県立大学同窓会設立20周年記念式 知事あいさつ

最終更新日 2015年7月26日ページID 030153

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 このページは、平成27年7月26日(日)に福井市で行われた、県立大学同窓会設立20周年記念式での知事あいさつをまとめたものです。

 福井県立大学同窓会の設立20周年に当たり、一言お祝いの言葉を申し上げます。

 福井県立大学は、平成4年に県民の期待を担い、「魅力ある大学」、「個性ある大学」、「開かれた大学」を建学の精神に掲げ、福井県が開設をしたわがふるさとの大学です。

 経済、生物資源、海洋生物資源、看護福祉の4つの学部を擁する総合大学として、教育、研究、地域貢献に努め、地域社会で活躍する多くの人材を輩出し、平成8年3月の1期生卒業以来、卒業生は、これまでに7千人を超えております。

 この同窓会は、こうした7千人の本学の卒業生をはじめ、福井県立大学の前身である看護や農業の短期大学部などを卒業された方を含めると1万2千人もの方々がおられ、本日は多くの皆様がお集まりのことと思います。
 このように多くの県立大学の卒業生の皆さんが、福井県はもとより国内外で活躍しておられますことを大変喜ばしく思っているところです。

写真1

 さて、今、人口減少問題が本県をはじめ日本全体の大きな課題となっておりますが、地域が自立性をもって強く存立するには大事な要件が3つあると考えます。
 一つは、地域の自立を支えるしっかりとした地方自治体があること。地方自治体が守られなければ地域は発展しないし人口問題は解決しません。
 二つ目が、地域の立場で論じるジャーナリズムをもつメディアがあり、政治や行政の議論が行われること。
 三つ目が、地域の大学が地域に根差しながら、グローバルな視点の中で多様な教育・研究を行い、優れた人材を輩出し、卒業生ががんばっていること。
 この三つが成り立って、地方創生や地方の発展があると考えております。

これらのことは、イギリスのジョージ・オーウェルが第二次大戦後に述べていることであり、地方自治体、メディア、地域の大学の三つが揃わないと地域の自立は存在しないということです。全国的にも三つの要件が揃わないところが増え始めていることを危惧しているところであり、わが福井県がそうした地域でないことを幸いに思っています。

 大学は、社会情勢の変化に合わせて進化しなければなりません。福井県立大学は、下谷学長を中心に、様々な課題をクリアしながら、社会情勢の変化にあわせた大学改革を進めておられます。地域経済研究所や恐竜学研究所を設置し、本県企業のアジア展開や本県のトップブランドの向上に貢献しておられます。

 また、「福井を学ぶ」講義をはじめ、地域の歴史や文化、産業を深く学ぶカリキュラムの創設など、地域を盛り上げていく人材の育成にも大きな力を発揮いただいております。これからも、福井県立大学が一層、地域に貢献されるよう大きく期待するところであります。

写真2

 昨年秋、スコットランドの独立を問う住民投票が行われましたが、スコットランドはアダム・スミス生誕の地であり、国富論が書かれたところです。アダム・スミスは大英帝国のグローバルな姿だけを考えていたわけではありません。住んでいた自分の街であるグラスゴー、エジンバラなど地域の企業、市場、商工会議所の人たちの話を聴いて著作を行ったものであり、こうしたことも私は力強く感じております。

 世界史を決定するような大きな考え方は決して地球から自然に生まれるものではなく、それぞれの街や地域から、そして福井県から生まれてくるはずものであります。地域に根差した自然科学や社会科学を通じて、大学が世界に向けて発展することを信じています。

 同窓生の皆さまには、福井県立大学、そして福井県への更なるご支援をお願いいたします。

 結びに、福井県立大学同窓会が、次の20年に向けて、さらに発展されることを祈念申しあげるとともに、ここにご参集の皆さまのご健勝とご多幸をお祈りいたしまして、お祝いの言葉とさせていただきます。おめでとうございました。

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