第340回定例県議会知事提案理由説明要旨

最終更新日 2008年6月9日ページID 002346

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平成16年9月17日

第340回定例県議会

 

 

平成16年度9月補正予算案

 

 

知事提案理由説明要旨

 

福 井 県

 

 

 第340回定例県議会の開会に当たり、県政運営の所信の一端を申し述べますとともに、県政の諸課題および提案いたしました平成16年度9月補正予算案等の概要につきまして、ご説明申し上げます。

 知事就任2年目の本年度もまもなく後半を迎えますが、「福井元気宣言」に掲げる諸施策、北陸新幹線をはじめとする県政の重要課題について具体的な成果をあげるため、懸命に取り組んでまいりました。

 こうした中、福井豪雨災害、関西電力美浜発電所の事故と、未曾有の災害と事故に見舞われました。

 改めて、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害を受けられた県民の皆様、ご家族にお見舞いを申し上げます。また、病院でけがと懸命に闘っておられる方々の1日も早いご回復を念願いたしております。

 また、議員各位には、災害・事故への対応につきまして、暖かいご配慮と力強いご支援を賜り、深く感謝を申し上げる次第であります。

 厳しい豪雨災害と原子力発電所事故が相次いだ今年の夏は、本県にとって大きな試練の時期となりました。一方で、全国から多くのご支援やボランティアの皆さんが次々と集まり、災害復興の原動力となっていただいたことは、県民に明日への希望と力を与えてくれました。

 県民の皆様の期待や全国の皆様の思いに応えるためにも、これまで対策に全力で対応してまいりましたが、さらに災害から復興し、あらゆる面で県民の安全・安心を確かなものとすることが、私の最大の責務であり、万全の対策をとってまいる考えであります。

 また、「福井元気宣言」を着実に実行することにより、ようやく明るい兆しがみえてきた産業の活性化を更に確実なものとし、県民がふるさとに誇りを持てる「プライド福井」を全国にアピールする準備もいよいよ整ってまいりましたので、県民の皆様や議員各位と力を合わせて、前向きに県政運営に取り組んでまいりたいと考えております。

 では、はじめに、当面する県政の諸課題につきまして申し上げます。

 まず、豪雨災害からの復興についてであります。

 当面の応急復旧対策をほぼ終え、激甚災害の国の指定が行われたこと、関係市町の災害対策本部がすべて廃止されたことから、県の災害対策本部を9月1日に廃止し、その後は、復興推進会議の下で、総合的に対策を講じていくことといたしました。

 また、大規模災害においては、国の支援が不可欠であることから、本県が新潟県や福島県とともに働きかけた結果、8月18日、19日の全国知事会議において、災害予防対策の充実強化、被災者住宅再建支援制度の拡充、災害復旧に係る国庫補助事業の適用対象の拡大等を国に求める「緊急提言」が全会一致で採択され、8月27日には、私が全国知事会の代表として、政府・与党に対し要請を行ったところです。同日併せて、介護を必要とする高齢者が、介護施設を避難所として利用した場合の支援措置を国に直接要請した結果、本県の考え方を取り入れて、全国で初めての支援事業が認められました。

 また、8月31日に小浜市で開催した第1回「福井県・京都府・兵庫県知事会議」におきましても、被害の実態に合った制度改正など、災害対策の充実強化を国に求めていくことで合意いたしました。 

 生活再建への支援につきましては、これまでに9千世帯を超える方々に「緊急被災者支援金」をお届けし、住宅につきましても、応急仮設住宅の建設と借上住宅により、26世帯104名の被災者の方々が入居されました。

 また、全国に先駆けて創設した被災者住宅再建補助制度につきましては、関係市町を通して補助金の受付けを始めており、手続をできる限り迅速に行ってまいりたいと考えております。

 次に、中小企業の復興支援につきましては、被害の大きな事業所を除いて、概ね通常操業に戻っております。8月補正予算で新たに設けました「中小企業支援緊急資金無利子貸付事業」は、9月10日現在で、115件、22億9千万円余、「小規模事業者緊急資金無利子貸付事業」は、24件、9千万円余の申込となっております。今後、できるだけ多くの中小企業者の方に利用していただくよう努めてまいりたいと考えております。

