腸管出血性大腸菌感染症(O157等)による感染および食中毒について
◆腸管出血性大腸菌感染症(O157等)に注意しましょう!
・腸管出血性大腸菌感染症は、ある種の毒素(ベロ毒素)を産生する病原性大腸菌の感染により、水溶性下痢、腹痛、血便、発熱(37~38度)、嘔吐などの症状がみられる細菌感染症です。
・発症約1週間後、約10%の方にHUS(溶血性尿毒症症候群)という重篤な症状(致死率約3%)が現れる場合があり、注意が必要です。
・年齢を問わずに発症が見られますが、小児の報告例が多い感染症です。
・細菌表面の抗原の違いによりO157、O26などと呼ばれています。
・比較的少量の菌量(数十~約100個)でも発症し、潜伏期間は2日~14日間(平均3~5日)と言われています。
・大腸菌は自然界に広く存在しており、病原性大腸菌も一般の大腸菌同様、食肉用動物(主にウシ)の腸管内のほか、野菜等にも付着している場合があります。
・昨年は全国で4,131名、県内で27名の患者の発生がありました。接触者調査や検便調査の結果、感染していても症状の現れない無症状保菌者が見つかることもしばしばあります。
◆感染を予防するために
・調理や食事の前に、トイレの後には、十分に手を洗いましょう。
・症状がある方は、調理を避けましょう。
・調理器具は食品ごとにこまめに流水で洗い、熱湯をかけておきましょう。
・生野菜は流水でよく洗い、加熱する食品は十分に加熱(中心部を75℃で1分間以上)しましょう。
・焼肉をする場合は、生肉専用の箸を用いる等、箸の使い分けをしましょう。
◆症状が現れたら・・・
・まず、医療機関にかかりましょう。
・下痢止めの種類によっては、かえって症状を悪化させることがあるので注意が必要です。
・抗生物質の内服治療等により1週間程度で治りますが、症状の程度により入院が必要となることもあります。
・飲食店などで調理業務に当たっている人は、菌が認められなくなるまで就業制限がかかりますので、感染には特に注意してください。
O157・カンピロバクターによる食中毒を予防するために
1 食肉は生で食べると、食中毒になる可能性があります。
とりわさ、レバ刺しなどによる食中毒の原因菌である「腸管出血性大腸菌(O157など)」や「カンピロバクター」は、少量の菌で食中毒をおこします。
新鮮であっても、菌がついている食肉を食べれば、食中毒になる可能性があります。
2 子どもが食肉を生で食べると、特に危険です。
「カンピロバクター」による腸炎は、子どもに多く発生します。また、「腸管出血性大腸菌(O157など)」による食中毒では、合併症で溶血性尿毒素症候群(HUS)を発症する率が子どもにおいて高く、腎機能障害や意識障害を起こし、死に至ることがあります。子どもも含めて、「カンピロバクター」による食中毒の後、手足の麻ひ、呼吸困難等を起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があることが指摘されています。
3 「生食用」の牛肉、豚肉、鶏肉は流通していません。
厚生労働省は、「生食用食肉等の安全確保について」の通知で、生食用食肉の衛生基準を示していますが、平成20年度にこの通知に基づいた生食用食肉の出荷実績があったのは、馬の肉・レバーだけでした。牛肉については国内と畜場から生食用としての出荷実績はなく、一部生食用として輸入されているものがありますが、その量はごく少ないものと考えられます。また、豚肉、鶏肉は生食用の衛生基準がありません。したがって、牛肉、豚肉、鶏肉は生で食べると食中毒になる可能性があります。
4 食肉は中心まで十分加熱する。
食肉は十分に加熱調理(中心部を75℃以上で1分間以上加熱)してください。
5 焼く箸と食べる箸を区別する。
食肉を焼く箸と食べる箸を区別してください。
特に、子どもには、生肉を触った箸で食べさせないでください。
<参考>
○福井県感染症情報ホームページhttp://kansen.erc.pref.fukui.jp/
○厚生労働省ホームページ:O157Q&A
http://www1.mhlw.go.jp/o-157/o157q_a/index.html
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