福井県公立学校の教職員として、本日新任辞令を受けられた丁度100名の若さあふれる皆さんに、心からお祝い申し上げます。
皆さんの中には、教職の道を志し、何度もチャレンジして合格された方もいらっしゃるのではないかと推察いたします。難関を乗り越えて本日の辞令を手にされたわけでありまして、感激もひとしおではないかと思います。
教育は言うまでもなく、児童・生徒の人格の望ましい発達を目指すとともに、将来、社会の一員として生きていく力を育てる大切な仕事であります。
皆さんには、本日の新たな心境を大事にして、教育にかかわる仕事を、授業で教える、生活指導をする、あるいは保健指導をする、それぞれの立場で児童・生徒の育成に取り組んでいただきたいと思います。
さて、福井県では、福井の豊かさ・住みやすさを基本として、新しい時代にふさわしい「生活の質」、この中には第一に教育の質も含まれておりますが、これを生み出すことを目標にしています。そして県民の皆さんが「楽しみ」や「喜び」を持って暮らせる理想の県を目指し、「福井新元気宣言」を基に様々な施策を進めております。この中に「教育」という大きな分野が占めているのです。
現在、県内外の有識者で構成する「教育・文化ふくい創造会議」において、本県の教育・文化の新たな振興方策を検討し、着手可能なものからできるだけ早く実行に移しております。
昨年11月には、「総合的な学力」の向上、教員の指導力向上策、理科・数学教育の充実について、第一次の提言を受けました。新年度の予算において本県独自の具体的な施策を速やかに実行することを考えています。
そうしたことを考えますと、若い皆さん先生方には、子どもたちに教育を行う前に、御自身が活動的で気概のある先生になるように、まずは自己啓発に努めることが必要だと思います。子どもたちに教えよう、教えようという気持ちを強く持たれるのも大事でありますが、まず自身が、今日より明日、明日より明後日というように、自ら成長していただくことが子どもの教育につながると思います。
もう少し詳しく言いますと、これから生涯にわたって学習を自分の力でしなければならないというのが、皆さんの責務であると考えます。我々も同じ立場ではありますが、皆さんは子どもたちを教え、また生活指導をされる方々でありますので、普通の公務員以上に自己啓発というのが重要であります。
なぜなら皆さんが成長しないと、福井の子どもたちはその分だけ成長が遅れ、可能性が阻まれることになるからです。
子どもたちの一日一日を大事にしてほしいと思います。皆さん方は、一年ぐらいの単位で自分の目標を立てて頑張られれば結構ですが、子どもたちは一瞬一瞬と言いますか、一日一日が貴重であります。そういう気持ちでお取り組みいただきたいと思います。
「坊ちゃん」、「二十四の瞳」あるいは「赤毛のアン」など、皆さんが少年少女の頃読まれたことのある小説にも様々な先生が登場します。
これから学校に行かれますと、実に様々なことが起こると思いますが、どうか御自身が絶えず子どもたちのために成長され、子どもたちのために教育を進めるんだという温かい気持ち、公平な心で、子どもたちに接していただき、福井県の教育を良くしてほしいと思います。
そして、自分は日本一の先生になるんだと、そんな気持ちで頑張ってほしいと思います。
終わりに、皆さん方には、今申し上げた中の一つでも何か役に立つことを掴んでいただき、それぞれの立場で、校長、教頭、先輩、そして同僚の先生とともに仕事を進めていただくことを祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。
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