このページは、平成２９年４月２１日（金）に勝山市で行われた、「旬菜食祭　花月楼」竣工式での知事あいさつをまとめたものです。

　葉桜の季節、新緑が芽吹くとき奥越の山々と九頭竜川が一体となって感じられます。白山をはじめ、スキージャムなど残雪が美しく見える、この良き日に竣工式が盛大に開かれますことを心からお喜び申し上げます。

　勝山市をはじめ観光まちづくり会社、またオーナーの中村さまをはじめ大勢のみなさま、本日までに紆余曲折はあったかと思いますが、一致協力されながらこうした立派な施設が完成したわけであります。お礼申し上げますとともに誠にうれしく思います。

　本県におきましては、市町のそれぞれの特色を活かした新しいふるさとづくりへの取組みを応援しております。その１つが「新ふるさと創造」推進事業であり、勝山市のこの事業について全体の事業の半分程度ご支援をさせていただきました。そして国登録有形文化財の「旧料亭　花月楼」が地域の食と文化が楽しめる新しい施設として完成したところであります。今拝見して本当に良くなったなという気持ちでいっぱいでございます。

　勝山市には、恐竜博物館やスキージャム勝山、今年開山１，３００年を迎える白山平泉寺など福井県を代表する観光地があり、毎年全体で約２００万人が訪れております。

　勝山市中心部には、日本の近代化を支えた製糸業の建物が数多く残り当時の歴史を感じることができます。この花月楼を拠点として、ゆめおーれ勝山やケイテー資料館などの近代遺産を周遊することが可能になると思います。多くの観光客の方に勝山市のまちなかを訪れていただき、また、勝山のみなさんが日々目にすることによってプライドを持っていただける施設になることを期待しております。そしてさらに地元勝山市のまちづくり、まちなか振興が大事であります。

　さて、中部縦貫自動車道は、永平寺大野道路が今年夏前までに全線開通をいたします。おかげさまで工事も最終段階を迎えております。さらに６年後の平成３４年ころには新幹線が敦賀まで金沢から開業します。工事の見通しがたつように頑張っております。

　また、勝山と福井を結ぶえちぜん鉄道も工事を進めておりまして、高架化が来年の夏頃には完成し、秋の国体には間に合うところでございます。

　今回夏の永平寺大野道路全線開通により、県内の主な地域がすべて高速道路でつながることになります。この機を捉えまして、奥越エリアの魅力を全国に発信し、県内外から多くの人に来ていただく、地域の活力向上につなげることが重要です。

　これらの高速道路、新幹線、様々な地域鉄道の開通によって、本県は東西南北の玄関口が開かれ、人の往来、情報の交流が増え「開かれた福井」になります。ご当地奥越地域も「奥越」ということで一番奥の大事な場所であり、開かれたゲートウェイになると期待しております。

　こういった機会を活かすため、県では高速交通開通アクションプログラムを策定しており、これに基づき県と勝山市と事業を進めなければなりません。

　まずは、地元の伝統でありますものづくり産業、あるいは農林水産業などと一体となった食を加えて新しい産業の振興、あるいは企業誘致が必要です。その実力の上に観光団体、経済団体などと一体となって歴史遺産や食、伝統文化などの磨き上げを着実に進め、地域の盛り上がりと誘客拡大につなげてまいりたいと思っております。皆様のさらなるご尽力・ご協力をお願い申し上げます。

　結びに、御尽力いただきました勝山市をはじめ、関係者の皆様に心より敬意を表したいと思います。

　今朝の新聞には、スッポンを恐竜の地層から発見したという記事がありましたが、つるは千年、亀は万年、スッポンや恐竜は億年と、勝山市の末永い御発展を御祈念いたしましてお祝いといたします。おめでとうございます。