知事記者会見の概要(令和2年2月13日(木))

最終更新日 2020年4月21日ページID 044006

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令和2年2月13日(木曜日)
10:30~11:30
県庁 特別会議室

知事200213

 

 

【知事】  

 皆さん、おはようございます。

 今日は、令和2年度当初予算案についてご説明させていただきます。

〔資料:予算案の概要(2年度当初元年度2月補正)、主要事業の概要発表要旨

 
   配付資料1-4に基づきご説明をいたします。

 令和2年度当初予算については、一般会計の予算規模が4,872億円、6月補正による肉付け予算後で前年と比較しますと1.4%の減となっています。また、令和元年度の2月補正のうち経済対策予算を合わせると5,036億円ということになります。

 当初予算としては過去10年間で最大の規模となっています。昨年もですが、知事選の年に行われる肉づけ予算の6月補正を含めた予算としても3番目の規模ということでございます。

 さらに、特別会計と企業会計を合わせた総額は6,045億円となっています。

 公共事業費につきましては、地方財政計画が前年比98.2%となっている中で、本県におきましては99.3%確保しておりますので、基盤整備についても積極的に行っているということでございます。

 また、新規事業につきましては、140事業上げております。新規事業は、例年、60、70件ぐらいですので、今回は例年の倍ほどになっています。

 また、拡充の事業につきましても、例年50件ほどですが、今回は61事業ということで、そういう意味では、積極的に予算編成を行っています。

 予算案のポイントとしては、1ページに記載してあるように3年後に控えた北陸新幹線福井・敦賀開業を踏まえて、事業の徹底的な見直しを行いました。県民会議でもいろんなご議論をいただきました。県民会議でのご議論は、個別の事業の中身によっているのですが、それだけではなく、その考え方を財政課で敷衍(ふえん)して全体の事業を見直し、事業費として83億円の削減を行っております。例年は30億円、40億円でしたので、そういう意味では、事業の見直しにつきましても徹底的に行わせていただいたということでございます。

 事業の徹底的な見直しにより、財政規律を守りながら福井の可能性を大きく拡げる、そういう「攻めの予算」を編成できたと考えています。また、年初に皆様方にもお話し申し上げましたが、今年の目標は拡大の「拡」ですので、そういう拡がる、これから拡大に向けて、そういう形で予算も組めたと考えています。

 大きな項目としては、1から5に書いてあるように、拡大の「拡」ということで、基本的に「もっと」と書かせていただいています。「まちづくり」、「ひとづくり」、「ものづくり」、「安全・安心なくらし」、さらには「チームふくい」という大きな5つの柱立てをさせていただいています。

 また、1ページの一番下にSDGsの17の目標を書かせていただいております。この資料の中でも右上の端のところにSDGsのマークを描いておりますが、今年度の予算は全ての事業について、SDGsのどの目標に沿っているかということを記載しています。資料1-3には、細かい事業を記載しています。そこには、今は一つ一つの事業にSDGsのマークはついていませんが、現在整理中ですので、最終的に議会が始まる前にはホームページ上で全ての事業についてマークを記載します。また、この目標についてはこのような事業で推進しているということも分かるような形にしたいと考えています。

 それでは、主な事業についてご説明いたします。

 3ページをご覧ください。1つ目の柱である「まちづくり」につきましては、北陸新幹線、中部縦貫自動車道をはじめとした高速交通網の整備促進でございます。

 それから、5ページをご覧ください。北陸新幹線の福井・敦賀開業を受けまして、例えば福井駅西口の市街地再開発を着実に実施する。その上で、ハード整備だけでなく、にぎわいをソフトの面でも後押しをしていくために、ワンパークフェスティバルや、8ページにはアスリートナイトゲームズのようなスポーツの振興も記載しています。それから、北陸新幹線福井・敦賀開業に向けたふくいブーム、ブームをムーブメントに変えて文化にする、ブランドに磨き上げていくというようなことも行っていきます。その1つのツールとして、観光連盟の機能を強化するために、DMOを設置して、この道に長けた方をマネージャーとして誘致できるようにしたいと考えています。

 7ページをご覧ください。キラーコンテンツとしての恐竜、この恐竜博物館の整備を確実に進めていく。さらには、恐竜博物館の建物の場所にとどまらない拡がりのあるワクワク回遊プロジェクトということも考えています。

 それから、芸術文化や、スポーツコミッションなどで、まちづくり、にぎわいづくりをしていこうということですし、インバウンドの観点では、9ページに記載している京都事務所の開設を行っていきたいと考えております。

