職員に対するあいさつ

最終更新日 2015年5月19日ページID 029692

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 このページは、平成27年5月19日(火)に県庁で行われた、職員に対する知事あいさつをまとめたものです。
(知事あいさつの模様(映像)は、福井県インターネット放送局(F-iネット)でご覧いただくことができます。)

 本日、人事異動・機構改革を実施しました。

 今日から新たなスタートとなりますので、皆さんに心掛けていただきたいことについて、お話しします。

あいさつ1

 今年は統一地方選挙がありましたので、新しい体制になるのが、例年に比べると2か月遅れております。それだけ仕事も遅れていると思ってむしろ仕事を加速する必要があります。日進月歩の時代ですので、これまでの仕事の遅れを取り返す気持ちで、全力で仕事を進めてください。

 これから新たな政策の方向性や考え方をまとめる必要があります。人事異動に伴って事務の引継ぎなどもありますが、新しい職場ですぐに仕事の目配りができるようにしなければなりません。


 まず、人事異動や機構改革の考え方ですが、今回は、できるだけ経験があり、現場にふさわしい職員に、継続して業務を進めていただくようにしました。

 一方で、若い人たちが積極的に能力を発揮できるようにしておりますし、女性の活躍の場を広げております。

 複数の部局にまたがる課題については、30代の若手職員を中心にチームを編成して、数か月から半年の期間で解決策を打ち出し、実行していきます。

 また、北陸新幹線の用地取得や定住促進については、それぞれの地域の事情が大事ですので、市町の職員の方と一緒に仕事を進めたいと思っております。

 さらに、日本航空をはじめ、外部の方に県庁のメンバーの一員になっていただき、県政、行政を外から見て新しい発想で仕事を進める。そういった工夫もしております。

総じて幅広くいろいろな人たちが力を合わせて県政を進めるということです。


 次に、組織改正の大事なポイントをいくつか申し上げます。

 まず、1点目として、人口減少の歯止めをかける対策です。対策は一つの部ではできません。県庁だけでもできません。市町や企業、あらゆる方々と力を合わせなければなりません。国との協力も必要であり、さらに1年や2年では解決しない難しい課題です。

 従来の枠組みにとらわれていては解決できない課題であるということを特に意識して対策を進めてもらいたいと思います。

 2点目は、交流人口の拡大です。北陸新幹線や中部縦貫自動車道の整備、福井国体の開催も間近にありますので、海外を含めた観光誘客、人々の交流促進などの対策を進める必要があります。各部局がいろいろな政策を考える際には、交流人口を拡大させることをたえず念頭に置いていただきたいと思います。

 3点目は、3年後の福井国体の開催です。式典、宿泊、輸送、競技力向上など様々な準備をしなければなりません。50年に一度の大きなイベントであり、福井の良さを全国に知らせる大事な機会ですので全力で進める必要があります。

 加えて、2年後の大野までの中部縦貫自動車道や8年後の北陸新幹線の敦賀開業に向けた用地取得や準備があります。既に4月に人員を増やしておりますが、確実に進めてください。

あいさつ2
 次に、仕事を進める上での心構えをお話ししたいと思います。

 今日は、小浜で献穀田の田植式があり、途中の車内でラジオを聞きました。文化勲章を受けられた詩人の堀口大學さんという方のお嬢さんが、お父さんの思い出をかつて話しておられました。

 堀口さんは生前、「詩人は言葉ではなく、人柄を鍛えないと良い詩が書けない。詩を読むと人柄が分かってしまう」と話されており、良い詩を書くために人柄を鍛えることを自分に課し、人にも課していたとのことです。

 仕事も同じだと思います。人柄を鍛えないと良い仕事はできません。仕事の出来ばえにキャラクターが出ることになります。

 皆さんは農業、産業、土木など様々な分野の仕事に携わりますが、人柄を鍛えることによって、総力で良い仕事ができると思いますので、一人ひとりがそういう気持ちを持ってもらいたいと思います。


 もう一人、コピーライターの仲畑貴志さんのラジオのお話を聞きました。

 仲畑さんは、コピーは「時代の先を行く」のではなく、「時代の中の一番先を行く」ことが大切であると言っておられました。

 「時代の先を行く」のは行き過ぎで、時代の内側の最先端にいて、その先を押していく、そうでないと世の中に受け入れられないということです。

 また、化粧品やビール、スマートフォンやラーメンを例にとっても “モノ”すなわち製品の品質ではなく、モノを使用することによって得られる価値、体験、喜びである“コト”を売る必要がある、と話しておられました。

 ほとんどの“モノ”が同じ品質や機能を持っている現在では、電化製品や食べ物は、単に「性能」や「うまさ」といった“モノ”の良さでなく、“コト”がないとアピールできないということです。

 今後、福井を売り込むときに、これをどう応用できるでしょうか。幸福度、学力・体力日本一、これらは“モノ”つまり品質の良さですが、これを売る、知ってもらうには“コト”をどう考えるか、そしてどう売っていくかがこれからの課題だと思います。


 もう一つお話ししたいと思います。

 今日の日本経済新聞の「私の履歴書」欄に掲載された日立製作所相談役の川村隆さんが、日立製作所から日立ソフトウェアエンジニアリングに出向された際の体験談です。

 少し引用します。「会議で意見を募ると、驚いたことに机の後方に座る若手からどんどん手が挙がり、具体的な提案が飛び出してくる。開発の第一線に携わる彼らの意見は的確で、それをその場で次々に採用して、見ていてほれぼれとするようなスピード感だった」とのことです。

 そして、「これが日立製作所なら、こんな展開にはまずならない。会長、社長の出る会議で、若手が意見を言うことはほとんどなく、机の後ろに座って上層部が話すことを黙々とメモをするのが関の山。『意見を言って、それが自分の上司の意見と違ったら具合が悪い』と自制するのだ。こうした経験を通じて、外から会社を見ることの重要性を痛感するようになった」と言っておられました。

 外から物事を見る、仕事の常識を考え直すということだと思います。

 また先日、川村さんは、「自分が通った中学校は様々な小学校から生徒が集まるため多様性に富んでおり、そこからいろいろなことを学んだ。『多様性の導入は改革の柱』という持論はこの時の経験に由来する」と言っておられました。

 多様な考えを持つ人が交流し、衝突する中で物事は良くなっていくということだと思います。


 以上、ここ数日、見聞きしたことを端的に例として何点か申し上げました。人柄を鍛えるにはどうしたらいいか。“コト”をどう考え、どう売っていくか。外から物事を見ること、多様性の導入、これらのことを念頭に置いて、仕事を進めてもらいたいと思います。

 そして、お互いに不十分なところを黙認しないで、注意し、助言する。批判、評論するのではなく役立つ方向で議論する。そうした努力をしてほしいと思います。

 これまで以上にそれぞれが自身を鍛え、業務を多面的に、多様性を持って推進していただくようお願いして、新しい体制のスタートに当たってのあいさつとします。
 

    

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