知事記者会見の概要(令和4年2月10日(木))

最終更新日 2022年3月24日ページID 049201

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令和4年2月10日(木曜日)
10:30~11:30
県庁 大会議室

 

知事200213

 

【知事】

 おはようございます。それでは記者会見を始めさせていただきます。今日は、コロナ対策と予算の2点についてお話を申し上げます。

〔配付資料:新型コロナウイルス感染症対策について

 まず1点目の新型コロナウイルス感染症対策について、現状20日までの感染拡大警報により、県民のみなさんに様々な感染抑制をお願いしているところです。本日は、今のところ、200人という数字になるということです。先週の木曜日が203人でしたので、1日当たりで見ると少し減っている、ほぼ横ばいという状況になっています。1週間全体の感染者数は1,555人ですので引き続き増えていて、病床使用率は21.3%と少し増えている状況です。

 1週間あたりの感染者数を前週と比較すると1.14倍ということで、一時2倍を超えた時期もありましたが、徐々に落ち着いてきている。しかし、まだ1倍を超えているということですので増え続けている状況になっています。

 資料のグラフについて、少し横ばいになるところが先週の金曜日にありましたが、前の週よりも減っている日が出てきても、次の日にはまた増えますので、落ち着いていないというところです。

 感染経路の内訳については、学校もだいぶ落ち着いていますが、引き続き家族の中の感染が一番大きな状況になっています。会社も多いということでして、飲食店由来と見られるものについては、まだ少なくなっています。

 年齢別で見ますと、ここのところ、特に注目すべきは依然として10代以下、20歳未満で30%程度を占めているので、人口比からいうとやはり多くなっている。一つの特徴としては60歳代、60歳以上が増えてきているということで、これはいろいろ言われていましたが、沖縄によく似ていてだんだんと高齢者にうつってくるということ。それから60歳以上の感染経路を見ますと、やはり家族由来というのが半数を占めている。また、職場や施設の関係でも気をつけていく必要があります。

 県民のみなさんに引き続きの部分も含めて感染対策についてのお願いです。まず、いつも申し上げていますが、「おはなしはマスク」の徹底。食事中を含めて、特に普段は会わない方、友人とお酒を飲みに行くときには食事中を含めて会話時のマスク着用の徹底をお願いしたいと思います。本日、国の新型コロナの基本的対処方針の中でも、会話時のマスク着用の徹底を言われるようになってきました。エビデンスも後程お話をさせていただきます。あとは、やはり換気、手洗い、消毒もお願いをしたい。それから、感染拡大地域との往来、これから減らしていくためには新しい株を入れてこないことが一番大きな対処方法だと思います。そういう意味で言えば、特に県外往来するときには会話時の「おはなしはマスク」をしっかりと守っていただきたいと思います。それから会話時の感染対策の徹底ということで、逆に言いますと会話時のマスクの着用が徹底できないような飲食、イベントがあれば控えていただくことが必要ではないかと思います。例えば、学校でどうしてもマスクを外してしまうようなことが出てくる。修学旅行も現状においてはできるだけ控えるように申し上げているところです。ぜひとも認証店のみなさんにもこれ以上感染を広げないことが一番早くお客さんが戻ってくるということになりますので、飲食店のみなさんにもマスク着用の徹底を引き続きお願いします。それから、特に高齢者、基礎疾患、重症化するリスクのある方々がいらっしゃるようなご家庭では、「まかせて」ということで、先週ぐらいから申し上げています。マスク、換気、専用ということで共用しないということ、それから手洗いを徹底することが家庭内の、特に重症化リスクのある方々を守るということになります。対策の強化としては、やはり高齢者の方は、重症化のリスクを抱えていますので、そのようなリスクがある方はご自身がまず会話時には家の中でもマスクを着用する。それから、人混みを避けることが自分を守る行動で一番しやすいと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。そして、何よりも3回目の接種券が届いたら、ワクチン接種の予約をすぐにしていただく。いろいろなところでデータも出ていますが、ファイザーとモデルナでどちらがいいというようなことは、効果においては、本当に差がない。モデルナの方が中和抗体量は増える、また今回は量を減らすということで、副反応が軽減する期待も大きいわけですので、とにかく接種券が届いたらすぐに予約をするということかと思います。それから、県立学校における感染対策として、2月16、17日に入試があり、3連休もありますので、2月14、15日を臨時休校にします。パソコンやタブレットを家に持って帰っていただいて授業をして、学校は休むことになります。そうすることで、2月11日から17日まで高校は休業になり、部活動も停止できるということで、1回リセットする。今回のオミクロン株の場合、非常に感染力が強く、暴露してから発症までの期間が短いので、1週間、きちんと学校に行かないことにして、家庭内での感染を除けば、学校内での感染を一旦リセットできるという考え方に基づいてやらせていただきます。

 その上で、今度は経済の再生が重要な要素になりますので、今回、2月補正予算において、感染拡大に伴う売上減少に対して、県独自の支援金を予算計上しています。それから、ふく割などもこれからも継続していくということで、まず国が始めている事業復活支援金という枠組みがあります。昨年11月以降、1か月でも50%以上もしくは30%以上売り上げが減った月があれば、それに対して法人は250万円、個人は50万円を上限として支援金が支払われるということです。これにあわせて県でも単独事業として、今年の1月から3月の間に売上が50%以上減少した場合10万円、30%以上減少した月がある場合5万円を上乗せして支給するということを今回予算案にのせさせていただきます。あわせまして、ふく割について、2月分まで予算を計上していましたが、さらに3月分についても補正予算を計上して継続していきます。ふくいdeお得キャンペーン、それからマスク会食割、GoToEatは2月までですが、また増発しながらやらせていただいて、経済の下支えをしていこうというところです。

 ワクチンの3回目接種はこれが切り札と言われています。2月10日から県営ワクチン接種センターとして、福井市内のエルパプラスや敦賀市内のプラザ萬象で今日から予約の開始をしているところです。さらに、保育士や学校の先生、警察官、自衛隊員といったエッセンシャルワーカーについては、優先枠を設けまして、特別の枠で対応させていただく。また、ワクチン未接種の方もこの際1回目、2回目でも接種後は非常に抗体価が上がりますので、是非ともこの際に接種をしていただきたいと思っています。サポートセンターの関係は資料のとおりです。