 2つ目の柱である人材の育成につきましては、11ページに「子だくさんふくいプロジェクト」を記載しています。今までは、「3人っ子応援プロジェクト」として、第3子以降の幼児教育を無償化してきました。一時預かりや病児・病後児保育といったこともやってきましたが、これを2人目に拡大していく。所得制限は最初は厳しいですが、2人目以降に拡大をしていきます。さらに、自宅で0歳から2歳のお子さんを在宅で育児している場合でも、月額1万円の手当てを出させていただくといったことを考えています。

 また、県立学校については、授業の仕方を変えていこうということで、小中学校にはタブレットを配付することになっています。これに合わせて、県は県立高校、特に理数系の授業ですぐにでも取り組んでいきたいということで、3年で3クラスに1クラス分のタブレットを配備して授業に備えていく。また、県内全部の県立学校に高速大容量通信ネットワーク環境を整備して、ギガスクールにしていくということを考えています。

 13ページをご覧ください。私立高校の授業料につきましても、国では年収590万円未満の世帯まで実質授業料無償化ですが、県としては、無償化を年収910万円まで拡大して実施したいと考えていまして、福井を担う人材の育成に努めていきたい、ひとづくりに努めていきたいと考えています。

 3つ目の柱の産業基盤につきましては、創業、起業家の支援というものを1つ大きく打ち出していきたいと考えています。

 10ページをご覧ください。県内の企業、それから県民の皆さんも、UIターンの促進ということを強く言っていただいております。そういう意味では、東京圏からの移住については、国の制度に基づいて福井県でも100万円の移住支援金を実施しておりました。これに対して、さらに、福井県の県単事業として、東京圏以外からの移住には50万円の奨励金を出させていただく。また、移住して創業する支援につきましては、国の制度で150万円の事業がありますが、これに50万円を上乗せして、福井県の場合は200万円ということになっています。

 その上で、創業者の場合、特にスタートアップのときは事業に着手してもお金が入らないということがありますので、園芸カレッジのように、農業も1、2年勉強するということがありますので、そういうところに着目をして、独身の方であれば210万円、家族で移住していただける場合には最大240万円の移住創業される方への支援金を予算案に上げさせていただいているところでございます。創業というものは、今後、魅力的な企業に育っていくというようなことでもありますし、創業するような優秀な方を福井県に集めるという考え方です。

 同じような考え方が20ページの「クラウドファンディング活用促進事業」です。創業支援としてクラウドファンディングのサイトに対する支払い、ここのところの手数料についての助成を行うことで、創業しやすい環境を整えていくということを1つの目玉として行わせていただきたいと考えています。

 4つ目の柱である安全・安心については、特に24ページの記載している医療、介護というところで、県内の医師不足の解消を一日も早くするという観点から、ドクタープール、さらには医学生等への奨学金の貸与というものを創設または拡充していきたいということでございます。また、25ページをご覧いただきますと、介護人材不足ということが非常に課題になっておりますので、外国人の介護人材についても、現地で介護人材を育てて、即戦力として福井県内に来ていただくという体制を整えたいということでございます。

 5つ目の柱である「チームふくい」の行政運営については、27、28ページをご覧ください。市町連携ということで、例えば市や町がハード面や、ソフト面でまちづくりを進めていくことについては、できるだけ幅広く、各地域の交流人口、定住人口の拡大に向けた事業の応援をさせていただくということや、例えば過疎地域などのコミュニティーを維持するのが難しくなっているようなところで地域の交通機関の確保、もしくは外からの人材を導入できるような応援もできる、そういうモデル事業なども実施をさせていただきたいと考えているところでございます。

 私からは以上でございます。

 

~質疑~

 

 

【記者】  

 新規事業140件、拡充61件の「攻めの予算」ということですが、特に知事が自分の色を出せたという思い入れがある事業は何でしょうか。

 

【知事】  

 今申し上げたことになりますが、北陸新幹線などの交通基盤の整備、それに附随して、恐竜博物館も含めてソフトも充実をさせてふくいブームを起こしていくという狙いでまず基盤の整備をさせていただくということ。

 人材育成では「子だくさんふくいプロジェクト」をはじめとして、福井の将来を担う子育てを充実させていこうということ。

 それからやはり、産業面ではUIターン促進ということで、起業といったところに力を入れてやっていきたいということ。もちろん、既存の事業、産業についても振興していきますが、起業といったところに力を入れていきます。

 安全・安心では、介護人材が今でも不足しておりますが、さらにこれから不足してくるということがあります。外国人の人材については、特に介護と建設業において、福井県になかなか入ってきていただけていない現状があります。そういったところを解消する方法として、現地で育てて、安心してこちらへ来ていただいたときから介護の仕事に就いていただけるということ。

