処分の問題は、全ての立地地域の共通の課題であり、全国の立地地域が不安を感じないよう、国と事業者が責任を持って連携して解決すべき課題である。そして県民益を最大化し、立地地域の安全・安心につながるよう、2020年までに速やかに計画地点を示していただきたい。」と強く求めたところです。

  また、原子力防災に関しては8月に総合防災訓練を実施しました。
 引き続き、県民の安全安心を最優先に国や事業者の取り組みを確認していきます。

  以上、今年の主な成果と課題を申し上げました。時間の関係上、全てに触れることはできませんが、今申し上げた分野以外でも、皆さんはそれぞれの立場で全力を尽くしていただきました。

 これから、福井県は重大な局面を迎えます。平成の次の時代に向けて、新しい時代、来年は今年の成果を土台に、皆さんと力を合わせ一緒に福井県をさらに高いステージに引き上げる年としたいと思います。

  明日からは年末年始の休みに入ります。健康に留意して英気を養い、ご家族の皆さんとともに、さわやかな新年を迎えられることを祈念して、仕事納めに当たってのあいさつとします。

 

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