このページは、平成27年4月15日（水）に県庁で行われた、新採用職員への知事あいさつをまとめたものです。

　皆さん、おはようございます。
　今日ここに、4月1日付の辞令により、新しく県職員になられた113名の皆さんをお迎えしました。
　4月1日は統一地方選挙期間中であったため、皆さんに直接辞令をお渡しすることができませんでしたので、きょう改めて直接ごあいさつを申し上げます。

　まず皆さんには、努力をされて県職員になったことについて、改めてお喜び申し上げます。
　今年の4月1日は、選抜高等学校野球大会で敦賀気比高校が優勝し、福井県に初めて念願の紫紺の優勝旗をもたらすという、歴史的な偉業を成し遂げた日でした。北陸はもちろん日本海側で初めての優勝です。辞令を受けられた同じ日となり、記憶にしっかり残る日になりました。皆さんの今回の採用も、いろいろな意味で祝福を受けているように感じられます。
　県庁を受けるときに勉強されたと思いますが、昨年は舞鶴若狭自動車道が開通し、嶺南嶺北が一体化するという、何十年来の大きな課題が解決したところです。今年の正月明けには北陸新幹線が予定よりも工期を短縮し、敦賀まで8年以内に開通することが決まりました。また、3月には北陸自動車道と中部縦貫自動車道が結ばれ、2年後には大野まで開通する予定となっています。
　県はもちろんですが関係者が長年努力してきた、福井県の地の利、立地条件の向上について大きな方向性が出たところです。県にとって重要なインフラが整備されたということであり、先人の努力の上に立って行政を進めることができるわけです。
　また、福井県は幸福度日本一という評価を得ており、子どもの幸福度も高いなど、全国に誇れる成果を出しています。
　福井県が提案した「ふるさと納税」についても、導入から5年あまり経ってさらに制度が拡充され、全国的に注目される制度となりました。
　これから福井県は、これまでの業績や優れた立地条件をもとに、地方創生や人口減少問題にさらに積極果敢に取り組んでいく必要があります。皆さんが配属されたそれぞれのセクションの中で、大きな流れを意識しながら、先輩や上司と協力し理解しながら仕事を進めていってほしいと思います。

　いくつか心構えを申し上げます。一度に多くのことをお話ししても記憶もできないし実行も困難ですので、大事なことを2つだけお話しします。
　1つ目に、県庁が組織としていま何に関心を持っているかを意識してください。
　社会人から県庁に入った方もいますが、ここにおられる皆さんの大部分は学生の立場から初めて社会人になった方です。
　これまでは自分のことだけを考えていればよかったわけですが、これからは全く局面が異なり、自分だけでは仕事は進まないし、合格点ももらえません。組織全体の中で、自分が一つの役割を持っているということを強く意識してください。
　皆さんは新人ですが、それなりに自分の考え方やこだわりはあると思います。そのことは大事にしないといけませんが、仕事の効率性からは、まずは自分の先輩や上司が何に関心を持っているのか、どう動こうとしているのかに意識を向けて仕事をしていただきたい。そのほうが全体として効率的で効果も出ます。いくらか経験を積んでから、自分の考えを出していってください。最初のうちは自分の思いを内に秘めておいて、県が組織全体として何に関心があるのかを考えてください。

　2つ目に、継続するということをお願いしたい。
　例えば身近な例として英語です。毎日英語の番組を聞くなど、これまで勉強してきたことを継続してください。社会人になったら決められた勉強をしなくてよいということはありません。まずは自分が実力を持っている分野で、継続して勉強してください。
　大学で勉強しただけでは、たいしたことはありません。これからが本番ですので、いろいろな本を読んで厚みを加えるなど、深めていってほしい。これまで学んだことで十分だとは決して思わないでください。1日30分でも良いので、10年継続するとその分野で一流の人になれます。
　私も英語教育を進める必要を感じ、この数年間、自分自身も毎日30分ほど英語のラジオ放送を聞いていました。今では英語のニュース番組なども何を言っているのかはだいぶ聞こえるようになっています。
　皆さんは若く能力も吸収力もありますので、必ずその分野で一流になってください。何かあった時に、この分野ではAさん、この問題はBさんと言われるような人物になってほしい。大事な時に役立つ人間、世の中の役に立つ人間になってください。

　以上2点、意識を「組織」の関心に向けること、大学などで学んできたことを中心に「継続」することを申し上げました。数年間何かを継続できれば、その意味と力がついてくると思います。
　今、私たち福井県の行政は大事な時期であり、全国的にも注目されている県になりつつあります。皆さんの力で次の時代を築いてほしいと思います。
　皆さんのこれからのご活躍を期待して、ごあいさつといたします。