それとともに、市や町と協働してまちづくりをしていくといったところに力を入れたということでございます。

 

【記者】  

 前県政との違いは、資料1-3の目次に記載がある「創造力」という部分だと思います。拡大に向けた北陸新幹線福井・敦賀開業のブランド化を集約させた部分だと思いますが、「創造力」という言葉にした意図は何でしょうか。

 

【知事】  

 それは長期ビジョンの考え方です。長期ビジョンの中で創造力ということを掲げているのは、一言で言えば、ワクワクドキドキの部分が足りていなかったと思います。そういったワクワクドキドキのところをワンパークフェスティバルや、アスリートナイトゲームズ、フルマラソンの大会を始めるなどといった目標に向かって、今まであったものではないものをつくり上げていくということが大事だということで、長期ビジョンの中でも重要なポイントとして「創造力」を掲げているところです。

 

【記者】  

 基盤整備を含めて、積極的に予算を配分し、「攻めの予算」を編成しながらも財政規律を守られたという部分が非常に印象的です。廃止、見直しされた事業が事業費ベースで83億円、事業数で言うと749件と、例年より3割程度増えていると思います。どのような視点で、事業の見直しなどをされたのでしょうか。

 

【知事】  

 「『効率化』って決める覚悟」とクレドで言っていますが、まさに新しいことを始めるためには、現状をよく見直して、ある部分をやめていくということです。どの事業も今まで必要だったものですから、終わった事業でなければ、要らなくなるということはほぼないのですが、そういう中でも、難しい判断をしながらやっていたということだと思います。やはり、県政が変わった、時代が変わっていくという意味で、経常的に物事をやっていくというよりも、新たに何か始めていくというようなことを1つの観点としてやらせていただいたということかと思っています。

 そういう中で、私としては、今までなかなか見直せなかったこともしっかりと見直していこうと申し上げたところです。

 もちろん、いろんなハレーションもあると思いますので、副作用のところはよくご説明もさせていただきますし、また、必要性があれば、また違う形になると思いますが、そういったところには配慮していきたいと思っています。

 

【記者】  

 今回の予算のネーミングをお願いします。

 

【知事】  

 「攻めの予算」です。最初からそう思っていました。予算編成に入るときには、職員とのディスカッションを深めていました。ですから、最初から、これはいけると思いましたので、「攻めの予算」と思っていました。

 

【記者】  

 知事は就任当初からボトムアップの大切さを訴えられてきましたが、今回、当初予算編成に当たって、ボトムアップの部分というのはどうでしたでしょうか。

 

【知事】  

 これは140事業という数を見ていただいても、例えば昨年の6月補正予算でも86の新しい事業を組んでいますので、そういう意味では相当数の新しい事業をやっています。

 先ほども申し上げたように、60から70ぐらいが新規事業の例年のパターンでしたので、昨年の6月補正の肉付け予算、今回の当初予算とも、職員が時代が変わったということを意識して、県民主役、徹底現場主義、市町との協働といったことを意識した形でアイデアを出して、それを形にしてくれたのだと思います。そういう意味では、今回の予算の大半が、職員からの提案、思いが入っていると思います。

 

【記者】  

 資料1―3の37ページに「県都デザイン戦略推進事業」があると思います。知事の政策集でも、城址整備の具体化にあわせて、県庁舎の移転を含む将来ビジョンを策定とありましたが、この「県都デザイン戦略推進事業」はそれに当たると考えればよろしいのでしょうか。

 

【知事】  

 いつも申し上げているのは、県庁の移転が最初にあるのではなく、この場所をどうしていくのかという議論をしながら、そうすると、おのずと県庁の移転といった議論になってくると思われます。そういう流れの中で県庁の移転を考えています。そういう意味では、城址の活用の仕方ということの検討を始めようということですので、緒につけるということだと思います。

 

【記者】  

 検討懇話会では、ここをどのように活用するのかを自由に検討してもらうというイメージでしょうか。

 

【知事】  

 これまでの議論の蓄積などいろいろあります。そういう意味では、あまり制限はつけないで、これまでの議論は参考にしながら、議論いただこうと思います。また、もっと大きくまち全体をどうしていくのかということは福井市とよく相談しながらやっていこうと思っています。

 

【記者】  

 初めて新年度予算を組んでの意気込みを教えてください。

 