 次に、先日からご説明している新型コロナの福井モデルです。初診の段階とそれから入院調整の段階で医師の問診があるということ、それから受診・相談センター、入院コーディネートセンター、陽性者サポートセンターも県下1か所で滞りなくいろいろな業務が進んでいます。また、先日からの協力医療機関オンライン診療について、今回一般診療でもオンライン診療が広く認められるということですが、もうすでに1月31日から薬も届くということもやらせていただいていまして、全体で福井モデルとなっています。

 国立理化学研究所がスーパーコンピューターの富岳を使って、検証してくれました。ようやく福井県が今までずっと言ってきたことが検証されたということになります。1メートルと50センチの距離を取って、感染者がマスクをしていた場合としない場合、15分間相対で話をしているというときに、1メートル以上離れてマスクをしていればオミクロン株でもほぼうつることはありません。50センチでも10%程度ということになっています。マスクをしていなければ、1メートルで飛沫は飛びにくいが、それでも6割うつる。それから50センチ以内だともほぼ全員にうつるということです。いつも福井県が申し上げていますが、ラストワンメートル「おはなしはマスク」は、まさにこの状況を言っているわけでして、95%はマスクなしの会話が1メートルぐらいの距離、特に飲食店も含めて、そういうことで起きているといったことを今回、まさに立証されています。国の基本的対処方針の中に会話時にはマスクを着用徹底するというようなことも入ってきていると思いますので、ここが一番、必ず自分を守る、相手を守ることだと明らかになってきています。ぜひとも人流をとめるなど、経済的な痛手を被らない状況をつくれるように、みなさま方にもご協力をよろしくお願いします。

〔配付資料:令和4年度当初予算案について概要令和3年度2月補正予算案の概要主要事業

 続きまして、来年度当初予算案についてご説明します。まず予算案のポイントですが、考え方としては北陸新幹線が令和5年度末に開業と、2年後の開業が迫ってきました。百年に一度の好機を活かしていこうということで、新幹線のキャッチフレーズとして、「地味にすごい、福井」を掲げています。これを磨き上げる予算だということです。それから令和3年度2月補正予算と一体的に編成して、予算規模では5,806億円。昨年度を449億円下回っていますが、それに続いて過去2番目の規模ということになります。当初予算の規模も5,112億円で過去10年では2番目に大きな規模です。特に2月補正予算が694億円で、過去一番多かった平成7年6月補正予算の672億円を上回って、過去最高の補正予算とあわせて5,806億円を一体的に15か月でやっていきます。また、公共事業についても、新幹線については落ち着いてきていますが、県が行う公共事業については780億円で、昨年に比べて3.1%増、引き続き、国土強靱化を含めて進めさせていただこうと考えているところです。

 大きな柱としては、まず、百年に一度のまちづくり・にぎわいづくりということ。DXを活用してポストコロナの時代をつくっていくということ。ふく育県、子育て支援を徹底して力を入れていくということ。それから長期ビジョンに基づいてしっかりといろいろな施策を進めていくという点です。

 1点目の百年に一度のまちづくり・にぎわいづくりについては、いろいろな事業が進んでいます。本日も県都にぎわい創生協議会が午後に開かれますが、その中でも議論があると思います。その一つの目玉としてある「官民連携による『県都まちなか再生ファンド』造成事業」では、県、福井市、経済界がお金を出し合って、まちのにぎわいづくりをしていく。特に再開発ビルに対しては、いろいろな補助金が入っていましたが、そうではない、例えば、新栄通りの商店街といったところをリニューアルする。例えば、建物の改修や高度利用できるようにする。また大きく全体で再開発はできないが、2、3軒のビルが一つになって、新しいミニ開発を行う、店舗を直すなどの助成を3者で行っていくということです。県としても、12億円を基金に積み立てて、令和4年度にそのうち1億5,000万円を使って、5年間でこういったことを一斉に進めていくことをやろうとしています。

 続きまして、「民宿リニューアル支援事業」について、福井県は宿泊業、民宿が非常に多いところです。やはり、いい民宿だと泊まってみたいということになるわけでして、インバウンドがちょうど今止まっていますので、この際、お風呂やお部屋を直したりしながら、上質な空間をつくっていく補助に全県的に取り組んでいこうということです。

 それから、「2024『嶺南誘客キャンペーン』開催準備事業」について、今のところ北陸新幹線は福井・敦賀までの開業ですが、敦賀で降りたお客様をどうやって嶺南地域に連れてくるかということになります。そういう意味で、嶺南地域でも大きなイベントをやっていく検討経費を令和4年度に持たせていただいて、新幹線開業の時には嶺南全体が多くのお客さんでにぎわうようにしていくというものです。

 2つ目がDXも活用しながらポストコロナ社会を変革していこうということです。まず「県民向けサービス連携基盤整備事業」では、マイナンバーを活用した本人認証でしっかりとした一つの大きな連携基盤を今回導入しようと思います。こういった連携基盤ができますと、ふく割はもうすでに連携する予定ですが、本人認証はその連携基盤でできていますので、登録ができている人については、今後県や市町がそういった基盤の上に、いろいろなシステムを乗せていく。そうすると安心して安全な形で、そうしたサービスが提供できる。さらには、各々のサービスの連携もできる。例えば、ふく割というシステムをうまく使いながら、今回の予算でもふく育パスポートを示すと年間4,000円のクーポンが送られます。それがふく割クーポンとして、いろいろな形で使えるようになるといった連携基盤をつくることで、DXを進めていこうとしているところです。

 それから、岸田総理の「新しい資本主義」の中にも一つ、地方が大きなキーワードになっています。その中で言っていることがICTの医療分野での活用ということになりますが、「医療のICT化促進」については、なかなか過疎地域の奥のほうの僻地のようなところで行きにくい、もしくは車の運転ができないようなときにオンライン診療を受けやすいように、テレビ電話を使ってできるようにしていく。これを今回まずモデル的にやっていこうということです。あわせまして、今は坂井地区で率先して、先進的に実施されていますが、医師、看護師、薬剤師といった医療と介護福祉を連携する基盤を、全県に拡大していくということです。もちろんご本人さんの了解を得てということですが、ご本人さんがいいよと言ったら、例えば、ご本人さんのカルテやいろいろな介護の記録、飲んだ薬のデータを一元的に関係者のみが見られる。そうすることで、この方の既往歴や飲んでいる薬から、急に何かあったときも、安心して、医療、介護が受けられる体制を全県に広げていこうというものです。それから出かけていく訪問看護師や訪問薬剤師さん、介護士さんといった方が自分の持っているスマホやタブレットで安全の認証がしっかりできているような形にして活用できるようにすることで、どこにいてもそういった情報が必要な方だけが見られるようにしていくものです。

