福井県立美術館特別企画展「院展」の開会に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
県立美術館は、昨年11月に開館40年の節目を迎えております。今回の院展はこの40周年を記念した特別企画の催しとして開催するものです。
開催に当たりまして、日本美術院をはじめ、多くの関係の方々にご尽力をいただきました。この場をお借りして、深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。
福井県はご承知のとおり日本美術院を創設した岡倉天心ゆかりの地であるとともに、横山大観をはじめ多くの作家たちに愛されてきた越前和紙の産地でもございます。5年前からは、手塚雄二先生を美術館の特別館長にお迎えし、また県下すべての小・中・高校において日本画をとり入れた美術教育のご指導も賜っております。
このように日本画とかかわり深いこの地で当展覧会を開催できますことは、大変意義の深いものと考えています。
院展は、岡倉天心の遺志を継いだ大観らが大正3年に再興をし、以来100年余にわたり、日本画壇最高峰の展覧会として、我が国を代表する数多くの作家を全国に紹介しておられます。今回の展覧会におきましても日本美術院同人(どうにん)をはじめ、同人(どうにん)を目指す一流作家の大作90点余を一堂に展示しております。さらに、今年は大観先生生誕150年に当たることから、大観の作品なども特別に展示いたしております。
来観される皆様方には、新しい才能、そして、かつての大観先生等の画もご覧いただき、奥深い日本画の魅力をお楽しみいただけるものと期待しております。
今年は、松平春嶽公が提案をした幕末維新の「明治」に年号が改元され150年という記念すべき年であります。福井県では、各市町や関係団体と協力して県内全域で「幕末明治福井150年博」を開いております。また、9月からは、福井しあわせ元気国体・障害者スポーツ大会、国体・障スポが開かれます。多くの選手・関係者が本県を訪れますので、これらの機会に福井県の歴史、文化等の魅力を全国へと発信し、地域間の交流の促進や誘客の拡大につなげてまいりたいと考えております。
皆様方にも本県の魅力の発信に是非お力添えいただきますようお願いいたします。
結びになりますが、本展開催にご協力を賜りました日本美術院をはじめ、関係者の皆様に重ねて御礼申し上げますとともに、皆様の益々のお幸せを心から祈念申し上げまして、ご挨拶にいたします。
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