【知事】  

 私は知事就任以来、一貫して徹底現場主義、県民主役、市町との協働を言わせていただいています。それを当初予算の中でどのように形にしていくかということを腐心して、予算編成の前、政策ディスカッションの段階から議論をしてきました。

 そういう意味では、今回の予算の中は、さっき申し上げたように、職員の皆さんもよく私の考え方を理解していただいて、新しい事業も盛り込んでいただいた形で、かなり自分の思いに沿った予算の編成ができたのではないかと思っています。

 

【記者】  

 市町との連携はどれぐらいを考えていますか。

 

【知事】  

 先ほどまちづくりのところで申し上げましたが、それ以外に一番大事なところは子育てのところです。0歳から2歳のところの幼児教育の無償化の範囲について、今の国のベースをさらに拡大していくというところは、市長、町長さん方と十分に打ち合わせをさせていただいています。

 そういう中で、子どもたちの幼児教育は、保育所や幼稚園に通うためのお金だけではなく、在宅で子育てをされている方にとってもとても大事です。そういう方への配慮や、受け皿になる幼稚園や保育所が足りなくなるというところもありましたので、そういった実態にも配慮しながら徐々に進めていくというようなことも市町の連携の中で非常に重要なポイントだと思っています。

 

【記者】  

新しい知事、予算でどのように変わっていくのかを県民に一言お願いします。

 

【知事】  

 常々、県民主役と申し上げておりますが、そういうことを市や町と連携し、行政が一体になってサポートしていく。先ほどは起業家の支援だけを申し上げましたが、いろんな形で、若い方、女性も含めて、県民の皆さんのチャレンジを応援できるような中身にもなっています。

 県民の皆様方に福祉的なサービスを充実するということもありますが、新しいワクワクドキドキできる、若い方が残りたい、帰ってきたい、外から来たくなるような、そういうような福井県にする。こういうようなことを、新幹線の基盤の整備も含めて予算の中に盛り込ませていただけたと思っています。

 

【記者】  

 前知事の県政との一番の違いはありますか。

 

【知事】  

 前のことを申し上げるつもりは全くありませんが、私としては、私自身も行動しながら、予算の中では県民の皆さんが活動しやすい内容になっていると思っています。

 

【記者】  

 新しい時代を目指した意気込みを教えてください。

 

【知事】  

 私は、北陸新幹線や、中部縦貫自動車道、舞鶴若狭自動車道の4車線化など、福井県は本当に100年に一度のチャンスだと思っています。私自身も精いっぱい応援しますし、県民の皆さんにも羽ばたいていただけるように、飛躍していただけるようになったらいいと思っています。

 

【記者】  

 恐竜博物館の外観イメージについて、増築部分が特徴的な卵形の現在の博物館をオマージュしているような印象を受けますが、知事の感想をお聞かせください。

 

【知事】  

 これから県議会で議論いただくことになりますが、私どもとしましては、場所はここにして、やはり今の恐竜博物館が1つのランドマークとしての役割、この卵形というものは非常に良いと言われていますので、それをさらに今回も踏襲したいと考えています。

 そういう意味では、親卵、小卵と言ったら、こちらは小卵だと思いますので、親しんでいただけるのではないかと私どもは思っています。

 

【記者】  

 北陸新幹線福井・敦賀開業まで3年前ということで非常に重要な期間だと思います。新幹線開業対策において、福井ブームの創出など、様々なキーワードも入れていますが、今回の当初予算でこの3年前という期間をどのようにしていきたいのでしょうか。

 

【知事】  

 まず、北陸新幹線の土木工事の部分ができ上がって目に見える形になってきて、県民の皆さんにも期待感が高まっている、そういう時期だということが1つあります。それから、開業までの期間が短くなってくるということは、それまでにやらないといけないことが明確になって、それに対する課題というものも非常に明らかになっています。ですから、その一つ一つを間違いなく手順どおり進めていけるようにしていくことが大事だと思います。

 そういう意味では、期待感が高まる中でゴールに間に合わせるということが非常に重要な時期ですので、我々も気を引き締めてやっていかないといけないと思っています。

 

【記者】  

北陸新幹線の福井・敦賀開業や、中部縦貫自動車道大野油坂道路の開通を控えていることもあると思いますが、県債残高が約350億円増える見込みであり、財政調整基金の残高も約10億円減る見込みとなっています。先ほど財政規律を守りながらというお話もありましたが、そのことについて知事から説明をお願いします。

 

【知事】  

 長期的な財政収支については、10年間の収支や、5年間の数値目標も出させていただいています。これについては、県議会を含めてご理解いただけていると思っています。その範囲の中で、しっかりと財政規律を守っているという点が1つあります。