 また、伝統的工芸品産地の再生支援につきましては、越前漆器および越前和紙の産地組合において申請の受付を開始しており、需要創出や生産促進のための事業にも着手いたしました。

 若者就職支援センター(ふくいジョブカフェ)につきましては、福井商工会議所ビルの復旧に伴い、旧盆明けから業務を再開いたしました。

 次に、農業・農村の復興支援につきましては、被災地区における水稲の刈取り作業の応援など、緊急的な支援を行っておりますが、引き続き、被災集落等に対し重点的に営農指導を実施してまいります。

 また、農地や農業用施設、林道や治山施設などにつきましては、今月から順次、本格的な復旧工事に着手することとしております。

 次に、河川、道路、砂防等の公共土木施設につきましては、全力をあげて復旧作業に取り組み、概ね、仮復旧が終了いたしました。9月13日から始まった国の災害査定が10月下旬まで実施されますが、できるだけ早く決定し、順次、本格復旧に着手してまいりたいと考えております。

 足羽川につきましては、日野川合流点から板垣橋付近まで、緊急に堤防補強等の改良工事を行う河川激甚災害対策特別緊急事業を実施し、また、一乗谷川、鞍谷川等において、河道の拡幅や堤防嵩上げ等の改良工事を行い、再度災害の防止を図りたいと考えております。

 特に、足羽川については、堤防決壊が生じたことを踏まえ、福井市中心部全域にわたり、短期間にしゅんせつや堤防補強などを行うため、この秋から事業に着手し、住民の安心につなげてまいりたいと考えております。

 また、全般的な治水対策につきましては、現在、国と県が共同して設置した九頭竜川流域委員会において審議いただいておりますが、今回の豪雨の調査を踏まえ、委員会としての意見を取りまとめることとなっております。

 次に、JR越美北線につきましては、一乗谷・美山間を除いて、9月11日から運行が再開されておりますが、全線の運行再開に向けて、庁内に復旧対策チームを設置したところであり、さらに強力にJR西日本との協議を進めていく考えであります。

 今回の福井豪雨で得た防災に関する教訓や経験は、これを検証・整理し、今後の防災対策に生かしていくことが大切であると考えております。

 避難指示・勧告の住民への周知方法等の課題につきましては、9月6日に開催した福井県防災会議において、基準の明確化や周知方法の多重化などについて議論を行いました。今後、さらに検討を重ね、高齢者や一人暮しの住民の安全と避難確保を含め、県の地域防災計画の改定に反映することとしております。

 また、衛星携帯電話を県内全市町村および消防本部に配備するとともに、災害時には市町村間で相互利用する全国初のシステムを構築し、被災地域における通信手段の確保を図りたいと考えております。

 今回、県内外から延べ6万人を超えるボランティアの方々に駆けつけていただきましたが、豪雨の翌日の7月19日には、行政と民間とが一体になってボランティアセンターを設け、円滑な運営を行ったことは、「福井方式」として高く評価されております。

 こうした実体験に基づくノウハウを、本県の災害ボランティア活動の促進につなげるとともに、全国の災害ボランティア活動に活用していただくことが重要であります。

 このため、有識者による懇話会を設置して、災害ボランティアの活動促進策や本県独自の条例制定について検討を行うとともに、全国から参加者を募り、フォーラムやリーダー養成塾を開催したいと考えております。

 本県が、全国のモデルとなるこうした取組みを進めることが、この夏、復興にご尽力いただいた全国のボランティアの皆様の熱い思いに報いることになるものと考えております。

 次に、美浜発電所における事故について申し上げます。

 8月9日、関西電力美浜発電所3号機のタービン建屋で、二次系配管が破損し、高温蒸気の噴出により11名の死傷者が出るという、我が国の原子力発電史上最悪の痛ましい事故が発生いたしました。

 事故の報告を受け、直ちに県立病院等に専門医の派遣を要請し、同時に事故対策本部を設置して、ヘリコプターによる医師の現地派遣や重症の方の緊急搬送などを行いました。

 また、小泉総理大臣、中川経済産業大臣に、電話で直接、被災者の支援と事故原因の徹底的な究明などを要請し、翌日、現地を訪れた中川経済産業大臣に対して、改めて同様の要請を行いました。