 次が「林業DX推進対策事業」です。先日も菅前総理にご説明をしてきたのですが、上から見て、どこに木が生えていて、地形からどこに林道をつくっていくと非常に効率的に作業が進められるといったことを検討する機会になる一番のきっかけが航空レーザー計測ということになります。また、そこで働く人たちのスマートフォンに電波が入るよう環境の整備も行っていきます。その上でどういうことを考えているかと言いますと、「ふくい型林業経営モデル構築事業」では、所有と経営の分離をしていくことです。言ってみれば、山持ちの人は昔では自分が切るかどうかはともかくとして、誰かに一つひとつの施業を委託して、それで主伐や間伐ということをやっていたわけです。航空レーザーによってこの辺が伐れるとなれば、今度は効率的な積算でどの辺だったら伐りやすいかを見ながら、生業する人たちが経営する林業事業体が主伐をやろうとなります。福井県は樹齢が50年ぐらいになってきていて、ちょうど伐り時ですので、一斉に主伐を行って再造林を行う。大まかなモデルで言いますと、1ヘクタールの木を伐っていくと、大体140万円ぐらいの収入があります。再造林のための植林、それから十年間ぐらいは下草を刈るなどの作業費が大体10年で40万円ぐらいかかります。1ヘクタールで140万円を稼いで十年間のうちに大体40万円ぐらい経費がかかるので、その部分を長期一括契約として主伐、再造林、保育10年分を一括で140万円から40万円を引いた例えば100万円を森林の所有者にお渡しする。所有者は、今まで木を持っていて、山で育てたわけです。育てた木を50年に1回伐ってと頼むと1ヘクタールあたり100万円が入ってくる。こういうビジネスモデルで、木を伐る人と山を持っている人が一緒にこういった契約をしながら進めていく。そうすることで、山も継続的に、林業をやっている人も仕事をつなげていける安心感もありますし、これまで1年に山で木が70万㎥育っていたのですが、実際には23万㎥ぐらいしか現状では伐れていません。こういったものの有効活用も可能になってくるということになるわけです。今、福井県では林業の出口となる製材業者を一生懸命誘致中です。そういったところができてくれば、さらに多くの木を出せるようになって、林業が栄えるということになります。あわせて、小さな林業で半林半Xといいますか、自伐型林業も進めながら、林業が成長産業になるようにこれから進めていきたいと考えています。

 次に、「中小企業者等事業継続支援金」です。第6波で例えば宿泊業、それから個人でも飲食が相当大きな痛手を受けています。それ以外にも例えば周辺として卸をしていたり、小売りのお酒や野菜を届けた農業もそうですし、交通事業者、タクシーや代行業者も非常に今苦境に立っているということで、第6波の影響によって売上減少している事業者を支援していこうということです。国の事業復活支援金がまず大きくあるわけですが、それ以外にも県独自として、今回、1月から3月のうちのどの月かで30%以上売上が減少した事業者の方々について、上乗せして支給をしていくことを考えています。

 「県内観光促進事業」については、2月補正予算のご説明になりますが、まず国が4月以降はGoToトラベルを実施する。いつから始めるなどはまだ国は言っていませんが、ゴールデンウィークまで実施します。次も国の制度ですが、ゴールデンウィークが終わってから7月末までの間は、宿泊20%割引やクーポンが平日3,000円と休日1,000円などが全国一律で行われます。これが終わった後、8月はかなりの方が来られるということで県単独になりますが、クーポンをお支払いする。その上で、今度は11月のカニのシーズンの前までの9、10月の間を県単独で10%の割引を継続するということで、徐々に軟着陸をさせていただこうと思っています。

 中小企業者等事業継続支援金と次のふく割の関係については、今回の議会で審議を先行して行っていただくことを今要請しています。

 「新型コロナウイルス感染症対策」では基本的な検査体制や医療提供体制、ワクチン接種体制については維持をしていくところです。

続きまして、3つ目の「ふく育県」ですが、子育て支援の予算額は、令和3年度の20億円から、令和4年度は40億円に拡大、2倍に増やして、子育てをぐっと引き上げていきます。令和4年度の主な内容としては、「子どもの遊び場整備事業」で各市町1億円を配分させていただいて、事業を実施します。全天候型の雪でも雨でも遊べる場所を全部の市町に5年かけて整備していきたいと考えています。「『ふく育』応援事業」として、ふく育パスポートをお持ちの方々にふく割を4,000円、500円ずつ8回クーポンで発行して、使っていただくということです。それから「子だくさんふくいプロジェクト」で第2子の保育料無償化の対象を今まで世帯所得360万円未満だったものを640万円未満に引き上げます。すべての市町で行って、概ね今まで第2子のうち2割ぐらいが対象でしたが、これからは7割の世帯が対象になります。

 長期ビジョンの関係で言いますと、「県立大学古生物学関係新学部開設事業」について、令和7年4月を目指して県立大学に恐竜学部(仮称)を開設します。今回予算で、基本設計の予算を持たせていただくとともに、県議会に対してそういったことを表明させていただくというものです。場所については恐竜博物館の敷地内に新しい学部の建物を建てます。建物を建てるだけではなくて相互に行き来をしながら、常に研究もできるような体制にして、建物の相互利用もしながら有機的に結びつけていくことを実施します。また、勝山市とも連携をしながら、例えば高校と大学との間で連携しながらやっていくことなども含めて、地元密着型で新しい学部を設け、有機的につなげていきたいと考えています。

 それから、「『新しい資本主義におけるスタートアップ』の創出支援」が相当大きな目玉になっています。例えば、先日のふくい地域経済循環ファンドについて、100億円のファンドも使ってスタートアップ支援を行う。都市にいる副業の方々を、スタートアップの人材としてマッチングしたり、また人材そのものを受け入れるUIJターンに結びつけていきます。社会課題を解決、今も県内でもやっていますが、例えば、学校の周辺の通学路で、車にセンサーをつけてもらって、ブレーキを踏んだ、急にハンドルを切ったようなところを探します。そうすると事故が起きる前に安全性が確認できるということを、ベンチャーの企業に委託してやっています。社会課題を解決するベンチャー企業に対する業務委託を行うということです。あとは、これらを通じて、先ほどのファンドもですが、民間金融機関も含めて、いろいろな融資を積極的に行うことで、スタートアップ支援を行ってベンチャーに行く前の段階も支援してベンチャーエコシステム、お金を出資する、ノウハウを教えるなど、次の世代を育てていく福井型のエコシステムを作っていきたいと考えています。

