このページは、平成２７年１０月２４日（土）に福井市で行われた、ろう学校創立100周年記念式典での知事あいさつをまとめたものです。

　みなさん、こんにちは。ごあいさつを申し上げます。

　本日ここに、福井県立ろう学校創立100周年の記念式典が盛大に挙行されますことを心からお喜び申し上げます。

　ろう学校は、大正４年に廣岡善壽氏によって創設されて以来、聴覚障害に対応する専門的な教育を行う県内で唯一の学校として歴史を刻んで来られました。そして本日、多くの素晴らしい先人たちの情熱に支えられ、100周年の記念すべき日を迎えられました。

　ろう学校の校訓は、自主・敬愛・希望です。その校訓のもと、子ども達の心身の発達と能力・特性に応じた教育実践を通して、社会人として自立するための基盤を育成することを教育目標に、一人ひとりの教育的ニーズに応じたきめ細やかな指導に取り組んでおられます。

　その結果、進路においては、大学や専門学校への進学をはじめ、就職への実績もあげておられます。また、部活動の活躍もめざましく、野球、陸上、卓球など北陸地区、全国の大会において、優秀な成績をあげておられます。

　このように、文武両道のもと、これまでに６９３名の卒業生を送り出され、地域においても優秀な社会人として活躍をしておられます。今日まで、ろう学校の発展にご尽力をされました教職員、ＰＴＡ、同窓会、そして、これを支える多くの団体や企業の皆様に深く敬意を表すものであります。

　さて、現在、障害のある子とない子ができる限り一緒に教育を受けるというインクルーシブ教育システムの構築に向けた転換が図られております。ろう学校でも、平成７年から教育相談部が設置され、障害教育の専門的な機関として、県内全域において乳幼児の聞こえや言葉に関する相談、幼稚園・小学校・中学校・高校などに在籍する、聴覚に障害のある子ども達への支援に取り組んでこられました。今後ますます福井県全域のセンターとしての機能が期待されるところです。

　ろう学校にかかわる皆様には、これからも福井県、日本の聴覚障害教育の先駆けとして、この伝統を生かして、輝かしい次の100年へ新たな第一歩を踏み出していただけるよう期待しております。
　結びといたしまして、ろう学校の皆様が、これからも一層活躍されますとともにさらなるご発展を心からお祈り申し上げまして、お祝いの言葉にいたします。