このページは、平成２４年１０月２７日（土）に金津創作の森で行われた、「アートドキュメント2012長谷光城の現在―はざま―」開幕式での知事祝辞をまとめたものです。

　本日、「アートドキュメント2012長谷光城（ながたにみつしろ）の現在－はざま－」が、ここご当地の金津創作の森美術館において盛大に開催されるに当たり、本日は吉田議長、あわら市長、若狭町長、美浜町長そのほか多くの皆様のご出席のもと、ご一緒にお祝いを申し上げます。

　長谷さんは、若狭の自然と深く関わりながら、木や紙や石などを素材として精力的に創作活動に取り組まれ、本県を代表する現代美術作家として、また指導者として、本県の芸術文化の振興に大きく貢献されています。

　こうした長谷さんの作品を辿る展覧会が、美しい自然の森に囲まれた美術館で展示されることは、誠に同慶の至りであり、開催にご尽力された皆様の努力に深く敬意を表します。

　今回の展覧会では、二つの事物の関係に必ず存在する「はざま」をテーマに、野外展示を含め、７０点を超える多彩な作品が展示されますが、期間中、数多くの方が、長谷さんの作品にこめられた壮大な自然観を感じ取り、ご堪能いただくことを心から祈念申し上げます。

　また、長谷さんは、教育者としても、長年にわたって教鞭をとられ、子どもの造形や絵の研究に成果を上げられるとともに、不登校の子供たちの地域での教育、行政的にも県教育庁教育審議監として、本県の教育改革にも積極的に取り組んでこられました。

　心豊かで、潤いのある生活を実現するためには、芸術文化は欠くことのできないものであり、県においては、より多くの県民の皆さんが、身近に優れた芸術や文化に親しむことができる社会づくりを進めています。学力、体力日本一の福井でありますが、美術、音楽、文学など、芸術力も総体的に関係者の活動がさらに広まるよう、教育を含めて振興すべきタイミングとも思っています。

　来秋には、本県にゆかりの深い「岡倉天心」の生誕150年・没後100年を記念した企画展を県立美術館で開催する予定です。

　長谷さんをはじめ、土岡（つちおか）館長をはじめとする当美術館の皆様には、本県芸術文化の発展のため、引き続きご支援賜るようお願い申し上げます。

　結びに、本日から開催される展覧会の盛況と来場の皆様の益々のご発展、ご健勝を心からお祈り申し上げ、お祝いのことばとします。