私からは以上でございます。

 

~質疑~

【記者】

 20日まで新型コロナの感染拡大警報が発令中ということですが、今後これの引き上げ、延長等の判断はいつ頃されるのでしょうか。

 

【知事】

 2月20日が期限ですので、その少し前にどうしていくのか、そういったことを考えていくということかと思っています。今日1日だけ見れば、1週間前よりも久しぶりに減ったというところですが、まだまだ1.1倍、2倍と先週より増えています。そういうことから、まだ緩められる状況にはなかなかない。そういうところですが、期限まで1週間ぐらいありますので、様子を見ながら判断をしていきたいと思っています。

 

【記者】

 これは現時点で上がって少し下がり傾向もあるのかと思いますが、ある程度ピークはついているというご認識でしょうか。

 

【知事】

 いやそれは全くそういう状況ではないと思います。全国的に見ると確かに前の週から比較して1.0を下回っているところ、まさにこれはピークを少し迎えているか降り始めているということになるわけです。そういったところが出始めていますが、まだ出始めている程度で、福井県は少なくともずっと1倍を超えて2倍だったりもしていましたので、まだまだ頂上も見えないという段階だと思います。今、非常に大事な時期だと思います。

 新規系統が今日も30系統ぐらいあると思います。そういうものが減ってこないと、今回のオミクロンは一旦家庭に入れば、必ずと言っていいほど広がっていく強い感染力がありますので、やはり家の中に持ち込まない、自分が吸い込まないことが一番大事な時期だと思います。

 それさえできてくると、ご家庭、濃厚接触者の間で広がってもそこで止まっていくということが見えてきますので、新規系統がまた減ってこないと、なかなかそういった状況にもならない。そのためにもやはりラストワンメートル、1メートル以内、特に会話をするときにはマスク、どんな場面でもマスクの着用をぜひお願いしたいと思っています。

 

【記者】

 今、抗原検査キットは入手できないという状況が続いていて、県も20日まで無料の検査体制を整備されていると思います。現状で滞っていたり、今後中止するなど、現在の状況を教えていただいてもよろしいでしょうか。

 

【知事】

 無料検査を実施されている薬局などには、場所によっては検査キットがなかなか入ってこないということで、できないようなところも出てきていることは伺っています。

 一方でやはり症状のある方が検査協力機関のところで確実にPCR検査なり抗原検査ができる環境を整えていくことが重要だと認識しています。県としては、病院等における抗原検査キットについて、先日も福井村田製作所に5000個の寄付をしていただきました。医師会に対して、それを差し上げながら必要なところへ医療機関にまわしていくということをやらせていただいています。また、別途1万5000セットについても、県で確保ができましたので、これも使いながら、まずはそういった病院や施設の関係など必要なところに確実に届けた上で、何とかまだ残っている、無料検査をやっているところもありますので、そういったところでも続けていただくといった体制を維持していきたいと思っています。

 

【記者】

 ワクチンの3回目接種のことも触れていましたが、3回目接種であったり、5歳から11歳までの接種という流れの中でワクチンの供給体制、確保体制は現状でどのようになっているのでしょうか。

 

【知事】

 ワクチンの供給という意味では、3回目接種はほぼ先が見えている、確保ができてきていると思っています。

 2回目接種の終わっている方が県内で58万人いらっしゃいます。そのうちの3万人は今までも職場の職域接種を受けていただきましたので、県や市町で用意するのが55万人分ということになります。これにつきましては、少なくとも4月の半ばまでには、57万回分について入手できると、3月の後半にはそのうちの大半も入ってきますので、3回目接種については市町のところで接種券を必要な時期に、6か月になったら出して、診療所等で打てる体制を整えていくところが大事かと思っています。

 5歳から11歳のところは、今日もコロナ分科会、厚生科学審議会でも議論されていますが、推奨、義務化、そういったことをされるかどうかともかくとしても、やはり効果はありますので、5歳から11歳のところも3月から接種ができるようにするというようなお話を伺っています。そういうことで今体制を整えていますし、対象となる4万6000人のうちの4割分ぐらいは1回目の接種ができる量が3月20日ぐらいまでに入ってきます。そういう意味で、急に5歳から11歳のところの人数がパッと増えてもこないかと思いますので、問題なく打てていくと思います。市町が6か月過ぎてくると接種券を送ってくると思いますので、ぜひとも、県民のみなさんには、早めに接種の予約をしていただく。モデルナ、ファイザーいずれも効果が大きいということはわかっていますので、ぜひ早目の予約をお願いしたいと思っています。

 

【記者】

 今回、県立学校における対策の強化がありました。高校が明日から実質1週間休校ということになりますが、県内の小・中学校や私立高校の対策は市町の教育委員会などに要請などを行うのでしょうか。

 

【知事】

 今、県がこういうことをやりますということはもちろんお知らせしながらやっていきます。特に義務教育のところは、市町の教育委員会がどう考えるかということです。義務教育は中学校の部活など大半のところはおそらく今止めてきていると思います。

 それぞれの市町、学校のレベルで今の感染状況を見ながら、学校での感染症対策については相当気をつかってやっていると思っています。多くの場合は、家の中でうつって学校に入って教室の中でうつるという程度にだんだんなってきていますので、その効果も出てきているかと思っています。

 

【記者】

 リセットという言葉をおっしゃいましたが、新規系統を減らすことが目的なのでしょうか。

 

【知事】

 県立学校について、2月16、17日が入試日でちょうど明日から3連休がある。2日止めれば、部活を含めて、ほぼ学校活動を止められるという良い機会がありましたので、勉強に対する負荷については、タブレットを使って授業をやるとすれば、最小限に影響を抑えられます。そういったことを含めて検討した結果、今回この2日間を学校としては休業をするという方向になったところです。

 

【記者】

 学校が休みになると、プライベートで遊ぶという可能性もあるかと思いますが、高校生たちに期間中をどういうふうに過ごしてほしい、どういう期間だと受けとめてほしいという知事の呼びかけをお願いします。

