平成20年度福井県立大学入学式あいさつ

最終更新日 2010年2月4日ページID 005454

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 このページは、平成20年4月7日(月)に福井県立大学で行われた平成20年度福井県立大学入学式でのあいさつをまとめたものです。

200407あいさつ写真1 平成20年度の福井県立大学入学式に当たりまして、一言お祝いを申し上げます。

 本日、難関を乗り越え、晴れて福井県立大学に入学をされた皆様に対し、心からお祝いを申し上げます。また、今日まで愛情を持って皆さんを育ててこられましたご家族の皆様に対しましても、心からお喜びを申し上げます。

 この春も、国内外から希望に満ちた優秀な新入生の方々を、福井県立大学に多数お迎えすることができましたことは、福井県としても大きな喜びであります。

 福井県立大学は、福井県が設置している大学であります。そして、大学の運営は、石井理事長、祖田学長はじめ大学関係の皆さん、そして同窓会、後援会の皆さんが力を合わせて行っています。

 本大学は、県民や多くの方々の期待を担い、「魅力ある大学」「個性ある大学」「開かれた大学」の建学の精神の下に、平成4年の春、開学いたしました。ここにおられる皆様は、第17回目の新入生ということになります。卒業生はすでに4600人を超えるに至り、福井県はもとより、全国各地で活躍しておられます。

 さて、近年、グローバリゼーションや本格的人口減少社会の到来など、日本の社会は大きな転換期を迎えております。このような中で、企業や地域社会は、様々な問題の解決能力を持ち、チャレンジ精神にあふれた人たちを求めています。

 福井県立大学は、このような地域や時代のニーズの変化に迅速かつ柔軟に対応できるよう、昨年4月に公立大学法人に移行しました。また、来年には生物資源学部の2学科をそれぞれ独立の学部とし、県内で最も多い4学部を擁する大学となる予定であります。より一層、地域社会に貢献できる大学として発展を続けてほしいと思います。

 新入生の方々には、この福井県立大学で、将来の夢に向かってしっかりと自己研鑽に励んでいただき、福井県を、そして日本を支える人材になっていただきたいと思います。

 せっかくの機会でありますので、皆さんの学生生活そして福井のことについて、少しお話ししたいと思います。

 一点目は、大学では、今までと異なり、多くの時間をご自身の自由な意思で使うことができるということです。高校時代と違って、決まった教科書とか決まったスケジュールというものがなくなります。したがって、勉強、友人や先生方との交流、趣味やスポーツ、社会活動など、やりたいことがたくさん出てきます。一方で、どう優先順位をつけて、自分の時間をどう配分していくかを、ほとんど自身の判断で行う必要があるわけです。私自身の学生の頃の経験からも、あまりにも何でもできるような気持ちになり、気分が散ってしまい、結局何も十分にできなかった反省があります。

 大学で学ぶ期間は、人生の進路を決める大切な時期であります。長いように感じられるかも知れませんが、計画的に使わないと、永遠にその時間は戻ってきません。希望する進路のために今、何をすべきなのか、時間をどう使うべきなのかを十分に考えて、有意義な学生時代を送っていただきたいと思います。

 先週の日曜日の読売新聞のコラム欄に祖田学長の「着土」というお話が載っておりました。福井県立大学の先生方は様々な分野で活躍をしていただいております。大学の授業で学べることは限りがありますので、皆さん一人ひとりの関心とは少しずれが生じるかも知れません。したがって、自分で自己学習、主に読書計画などを作って、様々な本を読んでほしいと思います。

 抽象的に申し上げては分かりにくいですから、具体例を申し上げます。経済学であれば、福井県立大学の先生方が執筆している朝日新書「わかる現代経済学」という本が昨年末に出されました。これは分かりやすい経済学の入門書です。一方で、「ケインズの一般理論」という旧訳を直した新しい翻訳の書物が出ました。これはなかなか難しい本だと推定されますが、是非皆さん方には、古典と入門書をうまく組み合わせて、少しずつ進歩していただくように期待しております。大学で学ぶ際には抽象的な話が多いわけですので、いつも具体的なイメージ、例えばコンビニでおにぎりを買う、会社でアルバイトをする、お米を作るボランティアをする、貯金を引き出すなど、様々な具体的な例をいつも頭の中に入れて、経済学あるいは具体例は申しませんが自然科学などをそれぞれ勉強していただくと良く分かるのではないかと思います。

200407あいさつ写真2 二点目は、県立大学の先生に積極的に話を持ちかけたり、相談してほしいということです。私も知事の立場で県立大学の先生方に「学生諸君のために仕事をしてほしい、そして研究をしてほしい」と絶えず申し上げております。そして先生も努力しておられるわけでありますが、学生の方で先生に働きかけなければなりません。経済学でいいますと、需要といいますかニーズというものを皆さんが作っていかなければなりません。そうしなければ先生からの供給というものも十分受けられません。大学は学生と先生の『共動』の場でありますので、このようなことを念頭に置いて、遠慮なくご意見を出され、素晴らしい大学を一緒につくって欲しいと考えます。

 さて、今年も県内外から多くの方が入学されたわけでありますが、福井県は自然や歴史、文化の豊かな県であります。そして日本一うまいもののある県であるなどいろいろな調査結果で出されています。おいしい食材がふんだんにある県であります。昨年実施した県民アンケートの結果では、「福井県に住んでよかった」「どちらかといえば住んでよかった」という人の割合が8割を超えています。こういう県は少ないと思います。様々な条件に恵まれた県であります。是非、4年間、あるいは2年間の方もいらっしゃるかも知れませんが、福井県の様々な生活をお楽しみいただきたいと思います。また、福井県は「ふるさと納税」の提唱県でもあります。
せっかく福井県で学ばれるわけですので、福井県の良さを十二分に満喫されたいと思います。そして、これからの福井県のサポーターになっていただいて、帰省の際には福井の良さをPRして欲しいと思います。

 ここ福井での学生生活が、皆さんにとりまして輝かしい青春時代の記憶に残る1ページとなりますことを心からご期待申し上げまして、お祝いのごあいさつといたします。

 本日は誠におめでとうございます。

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