 今回の事故は、本来なすべき安全点検を長年にわたって怠った結果、5名の尊い命が失われるという重大な事故を招き、県民の原子力発電に対する信頼を失ったばかりでなく、本県が長年積み上げてきた多くの努力の成果を損なうものであり、極めて遺憾であります。

 県といたしましては、国に対して、徹底的な原因究明と抜本的な再発防止策の確立、これまで事業者に委ねられてきた二次系の検査システムに対する国の関与の強化を強く要請しております。

 また、8月13日には、県原子力安全専門委員会の意見も踏まえ、関西電力に対して、「速やかに、全ての原子力発電所の運転を計画的に停止し、今回、事故を起こした箇所と類似する箇所等について、直接、健全性を確認すること」を要請いたしました。

 関西電力は、国の原子力安全・保安院と協議の上、同日中にこの要請を受け入れ、順次停止して二次系配管の肉厚点検を実施しているところです。

 当面は、関西電力の点検結果およびこれに対する国の見解、県の要請についての対応状況等を見極めながら、原子力発電所の安全性に対する県民の信頼・安心の回復に最優先で取り組んでまいりたいと考えておりますが、原子力発電所の高経年化が進む中で、安全管理の必要性はますます強まっており、こうした状況に対応した、より厳格な基準と運用、県としての監視体制が必要ではないかと考えております。

 本県の原子力行政は、「安全性の確保」を大前提としております。原子力発電は、わが国のエネルギーの安定供給の柱であり、本県にとっても重要な産業ではありますが、今回の事故により失われた県民の信頼・安心を回復しなければ、原子力に関する様々な課題を進めていくことはできないと考えております。

 次に、北陸新幹線の整備促進についてであります。

 整備新幹線の見直しにつきましては、6月に、与党整備新幹線建設促進プロジェクトチームでの取りまとめを受け、福井駅部における17年度初の着工および南越・敦賀間における工事実施計画の認可申請などを内容とする与党の見直し案が政府に対し申し入れがなされました。

この申し入れを受け、近く、政府・与党からなる検討委員会が設置される予定であり、安定的な建設財源の確保策や新しい区間の着工など、新整備スキームの決定に向けて検討が進められる見込みであります。

 県といたしましては、この検討委員会設置後、できるだけ早い時期に、県選出国会議員、県議会、経済界、沿線市町村、北陸同盟会と一体となって、政府・与党検討委員会のメンバーをはじめ、国および関係機関に対し、与党案の実現を強力に要請してまいりたいと考えております。

 今後、政府・与党間の申合せに向け、福井駅部周辺での認可・着工をはじめ与党案に盛り込まれている内容が確実に実現されるよう、また、北陸3県同時期での開業が望める一定規模の事業量が本県内において確保されるよう、県民一丸となった要請活動を展開し、県民の長年の悲願である県内着工の実現に向け、最大限の努力をしてまいりたいと考えておりますので、議員各位をはじめ県民の皆様の更なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。

さて、あわただしい県政運営の中にあって、地村さん夫妻の子どもたちが北朝鮮から帰国されたことは、大変うれしい話題でありました。3か月半あまりが経過いたしましたが、6月末からは嶺南振興局内の生活学習ルームにおいて、自立支援プログラムに基づき、日本語指導を開始いたしました。8月31日にその様子を直接拝見し、ご両親からお話を聞いてまいりましたところ、3人の子どもたちは熱心に日本語学習を続けており、また、ご両親、ご家族の指導のもと地域社会にも徐々に馴染んできております。

今後とも、できるだけ早期に、地域社会において自立した生活ができるよう、できる限りの支援をしてまいりたいと考えております。

 次に、「福井元気宣言」に掲げた諸施策について申し上げます。

 まず、「元気な産業」についてであります。

 最近の我が国の経済につきましては、「景気は、堅調に回復している」との判断が示されております。

 一方、本県経済につきましては、個人消費は、一部に明るさがみられるが、全体として横ばいで推移することが予想されております。生産活動におきましては、機械工業を中心に緩やかに持ち直しております。