 それから、財政調整基金は17億円取り崩していると思います。これも、歳入がどうなるのか分からないので崩していくのですが、決算のときには、できるだけ財政調整基金を取り崩さなくても済むように努力いたします。客観的事実として申し上げても、昨年度と比較して財政調整基金の取り崩しは小さくしておりますので、そういう意味では、最初に申し上げたように、財政規律をしっかりと守っていくという点については、できているのではないかと考えています。

 

【記者】  

 先ほどの北陸新幹線福井・敦賀開業3年までの質問で、大変期待が高まる中、ゴールが見えてくる時期なので気を引き締めてやっていきたいと言われていました。今回の予算でどのようなことを引き締めて、強調したのかを教えてください。

 

【知事】  

 年が明けてから、私も鉄道・運輸機構を伺ってお話を聞いていますが、ぎりぎりの日程ということもあって、これからもいろんなことが起きてくると思いますので、そういったものに常に迅速に対処しながら、まず確実に3年後の福井・敦賀開業を実現させるということが必要です。また、福井駅西口の再開発や、恐竜博物館、一乗谷朝倉氏遺跡、検討が始まった東尋坊など、いろんなところが新幹線を待ってということがあります。

 こういった、お客様を迎え入れるというほうの整備もまだまだ道半ばというところですので、これは確実に実施しなければいけないと思っています。

 

【記者】  

 北陸新幹線では300億円、恐竜博物館の機能強化事業には10億円、福井駅西口市街地再開発事業には14億円の予算がついており、福井県にしては大きなプロジェクトが並んでいるという印象を受けました。知事は予算を作られていて、どのように感じたのでしょうか。

 

【知事】  

 日ごろから、私も財政運営は、短期の問題ではなくて長期の問題だと思っています。県は、当然、持続可能でないといけませんから、いつも財政はどのように運営していくのだろうということは考えています。

 そういうときに、やはり100年に一度のチャンスのときにはやらなくてはいけないことがあるわけですので、そういうことはやりながら、どのように財政規律を守るかは、長期的な収支の見通しを持ってやっていく。その範囲の中であれば、できるだけ前向きに物事を、このチャンスのときに一斉に投入する。やはり逐次投入では、物事というものは概ねうまくいかないという気がいたします。

 そのような中で、行くときに行くということを心がけて、大きく財政の規律を守りながら、やるときにはやる、そういうような観点で、今回も予算の編成をさせていただいているということです。

 

【記者】  

 今回1期目の最初の当初予算でしたが、今回は、行くときには行くという予算ということでしょうか。

 

【知事】  

 予算をやっているとつくづく思いますが、単発ではなく、一つ一つが長く続く、いろんなことが連携しているので、今の考え方をこれからも続けてやっていくのだろうと思っています。

 

【記者】 

 電気事業者の法人事業税の影響や、電源三法交付金の減少などについて、受けとめがあればお願いいたします。

 

【知事】 

 税収全般としては、地方財政計画にのっとって、今の段階では組むしかありませんので、1,170億円余りと過去10年の中でも最高となっています。

 昨年から今年にかけて景気が少し陰っているというような話もありますので、下り局面のときは税収としては増えませんし、還付が出てきますので、そういう意味でも厳しいところがあります。今後に注意を払いながら、電源三法交付金も減少局面ですが、活用できるものはしっかり活用させていただくということで予算を組ませていただいたということで、配慮もしくはこれから注意をしていきます。予算の編成上は、積極的な予算は組めているので、そういう意味では、今のところ大きな影響があるわけではないと思っています。

 

【記者】  

 「スポーツコミッション推進事業」に、フルマラソン開催に向けた検討委員会の設置が盛り込まれています。これはどの程度の現実感を持って検討されているものなのでしょうか。

 

【知事】  

 やはり北陸新幹線福井・敦賀開業に向けてフルマラソンを開催したい、3年後にフルマラソンの本大会を開こうと思えば、普通は1年前に、人数を絞ったプレ大会を開くというようなことになってきます。

 そうすると、今の段階はこうした検討をしっかりと、どこでやるのかということは決めていかないといけないと思いますので、この時期に検討組織を立ち上げていくということは、3年後を見て十分可能なタイミングだと思っています。

 

【記者】  

 3年後に県内でのフルマラソン開催を目指して検討していくということでしょうか。

 

【知事】  

 そのような議論を県議会でもいただきましたし、県民の皆様も求めていると思っていますので、その方向で考えていきたいと考えています。

 

【記者】 

 県内でフルマラソンを開催する狙いや、期待されることはありますか。

 