 

【知事】

 今のご質問の趣旨はよくわかります。遊びに行こうということがあることもよくわかりますが、高校生を含めて、小中高校生ともなるとわかっていますので、もちろん遊びに行きたいという気持ちもあるし、それは大人でもそうです。しかし、先ほどからずっと申し上げているとおり、近くで会話をするときにマスクをしていないと危ないというエビデンスも明らかになっていますので、学校の中でも具体的な指導もしていると思います。

 高校生のみなさんも含めて、児童生徒のみなさんには、学校、それから先生やお父さんお母さんがおっしゃっていることをよく聞いていただいて、やはり今は少し自分の思いを抑えながら行動することを実行していただけたらと思います。

 それが自分の感染も抑えて、最近聞いていると症状があまりないからと思って気楽に考えていたが、若い方でも後遺症が残ってつらい思いをしているという声をたくさん聞きますので、そういうことからも自分を守るということも大事です。

 また、高齢者が感染すると重症化しやすいことも明らかになっていますので、十分にご自身で考えていただきながら、学校が休みだからといって出歩かないということもあるかもしれません。少なくとも「おはなしはマスク」を友達の家でも実行していただきたいと思います。

 

【記者】

 あくまで会話時のマスク着用を徹底していれば、通常の消費活動はいつもどおり続けてもよいということが県のメッセージだと思ってよろしいでしょうか。

 

【知事】

 大きく言えばそういうことだと思います。ただし、感染リスクの高い場面というのはありますので、そういうところを十分にお考えいただく必要があるとは思います。富岳のデータも見ていただいたとおり、人が近くにいるだけで感染するという要因がそもそもあまり考えられない状況になっているわけです。例えば国もイベントそのものを止めるということではなくて、大声を出さない、もしくはマスクをきちんとしましょうという方向にシフトしていると思います。

 もちろん安易に、マスクを外して自由活発にやっているのでなければ、エビデンスとしても、そんなに大きな感染が全くゼロになるかどうかというと、そこのところはわかりませんが、例えば換気がどこまでできているかなどを確認しないといけません。しかし、やはり「おはなしはマスク」ということを徹底すれば、相当程度、日常生活に近い活動も可能ではないか。特に飲食の場面も含めてお願いしたいと思います。

 

【記者】

 例えば駅前や片町の飲食店を覗くと、全くお客さんがいない状況、閉業しているところも見えてきているような気がします。結局、客足が戻らないと経済の再開というのは難しいと思いますので、県からのメッセージが少し過剰に伝わっている部分というのがあるのではないかと思いますがそのあたりいかがでしょうか。

 

【知事】

 県からのメッセージが過剰に伝わっているといいますか、やはり社会全体のみなさん、この時期は多くの方がニュースなどを何らかの形でご覧になられていると思います。そういうなかで、オミクロン株の広がり方の強さ、もしくは少しでも近くにいるとうつるのではないかという恐怖感が今の人流、行動そのものを抑制していく方向に働いているし、そのこと自体は大きく言えば間違ってないと思います。

 しかし、先ほどからエビデンスを示しているとおり、マスクなしの会話が95%の感染場面で見られる。それから1メートル以内で感染者がマスクさえしていれば、15分間会話していても、ほぼうつらない。こういうエビデンスを見ながら、行動していただくということも大事かと思います。

 感染はまだ止まっていませんので、そういう意味では、安易に今は言えませんが、個別に安易に解釈しないで、今言われていることをよく考えていただくと、生活の中での不便を減らしていくことも可能かと思います。しかし、例えばお子さんを連れて外食に行けば、お子さんがマスクをしないで喋ることがある。そういう人たちがお店に行くのはやはりリスクがあって、子どもにマスクをさせられるか、それができないとすれば、それを抑えるということはあると思います。

 

【記者】

 「地味にすごい、福井」を磨き上げる予算となっていますが、一言で言うと、今回の予算はこのネーミングということでよろしいでしょうか。

 

【知事】

 そうです。「地味にすごい、福井」磨き上げ予算という感じです。どういうことかと言いますと、「地味にすごい、福井」は新幹線のキャッチフレーズで、どちらかというと地味のところに目がいきますが、これは「すごい」に重点があって、本物がある。恐竜博物館も恐竜も含めて、食も本当においしい。歴史でもすごく古いものが多い。こういった本物という意味で、地味にすごいということですが、まだなかなかそれが光っていないので見えにくい。それを「地味にすごい、福井」と言っています。本当にその地味から、「すごい」方に比重が動くように、磨き上げていこうということで、これから2年間徹底して頑張りますので、そういう意味では「地味にすごい、福井」。

 観光地に限らず、子育て支援でも移住定住を考える方には本当に現状でも福井県は人口1人当たりの子どもに使っているお金は、全国トップクラスという状況だと思います。さらにそれを倍化させていこうということですので、そういったことも含めて多くの人に見えるようにしていく。すごいところを見せていけるようにしていきたいという意味で申し上げました。

 

【記者】

 ニュースも含めて、コロナ一色となっている中で、予算の構成を見ますと、一番に新幹線のことを挙げています。これに込められた知事の思いはどのような部分になるのでしょうか。

 

【知事】

 コロナはもちろん感染の拡大を抑えることが第一です。そうしないと、経済も平常化しないということは明らかですので、決して感染対策を怠るということではございません。しかし、福井がこれからどこに向かっていくのか、こういったことがなければ、生活もにぎわいも生まれてこない。よくなってこないわけですので、2年1か月後に、北陸新幹線がまず福井に来る。これを契機として、どんな町になっていくのか、福井がどう変わっていくのかということを、できるだけお見せできるようにしていくことが大事かなということで書かせていただいています。もちろんコロナ対策が重要だということは認識しています。

 

【記者】

 県立大学の古生物学関係新学部開設について、県として今後こういう人材を育てたいなど、新設のねらいの部分をご説明いただけますでしょうか。

 

【知事】

 この恐竜学部(仮称)は、恐竜の化石を発掘する学部という感じですが、恐竜の研究は、地球の環境や温暖化など、いろいろなことを考える上でも、重要な要素だということです。恐竜の化石、この恐竜がなんの恐竜でどこからきた恐竜かといったことを考えることも大事ですが、その恐竜に食べられていた草や林、木の種類が何かというようなことを考えたり、それ以外の小さな生物が一緒に出てきます。そのころの時代は、気候がどのような状況だったかということもわかったり、そういう意味では古気候学、気候がわかったり、植生や地質の勉強にもなります。

