本日は、青木保 文化庁長官をお招きいたしまして、「文化芸術懇談会」をわが福井県で開催できますことを、県民を代表して感謝申し上げますとともに、大変うれしく思います。
この「文化芸術懇談会」は、平成14年度から毎年全国各地で開かれておりますが、福井県では今回が初めての開催となります。
本日お集まりの皆様方には、誠にご多用の中、積極的にご参加をいただき、厚くお礼申し上げます。
さて、私はこれまで、文化については「いつでも身近に福井の文化」という観点から、県民の皆様方、特に子どもたちの時代から第一級の芸術・文化を身近に体験できるよう、様々な取組みを進めてまいりました。
例えば、本格的な音楽専用ホールの県立音楽堂で、園児や児童を対象にした「ちびっこコンサート」を開催したり、県立美術館の収蔵品を学校などで出張展示する「ふれあいミュージアム」など、子どもたちが本物の音楽や美術に触れる機会を増やす取組みを積極的に行っております。
しかし、まだまだ足らないわけでありまして、福井県の子どもたちがハーモニーホールに果たして行ったことがあるのか、あるいは県民の皆さんが一度は行っていただいているかというと、いろいろな方からお聞きしますとはなはだ十分でないところもございまして、もっとそのような機会を増やさなければならないと思っております。
また、文化財に関しましても、福井にはたくさん価値の高い文化財があります。今日は文化庁長官もお見えでございますが、国の指定をもっと受けられるよう、我々も努力しなければなりません。そして、文化財の保存・活用、発表が大事であります。また、地域の祭りや民俗芸能などを発表する「ふくいふるさと祭り」の開催などを通して、文化財を多くの方々に、身近でわかりやすいものにしていかなければならないと思っております。
あわせて、我々普通の人たちの普通の文化といいますか、食べ物がうまいとか、あるいは日々の生活がどうだとか、これもこれからの、俗っぽく言いますと一種の大衆文化でありまして、こういう文化が基本にあって初めて、未来への希望とか幸福とかいろいろなものを感じていくのではないかと思っております。
青木長官は福井のいろんなところをよくご存知でございますが、これからも皆さんのお力を得て、ふくいの文化を発掘し、底辺を広げ、嶺を高くして、そして我々もその意味を理解し、語り、発表するということがますます大事だと思います。
今日はこのあと、文化庁から国の施策のご説明や、青木長官を交え、地元の皆さんにもご参加いただいて「歴史遺産を生かしたまちづくり」をテーマにしたシンポジウムが開催されます。
会場の皆様方からも積極的なご意見をいただくなど、活発な議論が交わされ、今日の懇談会を契機に、文化や芸術、歴史遺産への関心がより一層高まるようお願い申し上げます。
現在、県におきましては、教育委員会を中心に「教育・文化ふくい創造会議」を設けまして、いよいよ第三次のプロジェクであります「文化」を中心に計画を作り、行動に移そうということになっており、今日はまさにそのきっかけとなるすばらしいお集まりだと思います。
どうか皆様方には、本日の懇談会が成功裡に終わりますよう、積極的なご協力をいただくことをお願い申し上げまして、開会のごあいさつといたします。
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