橋本綱常博士胸像除幕式 知事あいさつ
最終更新日 2018年7月24日 | ページID 039419
このページは、平成30年7月24日(火)に福井市で行われた 橋本綱常博士胸像除幕式 での知事あいさつをまとめたものです。
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日本赤十字社 名誉副総裁 高円宮妃 久子殿下の御臨席をいただき、橋本綱常先生の生誕日である本日7月24日に、胸像除幕式を開催できますことは、私どもにとりましてこの上ない喜びであります。
また、先生の曾孫でいらっしゃいます橋本長茂様、遠路、福井にお越しいただき、誠にありがとうございます。
さて、日本赤十字社の初代病院長を務められた綱常先生は、幕末の福井藩士橋本左内先生の御令弟でいらっしゃいます。
左内先生が、「稚心を去る」、「志を立てる」など、人生の指針として「啓発録」を著したのは、15歳の時でした。県内では、数えの15歳に当たる中学2年生が、将来の進む道や決意を親御さんや先生の前で宣言する「立志式」を行う中学校もあるなど、左内先生の精神は、現在も福井県民に受け継がれています。
左内先生を兄に持つ、橋本綱常先生もまた、勤勉で、国際的視野と先見性を持った方でありました。
のちに陸軍軍医総監となられましたが、西南の役当時、軍医監として多くの傷病者の治療に当たったことから、日本に赤十字社設立の必要性を痛感し、設立の要件となるジュネーブ条約の加盟に奔走されました。
明治19年、その努力がジュネーブ条約への加盟として実を結び、先生は日本赤十字社初代病院長に就任され、生涯にわたり赤十字活動にご尽力されました。
日本人がいにしえの時代より、人の情に厚く、慈愛深い国民性を尊い考え方として重んじてきた博愛の精神は、国際的な人道的任務を行う赤十字精神と相通ずるものであります。
日本赤十字社福井県支部創立130周年を迎える記念の年に、綱常先生の胸像が設置され、改めて多くの県民により先生のご功績が称えられることは、大変意義深いものと考えております。
綱常先生の赤十字に対する思いに今一度心を馳せ、皆様と共に日本赤十字社をさらに力強く発展させていくことをお誓い申し上げ、除幕式に寄せる言葉といたします。
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