 ですから、もちろん恐竜の研究、古気候、植生を研究する研究者になっていただくということもありますが、実際には、地層を研究することで、土木関係や工学関係のところへ就職するということも可能になりますので、非常に優位な人材が育っていくのではないかと思っています。何よりも、日本でここにしかありませんので、いろいろな人がここを目指してくることが一番地域の活性化にもなっていくと思っています。

 

【記者】

 林業の福井モデルについて、以前は林に手を入れないほうが災害リスクはあると言われましたが、最近は主伐をすることで、土砂災害のリスクを上げてしまうというような指摘もあると思います。福井県として主伐をすることが必要だと判断されたのはやはり林業関係者の方の収入の確保が重要だという視点からでしょうか。

 

【知事】

 木の効果効用をみたときに、一つにはその災害を防ぐという部分があるのと、もう一つは産業用に利用するという両面があるわけです。そういった意味ではどちらから見るかということで、考え方は変わってくるのだろうと思います。

 もともと林業をするために植樹をしているところですので、終戦直後は木がどんどん伐採されるばかりで、木が生えていないようなそんな状況になっていたところを植林して、林業をやろうとなったのが、福井では昭和40年代。それが今育ってきて50年になって50年生の杉というのは概ね一番いい時期になります。ですから、伐期がようやく来たという意味では、木はほったらかしにしないで、まず間伐をする、木の育て方をきちっとやることで、災害から守る、災害に強い山にできますし、主伐をしたらそこに再造林をする。必要な再造林をしていくことで、次にまた災害に備えるという意味の効果はあると思います。

 もう一つあるのは、災害が起きるほどの斜面に生えている木を切るのは大変ですが、林業として成り立たせるには、相当山に上がっていくことを考えると効率が悪くなるので、どちらかというと、山の平に近いほうから切っていきます。ですから、すぐさま災害リスクが大きくなっていくということも一般には考えにくいかと思っています。

 いずれにしても、主伐して再造林して、特に当初の段階で間伐を行ってきちっと下草刈りなどをやりながら進めていくことが、災害リスクを抑えることにも繋がると思っています。

 

【記者】

 その十年間で一括契約ということは、お金も最初の契約の時に一括で支払われることになるのでしょうか。

 

【知事】

 ここのところは、主伐にどれぐらいの期間がかかるかによりますが、基本的にはやはり契約して主伐が終わってお金が入ってきたら払う。そこは民民の契約なのでどういうやり方をするかわかりませんが、モデルとしては木を切ってくれば140万円入ってきて十年間で40万円ぐらい山を維持するのにお金がかかるので、100万円を回収できます。こういうところを今申し上げています。あとは個別のビジネスの仕方かと思います。

 

【記者】

 まちなか再生ファンドをどのように使われていくのか、初年度の使う見込みをお聞かせください。

 

【知事】

 ここは、本日の「にぎわい創生協議会」の中で議論されると認識しています。

 しかし、我々の思いとして、県と市、事務的な打ち合わせの中で言えば、どこかがそのファンドの管理をしながらまちづくり全体を見る、どこかその全体のエリアマネージメントを考えるようなところがあって、そういうところにこういう案件の掘り起こしをしてもらって、そういった案件が出てきたところへ県や福井市が補助金を出して、そこに金融機関が今度は融資をするというようなセットで考えていくのかと思っています。

 

【記者】

 初年度何件という見込みはまだこれからなのでしょうか。

 

【知事】

 当然のことながら、積算はあると思います。何件かはまた担当に聞いていただければと思います。令和4年度は1億5000万円を補助として、残りの部分は金融機関がそれをあわせて融資をする。こういうことで、一つの事業が成り立つというようなことを描いているということになります。

 

【記者】

 12億円を次年度以降で貯めておくとおっしゃったのでしょうか。

 

【知事】

 あと4年間で10.5億円を使っていこうと考えています。

 

【記者】

 2年目からもう少し額が増えてくるイメージでしょうか。

 

【知事】

 はい。最初は枠組みをつくったり、みなさんに声掛けしたりしないといけないので、そういう意味では大きく言うと半額ぐらいという感じかもしれません。

 

【記者】

 廃炉ビジネスが新年度の重点事項に挙がっていませんが、知事のお考えをお聞かせください。

 

【知事】

 廃炉ビジネスはしっかり予算を組みながらやらせていただきます。FS調査(フィジビリティスタディ調査)は終わるので、具体的にどんな事業体にしていくのかについて、令和4年度は議論させていただき、事業の目途をたてていくことになると思います。

 

【記者】

 ここまでのFS調査の進捗はどうでしょうか。

 

【知事】

 この前の嶺南Eコースト会議にも出ていましたが、いろいろなパターンがあります。川上にどこまで上がるかというようなことで、事業のお金のかかり方と儲けの大きさを見ているので、できるだけ川上の方、事業の取り壊しの早い段階のところから参入できるようにしていけば、それだけ事業規模、お金はかかるが利益が上がる可能性は高い。しかし、例えば安全性が確認されたものだけを引き取ってきて、それを製品化するだけだとあまり利益にならない。これからその中でどこを選んでいくのかという議論をしていくのだろうと思います。

 特に大事なことは、国の規制が大きなハードルになっているので、合理的な規制を十分に国にもお考えいただきたいということを申し上げており、そういう意味では、国家プロジェクトに位置付けていただいて、合理的な規制をどのように設定していただけるか、それに基づいてできるだけ川上に近付いていくということなのだろうと思います。

 

【記者】

 国の規制について前向きな意向を得ているのでしょうか。

 

【知事】

 これはそれこそ共創会議の中でも、我々がしっかりと申し上げているところです。国から、国家プロジェクトに値するという趣旨のことは言っていただいているので、そういう方向には進んでいると思います。

 しかし、具体的にどうすればどこまで川上のところができるのか、こういったことをこれからよく議論しなければいけません。

 

【記者】

 新年度中にはそのあたりが固まってくるというスケジュール感でしょうか。

 

【知事】

 そういう方向を目指したいとは思っています。しかし、国がどこまで言えるかということもあります。ここは相手がある話なので、我々としてはそのようなことを持ちながらやっていきたいのですが、規制の水準を具体的に決めるまではとてもいかないという気はします。