 また、雇用情勢につきましては、7月の有効求人倍率は1.10倍と、引き続き緩やかな改善の動きが続いております。

 15,000人の雇用創出につきましては、来年の新規学卒者の就職環境が依然として厳しい状況にあることから、高校生も対象とした合同就職面接会「ふくい就職フェア」を緊急に開催することとし、就職応募機会の拡大を図ってまいりたいと考えております。特に、新規高卒者につきましては、私も直接、企業に対して協力要請を行い、求人の確保に努めております。

 「産力強化」につきましては、「福井県産力戦略本部」において「最先端技術のメッカ」づくりの基本戦略の検討を進めているほか、産力戦略本部のホームページの開設による情報提供などにより産学官連携を推進しているところであります。

 また、県内での創業を支援するために創設した「開業特別支援資金」は、これまでに、49件、約6億円の融資を行っており、さらに、産学官共同研究の18グループと企業15社が、繊維や金属加工の技術を生かした先端的な研究開発等に取り組んでおります。

 次に、観光客の誘致につきましては、これまでの観光施策を抜本的に見直す必要があり、本年7月に「福井県観光客倍増計画策定懇話会」を設置し、年内に、この計画を策定する予定であります。

 また、小松―上海便の定期就航に合わせて、11月に中国上海市で開催されます中国国際旅遊交易会に石川県と共同で出展いたします。中国などの旅行業者に対して、本県での宿泊を伴う旅行商品への助成、観光ルートの設定、土産の工夫、表示の改善を行うなど、目標を明確にして、中国をはじめとする東アジアからの観光客誘致を進めてまいります。

本年は「国際コメ年」であり、8月8日に「コメを考えるフォーラム」を、8月28日には「コシヒカリ一族大集合・稲刈り体験イベント」を開催いたしました。これからも、「コシヒカリのふるさと・福井」の全国PRに努めてまいります。

 また、今年の6月から8月にかけて、東京の「南青山291」で「産地直送291マーケット」を開催し、また、10月から11月にかけては、大阪で「産地直送ふくいマーケット」を開催いたします。

 こうした方法を通じて、県外に販路を求める意欲的な生産者の育成と大都市の消費者ニーズに応じた県産農林水産物の販路拡大を図ってまいります。

 次に、鳥獣被害対策につきましては、本年度から、全国に先駆けて、地域ぐるみで鳥獣被害に立ち向かう「鳥獣害のない里づくり」を推進しております。電気柵の共同管理や獣害防止に向けた若狭牛の放牧実験など、地域住民が一体となっての取組みを進めております。このような独自の鳥獣被害対策を全国に紹介する「全国鳥獣害のない里づくりシンポジウム」を来年2月に開催する予定です。

 次に、「元気な社会」についてであります。

 まず、少子化対策につきましては、9月4日に、保育の仕事で活躍されている方や県内企業の代表者などにご出席いただき、「仕事と家庭の両立」、「家庭・地域・企業における子育て支援」をテーマとするシンポジウムを開催いたしました。

 地域における子育て機能の強化や仕事と家庭が両立できる労働環境の整備などを柱に、本県の特性を踏まえた「第三次ふくいっ子エンゼルプラン(仮称)」を策定し、福井の未来を担う子どもたちが健やかに生まれ、育つための環境づくりを進めてまいります。

 また、病院や保育所等で一時的に、病気の治療中や回復期にある子どもを預かる「病児デイケア」につきましては、このたび、新たに武生市とあわら市で実施することとなりましたが、より多くの地域で整備が進むよう、積極的に働きかけてまいります。

 小児療育センター、特殊教育センター、福井東養護学校および県立看護専門学校の整備につきましては、このたび実施設計を終えたところであり、県立病院と関連付けながら、平成18年度の完成を目指し、年度内に建設工事に着手したいと考えております。

 次に、武生市上大坪町に建設中の南越養護学校につきましては、来年4月の開校に向けて準備を進めております。同じく4月に設置予定の福井赤十字病院内の福井東養護学校月見分校高等部と併せて、今回、設置のための条例案を提案させていただいております。

 県立大学の改革につきましては、9月10日に「県立大学あり方検討懇話会」の最終報告が取りまとめられました。「地域貢献の強化」、「教育の重視」、「大学経営の視点の導入」を改革の柱とする提言を受けたところであります。