【知事】 

 まずスポーツによる交流というものは非常に増えてきています。先催県の状況を見ても、例えば富山、石川でも、フルマラソンを実施しますと1万人を超えるお客様が来られます。お客様には、基本的には前泊をされて、できれば後泊もしていただく、また、県民の皆さんもフルマラソンを楽しみに一生懸命練習をされるということもあるわけです。そういった交流人口の拡大ということもありますし、おもてなしということでは、5,000人ぐらいのボランティアの方に出ていただきます。

 そのようなことから言っても、いろんな食べ物をその場で振る舞うなど、そういったおもてなしを楽しみに皆さん来られています。そのことがまた次につながるということにもなると思います。そういう意味では、やはり交流人口の拡大と福井県内のスポーツの高まりということを目指していくということだと思います。

 

【記者】  

 開催場所はこれから検討されるのだと思いますが、知事の頭の中で、どのようなマラソン大会になると良いと思いますか。

 

【知事】 

 これはフルマラソンを開催したいという市や町と一緒になって考えていきます。やはりマラソン大会の中にも、評判になって、みんなが行きたくなるマラソン大会というのはあるらしいので、開催時期や、おもてなし、受け入れの仕方も工夫を凝らしながら、皆さんに喜んで来ていただけるようなマラソン大会にできたらいいなと思います。

 

【記者】

 観光名所は各市町にいろいろあるかと思いますが、市町と折衝された際の手応えを教えてください。

 

【知事】 

 市町と話をしている限りにおいては、実現はできるだろうという感じはあります。しかし、具体的にお金や、交通規制の問題もありますので、思いどおりにルートを描くということもなかなか難しいと聞いています。これから検討委員会の中でよくもんでいきたいと思います。

 

【記者】 

 3年後のフルマラソン開催に向けた意気込みを一言お願いします。

 

【知事】  

 できるだけ多くの皆さんに全国からお集まりいただいて、評判になるようなマラソン大会にぜひ仕上げていきたいと思っています。

 

【記者】 

 新年度の上期には、県民衛星の打ち上げなどがあります。資料1-4の19ページにある「宇宙産業拡大支援事業」では、何か新しいことをやっていくのでしょうか。

 

【知事】  

 今は、県民衛星を確実に打ち上げて、うまく稼働させたいと思っています。この県民衛星をつくる、打ち上げるという話を申し上げて、県内の企業が集まって、JAXAとも相談をし、もう受注も始まっています。

 そういう意味では、この県民衛星プロジェクトを進めることが、まずハード面での製造業の新しい分野を開拓していくということですし、使い道としては、災害対策を中心に需要を開拓していきたいと考えています。そういう意味では、衛星のシステムを検討する材料にもなりますので、まずは県民衛星の打ち上げを確実に成功させて、しっかりと動かしていくことだと思っています。

 

【記者】  

 新年度は、今まで進めてきたことを確実に行っていくというところを重点として、その先については、またそこから増えていくというイメージでしょうか。

 

【知事】 

 実際にそのような動きになっていますので、そうなっていくだろうと思っています。

 

【記者】 

 「宇宙関連試験設備の改修、更新」と記載されていますが、何か目玉の設備があるのでしょうか。

 

【知事】 

 SAR(合成開口レーダー)衛星の製造技術開発のため、工業技術センターのクリーンブースを大きくします。今、60㎝×60㎝×80㎝の大きさの衛星をつくるクリーンブースを設置していますが、もう少し大きな衛星の需要があるので、その衛星を製造するために、クリーンブースを拡大します。

 

【記者】  

 プロスポーツという観点では予算に反映されていることや、検討されていることはあるのでしょうか。

                                                                           

【財政課長】

 プロスポーツを目指すトップチームについて、県民チームに認定いたします。

 

【知事】 

 こういった県民チーム、プロのスポーツを育てることを目指すことも大事だと予算査定や職員との議論で言ってきました。できるだけ目指すところを高くすることが裾野を広げることになります。

 そのためには、皆さんがスポーツを楽しむ雰囲気をつくっていかないといけない。特定のスポーツだけではなくアマチュアも含めて、トップリーグで活躍しているチームがいくつかありますので、1つはそういうことを盛り上げていく、スポーツ熱を上げていく。その上で、プロスポーツの振興についても、応援していく。あまり大きな予算ではありませんが、例えばアウェーの試合でも福井県をPRしていただけるのであれば支援する予算も入っています。そういうことで、県民の皆さんの熱を高めながらプロスポーツを振興することもやっていきたいと思っています。

 