 

【記者】

 子育て政策についてお伺いします。説明資料にもキャッチフレーズとして、他県もうらやむ、日本一幸福な子育て県などといった文言が並んでいますが、全国の都道府県と比較して、福井県の今の子育て支援の現時点での位置付け、そして今後それをどうしていきたいかという思いを改めて知事の言葉でお聞かせください。

 

【知事】

 大きく言うと、人口減少が、全国的にもそうですし福井県でも進行しているというときの一つのキーが、いかに子育て世代の方に福井にとどまっていただくか、来ていただくかといったことを推進していくことはとても重要だということを認識しています。また、知事になって以来、努力をし続けている分野になります。

 その中で、3人っ子政策の段階で、福井県の子育てに使っているお金は、いろいろな言い方をされるところがあると思いますが、人口当たりで見ていくと、全国でも本当にトップクラスになっていたと思います。

 そこからさらに2人目からの無償化に今リングを広げてやってきているわけでして、こういうところまでくると、全国でそこまでやっているところはほぼなく、さらにここから先に進められないかと努力もしていきたいと思っています。

 子育てについて、単に無償化の範囲を広げるだけではなくて、今年度も昨年度も含めて、親御さんにどんな場面で苦労するのかを聞いたところ、子育てが辛いと思う理由として、特に時間とお金と体力がいるということはよく言われていますので、こういったところを抑えれば、まずストレスの部分が下がるわけで、次に今度はよい部分を上げていく。こういうことで、子育てが辛いから楽しいにしていくようなことを目指す。そういうことを、わかりやすい言葉で県内外に発信することで人を集めることをやらせていただこうということです。今回も20億円を倍増など、わかりやすい言葉を使ってやっていこうと思っています。

 またこの後も、今、議論しているのは、どうしたら県外の人に子育て日本一を一言で伝えられるか。今、子どもの遊び場もつくっていきますし、パパトイレ、男性トイレに子どものおむつを替えられるようなスペースをつくるということもやっていきます。そういったことをいろいろ示しながら、なおかつわかりやすい言葉で発信をして、事実とみんなの認知を合わせていけるように努力していきたいと思います。

 

【記者】

 新年度の当初予算編成、知事の1期目任期の最終年度に当たりますが、予算編成で意識したところがあれば教えてください。

 

【知事】

 意識をしなかったというと嘘かもしれませんが、あまり意識していなかったです。ずっと選挙終わって、知事になってから、大きな絵を描きながら、今年はどこということは、もちろん区切りとして必要なので、どこまで進められるかということをやっています。具体化は予算でやりますが、考え方としては先を常に見ながらやっています。そういう意味では最後の年だから何かということはあまり意識していません。

 とはいえ、例えば今のお話の中でもありましたが、2人目のお子さんの無償化の範囲を世帯収入640万円未満で第2子の7割のところまで上げてくるといったところもできるだけ財源を使って、どこまで上げられるかというような議論は、いろいろしながらやっています。もう1年ずっと子育てのところは議論してきました。

 そういう意味では、私が思っていることを、一生懸命形にするということの努力を積み上げた結果がこの予算かと思っています。

 

【記者】

 新幹線の開業に向けたまちづくりは重点ポイントの一つに上がっていると思いますが、福井駅に比べて終着駅になる敦賀市への支援が弱いという気もします。どうお考えでしょうか。

 

【知事】

 敦賀市さんとは、トップレベルを含めて議論をしています。これは過去からやっていますし、県議会でも議論になっていますが、もっと県の応援がいるのではないかと言われています。我々、決して応援してないわけではありません。敦賀市さんのところで、一緒にやりましょうということを常に言っています。

 決して齟齬もありません。しかし、やはり具体化のためには、決めていかないといけないので、それを今探しているということで、それを継続する予算もしっかり設けさせていただいています。新幹線の開業までに、そのものができ上がっているということは難しいかもしれませんが、新幹線が開業した直後はお客さんが来られるので、あわせてそのあとどうつなげていくかだと思いますので、宿泊施設しかり、それからの観光の目玉になるような施設をどうつくっていくのかということです。それから、またイベントごとをどうしていくのか、さらに大切なことは、嶺南全体を盛り上げていくことだと思いますし、そういうことの予算も持っていますので、それで今できる最大限の努力はしているかと思っています。

 

【記者】

 県民向けサービス連携基盤整備事業について、連携する中の一つの県ポータルアプリの本人確認にマイナンバーカードがありますが、マイナンバーカードがないと「ふく育」ですとか「ふく割」のサービスの一部制限されるといったことはあるのでしょうか。

 

【財政課長】

 マイナンバーカードの本人認証によって連携ができるということですので、連携するためにはそれが前提となります。

 

【記者】

 「ふく割」が広く浸透している中で、マイナンバーカードはまだ一時ではないにしても、取得申請が進んでない面があると思います。知事としてはこれを機に、ぜひカードを取得してくださいというお考えなのでしょうか。

 

【知事】

 これは4年度予算の中にも出ていますが、一気に令和4年度中にマイナンバーカードを普通に持っているという状況に引き上げようということを考えています。国による最大2万円分のマイナポイント付与が始まりますが、一番のネックはマイナンバーカードを取得した後、マイナポイントの登録をするというところに大きなネックがあって、わかりにくい。私もやりましたが、非常に分かりにくかった。それもあるので、今回、県は全部の市町に詳しい人を派遣して、マイナンバーカードとりましたと言ったら、すぐにスマホ出してと言ってやってみましょうと一緒になってやってくれる人を配置します。

 そうすることで役場に行ってマイナンバーカードを受け取れば、すぐにそこで登録ができるようなこともやりながら、今申し上げたような「ふく割」もそうですが、やはり本人の認証がしっかりとできないといけません。マイナンバーそのものを活用するということではなくて、その人が誰であるかという確認をしないと、悪用といったいろいろな事が起きますので、安全性という意味でも、重要だと思います。できるだけこの連携基盤の上に、物事が乗っていけるように、マイナンバーカードの取得も進めていきたいと思っています。

 

【記者】

 マイナンバーカードの取得は、何となく漠然とした不安感や抵抗感がある方もいらっしゃるかと思います。今おっしゃったようなわかりにくさの部分が解消されれば、取得も進んでいくとお考えでしょうか。

 

