食育推進全国大会あいさつ

最終更新日 2010年2月4日ページID 000577

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このページは、平成19年6月9日(土)にサンドーム福井で行われた食育推進全国大会の開会式のために用意したあいさつを掲載したものです。

190609あいさつ写真1 第2回食育推進全国大会の開催に当たり、主催者の一人としてごあいさつ申し上げます。

 本日は、「健康長寿な福井から全国に広げる食育の輪」をテーマとして、第2回食育推進全国大会を開催いたしましたところ、全国各地域から、多くの皆様がこの福井県にお集まりいただき厚くお礼申し上げます。

 福井県民を代表し心から歓迎の意を表したいと思います。そして、この大会が関係各位の協力のもと、福井県において開催できますことは、喜びであり大変、光栄に思います。

 さて、本県は豊かな自然に恵まれており、その中で特色ある特産物が生産されています。ちょうど今、収穫時期を迎えているのが福井梅とラッキョです。福井梅は肉厚で種が小さく食べやすく、ラッキョは小粒で身が締まり歯ごたえの良さが自慢となっております。

 また、5月下旬には県内一円で初夏の風にゆられる麦秋の風景が見られたところでありますが、本県は大麦の生産量が全国一となっており、麦麺や麦ごはんとして利用されております。

 さらに、福井県で生まれ、全国で最も多く栽培されているコシヒカリは、甘くて艶があり、おいしいお米の代名詞となっています。この他にも、越前ガニ、若狭ガレイ、ミディトマト、スイカなど全国に誇れるおいしい食材が数多くあります。

 福井県は男女とも全国第2位の「健康長寿」県でありますが、これらの旬の幸をバランスよく食べるという食生活が実践されており、健康長寿を支える大きな要因の一つとなっております。

 日本は、現在、世界一長寿な国でありますが、本県の健康的な食生活は、世界に誇れるものであると自負しているところであります。

 しかし、最近、好きな物だけ食べるという偏った食事や食生活の乱れによる肥満、生活習慣病の増加、一日のうちで最も大切な朝食を摂らない等、食に関する課題が顕在化しております。

 このような中、福井県においては、早くから食育の重要性を認識し、県民が健康的な食生活を実践し、豊かな人間性を育み、生涯健やかな生活をおくることを目指して、
 ① 食に関する知識を深める 
 ② 福井型食生活を実践する
 ③ 福井県の食文化の知識を深める 
 ④ 食への感謝の心を育む
 を食育のねらいとして、家庭、地域、学校において、子どもから大人まで、あらゆる世代を対象に、農林水産物の生産から食べるまでの体験を重視した食育を推進しております。 

190609あいさつ写真2  福井県の主な食育活動として、魚をさばく調理技術の習得を目指すことや食に感謝する豊かな心を育むことを目的として、「魚がさばける福井人育成県民運動」を強力に展開しており、昨年度は2,300名を育成したところであります。

 また、食に関わる環境問題に着目し、適量注文や小盛り注文に気軽に対応できる飲食店、料理店等を募集し、その活動を促進する「おいしいふくい食べきり」運動により、料理の食べ残しを減らすことにも積極的に取組んでおります。

 学校での食育活動においては、平成17年度に全国に先駆け栄養教諭を配置し、食に関する授業や食物アレルギー、肥満等の課題を抱える子どもや、その保護者に対する相談活動を実施しております。

 さらに、地元の生産者と連携しながら、四季折々の地場産食材を活用し、季節感あふれるおいしい給食の提供に努めるとともに、生徒に生産の楽しさや大変さを伝える活動にも積極的に取り組んでおります。

 また、高校生に対し望ましい食生活の知識を習得してもらうために、食育ボランティアによる出前講座の開催や、楽しみながら食育を学ぶ「高校生食育王選手権大会」などユニークな取組みも行ってまいりました。

 家庭での食育の実践を推進するため、「食育家族実践コンクール」を開催しており、朝食を家族全員で摂るための工夫、農業体験を通じた活動等の取組みを募集し、公表することを通じ、家庭における食育実践の重要性について、理解を深める活動を促進しているところであります。

 一方、福井県内の市町においても食育を重点課題として積極的に推進しており、特に、小浜市の御食国(みけつくに)という歴史的な背景を生かした食育活動、鯖江市の公民館が主体となり食文化を学ぶ講座の開催、福井市の農林漁業との連携による体験型の食育など、それぞれの地域の特色を活かした活動を実践しております。

 このように、関係機関、団体等が一体となって食育活動に取り組んできた結果、最近の調査では、児童生徒や保護者等の食に関する意識が向上し、児童、生徒の朝食欠食率の低下や、食べ残し等に関心を持つ人が増加する等、着実に成果が上がってきております。

 ところで、食育という言葉を日本で最初に唱えた石塚左玄は、本県の出身でありますが、食の栄養、安全、選び方の知識と、それに基づく食生活が心身ともに健全な人間をつくるという教育や、地方に先祖代々伝わってきた伝統的食生活にはそれぞれ意味があり、その土地に行ったらその土地の食生活に学ぶべきであるという「身土不二」の考え方を生み出しました。

 また、小浜藩医であった杉田玄白は、健康で長生きの秘訣として、望ましい食生活や適度な運動等を推奨する「養生七不可」を残しています。

 こうした先人の健康づくりの精神を大切にし、食育発祥の地であるということを生かしながら、福井県の食育をさらに充実させていきたいと考えております。

 今後の、食育の推進に当たっては、食や農の体験を重視した食育の推進に加え、一人ひとりが心穏やかに食と向き合う場として、夕食時には家族揃って食卓を囲めるよう「家族時間」を長くする食環境づくりを推進してまいりたいと考えております。

 また、この食育推進全国大会で結集した力を発展させるため、食に関係する数多くの団体に加え、環境、産業などさまざまな立場の人々が幅広く関わる運動として盛り上げることにより、「食育といえば福井県」と全国の方に覚えていただけるよう、今後とも積極的に食育活動に取り組んでいく所存であります。 

190609あいさつ写真3  この大会では、食育をテーマとしたフォーラムや講演が行われる予定となっております。

 また、全国各地域で食育に携わっておられるボランティア団体、農林漁業、食品産業の皆様の取組みを紹介する展示をはじめ、福井県のブースにおいては、魚をさばくことや伝承料理体験、栄養教諭の公開授業、食と環境の関わりを学ぶ学習等、福井県の特色ある食育活動を数多く紹介しております。

 明日は、全国各地域から高校生が参加し、料理の技術や食の知識を競う「全国高校生食育王選手権大会」を開催いたします。

 この大会は、過去2回本県で開催してきたものを、全国大会に発展させたものであり、北は北海道から南は鹿児島まで全国から選ばれた12チームにより高校生食育王が決定されます。

 また、本県には、地元で収穫された穀物や野菜を主な材料としてつくる報恩講料理や、食材を生かし食べる人の身になって料理する精進料理といった食文化が根づいておりますが、展示コーナーにおいて紹介や試食を行っておりますので、健康長寿を支えてきた食文化を体で感じていただきたいと思います。

 このように盛りだくさんの内容の企画を用意しておりますので、皆様には食に関する幅広い知識を楽しみながら学んでいただけたらと考えております。

 最後に、本大会の開催にあたり、ご尽力をいただきました関係者の皆様に深く感謝を申し上げますとともに、2日間の大会が実り多いものとなり、福井県から食育推進の輪が更に広がり、食育で健康長寿日本に繋がっていくことを祈念いたしまして、開会に当たってのあいさつといたします。

 

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