日本赤十字社福井県支部創立120周年記念大会の開会にあたり、福井県支部を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、福井県議会議長、福井県経済団体連合会長をはじめ多くの御来賓の方々と、日本赤十字社 近衞忠輝社長の御臨席を賜り、県内の赤十字関係者の皆様とともに、「日本赤十字社福井県支部創立120周年記念大会」を盛大に開催できますことを、心からお礼申し上げます。
この福井県支部が、明治21年11月に設立されて以来、今日に至るまで、わが国の政治や経済、社会の情況は激しく変化してまいりました。
しかし、その中にあっても、「人道、博愛」を基本精神に、戦時救護や災害救護など人々の苦しみを取り除くべく、さまざまな活動を展開してまいりました。
そして、こうした活動は、県民の皆様の深い御理解と御支援によって支えられてまいりました。
現在では、社員11万人余、地域奉仕団などボランティア1万5千人余、有功会会員300名余の一大ネットワークが形成されるに至っております。
ここに改めて、今日までの県民の皆様やボランティアの方々の御支援に対しまして、深く感謝申し上げます。
さて、この記念大会は、県支部、病院、血液センターが手を取り合い、協力して開催するものであります。
大正14年に支部病院としてスタートした赤十字病院は、創立以来84年にわたり災害医療救護や地域医療に、同じく血液センターは43年にわたり血液供給にと、いまや県民生活に欠かせない機関として活動しております。
なお、本日は、半世紀以上にわたって赤十字事業に献身的に尽くされ、今日の支部、病院、血液センターの根幹をゆるぎないものへと導いてこられた方々にもおいでいただきました。
本日は、こうした方々にも深く謝意と敬意を表したいと思っております。
本県と赤十字との関係を思うとき、幕末の福井藩士 橋本左内の御令弟 橋本綱常先生の偉業を忘れるわけにはまいりません。
綱常先生は、日本赤十字社病院の設立に奔走し、自ら初代院長として重責を担われました。
この救護医療に対するひたむきな姿勢とそれを支える人道・博愛精神こそが、本県はもとより全赤十字に強い影響を与えていると言っても過言ではありません。
平成16年7月の福井豪雨の際には、被災者や全国からのボランティアのため炊き出しを行うとともに、自らも率先して泥掻きなど被災地の復旧に取り組んだ本県赤十字奉仕団の活動は記憶に新しいところです。
また、本県では、青少年赤十字活動も盛んであります。小・中・高校では学校ぐるみで取り組んでおり、いまや学校の加盟率では全国一、二を争うほどです。
「人間を救うのは人間だ」のメッセージに込められた赤十字の人道・博愛の精神を、多くの子供たちに身に付けて欲しいと思います。
赤十字事業は拡大の一途を歩んでおります。頻発する県内外の自然災害に対する救護活動をはじめ募金活動、各種社会事業など、赤十字に求められる活動は無限といえます。
この要請に応えるため、日赤自身はもちろんでありますが、地域奉仕団や救護奉仕団活動の活発化や、有功会など支援組織の拡充、さらには企業とのコラボレーションを図りながら事業を進めていくことも必要であります。
本日の大会が、赤十字活動の今後の飛躍の大きなステップとなりますよう、お集まりの皆様そして県民皆様の更なる御支援と御協力をお願い申し上げます。
赤十字に携わる私どもは、赤十字の生みの親「アンリー・デュナン」が掲げた崇高な理念と郷土が生んだ橋本綱常先生の精神を受け継ぎながら、さらなる発展に向けていっそうの情熱を傾け、一丸となって歩み続けることをここにお誓いし、開催にあたりましての式辞とさせていただきます。
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