「ロボカップジャパンオープン2015福井」の開催に当たり、開催地を代表して、歓迎のごあいさつをさせていただきます。
この度、国内最大規模のロボット競技会であるロボカップジャパンオープンが本県で開催する運びとなりましたことを、関係者の皆様にお礼申し上げます。
また、全国、さらに海外から参加いただいた72チーム、470名の皆様を心より歓迎します。
福井県では、様々な種類の原発が集積する特徴を活かし、本県をエネルギーの研究開発拠点とするため、平成17年度から『エネルギー研究開発拠点化計画』を推進しており、特に、福島原発事故以降は、強固な安全対策を具体化する施策を実施しております。
その一つに、遠隔操作により事故現場の偵察、復旧作業を行うロボット、重機などを集中管理する原子力レスキューの施設整備を、電気事業連合会が主体となって、県内で進めています。
また、こうした原発事故の復旧作業で活躍するパワーアシストスーツの開発も支援しており、今後、原子力レスキューでの運用、実用化を目指します。
今後、災害対応だけでなく、農業、介護等、様々な分野でロボットの利活用が急速に進んでいきます。
今回の大会は、ロボットの研究開発を進める県内外の大学等の交流を通じて、県内における研究開発を促進するとともに、子どもたちがロボットの魅力に触れることで、『ものづくり』に対する意識が喚起され、将来の産業、技術の発展を支える『ひとづくり』に繋げていきたいという考えで開催しました。
さて、アメリカのSF作家「アイザックアシモフ」が「われはロボット」という作品の中で「ロボット工学三原則」ということを書いています。「人間に危害を加えない」「与えられた命令に服従する」そして「自己を守る」という内容です。
科学技術の進歩において、ロボット技術の重要性はこれからますます大きくなってくると思います。SFの世界だけでなく、現実の世界でも、この三原則が活かされなければならないと考えます。
福井県には、世界三大恐竜博物館の一つである福井県立恐竜博物館があります。お時間があれば、是非、恐竜博物館をご覧いただきたいと思いますが、近い将来、福井の地を、恐竜ロボットが歩く姿が見られるかもしれません。
最後に、この大会に参加される皆様は、次世代のロボット研究開発の担い手です。
3日間の競技の中で、皆様の知恵と努力を競い合っていただくとともに、その蓄積・成果が、将来の日本の科学技術の発展に貢献することを期待して、私からの挨拶とさせていただきます。
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