【知事】

 特にマイナンバーが導入されるときは、安全性ということ、一番に情報の流出ということを言われたと思います。法律が通るときも、大変な議論を総務省でもやっていました。こういうことも含めて、心配というのはまだあると思います。何事もそうだと思います。 

しかし、相当程度安全に運用されている、もちろん機器のトラブルはありますが、情報など何かが漏れて、それですべてのいろいろな個人の情報が連携して漏れていってしまうというようなことは、もともとのシステム上もありません。そういったことの事実がないということで安全な場面を積み重ねることが一番大事だと思います。

 あとは、その本人確認の度合いと確認される度合というのは、ある程度合っていないと、何か少ししたことをやろうとしても、ものすごく本人確認されるということは、また少し違うと思いますので、やろうとしていることに対するセキュリティのレベルを合わせる。やはり一つ基盤があると、そういうことが安心してできていきます。マイナンバーのシステムは相当安全性が高いと思いますので、みなさんにも安心して登録していただければと思っています。

 

【記者】

 石川県の知事選挙について、今4人の方が立候補表明されているかと思います。先日、富山県の新田知事は、馳氏の応援を明言されていると思いますが、杉本知事は石川県知事選挙についてどなたか特定の候補を応援されるかなど、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

 

【知事】

 私は特段、今回の石川県知事選挙で、どなたか応援するということはございません。

 とはいえ、みなさんそれぞれご経歴も立派な方だと思いますし、私は大切なのは、選挙が終わった後、石川県と福井県は隣接していて、新幹線も並行在来線も道路の関係も、それから防災も観光も非常に関係が深いと思います。

 私も西川さんからバトンタッチいただいたときに、谷本さんとすぐにお会いして、協力関係を深めていっています。相手のご都合もありますが、どなたが知事になられてもすぐできるだけ早めにお会いして、また協力関係を深めることを引き続きやっていきたいと思っています。

 

【記者】

 百貨店のそごう・西武の売却が検討されていることが表面化して、西武福井店の行方についても注目が集まっています。県都の中心市街地の核となっている店舗だけに、懸念されている関係者も多いと思いますが、この報道についての知事の受け止めをお聞かせください。

 

【知事】

 私も報道で認識しているというレベルではありますが、大変心配しています。西武福井店は、県内で唯一の百貨店でもありますし、またいろいろな形でお客さんもたくさんいるわけです。また県都の街中のにぎわいの中でも、西武には人が集まりながら、周りにもお客さんが回っていくという形になっていると認識しています。今回の予算の中でもダイノデパートというようなこともさせていただいたり、とにかくまちなかでの集客、もしくは恐竜を売り込むということにもなりますので、相乗効果をねらってやらせていただいています。

これからしっかりとそういった小売りのところとも連携できるように我々もしていきたいと思いますので、何とかよい方向に決まっていけばいいと考えています。

 

【記者】

 共創会議の骨子案を見ると、例えば再生可能エネルギーなどについては重要視されているが、全体的な内容としては原発関連産業の方が目立つ内容になっていると思います。今、嶺南各市町で予算が発表されていて、依然として原発関連の歳入が高い状況が続いていますが、原発以外の産業について、今後どのように複線化としての産業を育てていくべきとお考えでしょうか。

 

【知事】

 これから共創会議のプランが作られていくと思いますが、現状において原子力関連の産業が多いのはある意味当然だと思います。それは一つの強みなので、あそこに多くの原子力発電所があって、これから廃炉も進んでいくという現実がある中で、それを全国に先行する形で、これをビジネスにしていこうと考えるのは、とても普通というか、あるのではないかと思います。廃炉、リサイクルビジネスはまさにうってつけというか、もし形にできれば大きなチャンスになります。

 また、もんじゅのところの新しい試験研究炉も、産業利用も含めて、新しいものができると、KUR(京都大学研究用原子炉)ももうじきに止まるので、多くの事業者がそこに集まってきます。そうすると、企業も近くで常に研究に使っていくということになると、立地する可能性もあるので、そういったことを進めることは、まず目に見える形で、想像しやすい形なので、ここが進んできているというのは分かりやすいと思います。

 一方で、新しいビジネスは今ないものを植え付けていこうということなので、右から左に簡単に持ってこられるということはないと思います。その中で、一つ出てきているのが水素やアンモニアなどの基盤を作っていくという話もありますし、また、例えば電力を有効に活用していくデータセンターや情報通信の関連の拠点を作っていこう、農業や住宅なども含めてスマート産業というものを作っていくということもあると思います。

 大きく言えば、100%カーボンニュートラルという社会を目指していく地域にもなり得るので、まず理念を立てて、強みを生かして、次の新しい産業もしくは複線化できるような産業を見つけ出すということ、多少時間がかかっても掘り起こしていく、さらには具体化していくことが大事だと思いますので、これから議論、ワーキングもやっていますが、しっかりと国もしくは事業者に対して引き続き求めていきます。

 

【記者】

 過去には北海道の石炭産業のように、エネルギーの転換が起こる中で、産業の複線化がないと町の再生もひっ迫するということも起こってきました。例えば原発産業が一気に廃れてしまう、下降していくということも起こり得るのではないかということについてどうお考えでしょうか。

 

【知事】

 国がどういう原子力政策を展開していくのかということで、ないかどうかといえば、可能性はあると思います。しかし、現実論として、そういうことにすぐなるのかといえば、今回のエネルギー基本計画の中でも、2050年段階でも、必要な量をしっかりと確保していくという方向性は示されていますし、今の再生可能エネルギーの活用可能性ということを、審議会などでも話を聞かせていただいていますが、100%再生可能エネルギーでできると言っている人は少ないと思います。

 大きく言えば、原子力発電なしということは、日本が少なくともこれから何十年か100年というスパンの中で、ほぼないのではないかという気がするとともに、国の基本的な考え方、基本計画があって進めていくわけなので、すぐさまゼロになることはないと思っています。

 その上で、我々としては、共創会議をそもそも作っていただいた元が、いずれにしても原子力だけでこの地域が成り立つというやり方をしていると、おっしゃるとおり何か起きたときに、いろいろな形で地域を維持することが非常に難しいということになりかねないので、今から産業の複線化を図っていくという努力をさせていただいています、そのことに力を入れていくことが、今おっしゃったようなことにならない一番の処方箋かと思って進めているところです。

                                                                                                                                           

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