 この懇話会の提言を踏まえ、県立大学改革推進会議を設置し、年度内に、大学改革の方向性を決定したいと考えております。

 県立大学においては、現在、「プレビジネススクール」を開講しており、10月からは企業の経営幹部、中堅社員などを対象とする4か月間程度の「短期ビジネス講座」を開講する予定であります。

 また、平成18年度を目標に、大学院の「ビジネススクール」開設の準備を進めており、本県産業を支える実践的な経営能力を身に付けた「みらい人財」の育成に努めてまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県土」について申し上げます。

 まず、高規格幹線道路の整備についてですが、舞鶴若狭自動車道につきましては、全線の早期完成に向け、来年度の日本道路公団の民営化までには小浜、敦賀両側からの用地買収の促進を図ることが重要であると考えております。

 9月12日に、美浜町で初めての用地買収契約が結ばれ、現在、全体の約40%の用地が確保されております。残りの用地取得に全力で取り組み、敦賀からの工事着工などによる全線の早期完成に向けて努力をしてまいります。

 中部縦貫自動車道につきましては、平成18年度までの福井・勝山間の一部開通に向け、鹿谷高架橋等の工事や用地取得に全力で取り組んでおります。大野・油坂峠間につきましては、本年度内のルート決定を目指し、早期に整備計画への組入れが行われるよう、引き続き国に強く働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、福井駅付近連続立体交差事業につきましては、JR線の約3.3キロメートルの計画区間のうち、豊島跨線橋および取付区間を除く約2.9キロメートルの高架部の工事が概ね完了いたしました。また、駅舎については、外観がほぼ完成し、現在、プラットホームやエレベーター等の内装工事を行っており、平成17年春のJR線高架化完成に向けて着実に事業が進んでおります。

 敦賀港および福井港につきましては、県内外の企業に対し積極的にポートセールスを実施しており、その結果、関税法上の開港を目指している福井港につきましては、外航船の入港隻数が、8月末現在で52隻となり、昨年1年間の実績を既に上回るなど順調な成果をあげております。

 今後とも、開港に向けて国に対する積極的な働きかけを行うとともに、港湾利用の更なる推進に取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「元気な県政」について申し上げます。

 まず、三位一体の改革につきましては、6月4日に「骨太の方針2004」が閣議決定され、政府から地方公共団体に対して、概ね3兆円規模の税源移譲を行う前提として、国庫補助負担金改革の具体案を取りまとめるよう要請がありました。

 これを受けて、全国知事会において真剣に議論を行い、義務教育費国庫負担金の廃止など項目によっては意見の違いがあったものの、地方公共団体の総意として「国庫補助負担金等に関する改革案」を作成しました。このことは、地方分権型社会の実現への大きな第一歩であると評価しております。

 この改革案をもとに、9月14日、関係閣僚と地方6団体の代表で構成する国と地方の協議機関の初会合が行われました。

 今後、政府において、この改革案を十分尊重し、改革の全体像を速やかに提示して、平成17年度、18年度の改革が着実に進みますよう、全国の知事と力を合わせながら、更なる地方分権の推進に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。

 次に、市町村合併につきましては、8月20日に、三国町、丸岡町、春江町および坂井町の坂井郡4町が合併協議会を設置し、現在は、6つの法定合併協議会を中心に具体的な合併協議が進められています。

 南条町、今庄町および河野村の合併につきましては、来年1月1日に「南越前町」を設置する旨の総務大臣の告示がされました。また、朝日町、宮崎村、越前町および織田町におきましては、来年2月1日に「越前町」を設置する旨の申請がありましたので、今議会に廃置分合の議案を提案しております。

 県といたしましては、合併関連の改正法や新法を踏まえながら、できるだけ多くの市町村において、合併特例法の期限内での合併が円滑に達成できるよう、積極的に支援してまいりたいと考えております。

 次に、フレンドリーバスにつきましては、1年間の試行の結果、6万人以上の方にご利用いただいたところですが、県立図書館等を利用する児童・生徒をはじめ県民の利便性向上を図るため、利用ニーズに応じた運行ルートを設定するとともに、運転業務の一部を県職員が行うなど、委託内容を見直し、事業を実施してまいりたいと考えております。