【記者】 

 福井県にプロスポーツチームをいつ誕生させたいという思いはあるのでしょうか。

 

【知事】  

 これは、県民の皆さんの思いがどうであるかだと思います。他県の例を見ていても、例えばサッカーのJリーグでJ1やJ2へ行くということになれば、J2では3,000人規模の施設が要るわけですので、そういうような規格に合わせるときには行政が出ていくという場面も出てくると思います。しかし、基本はやはり、それぞれが、県民の皆さんもいろんなスポーツを楽しみたいというところがありますので、そこはまずは、県民の皆さんもしくはチームの活躍を見ながらだと思っています。そこについては、一生懸命応援していきます。

 

【記者】  

 今回の予算編成に当たって、「攻めの予算」でうまく編成できたということですが、反省点はありますでしょうか。

 

【知事】  

 今のところは一番いいと思ってつくっています。

 

【記者】 

 先ほど新幹線に向けて飛躍できるようにしたいとおっしゃっていましたが、何が飛躍の鍵で、それは予算にどのように盛り込んだのでしょうか。

 

【知事】  

 まず、ワクワクドキドキを大きくしていかないといけないと思いますので、受け入れの体制を整備することでたくさんの人に来ていただく、お金を落としていただけるような体制にするということは大事だと思います。

 そういう意味では、いろいろな観光地のハード整備、もしくはおもてなしが大事です。観光の新ビジョンの議論をさせていただきますと、インバウンドを頑張るのであれば、やはり個別の店舗でも外国人対応ができるように、もしくは来ていただくためのメニューづくりなどもしないといけませんので、受け入れるところのハードの整備とともに、ソフト面の充実、Wi-Fiもありますし、キャッシュレスということもあると思います。そういったことをさらに県民の皆さんに理解いただけるようなことをしていかないといけないと思っています。

 

【記者】 

 全ての事業にSDGsのマークをつけて、ホームページで見ることができるようにするとのことですが、これは誰に向けて、どのような狙いで示されるのでしょうか。

 

【知事】  

 これは、私たちの思い、考え方の基本がSDGsと重なっているということだと思います。持続可能で包摂性と多様性のある社会を目指すということであり、当然、我々地方公共団体は永続していかなければいけないわけです。そういう中で、これまでの人類の経験というものは、自分たちだけよければ物事は進むということではないと、多くの失敗を繰り返してきた中身がそこにあると思います。やはり共生を大切にしていくということは非常に重要だと思いますし、そのことが、私どもの思いとして言えば、SDGsの考え方というだけではなく、これからの社会、産業界、もしくは一人ひとりの生活の仕方が、省エネといった方向に向かっていると思います。

 私たちの思いとして、長期ビジョンや、今回の予算編成も含めてSDGsの方向が正しい。ですから、我々はそれにのっとった編成をしていこうということから始まっています。県内では、まだこのマークの理解がされていなくて、きれいですねと言われる方もいます。そういったことをまず分かっていただく、市や町と一緒になって、関係する全ての皆さん、民間の企業も含めて、この方向で進めていきましょうという我々のメッセージということを込めて書かせていただいているということです。

 

【記者】  

 県民や県内企業に向けたメッセージということでしょうか。

 

【知事】 

 私たちの思いとともに、そういうメッセージだということです。

 

【記者】  

 昨日、カラ出張疑惑が持たれていた石川県議会議員が辞職されました。全国的にも政務活動費のあり方が長年注目されている中、政務活動費の不正受給で県議が辞めたことに対する知事の受けとめと、政務活動費のあり方についてのお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

 政務活動費について、今回こういう事案が発生したということについては大変残念だと思っています。

 政務活動費については、議会でも十分議論をされて、必要性については認められている範囲ででき上がっている制度ですので、要は運用の問題だと思います。そういう意味では、税金をもとにしてつくられているお金であり制度ですので、使われる方々にはしっかりとその趣旨に沿って、法令を守ってやっていただく、そういうことだろうと思っています。

 

【記者】  

 日本原電の敦賀2号機について、先日の審査会合で日本原電が示した地質データに書きかえがあるのではないかという指摘が規制委員会から出されました。日本原電は修正と答えていますが、そのことに対する知事の受けとめをお聞かせください。また、この問題に対して日本原電に説明を求めるお考えはありますか。

 

【知事】  

 概要については、報道等で認知はしております。これは報道の内容ですし、またこれから議論される中身だと思いますので、私からあまり具体的なコメントを申し上げることはないと思います。しかし、規制委員会からそういう疑義を投げかけられていて、それに対してはしっかりと説明を日本原電の側でしていただく必要があるとは思っています。

