小中学校合同校長会 知事あいさつ

最終更新日 2015年1月27日ページID 029094

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 このページは、平成27年1月27日(火)に福井市で行われた、小中学校合同校長会での知事あいさつをまとめたものです。

 本日は、県内の全小中学校の校長先生が一堂に会し、学校を取り巻く教育問題について協議・研修をされる場です。皆様のご努力に心から敬意を表するものであります。

 特に学力・体力については、皆様のご努力の結果文字通り日本一の成果を上げる状況になりました。いつもなかなか感謝や労いの気持ちを申し上げる機会がないのですが、今日はまだお正月ですので、改めて皆様の長年にわたるご努力に対し、心から敬意と感謝を申し上げます。福井が教育県として全国で大きな評価を得ているのは、皆様の力だと思っております。改めて厚くお礼申し上げます。

 昨年は特に県民の幸福度も高い評価を受けましたが、年末に慶応大学の小林先生が中心になって韓国の大学とも協力され、子どもたちの幸福度の調査も行っております。ここでも福井県が47都道府県の中で最も高い評価を受けております。

 この子どもの幸福度には、学力・体力や家庭環境や学校の教育内容なども関係しますが、何よりも子どもたちの気持ちが重要です。将来に希望を持っていること、前向きの考えがあることなどを総合しての評価ですので、福井県として極めて将来が心強いと思っています。これも皆様の日頃の教育の力だと考えるところです。

 この結果、全国から1,500人以上の視察がありますし、平成23年度から延べ20人の県外の先生方が1年以上にわたって研修に来ておられます。

 特に来年春からは、知事の教育施策の助言者を福井県から是非とも欲しいという県もあります。本県の教育が一番大事ですので、福井の先生にはあまりあちこち行っていただいても困るのですが、そういう他県の要請にも応えていかなければならない状況ですので、これ自体は大変ありがたいことだと思っております。

 さて、この春からは高志中学校が開校し、中高一貫校ができます。
 これは、特別のことを狙ったものではありません。特別な学校を創るということではなく、いろんなタイプの学校があった方が良いという趣旨です。公立私立の違いはありますが、公立の中で様々なタイプの学校が複合して、比較したり切磋琢磨したりすることが大事だと思います。

 大都市では中高一貫校は当たり前ですが、福井県ではなかなかそういう機会がありません。東京には塾などの選択肢がありますから、子どもたち自身は大変かもしれませんが、恵まれていると思います。福井の場合はそういう機会が少ないですから、勉強の選択肢・チャンスを用意して、互いにがんばっていただくことが本来の目的です。その主旨を押さえていただいて、小中学校教育を進めていただきたいと思います。

 なお、嶺南地域におきましては、昨年舞鶴若狭自動車道の完成によって交通条件が良くなりましたが、さらに嶺南地域の教育環境について、予算編成などで検討している状況です。

 これからの課題としては、小中学校はすばらしい結果があがっておりますので、今後はこれを高等学校につなげて職業系教育をさらに充実し、福井県を支える力になるよう期待しているところです。

 会社は、大学がもっとがんばらないから困ると言う。大学は、高校がつまらないから積極的な生徒が集まらないと言う。高校は、中学校が…など、従来はこのような状況でした。しかし福井県はそうではありません。小中学校が高等学校に向かって、「ちゃんと教育したのだからきちんとやってくれ」というふうに言う権利とプライドがある立場になったのだと思います。

 我々はそうした皆さんの気持ちを汲んで、高等学校、あるいは逆に幼稚園とか保育園に対して、物事の一貫性や水準向上などを、小中学校のすばらしい学力・体力をベースに広げていくことを考えたいと思うのです。

 皆さんも同じ気持ちだと思います。ご自身だけの小中学校ではなく、外に向かってもいろいろな機会に是非ともそういうことをおっしゃっていただきたいと思います。

 そしてこういう状況の中で、平成30年には福井国体が開催されます。スポーツや芸術・文化などの分野について教育内容を充実していくチャンスが福井県としてできた訳ですので、これを広めなければなりません。

 特に小学校4年、5年、6年生くらいが転換期だと思います。子どもたちのためにも、スポーツ以外にも音楽や絵画、工芸など、様々な分野で関心を持つようになる分岐点です。この機会を捉えて、福井県は田舎ではありますけれども東京などと比較してハンディキャップを負わないように、充実していこうと思うのです。
知事あいさつ 

 最後にふるさと教育についてです。
 福井県は日本一幸せな県だと言われておりますが、子どもたちがふるさと福井を愛したり理解してくれなければ、地元でもがんばれませんし、東京や大阪に行っても福井のことを忘れてしまいます。そういうことでは困るのです。

 ふるさとを思う気持ちを育む教育を、あらゆる教科、活動を通じて自然に子どもたちに身についていくような教育を、次の課題として取り組んでいただきたいと思います。いろんな教材も必要かもしれませんが、先生方の日々の授業、教室の中でもそういうことは可能だと思います。

 お正月にテレビを見ておりましたら、有名な1960年代のビートルズの特集をやっていました。あれはリバプールという街なんですが、ビートルズは世界を制覇したミュージシャンです。

 しかし、ビートルズは世界的などことも関係のないような歌を歌ったわけではなく、自分たちの住んでいる田舎のリバプールのある通りの歌や警察署の前の銀行の歌、そこにある孤児院のその辺の景色、そういう根っこを持ちながら歌って世界を制覇したのです。まさに福井なら福井を基に歌って世界に羽ばたいたのです。

 教育も同じだと思います。グローバルが突然あるわけではなく、日本が突然出てくるわけでもなく、それぞれの地域にふるさとがあって、そこから大きなものが羽ばたくのだと思います。そういうことを念頭に置いていただいて、教育をお願いしたいと思います。

 いろんなことを申し上げましたが、現在、学力・体力日本一の成果を勝ち取っていただいておりますので、これを基盤にさらに次の発展のためにご尽力をいただければありがたく思います。

 お礼を申し上げましてごあいさつに代えさせていただきます。ありがとうございました。

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