新世紀ふくい生活交通ビジョン

最終更新日 2009年4月4日ページID 003031

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新世紀ふくい生活交通ビジョン策定に当たって

策定の趣旨

少子高齢化の進行や高度情報化の進展などに加え、交通バリアフリー法の制定や需給調整規制の廃止、地球環境保全への対応など、様々な社会環境の変化が見られます。

こうした環境の変化とともに地域公共交通の役割も多様化しており、輸送力の拡大など交通の量的改善はもとより、輸送の効率性や移動の快適性、地球環境との調和や安全性の向上といった交通の質的側面の向上も重視されるようになってきています。

しかし、本県においては、人々の生活のあらゆる面で自家用車に依存する傾向がますます高まっており、地域公共交通の利用状況をみても、依然、利用者数の減少傾向に歯止めがかからず、交通事業者の採算性を悪化させています。

そこで、学生や高齢者などいわゆる交通弱者はもとより、地域住民の日常生活における移動手段として重要な役割を担っている地域公共交通の維持、活性化に向けた抜本的な対策が必要となっています。

このため、将来にわたって地域公共交通のあり方、今後の目指すべき方向性を明確にし、その実現に向けた具体的施策を提示して、総合的・計画的に公共交通政策を推進していく必要があることから、平成13年度より地域公共交通の目指すべき方向性や活性化に向けた具体的施策などについて検討を加え、その基本的指針となる「新世紀ふくい生活交通ビジョン」を策定しました。

新世紀ふくい生活交通ビジョンの役割

地域住民の日常生活を支える地域公共交通について、近年の急速な環境の変化や利用者の減少に対する今後の方向性を明確にし、具体的な施策を提示して、本県の公共交通施策を総合的、計画的に進めるための基本的な指針とします。

なお、「ビジョン」に掲げる施策の推進に向け、県民の理解と協力および交通事業者と県・市町村の連携による積極的な事業展開を図り、新世紀における”ふくいの新しい公共交通体系”の構築を目指していきます。

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地域公共交通の今後の目指すべき方向性

生活交通ルネサンス -クルマとの共存、新しい公共交通の創造に向けて-

公共交通の利用者離れを食い止め、クルマから公共交通へのシフトを促すことによって需要の増加を図り、地域公共交通が昭和40年代前半の元気な姿を取戻し(ルネサンス:復興、再生)、さらに、将来の真に豊かな県民生活を支える「生活交通」への飛躍を目指して、新世紀ふくい生活交通ビジョンの基本コンセプト(基本理念)を、「生活交通ルネサンス -クルマとの共存、新しい公共交通の創造に向けて-」としました。

施策の基本的方向

基本コンセプトの実現に向けて、以下の5つの視点(「基本的方向」)に基づき、施策の展開を図っていきます。

  • クルマと公共交通の共存する社会の創造
  • サービスの抜本的改善による利便性の向上
  • ネットワーク(地域連携)やまちづくりへの配慮
  • みんなで支えていこうという県民意識の醸成
  • すべての人と環境にやさしいユニバーサルデザインの視点

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基本施策の展開

基本施策の展開に当たって

5つの基本的方向に基づく基本施策の展開に当たっては、以下の3点に配慮しました。

  • 「地域」が主体となった生活交通の維持・活性化

    これまでの行政による交通事業者への助成を中心とした公共交通の維持・確保から、地域住民の日常生活に欠かせない「生活交通」を維持、活性化するのは地域自身であるという意識のもと、「地域」が主体となって施策を展開

  • 新たな価値観の創出による持続的な発展

    環境や福祉、まちづくり、教育等に与える社会的効果も含めた、地域公共交通の新しい価値観の創出による、将来にわたる持続的な地域公共交通体系の構築

  • 地域の特性を勘案した施策展開

    地域の人口や産業構造、交通環境等の地域特性を踏まえ、それぞれの地域に適した施策展開の整理

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17の基本施策

5つの「基本的方向」に基づき、体系的にそれぞれの基本となる具体的施策(「基本施策」)を以下のとおり策定しました。

  1. クルマと公共交通の共存する社会の創造
    1. 生活交通ネットワークの確立に向けた推進体制の整備
  2. サービスの抜本的改善による利便性の向上
    1. 潜在的需要を踏まえた運行本数、運行時間帯の拡大
    2. バスにおける定時性の確保、運行形態、路線の見直し
    3. アクセスおよび乗り継ぎの改善に向けた駅、バス停留所の整備
    4. 災害時における交通の確保および公共交通の利用促進
    5. 利用料金の低減化、わかりやすい運賃体系の導入による需要の喚起
    6. 利用環境の向上に向けた施設の整備、新しい技術の導入
  3. ネットワーク(地域連携)やまちづくりへの配慮
    1. 地域内および広域的、幹線的な生活交通ネットワークの確立
    2. 公共交通の整備におけるまちづくりとの連携
    3. 過疎化が進行する地域の生活交通確保と地域活性化
  4. みんなで支えていこうという県民意識の醸成
    1. 公共交通の維持・活性化に向けた意識(愛着心)の醸成
    2. 交通関係諸団体および交通関連NPO等との連携
    3. 住民意見の反映による公共交通活性化策への合意形成
  5. すべての人と環境にやさしいユニバーサルデザインの視点
    1. 駅やバス停留所など交通ターミナルのバリアフリー化
    2. 低床式車両やスペシャルトランスポートサービスの導入推進
    3. 地球環境への負荷の低減に向けた公共交通の利用
    4. 地域住民の環境への意識高揚によるライフスタイルの転換

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地域別展開

県内の各地域において、体系別展開を実施していく際には、それぞれの地域の特性や交通環境の違いによって施策の必要性や重要度が異なります。

そこで、人口や経済、流出・流入の状況など生活交通に密接に関連する指標から、地域の特性を明確化し、各地域を「都市地域」「郊外地域」「過疎的地域」の3つに区分するとともに、それぞれの地域において主要な施策を再整理し、望ましい公共交通サービスの姿を提示することによって各地域の効率的な施策展開を図ることとしました。

なお、「地域」のとらえ方としては、1市町村を1地域とする場合、各市町村内の1地区を1地域とする場合、さらに、広域化している「生活圏」を勘案して複数市町村を1地域とする場合などいろいろなパターンが考えられます。

  1. 都市地域における施策の展開

    周辺部の中心的機能を担い、公共交通の需要も大きいことから、利用者の多様なニーズに対応できる、より密度の高いサービスの提供と公共交通ネットワークの形成を図っていきます。

    1. 中心部として密度の高いサービスの提供、地域内生活交通ネットワークの強化
    2. 広域的、幹線的な生活交通ネットワークの確立
  2. 郊外地域における施策の展開

    都市地域と連携して生活圏を形成しているため、地域内における日常的な活動を支える公共交通サービスを向上させるとともに、都市地域へのアクセスの強化を図っていきます。

    1. 地域内生活交通のサービス向上
    2. 広域的、幹線的な生活交通による都市地域へのアクセス強化
  3. 過疎的地域における施策の展開

    公共交通需要が少なく、事業者の撤退、サービスの低下が懸念されており、地域と行政が一体となって地域住民の日常生活を支えるシビルミニマムとしての生活交通を確保していきます。

    1. シビルミニマムの確保に向けた効率的な運行
    2. 地域内の相互扶助による取組みの促進

公表資料

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