 少なくとも日本原電の側は説明不足だというようなことを言っておりますので、まずはそれを尽くしていただくのだと思います。

 

【記者】  

 新型コロナウイルスについて、予備費を使って対応されるということは取材でも伺っていますが、昨日、公明党県本部から県に対して水際対策の徹底というような要請もありました。県内では今のところ何もありませんが、対策に向けての知事の考えを一言お聞かせください。また、今後、万が一の事態に備えて、さらに拡充していきたいという考えがありましたら教えてください。

 

【知事】  

 これは、中国で発生した当初から危機管理の問題ですので、担当部局、それから危機管理部局とともに、対応状況についていろいろチェックしながらやっております。そういう中で、必要な体制につきましては、県内に感染症の指定医療機関を定めまして、手順についても確認をさせていただいております。

 我々としては、その中で、やはり迅速にできるだけ多くの検体について確認ができる体制をつくるということで、1,000万円程度の予算を今回予備費から充当いたしましてやらせていただくということでございます。

 ただ、いずれにしても、今回買おうとしている検査機器と、それから試薬、これについては既に備えたものもありますし、それから機械も2基既にあって、それに1基足すという形ですので、そういう意味では、1つには、今、状況として、何か起きたときには、ご連絡を保健所にいただければ対応ができる、そういうことを県内の診療所も含めてご説明させていただいております。

 ですから、正しく恐れる、そういうことが大事だと思いますので、県民の皆さんにも、そういうことが疑われる地域、例えば湖北省や、最近で言えば浙江省、こういったところから戻られて、もしくは、そういったかかっていると思われる方々と濃厚接触をしたというような経験があって、なおかつ、熱が37度5分以上出ている、咳が出て肺炎症状がある、こういったようなときには、まず保健所に電話をしていただきたい。急に来られても、病院が対応できるかどうかというのはありますので、まずお電話いただきたいと思っています。

 そういう意味で、先ほど来申し上げているように、体制を整え、今月末、来月末には順次新しい試薬が入ってきますので、体制の充実もできていくと思います。そこから先のことは、この後まだ必ずしも見通せませんので、必要に応じて充実していくということもあると思いますが、とりあえず我々としてやれるところについては今手を尽くしているというところかと思っています。

 

【記者】  

 新型コロナウイルスの集団感染が発生しているクルーズ船について、県はこれまでもクルーズ船の寄港促進に取り組んでいます。そのことへの影響や、クルーズ船のイメージダウンみたいなものでの懸念について知事の認識をお願いします。

 

【知事】  

 これは福井県にとってということではなくて、全国的に今いろんな議論になっています。かなりキャンセルや、取りやめになっているものもあるとかというようなお話がありますので、影響はあると思います。これからこの事態ができるだけ早く鎮静化してほしいと思っています。

 そういう意味でも、国のほうで、今のダイヤモンド・プリンセスの患者さんをどうしていくのかというご議論があって、検体の検査、これから拡充していく方向もご検討されています。もちろん県民の皆さんを守るのが第一ですが、その上で、国から要請があれば、福井県としては、そういったクルーズ船の中の方の検体の検査、こういったことも積極的に受け入れていきたいと思っています。

 

【記者】  

 今回の当初予算の中でも、「海外クルーズ客船おもてなし事業」として、前年比で言うと2倍の予算をつけていいます。予算を執行する上での影響はあるのでしょうか。

 

【知事】  

 でき得ることなら、希望的観測かもしれませんが、暖かくなってくるとこの新型コロナウイルス、肺炎の関係ですので、おさまってくるのではないかというようなことも言われております。

 そういうことからして、春以降に備えておく必要はありますので、影響がないように、できるだけ早く鎮静化していくことを望んでいるということでございます。その上で、できればできるだけ執行していきたいと思っています。

 

【記者】  

 仮に福井県内で患者さんが発生した場合の情報公開について、国はプライバシーに配慮して消極的ですが、大阪府は独自ルールを設定して、滞在地や、居住地域などということを独自に公表しています。仮に福井県内で発生した場合の情報公開をどこまでするのかという知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】  

 今、私がすぐ答えられる状況にありませんが、基本的には、プライバシーの保護というものを十分認識しながらやっていくのかなと思っています。

 一方で、どういう広がりがあるかということも十分に確認しながら、やはり事案にもよると思いますので、多くのところ、いろんなところをめぐってこられていて、濃厚接触を繰り返しているというようなこともあり得るわけですので、そういったときには適切に対処していくのかなと思っています。

 

―― 了 ――

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