皆さんおはようございます。
「ふくいサイエンスフェスタ2014」に、高校生の皆さんをはじめ、県内各地から多数のご参加をいただき、大変ありがとうございます。
このフェスタは、世界の第一線で活躍する科学者の講演などを通して、若い皆さんに最先端の科学研究に触れていただき、サイエンスに対する興味や関心を高めることを目的に、平成23年度から行っているものです。
今日は、2010年にノーベル化学賞を受賞された北海道大学名誉教授の鈴木章(すずき あきら)先生に「ノーベル化学賞を受賞して」という演題で、ご講演をお願いします。先生には北海道から遠路お越しいただき感謝を申し上げます。
先生のノーベル化学賞の受賞理由となった「クロスカップリング反応」は、様々な物質に対して有効な触媒等を通して、効率良く2つの異なったものを結合・化合させるすばらしい技術です。この手法は、高血圧症や腎臓病の治療薬などの現在の医薬品の製造などにも大きく利用されるようになった技術です。
鈴木先生から「クロスカップリング反応」の開発にまつわるお話や、研究に取り組む志などを直接お聞きすることにより、皆さんがサイエンスに一層興味を持って、皆さんの中から将来、研究者や技術者となって社会の発展に貢献する人が、一人でも多く生まれることを願うものです。
また、講演に先立ち「南部陽一郎記念ふくいサイエンス賞」の授賞式も行われます。これは、本県出身の南部先生のノーベル物理学賞受賞(2008年)にちなんで、理科や数学の研究やコンテストで功績を挙げた中学生・高校生を表彰するものです。受賞される中高生の皆さんには、お祝いを申し上げます。これを励みにぜひ、これから世界を舞台に活躍する科学者や技術者を目指してほしいと思います。
今日は会場入り口のところで、皆さんの様々な研究成果も発表して頂いています。また、司会は羽水高校のお二人が務めるなど、皆の手作りでこのフェスタをつくっていただいたところです。心からお礼を申し上げます。
私も50年ほど前の学生の頃、湯川秀樹先生の講演をお聴きしたことがあります。本日の鈴木先生のお話も、皆さんの生涯の記憶として、今後の勉強や学問の大きな糧にしていただきたいと思います。
最後に、次の時代に科学技術を担う皆さんの一層のご活躍を心から祈念申し上げまして、開会のあいさつとします。
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