 次に、敦賀市民間最終処分場問題につきましては、このほど、その基本的事項について協議が整ったことから、敦賀市と共同で浸出液の漏出を防止する抜本的対策を進めることとし、そのために必要な調査を実施し、新たに設置する「敦賀市民間最終処分場環境保全対策協議会(仮称)」において、本年度中に技術的、経済的に合理的かつ効果的な対策を決定し、平成18年度には対策工事に着手したいと考えております。

 次に、県都の活性化の推進についてですが、手寄地区再開発ビルにつきましては、これまで、福井市や再開発組合と協議を継続してまいりました。

 福井市、再開発組合、事業パートナーとの協議を行い、その結果、当初計画から1フロアを縮小し、県はホールと事務フロアを取得する、1階から3階までの商業フロアについてはできる限り需要の見込める他用途への転換を図る、併せてこのフロアの需要確保に関しては将来的に県に負担を及ぼさないことなどについて合意に達したところです。

 このため、ホールおよび事務フロアの2階分の床購入費として、40億円の債務負担行為の予算案を提案しております。

 次に、国民保護計画につきましては、7月12日に計画策定に向けて準備会を設置し、また、住民の避難と救援、情報伝達の主要3分野に関し、それぞれ部会を設け、検討を重ねております。

 県といたしましては、今議会に、関係法律に基づく国民保護協議会および国民保護対策本部等に関し必要な事項を定める条例案を提案いたしたところであり、全国に先駆け、県の「国民の保護に関する計画」の年内策定に取り組んでいきたいと考えております。

 次に、県民生活の安全・安心につきましては、「福井治安回復プログラム」に基づいて施策を強力に展開してまいりました。平成15年における本県の刑法犯認知件数は前年比10%減と9年ぶりにマイナスに転じ、平成16年上半期においても前年同期比23%減と、減少率が全国第1位になるなど、大きな成果をあげました。

 一方、いわゆるオレオレ詐欺など、社会的弱者を標的とした身近な知能犯罪が急増しています。今回、「「身近な知能犯罪」抑止プログラム」を作成し、県、警察、市町村等が協力して被害の未然防止を図る出前講座の開催などの事業を全県的に展開いたします。

 次に、ふくいブランドの創造につきましては、本年度からスタートした「地域ブランド創造活動推進事業」に20件のビジネスプランの応募があり、この中から「三国湊魅力づくりプロジェクト」、「今立 古民家・匠・ロングステイ プロジェクト」の2事業を採択し、3か年計画の1年目の事業を始めたところです。

 今後、「健康・長寿」を本県の誇るブランドとするという基本戦略に基づいて、イメージポスターによる広報、1,000名を超える「ふくいブランド大使」の活動等により、ふくいブランドの全国展開を強化してまいりたいと考えております。

 次に、来月開催する第17回全国スポーツ・レクリエーション祭「スポレク福井2004」につきましては、広く県内外への周知、広報を図るなど、鋭意準備を進めているところです。

 また、平成17年度に開催する「第20回国民文化祭・ふくい2005」につきましては、10月24日に、サンドーム福井を会場に1年前イベントを開催し、気運の醸成を図るとともに、大会に向けて諸準備を進めてまいりたいと考えております。

 次に、今回提案いたしました補正予算案は、福井豪雨からの災害復興、災害を契機とする災害ボランティア活動の推進等に重点を置いた補正を行おうとするものであります。

 その結果、補正予算案の規模は、

   一般会計    121億9,523万円余

   特別会計     18億7,149万円余

   企業会計      3億  822万円余

    計      143億7,495万円余

となり、本年度予算額の累計は、

   一般会計  5,543億6,091万円

   特別会計    297億4,379万円余

   企業会計    421億  552万円余

    計    6,262億1,022万円余

となった次第であります。

 これに見合う歳入予算につきましては、国庫支出金40億8,427万円余、県債54億200万円、確実に収入が見込まれる地方交付税4億416万円余などを計上いたした次第であります。

 その他の議案につきましては、それぞれ記載の理由に基づき提案いたした次第であります。

 以上、私の県政に対する所信の一端と予算案等の概略につきまして申し上げました。

 なにとぞ慎重にご審議のうえ、妥当なご決議を賜りますようお願い申し上げます。

 

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